味噌汁にはだしが必要不可欠ですが、普段どのようなだしで味噌汁を作っていますか。
手軽な風味調味料を利用しても良いですが、「昆布」や「かつお節」などでだしをとる方もいるでしょう。
特に昆布だしは、上品で優しい味わいで、素材の味や香りを生かした味噌汁を作ることができます。
そこで今回は昆布だしに注目し、基本のだしの取り方や、昆布だしを使った味噌汁の作り方などをご紹介していきます。
味噌汁に使う「昆布だし」とは?
味噌汁のだしにはさまざまな種類や作り方がありますが、中でも昆布だしは上品で優しい味わいが特徴です。
昆布は「ヨウ素」や「食物繊維」などの栄養素が豊富で、生命維持に必要な「ミネラル」に関しては牛乳の約23倍もあると言われています。
昆布をだしとして活用すれば、それらの栄養素も効率よく摂取することができるのです。
また、昆布だしには「水だし」と「煮だし」の2種類がありますが、味噌汁に向いているのは煮だしです。
だしに使う昆布は以下の4種類から選ぶことができます。
・羅臼昆布
・真昆布
・利尻昆布
・日高昆布
上記の昆布は、それぞれ味や香りが異なります。
好みの昆布を選んで、味噌汁に使用しましょう。
また注意点ですが、だしをとる昆布は水洗いをしてはいけません。
昆布を見ると、白く汚れて見える部分がありますが、これは昆布の旨味成分です。
昆布を水洗いすると旨味成分まで流れ出てしまうため、乾いたふきんなどで拭くだけにしておきましょう。
和食の基本!昆布だしの作り方
ここでは、味噌汁のための昆布だしの作り方をご紹介していきましょう。
●基本の昆布だしの作り方
【材料(4人分)】
・水 1L
・昆布 20g
※昆布は用意する水に対して2%になるようにします。
【作り方】
①昆布を水にさらす
まず、鍋に昆布を入れ、30分ほど水にさらします。
火にかける前に水につけることで、旨味成分をじっくりと引き出すことができるのです。
昆布が大きい場合は、ハサミでカットしておきましょう。
②火にかける
水につけた昆布がだいぶ戻り、かさが増えたら火にかけます。
蓋をせず、「中火」にして鍋を温めます。
③昆布を取り出す
中火のまま温め、気泡が出始めて、沸騰直前になったら昆布を取り出します。
昆布の旨味がつまった昆布だしの完成です。
注意すべきポイントですが、昆布は必ず「沸騰直前」で取り出してください。
そのまま煮続けると、海藻臭さやねばり、えぐみが出る原因となります。
また、鍋に火をかける際は、強火ではなく必ず中火にしてください。
急激に加熱することでも、ねばりやえぐみが出る原因となります。
では、次項ではこの昆布だしを使って美味しい味噌汁を作っていきましょう。
昆布だしを使った味噌汁の作り方
味噌汁は食卓にかかせないものですよね。
旨味たっぷりの昆布だしを使って、基本の味噌汁を作っていきましょう。
●基本の味噌汁の作り方
【材料(4人分)】
・昆布だし 1L
・味噌 100g
・豆腐 適量
・乾燥わかめ 適量
・長ねぎ 適量
※味噌は用意するだしに対して10%になるようにします。
【作り方】
①下ごしらえをする
まず、具材を切っていきます。
豆腐はさいの目に切り、長ねぎは小口切りにし、乾燥わかめは水で戻しておきましょう。
②火にかける
豆腐、わかめを鍋に入れて火にかけます。
火の通りづらい具材から先に煮込んでいきましょう。
③味噌を溶かす
だしが沸騰し、具材に火が通ったら火をとめます。
おたまを使い、味噌を溶かし入れて、再び鍋を火にかけます。
④煮えばなにする
鍋を火にかけたら、煮えばな(沸騰する直前)で火をとめてください。
最後に長ねぎを加えたら完成です。
煮えばなの見極めは、鍋の味噌汁がふつっとなった状態になります。
もっとも味噌の味と香りが良いのが煮えばなの状態なので、お椀によそる直前に煮えばなになるようにしてくださいね。
味噌汁の旨味を増すためのポイントとは?
