玄米は体に良いけど、ポソポソした硬い食感がイヤというかたも多いですよね。
しかし、圧力鍋を使えば、玄米とは思えないほどもちもちに炊き上がりますよ。
今回は、圧力鍋を使って玄米を炊く方法を、洗米の仕方や水加減、火加減などのポイントを押さえながらご紹介していきます。
玄米を圧力鍋で炊く前にやっておきたい!吸水率を高める下準備とは?
玄米を圧力鍋で炊くと、もちもちに炊きあがります。
しかし、できるだけおいしく、ふっくらと炊き上げるには、丁寧な下準備が必要です。
順を追ってご説明いたしましょう。
①水で軽く洗ってゴミを取り除く
玄米はもみ殻だけを取り除いた状態なので、ゴミや殻のカスなどが混入しています。
そこでまず、このゴミを取り除きます。
炊く分の玄米をボウルなどにあけて水を注ぎ入れ、軽くかき回すと不純物が上に浮き上がってきますから、手で取り除いてあげます。
この作業を水をとりかえながら2~3回行います。
②拝み洗いで外皮にキズをつける
次に玄米を両手にとり、こすり合わせるように洗います。
こうすることで外皮にキズが付き、キズ口から吸水できるので、水分の浸透率が高まるのです。
玄米は水の吸収が悪いため、炊き上がりがポソポソと硬くなりがちです。
おいしく炊くポイントは、いかに多くの水分を吸収させ、柔らかくふっくら炊きあげられるかにかかっています。
格好がまるで拝んでいるようなので「拝み洗い」と名付けられたこの洗米方法をとることで、玄米の内部にしっかりと水分を行き渡らせましょう。
拝み洗いを2~3回繰り返したら、次の工程に進みます。
玄米を圧力鍋で炊く前に欠かせない!一晩水に漬けておくこと
白米でもそうですが、お米は研いで(洗って)から水に漬けておくことで水分を吸収し、ふっくらつやつやに炊きあがります。
玄米は白米よりも水の吸収率が悪いので、長めに水に漬けておきます。
最低でも6時間、できれば8時間は漬けておくといいでしょう。
前日の夜に翌朝分をセットしておくのがおすすめです。
夕食分には、その日の朝食後にセットしておきます。
圧力鍋の場合、水に長時間漬けておかなくても、洗ってすぐでもしっかり炊けるといいますが、硬い食感が残ります。
芯のない、ふっくらもちもちの食感に仕上げたいならやはり、水に漬けておいた方がいいですね。
ボウルに洗った玄米を入れ、浸る程度の水を注ぎ入れて一晩寝かしておきます。
あるいは、直接圧力鍋に玄米と水を入れておいてもOK。
そのまますぐに炊けるので合理的です。
圧力鍋で玄米を炊く時の水加減はどれくらい?
玄米を一晩水に漬けておいたら、そのお米と水と塩を圧力鍋に入れましょう。
塩を入れることで吸水率が増し、糠臭さが取れるうえ、海塩にすればミネラルも補給できます。
塩の量は玄米2合に対し、小さじ1/2杯、3合に対して小さじ2/3杯が目安です。
水は玄米の1.2~1.5倍くらい入れます。
玄米が2合なら水の量は約430ml~540mlに、3合なら約650ml~810mlです。
水の量はいろいろ試して、お使いの圧力鍋に最も合う分量を定めてください。
水は水道水でもいいですが、ミネラルウォーターにするとお米に甘みが出るといいます。
洗米後、圧力鍋に玄米とミネラルウォーターと海塩を入れて、一晩おいておくのが最も手っ取り早い方法ですね。
お好みで、だし昆布やお酒を入れるかたもいます。
風味が増しておいしくなりますよ。
全体を大きくかき混ぜておきましょう。
圧力鍋を使った玄米の炊き方
いよいよ圧力鍋で玄米を炊きます。
蓋をしたら強火にかけます。
圧力がかかってきたら火を弱め、圧がかかった状態をキープしながら弱火で20分炊きます。
一瞬強火にして水分を飛ばしてから火をとめ、圧力鍋をコンロから外してそのまま10分蒸らします。
蓋を開けて、全体を大きく混ぜたら出来あがりです。
圧力鍋はきっちり密閉されているので蒸気が逃げず、内部にたっぷりと水分が行きわたります。
そのため、ふっくらもちもちに炊きあがるのです。
さらに、おいしく炊くコツがあります。
それは、強火から弱火に落とす際、30秒から1分間はそのまま強火を続け、それから弱火にすることです。
すぐに弱火にすると出来あがりが硬く感じられます。
圧力がかかったら、しばらく火はそのままにすることで、圧を維持します。
それから火を弱めても、圧がそのままの状態を維持できるのです。
玄米の炊き方で最も大切なのは、蒸らしです。
ここで均一に水分を行き渡らせます。
焦げ付かせないように、圧力鍋をコンロから外して蒸らしましょう。
最後に、上下をひっくり返すようにサックリと混ぜて出来あがりです。
もちもちの玄米に仕上がっていますよ。
玄米ご飯の硬さは水加減で調節して!
