「健康に良い」というイメージが定着し、積極的に食生活に取り入れる方が増えている玄米。
身体に良いことがわかっていても、味や食感にどうしてもなじめずに、食べるのをやめてしまったという経験はありませんか?
そのままでは食べにくいという方でも、白米と混ぜて炊くと抵抗を感じないかもしれません。
では、玄米と白米を同時に炊くためにはどんな方法があるのでしょうか。
この記事では、玄米食を続けるために、おいしく炊くコツを取り上げます。
玄米食を始めるべき3つの理由
玄米は健康食品の代表のような存在ですし、様々なメディアで取り上げられることも多い食材なので、多くの方が関心をお持ちだと思います。
なぜ今、玄米なのでしょうか?
一つには、玄米に含まれる食物繊維が便秘を解消してくれることが期待できるからです。
玄米から取れる食物繊維には、不溶性と水溶性の両方が含まれており、腸の働きを助け、腸内環境を良くする働きがあります。
また、ビタミンB群を効率よく摂取できることも玄米のメリットの一つです。
それによって、脂質やたんぱく質の代謝を促進したり、免疫力を高めたり、肌の状態を整えたりといった効果を期待できます。
加えて、玄米が現代人に特に必要な幾つもの栄養素を含んでいることも見逃せません。
ポリフェノールの一種のガンマオリザノールが持つ抗酸化作用は、ガンや生活習慣病のリスクを低減させることがわかってきていますし、ギャバというアミノ酸にはストレスを緩和させる働きがあるとされています。
フィチン酸は強力なデトックス効果があります。
それらを白米よりも効率よく摂取できる玄米は、まさに今の時代に生きる私たちにこそ必要な食材と言えるでしょう。
便秘解消、健康維持、大病予防といった様々なメリットが得られるゆえに、玄米食はあらゆる世代におすすめしたい食習慣です。
白米と同時に炊くことで、どなたでも食べやすくなりますので、すぐにでも始めてみてください。
玄米と白米を混ぜて同時に炊くことで食べやすくなる
「玄米は身体に良い」と聞いても、味がおいしくなかったり、食感が好きになれなかったりすると、食べにくく感じ、長続きしませんね。
そんな時は、白米に玄米を混ぜて同時に炊くという方法があります。
白米と玄米の割合を1:1で、それでも食べにくい場合は2:1くらいの割合にしてあらかじめ計量します。
そして、白米と玄米を一緒に洗米しますが、玄米の表面に傷をつけると吸水がよくなりますので、米と米をすり合わせるようにしっかり洗ってください。
最大のポイントは、水加減と浸水時間です。
白米だけで炊く時よりも多めの水に浸す必要があります。
米の鮮度や炊き上がりの好みにもよりますが、1合分ほど多くしても差し支えないでしょう。
浸水時間はたっぷり6時間から10時間くらいを目安にします。
前の晩に洗米、浸水して朝に炊くくらいがちょうどよいかもしれません。
お持ちの炊飯器に「玄米モード」がある場合は、それを使用します。
加えて、炊き上がり後の蒸らし時間をやや長めにすることも、ふっくらとしたご飯に仕上げるポイントの一つです。
炊き上がったご飯をしゃもじで切るようにして、空気を含ませるように全体を混ぜ合わせ、フタをして蒸らします。
これで、おいしい玄米と白米の合わせ炊きの完成です。
玄米と白米を分けて同時に炊くためのアイデア
玄米食を続ける上でのもう一つのハードルは、他の家族が玄米を嫌がる、というケースです。
白米とミックスしても、どうしても嫌だという方がご家族におられるかもしれません。
炊飯器を2台用意することができるお宅は問題になりませんが、普通はそうはいきませんね。
そんな時に役立つアイデアがあります。
炊飯器の中に別の器を入れて2種類の米を炊くという方法です。
例えば、家族のほとんどが白米を好み、一人分だけ玄米を食べたいという場合でご説明します。
1合程度の玄米は、炊飯する6時間以上前に洗米します。
表面に傷がつくようにしっかりもみ洗いし、じっくり浸水させます。
次に、炊く1時間から30分前に、ご家族分の白米も洗米します。
そしてまず、炊飯器のお釜に白米を入れ、その真ん中に浸水させた玄米のみを入れた湯飲みや小ぶりのお茶碗を埋め込みます。
それから静かに水を注ぎます。
水加減は、お釜に刻まれている白米のラインに合わせて炊きましょう。
あとは、普通に炊飯ボタンを押すだけです。
この炊き方だと、玄米と白米は混ざらずに、しかし同時に炊くことができます。
ただし、玄米の方が少し固めに仕上がりますので、食べる前に白米と混ぜるなどしてください。
玄米と白米を圧力鍋で炊いてぷちぷち食感に!
