玄米は栄養価が高く、マクロビオティック界では「完全栄養食」と言われています。
もし、本当に完全栄養食であれば、食事の際におかずは全くいらないのではないでしょうか!?
玄米に含まれている栄養と、おかずが必要なのか等についてご説明いたします。
玄米の栄養価は高い!
玄米は、普通の白米と同様に炭水化物を中心に様々な栄養が入っています。
どんな栄養が入っているかというと、主にナトリウム以外のミネラルが豊富です。
全体で白米の約1.5倍以上のミネラル含有量になります。
又、ビタミンに関しても一部ビタミン以外は豊富に入っています。
特に水溶性ビタミンのビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン等が多く入っています。
又、食物繊維も多く入っており、水溶性食物繊維・不溶性食物繊維の両方とも入っています。
ビタミンやミネラルが豊富なために玄米は「美容食」との呼び声が高いのです。
確かに、これだけのものがたくさん入っていると言われたら、美容のために玄米の栄養を今すぐにでも摂りたくなります。
そもそもおかずというのは、主食でまかなえない栄養を補う役目があります。
それは主にビタミンやミネラルを補う目的で用いられます。
しかし玄米は、ビタミン・ミネラルの含有量が非常に高いために、おかずがいらないのではなどという話がよく持ち上がっています。
本当ににそうなのでしょうか?
玄米におかずはいらないの?
それでは玄米にはおかずはいらないのでしょうか?
結論から申し上げますと、そんなことはありえません。
なぜならば決定的な以下の3つの理由があるからです。
①必須ビタミンが摂取できない
人の体にはビタミンが必要です。
このビタミンは必ず必要なものと、そうではないものの2種類あります。
必ず必要なもののことを「必須ビタミン」と言います。
別名、脂溶性ビタミンです。
この必須ビタミンと呼ばれているものは
・ビタミンA
・ビタミンD
・ビタミンE
・ビタミンK
の4種類です。
なぜこの4種類が人体に必要かというと、不足すると深刻な欠乏症が存在するからです。
②たんぱく質が足りない
玄米だけだと血や肉になるたんぱく質が不足し、体が元気に動かせません。
その結果、貧血や虚弱体質の悪化、痩せすぎ等だけではなく、ミネラル不足も起きやすくなります。
③ナトリウムが足りない
人は最終的には水と塩がないと生きていけません。
塩とはナトリウムが原料ですが、ナトリウムが少ないと生命活動に支障が出てしまいます。
以上の欠乏症や障害を防ぐためにも、おかずは必要だと考えられます。
玄米の不足しているたんぱく質を補うおかず
玄米の欠乏症を防ぐために、まずは糖質、脂質と並ぶ3大栄養素のたんぱく質を補いたい所です。
たんぱく質を補うのは主に肉・魚・卵・豆腐を含んだ食品です。
これらの食品にはたんぱく質が多く含まれているので、1食のうちに必ず手のひらの大きさ程度は食べておきたい所です。
そして、ダントツでたんぱく質含有量が高いのは肉です。
特に鶏胸肉やささみはたんぱく質が豊富です。
ボディビルダーも、たんぱく質が豊富な鶏胸肉やささみを豊富に食べているほどです。
鶏のもも肉は脂肪分が多いのであまりお勧めしません。
そして、魚でいえば白身魚がお勧めです。
脂分が低い分、たんぱく質が多めです。
特に白身魚は胃にも優しいので、病院でも胃潰瘍食に使われています。
おかずを作るのが面倒でたんぱく質を手ごろにとりたい時であれば、卵を使えば玄米卵かけごはんにすれば少しの手間を省くことが可能です。
この方法であれば手間もいらないです。
豆腐は菜食主義の方がおかずに良く使っているようですが、毎日となると他の栄養成分が不足しがちなのでおかずも少し考えなければなりません。
玄米に足りないビタミンを補うおかず
玄米には必須ビタミンの
・ビタミンA
・ビタミンD
・ビタミンE
・ビタミンK
の4種類が不足しています。
そのため、玄米ご飯のときはおかずはいらないということにはなりません。
そのうちビタミンA、ビタミンKは主に緑黄色野菜に多く含まれ、ビタミンD、ビタミンEは魚介類に多く含まれています。
その為、前項とトータルして考えると、魚介類はたんぱく質が取れてビタミンD、ビタミンEの取れる為、玄米と相性が良いと言えます。
そこにビタミンA、Kがたくさん入った緑黄色野菜のお浸し等を1品加えれば、栄養的に補完しやすくなります。
そこにプラスで味噌汁の大豆を利用すれば、ぐっと栄養効果もより栄養が補完されて高まります。
これは、日本人の昔からの食事様式の一汁三菜そのままですね。
昔の人は栄養学的見地がないのにもかかわらず、この一汁三菜の結論にたどり着いていると考えると、本当に偉大です。
他には必須ビタミンではないにしても水溶性ビタミンの葉酸が全く入っていないので、その点も枝豆などを入れたりして工夫した方が良いでしょう。
玄米を3食食べれば他の食物繊維はいらない
玄米を使えばおかずが1品減り手間がいらないのかと思いきや、結局一汁三菜かとがっかりされている方へお伝えしたいことがあります。
玄米をもし3食お召し上がりになられた場合、玄米ご飯の量にもよりますが、普段意識されている食物繊維については考えなくてよくなります。
この理由については、玄米は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方を含んでいるからです。
加えて、お通じ運動活性化を促すミネラルも多く含んでいます。
そのため、これ以上食物繊維を意識的に摂取してしまうと、逆にお腹が緩くなる可能性があります。
便秘気味の方にとっては朗報かと思います。
食物繊維を取るために、食物繊維たっぷりのサプリメントを飲む必要がなくなり、買い物へ行く手間が1つ減ります。
しかも、サプリメントよりも効果が高いところが嬉しいポイントです。
より腸のお通じ運動を促したい方は、生きた乳酸菌を飲まれたりすると、食物繊維が乳酸菌の栄養になり、お通じ運動活性化につながります。
是非、お試しいただけたらと思います。
手間のいらない玄米のおかずのご提案
もし、どうしても1皿で栄養を補完させたい方へ、ご提案させて頂きたいお料理があります。
それは魚介類のカレーです。
普通のカレーのお米を玄米にして、普通に魚介類を入れてカレーを作ります。
魚介類は白身魚とエビをごろっといれるのがお勧めです。
大きめのホタテも入れると美味しいですが、コストがかかるので、お財布に余裕がある時にお試しいただけたらと思います。
そこへカボチャとほうれん草も加えてみましょう。
かぼちゃはそのまま入れてもいいですが、グリルなどで焼いてから乗せてもおしゃれです。
トマトを加えても美味しいです。
生クリームを少しだけ飾り程度でかけてもおしゃれですし、栄養的にもカルシウムが取れて良いですし、何よりコクが出ます。
この1杯で玄米の足りない栄養を補いつつ、玄米の食物繊維やビタミン、ミネラルの良いとこどりが出来ます。
洗い物の手間も省かれ、いつものカレーと違った気分転換にもなります。
まるでこの1皿で、ものすごく料理が上手になったような気さえするほどおしゃれです。
手間のかかるおかずのいらない料理なので、お忙しい時にぜひご利用いただけたらと思います。
玄米で手間のいらない食卓に!
玄米を使えばおかずはいらないということはなく、やはりおかずは必須になってきます。
特にたんぱく質、緑黄色野菜は必要です。
しかし、工夫次第ではおかずがいらず、一皿で完結させることも可能なので、記事のレシピなどを利用して普段の料理の手間を省きましょう!