玄米を炊く方法で「びっくり炊き」というのが話題になっています。
びっくり炊きの良いところは、本来行う玄米の長時間吸水の必要がないところです。
びっくり炊きは、炊飯器で炊く人もいれば鍋で炊く人もいますが、その中でも、厚手の土鍋やホーロー鍋をお勧めしています。
今回は厚手鍋の中でも人気のルクルーゼを使ったびっくり炊きについてご紹介します。
話題の玄米のびっくり炊きをルクルーゼで
ルクルーゼは、フランスで人気の調理道具メーカーです。
鍋や食器・ケトル・ワインオープナー・キッチンウエアなど、様々な調理用の商品を展開しています。
オレンジにレッド、カラーのバリエーションも豊富で、とてもおしゃれな調理器具です。
デザインはもちろんですが、商品一つ一つの機能性も高く、1991年から日本でも多くの百貨店や専門店で取り扱っています。
ルクルーゼの中でも特に高い人気の商品が、煮込み料理やご飯を炊くことができる「ココット」(鍋)です。
ココットには「ココット・ロンド」「ココット・エブリィ」「ココット・オーバル」「ココット・ジャポネーズ」といった種類があります。
ココットのシリーズは、いずれも優れたホーロー(鋳物)で作られています。
それによって、煮物はもちろん、スープやデザート、そして炊飯もできます。
普通の白米や炊き込みご飯、お赤飯に玄米を炊くこともできます。
そこで、ルクルーゼを使った玄米の「びっくり炊き」の方法が凄いと、話題になっています。
ルクルーゼのココットでは、どんな方法で玄米を炊くのかをご紹介しましょう。
ルクルーゼと他の鍋とは、どこが違うのでしょうか。
ルクルーゼ使用の玄米のびっくり炊きでもしっかり吸水
びっくり炊きとは、普通お米を炊くときに必要な吸水時間がいらない、秋田県で古くから伝わっている炊飯の方法です。
吸水時間がいらないなら、無洗米のように簡単に炊くことが出来るのか、というとそうではありません。
ルクルーゼの公式サイト上では、1時間ほど吸水をした方がいいという、注意があります。
玄米の吸水は、最低6~12時間かけると良いといわれていますので、確かに時間短縮にはなります。
しっかりと吸水時間をとることで、玄米についている農薬の除去や発芽をさせることで、毒性を抜く効果があるといいます。
また、玄米についている農薬によるアレルギー成分を低下させることもできます。
吸水時間を短縮したびっくり炊きでは、鍋の種類に限らず、時間短縮の変わりに玄米を何度もしっかりと洗うようにという注意がありますね。
いずれにしても、玄米は無洗米とは違いますので、炊く前には、それなりの処理をしなくてはいけません。
「びっくり炊き」は簡単、といっても基本的な手順を省いて良いという意味ではありません。
簡単といわれたので、玄米を利用しようと思ったのに、という人は気をつけましょう。
また、最近はお米屋さんや農家が販売している玄米ではなく、メーカーが販売している玄米があります。
こちらの玄米は既に、無洗米と同じ状態になっているものもあります。
吸水時間を短縮して簡単に炊きたい、という人はこういった玄米を選ぶとアレルギーなどの心配は減らすことができますね。
ルクルーゼで玄米の基本的な炊き方
それでは、ルクルーゼを実際に使った玄米の炊き方のレシピです。
炊飯そのものの時間は30分になりますので、電気炊飯器で炊くよりも早くなります。
こちらはびっくり炊きではなく、通常の玄米の炊き方になります。
はじめに、玄米の量と水加減を正確に計ります。
さらに、ルクルーゼのココットを使う場合は、鍋の大きさで炊くことができる玄米の量も水の量も違ってきます。
ご自身がいつも炊いている米の量にあわせてココットを選んでください。
1合なら16cm、2合なら18cm、3合なら20cmになります。
それでは、少人数家庭で玄米1合を炊くときの説明です。
1合になりますので、ココットは、16cmのココット・エブリィを用意します。
【作り方】
①玄米1合に対して、水を250~270ml用意します。
②玄米をよく洗って、水に入れ1時間以上吸水させます。
③ザルにあげて水気をきります。
④ココットに玄米と分量の水、塩ひとつまみを入れ、蓋をして中火にします。
⑤沸騰したら、弱火にして20~25分炊きます。
⑥コンロからおろして15分蒸らします。
⑦全体に空気が行き渡るようにサックリとまぜます。
ココットで玄米を炊くときは、水は、玄米の容量に対しておよそ1.4~1.5倍用意します。
玄米1合で250~270ml、2合で500~540ml、3合で750~810mlになります。
水加減はできるだけ正確にしましょう。
ルクルーゼで玄米のびっくり炊き
ルクルーゼのココット・エブリィを使うと、吸水時間ゼロのびっくり炊きをすることもできます。
吸水時間ゼロの炊き方で使うココットも、玄米の量に合わせてサイズを選んで下さい。
【材料】
・玄米 2合(340g)
・水 650ml
・塩 ひとつまみ
