精米するときに出てくる米糠ですが、なんだか捨ててしまうのはもったいない・・と感じている方も多いのではないでしょうか。
いつも捨ててしまっている方は、ガーデニングや畑で肥料として使ってみませんか?
米糠の肥料成分や作り方についてお話します。
また、肥料以外の使い方も知っておきましょう。
米糠の肥料成分と使い方について
【米糠肥料の成分構成比率】
窒素(N)=2~2.6 リン酸(P)=4~6 カリウム(K)=1~1.2
米糠肥料は、リン酸の量がかなり多く含まれており、窒素とカリもリン酸より少ないながら含有しています。
米糠そもそもが種皮や胚芽が原材料ですが、糖分やたんぱく質も豊かに含まれています。従って、土中の微生物の動きを活発にさせる効き目があり、非常に優れた肥料といえます。
※米糠は虫の大好きな食べ物でもあるので、保管中に虫が出ることもありますが、その効き目にかわり無く同じです。
米糠肥料の中で、肥料として使い勝手のよいのは、「脱脂米糠」がオススメです。
分解がゆるやかに進むので、元肥として使用するのがよく、作付の2週間前に使用し、土によく混合します。
「生の米糠」は、脂肪が多めに含有されているため、分解が非常にゆっくりと進むため、肥料としては使用しない方がよいです。
また、水を弾き土中で固まりやすく、その中で害虫や雑菌が繁殖しやすく、肥料としてはあまり使用されません。
「生の米糠」は、堆肥やボカシ肥をつくる場合の『発酵促進剤』として使用できます。
有用微生物が加速度的に増殖して腐食熟成が早く、堆肥やボカシ肥を作る時特有の悪い臭がほとんど出ません。
※堆肥の作り方参考=木から落ちた葉、乾燥した藁や枯れ草100kgを基本に、米糠300~500gを加えて混合しましょう。
米糠の肥料の上手な施し方とは
元肥と追肥をそれぞれで施すこと。
栽培している間に与える肥料の数量(全必要量)は、栽培する物によりそれぞれの必要量があります。
この量を一度にすると、肥料焼けしたり、多い分は吸収されず、地下水などに流れてしまいます。
それで、肥料は元肥と追肥に分けてやります。
しかし、小松菜やほうれん草などは、栽培が短期間で、肥料の全必要量も少ないので、元肥だけで栽培しても十分です。
元肥の施し方を説明します。
元肥をする場合は、作付する前に施します。
まず石灰を施してから1週間後に、化学肥料を使用なら作付の4~5日前、有機質肥料ならば1~3週間前に施します。
肥料の仕方は、作物を中心にその下にする『溝施肥』と、畝に対して全体に混合する『全面施肥』があります。
栽培する作物に対応して、それぞれに施してください。
単肥の使用方法です。
肥料三要素の施し方は、窒素とカリは全必要量の1/2を元肥で、リン酸は、元肥で全量を施します。
基本的な施肥に従って単肥を絡ませて使用すると、肥料の施しが容易に出来ます。
【三要素が同じ量の化成肥料を使用する場合】
必要なリン酸を、三要素同じ量の化成肥料だけで利用すると、窒素とカリが多めになりすぎるので、単肥『過リン酸石灰』を組み合わせて使用します。
【有機質肥料を使用する場合】
米糠等有機肥料を使用する作り方は、含有する成分と成分の量が異なるので、必要量を計算して単肥を使用します。
作付後の追肥の施し方とは?