玄米と白米を一緒に炊くにしろ、別々に炊くにしろ、さらに食べやすく、おいしく炊く秘訣があります。
圧力鍋を使って同時に炊く方法です。
圧力鍋で炊いた玄米は、炊飯器で炊いた時よりも食感がぷちぷちとしていて、やわらかく、おいしいと感じる方が多いようです。
コツは、やはり玄米を水に浸す時間を十分に取ることでしょう。
最低でも6時間、余裕がある場合は10時間くらいは浸水させておきたいところです。
一方、白米はそれほど長く浸水させると、炊き上がりがベちょっとなってしまいますので、炊く30分前くらいで大丈夫です。
圧力鍋に米を入れ、水を加えますが、ここで注意が必要です。
玄米と白米を合わせた量が2合でしたら、水は430㏄程度を基本にしてください。
玄米100%で炊く場合の水加減は、およそ1.5倍が標準量ですから、2合に対して約540㏄くらいが適量ですが、この分量で炊くと白米がやわらかくなり過ぎてしまいます。
しかも、圧力鍋は蒸気が逃げないので、そもそもふっくらやわらかく炊き上がります。
水加減は1.2倍くらいを基本に、好みに合わせて調整してみてください。
白米入り玄米ご飯をさらにおいしく食べる工夫
本来、おいしいご飯は毎日食べても飽きることはありませんね。
ちょっとした工夫で、気分を変えて玄米食を続けることができます。
実は、玄米と白米に塩を少量加えて同時に炊くことで、米だけで炊くよりもずっと食べやすくなります。
なぜなら、塩が玄米のぬか臭さを押さえると共に、玄米に多く含まれるカリウムの苦みを消してくれるからです。
また、塩の働きによって水分を吸収しやすくなり、玄米がやわらかく炊けます。
塩味が付くほどたくさん入れる必要はありません。
米1合に対し、ひとつまみくらいで十分でしょう。
加えて、他の雑穀を混ぜて炊くのもおすすめです。
黒米を混ぜると、色素成分のアントシアニンが目や胃の健康を保ち、血糖値を安定化させる働きを加えることができます。
一方、赤米にはタンニンというポリフェノールが含まれていて、抗酸化作用や冷え性の改善、腸内環境の改善などが期待できます。
それに、黒米や赤米はご飯に色が付き、食欲増進にもなりますね。
他にも、もちきびやもちあわ、もち米を少量加えることで、もっちりとした食感を加えることができます。
さらに、黒豆や大豆、小豆や枝豆などの豆類を同時に炊くのもよいでしょう。
見た目にも豪華になり、食感の違いが楽しめます。
工夫次第で様々なバリエーションを加えることができるのも、玄米食のメリットです。
もし、玄米と白米を同時に炊くのに失敗してしまったら…
微妙な水加減や、圧力鍋や炊飯器ごとの特性によって慣れないうちは、同時に炊くご飯が固すぎたり、反対にやわらかすぎたりしてしまうこともありますね。
そんな時に役立つリカバリ方法も取り上げたいと思います。
まず、炊き上がりが固すぎた場合はどうしたらよいのでしょうか?
もっとも手軽なのは、お湯を加えてもう一度加熱するという方法です。
これなら、ちょっと固めに炊き上がったくらいの失敗なら取り返せます。
しかし、白米の芯が残るほど固くなってしまったらのなら、ご飯をフライパンなどに移し、スープと具材を加えてパエリアにするか、チャーハンにするといった方法のほうがよいかもしれません。
スープや調味料を吸い込むことで、いくらかやわらかくなりますし、固めのご飯のおかげでかえってパラパラにおいしく仕上がります。
では、炊き上がりがやわらかくなり過ぎたとしたらどうでしょうか?
そのような場合は、おかゆやリゾットに再利用するとよいでしょう。
鶏ガラスープとショウガやネギを加えて煮込めば、胃腸に優しいサムゲタン風の玄米がゆになりますし、コンソメとミックスベジタブルにカレー粉をプラスしてカレーリゾットもできます。
また、グラタン皿に失敗したご飯を敷いて、そこにお好みの具材とホワイトソースを重ねてオーブンで焼けば玄米ドリアになります。
このように、炊き上がりが失敗しても使い道はありますので、あきらめないでください。
玄米と白米をブレンドして、玄米食を続けましょう
玄米には健康を維持するための様々な効果があると言われています。
しかし、どんなに身体に良くても続けなければ意味がありませんね。
続ける秘訣は玄米と白米のブレンドです。
この記事で取り上げた通り、玄米だけでは抵抗を感じる方も白米を混ぜて炊けば食べやすくなります。
上手に同時に炊くためのコツにも触れました。
おいしい玄米で、家族みんなの健康をキープしましょう。