ココット・エブリィは18cmを使います。
【作り方】
①玄米は良く洗って、水気を切っておきます。
②鍋に玄米と水、塩を入れて内蓋と外蓋をします。
③弱火と中火の中間くらいの火加減で20分炊いて沸騰させます。
④沸騰したら弱火にし35分炊きます。
⑤火を止めて蓋を開け、中の玄米を混ぜます。
⑥再び蓋をして10分蒸らします。
吸水の時間は必要なくなりましたが、玄米を炊く時間は基本の炊き方よりも長くなりました。
全体には時間短縮ですが、吸水中に買い物に行くなど、生活時間の使い方ではびっくり炊きよりも、基本の炊き方の方が便利かもしれませんね。
さらに、秋田のびっくり炊きのレシピも合わせてご紹介しましょう。
材料は、前項で紹介した基本のレシピと同じで、玄米の1.4~1.5倍の水を用意します。
ココット・エブリィを使います。
ココットの大きさも、基本と同じサイズを選びます。
【作り方】
①玄米は良く洗って、水気を切っておきます。
②鍋に玄米と水、塩を入れて内蓋と外蓋をします。
③中火から強火で15分、水気がなくなるまで炊きます。
④水気がなくなり、チリチリという音が聞こえたら、蓋を開け玄米の0.8~1.2倍の水を入れます。
固めが良い時は、水の量を少なめにします。
⑤中の玄米を混ぜ、火にかけて、沸騰したらさらに弱火で10分炊きます。
⑥一度かき混ぜて、10~15分蒸らします。
これがルクルーゼを使った、秋田のびっくり炊きです。
ルクルーゼでも玄米のびっくり炊きに失敗することも
煮込み料理やご飯を炊くのに最適といわれているルクルーゼですが、炊飯に失敗をしたというお話を耳にします。
ルクルーゼのレシピ通りに玄米の炊飯をしたのに失敗をした、というのも時々耳にします。
米に芯が残って固かった、玄米が焦げてしまいルクルーゼに焦げ目が残ってしまった、というような意見です。
なぜ、レシピ通りに玄米を炊いたのに、失敗してしまったのでしょうか。
ルクルーゼと土鍋や他の炊飯鍋との違いは何でしょうか。
炊飯鍋と呼ばれているものには、文化鍋と呼ばれるアルミ製のものとガラス製のものがあります。
アルミ製の文化鍋は蓋が山のような形をしていて、米を炊くときにカタカタとフタが動きます。
ガラス製のものも同じです。
土鍋は蓋に穴が開いていて、さらに土鍋の蓋も沸騰するとカタカタと動きますね。
ブクブクと蓋が多少浮いたりしても、しっかりと外れることなく、吹きこぼれに気を付けながら、中の米に火を回していきます。
ルクルーゼは蓋が重くて、土鍋や文化鍋のようにカタカタと動きません。
土鍋と同じレシピでルクルーゼでご飯を炊くと、蓋がしっかりとしまっていて、どうしても水蒸気が抜けきらなかったり、熱の回り方が違ってしまいます。
土鍋と同じ炊き方でルクルーゼで炊くことはできないのです。
それだけでなく、ココットの大きさやほんのちょっとした水加減でも炊き上がりが違ってしまいます。
ルクルーゼを実際に利用して玄米を炊いている人は、自分が炊く量や鍋によって、火加減や時間を変えたほうが良いという意見を寄せています。
同じびっくり炊きでも、玄米の量や鍋の大きさ種類によって、炊き方はそれぞれ違うようですね。
ルクルーゼで玄米の炊き込みご飯
ルクルーゼで作れる玄米料理はびっくり炊きだけではありません。
玄米を使った炊き込みご飯のレシピです。
ココット・エブリィではなく、ココット・ロンドを使いましょう。
【材料】
・玄米 450g
・大豆(水煮) 120g
・油揚げ 1枚
・塩昆布 30g
・ごま油 5g
・水 600g
【作り方】
①玄米は良く洗って3時間以上吸水をさせておきます。
または、発芽玄米を使いましょう。
②玄米は水気を切っておきます。
大豆も水気をきっておきます。
油揚げは油抜きをして、千切りにします。
③ココット・ロンドに玄米・大豆・塩昆布・油揚げ・ごま油を加えて中火にかけます。
沸騰したら弱火にして、20分ほど炊きます。
④火を止めて鍋をコンロからおろします。
蓋をあけて全体を混ぜます。
再度蓋をして、10分ほど蒸らします。
大豆や油揚げの他にも、にんじんの千切りやヒジキを入れても美味しいですね。
玄米はほんの少し水の量が違っても炊きあがりが固くなります。
うまくいかなかったら、少し水や炊飯の時間を変えて、炊いてみましょう。
ココット・エブリィは内蓋がついています。
炊飯にはもってこいですが、エブリィを使う時は、いつもの炊飯時間で一度試してみてください。
ルクルーゼで色々玄米ご飯
同じルクルーゼを使っても、色々な玄米の炊き方がありますね。
ココットの大きさや種類によって、炊くことができる玄米の量も違うようです。
びっくり炊きは、時間が短縮できるとありますね。
しかし、びっくり炊きよりも、吸水をした方が手間がかからないという人もいます。
生活の仕方・考え方は、人それぞれです。
家族の人数や、生活の時間にあったココットを選んで、美味しい玄米の生活を楽しんでみませんか。