前項では、昆布だしを使った基本の味噌汁の作り方をご紹介しました。
昆布だしを使った味噌汁は味わいが良く風味豊かですが、よりおいしい味噌汁を作れたら良いですよね。
ひと手間かけてでも、おいしい味噌汁を作るためには、他に何か踏まえるポイントはあるのでしょうか。
まず、食べ物をおいしいと感じるためには、「旨味」を増すことが大事です。
栄養学的に考えると、「植物性」の具材と、「動物性」の具材を掛け合わすことがとても良いとされています。
植物性の食材には「グルタミン酸」が多く含まれ、動物性の食材には「イノシン酸」が多く含まれています。
上記の2つを合わせることで、感じる旨味が何倍にもなると言われています。
これを味噌汁に置き換えると、豚肉と根菜をたっぷり入れた「豚汁」などがぴったりでしょう。
豚汁は少し手間がかかりますが、立派なおかずの一品として、献立に取り入れることができます。
豚肉以外だと、鶏肉を入れるのもおすすめです。
味噌汁1品で、タンパク質とビタミンなどの栄養が摂取できることになるため、ひと手間かけてでも、旨味たっぷりのおいしい味噌汁を作りましょう。
味噌汁には昆布とかつお節の「一番だし」もおすすめ
味噌汁を作るなら、昆布だしだけでなく「一番だし」もおすすめです。
一番だしとは、昆布とかつお節の両方でとる、上品で深い味わいのだしです。
味噌汁以外の、お吸い物や蕎麦のだしとしても活用できますよ。
詳しい作り方をご説明しましょう。
●一番だしの作り方
【材料】
・水 1L
・昆布 20g
・かつお節 30g
【作り方】
①昆布を水にさらす
まず、鍋に昆布と水を入れ、30分ほど置いておきます。
昆布がある程度戻ったら、中火にかけましょう。
②かつお節を入れる
鍋が沸騰する直前に昆布を取り出します。
その後煮立ったら、かつお節を入れてください。
③あくをとる
かつお節を入れたら一煮立ちさせます。
すぐに火をとめ、あくがでたら取り除いてください。
④こす
しばらくすると、かつお節が鍋の底に自然に沈みます。
ふきんやキッチンペーパーを使ってこしたら、一番だしの完成です。
だしに使用する昆布は、冒頭でご紹介した昆布ならどの種類でも大丈夫です。
一番だしは和食の基本と言われるほど、どのような料理にも使用することができます。
とても便利なので、ぜひ覚えておきましょう。
知っておこう!味噌汁に合う「二番だし」の作り方
前項では、和食の基本として一番だしの作り方をご紹介しました。
この一番だしをとった後の昆布とかつお節で作る、「二番だし」をご存知でしょうか。
二番だしも昆布だし同様、味噌汁によく合うだしにです。
食材や調味料の味を引き立てる、控えめなだしとなるため、煮物などの和食にもぴったりです。
詳しい作り方をご紹介しましょう。
●二番だしの作り方
【材料】
・水 1L
・一番だしをとった後の昆布とかつお節
・かつお節(追いがつお分) 10g
【作り方】
①火にかける
まず、鍋に水を入れ、一番だしをとった後の昆布とかつお節も入れます。
強火にして煮立たせてください。
②煮込む
煮立ったら弱火にして、10分程度煮込みましょう。
煮込んだら、新しいかつお節を追いがつおとして加えます。
③あくをとる
追いがつおを一煮立ちさせます。
火をとめ、あくが出たらきれいにすくってください。
④こす
しばらく待つと、鍋の底にかつお節が沈みます。
ふきんやキッチンペーパーを使い、こしたら完成です。
二番だしは優しい味わいの、和食で使いやすいだしです。
昆布やかつお節を一番だしだけとって捨ててしまうのは勿体ないので、二番だしとしてしっかり活用することをおすすめします。
昆布だしを使った味噌汁は上品で深い味わい
昆布は、旨味のもととなる「グルタミン酸」の量が、わかめなどの他の海藻より高いと言われています。
ミネラルや食物繊維などの栄養素も豊富なため、積極的に取り入れたい食材です。
昆布だしを使った味噌汁は、上品で優しい味わいで、どのような具材にも合います。
旨味をよりアップさせたいなら、ひと手間加えて豚汁などを作り、おかずの一品として味噌汁を楽しんでも良いでしょう。