圧力鍋で炊くと、しっかりと水分が行きわたったもちもちご飯になります。
炊飯器で炊くのと同じ量の水だと、柔らかく感じるでしょう。
したがって、いくらか少なめの水で炊くくらいでちょうど良いかもしれません。
2合の玄米で水の量は約430ml~540ml、3合なら約650ml~810mlを目安に、と申し上げましたが、
・玄米2合で水400ml、3合で600ml
・玄米2合で水500ml、3合で700ml
・玄米2合で水600ml、3合で800ml
など、好みや圧力鍋の違いによりさまざまです。
浸水させる時間が長めだと、炊飯時の水の量が少なめでもふっくら炊けます。
中にはぬるま湯で浸水させて発芽させ、炊く時は少なめの水にしているかたもいます。
一方、浸水なしで洗米後すぐに炊くかたは、多めの水で炊いています。
柔らかいのが好きなかたは浸水時間を長くするか、炊飯時の水を玄米の1.5倍くらいにするといいでしょう。
硬いのは苦手でも、もちもちした食感と、ある程度の噛みごたえも欲しいかたは、水の量を1.2倍くらいとするといいかもしれません。
玄米本来のうまみと食感を味わいたいなら、1.1倍くらいでいいでしょう。
お試しのうえ、ピッタリの水加減を求めてくださいね。
圧力鍋なら大丈夫!玄米の大量炊きで作り置きを
炊飯器なら最大3合くらいまでしか炊けなくても、圧力鍋ならもっと多くの玄米を、まとめて一気に炊くことができます。
1回分ごとにラップにまとめて冷凍保存しておけば、ほしい時に解凍してそのまま食べたり、白米と混ぜていただくこともできます。
忙しい毎日におすすめな、まとめ炊きのやり方をご紹介いたしましょう。
【材料】
・玄米 4合
・水 900ml
・海塩 小さじ2/3杯
【作り方】
①玄米を洗米したら、24時間以上たっぷりの水に浸して冷蔵庫に入れておきます。
②ざるに玄米を煎れて水切りします。
③圧力鍋に②と水、海塩を入れて軽く混ぜます。
④蓋をしめて高圧に設定し強火にかけます。
⑤圧力がかかったら弱火にして23分炊きます。
⑥カニ穴ができていたら火を止めてコンロからおろし、上下をひっくり返して再び蓋をして、10分間蒸らしたら出来あがりです。
玄米5合の場合は、水の量を1000ml入れるといいでしょう。
圧力鍋で炊けば玄米はふっくらもちもちに
圧力鍋を使えば、玄米はもちもちに炊き上がります。
拝み洗いをしたり、長時間浸水させたり、塩をひとつまみ入れて炊いたりすることで、水分をしっかり吸収させ、ふっくらしっとりと炊けます。
さらに、水加減を玄米の1.1~1.5倍程度にすることで柔らかく炊けます。
圧力鍋をお持ちであれば、ぜひ1度玄米ご飯にチャレンジしてみませんか。