作付したら、1か月程度すると元肥の効き目が薄れてくるので、追肥を施していきます。
追肥の要素は窒素とカリをしますが、栽培作物の状態をみて、1か月に1回程度で、栽培作物に応じた量の追肥を行っていきましょう。
【化学肥料の追肥の施し方】
化学肥料を使用する場合、単肥を追加で補足するか、NK化成(窒素とカリのみを含有する化成肥料)を使用するとよいです。
三要素を含有する化成肥料も使用できますが、その場合、追肥で施したリン酸が効果が出てくるのは次作より後になります。
【有機質肥料の追肥の施し方】
追肥は、早く効き目が出てくる必要があるので、有機質肥料を使用する場合、※ボカシ肥等の発酵済みの肥料や、発酵鶏糞、魚粕、草木灰、米糠などを使用します。
その作り方は、分解を早く進めるために、土とよく混合することが大事です。
※ボカシ肥=鶏糞や油粕などの有機物を発酵して、ガス害などの弊害の恐れを除き、早く効果が出るようにした肥料です。
【追肥の施す場所】
追肥をする場所は、根が張っている先端です。
土の上の外周り部分のところまで、根は張ってきているので、その辺を目途に、畝の肩部分や株の間、通路側などに施します。
マルチを張っている場合は、マルチを取って畝の肩部分に行うか、通路側に行ってください。
米糠肥料を手作りしてみよう!米糠肥料の作り方!まずは材料から
米糠肥料の作り方~材料編~
用意する材料は、米糠7.5kg、油粕2.5kg、牡蠣殻石灰2.5kg、 土着菌少々、水1.25ℓを用意します。
米糠:油粕:牡蠣殻石灰を3:1:1の比率とし、 水は1/10程度で作成することができます。
米糠はご自宅にあるものを使用するか、自宅にない時は精米所などから入手するのが良いでしょう。
油粕と牡蠣殻石灰は、ホームセンターなどで買います。
水を使用するだけでも米糠肥料は発酵しますが、 発酵を加速させる為に土着菌を準備します。
山の雑木林などで落ち葉を取り払ってみると、 その落ち葉の下には何か白いカビにような物があります。
それが「土着菌」です。
落ち葉と「土着菌」のついている葉を一緒に集めて持ち帰ります。
米糠肥料の作り方~仕込み編~
①米糠、油粕、牡蠣殻石灰を一緒に混合します。
少しずつゆっくり水をやりながら、 手で念入りに混合していきます。
水をあまりやり過ぎると腐食するので、 十分注意を払いながらゆっくり水は入れていってください。
②手で握って軽く固まる程度まで混ぜたら、 土着菌を適当に手でちぎって足して混ぜます。
③出来上がったら米袋などに移して、さらにナイロン袋に入れて密封します。
濡れたりしていたら十分水気をとるように注意をしてください。
袋の中の空気はしっかりと抜いて、 出来るだけ密封することが大事です。
米糠肥料の作り方!発酵~完成、保管・使い方
米糠肥料の作り方~発酵および&完成編~
作った米糠肥料は40℃~50℃程度の温度になり、 2~3か月ほどで発酵が終了します。
完成するまでの間に米糠肥料の袋は絶対に開けないようにしてください。
完成した米糠肥料は、甘酸っぱい匂いがただよいます。
匂いで米糠肥料が成功したか否かが分かるほどです。
土着菌の塊が残留していると、 米糠肥料に白い物があるときがあります。
気にせずともよいですが、 水分が多いとカビが出る時があります。
少しのカビならば、除去すれば問題はありません。
米糠肥料の作り方~保管編~
乾燥することで発酵が停止するので、 完成した米糠肥料は外に出して平らに広げて乾燥をさせましょう。
その後土嚢袋などに移して保管します。
十分乾燥して土嚢袋などに保管すれば、 米糠肥料は1年程度使用することが可能です。
米糠肥料の作り方~使用方法編~
米糠肥料を使用する時に保存袋を開封し、取り出したらすぐに密封をしましょう。
米糠肥料の保存袋に空気が入ると、 好気性分解機能が働いて水に分解されてしまうので、十分に注意して下さい。
米糠肥料の使用方法は栽培作物の並び列の片側に溝を作り、 薄目に軽く少量で米糠肥料を撒きます。
米糠肥料を撒き終わったら溝に土をかけて、 そこに水をやって肥料を溶解するだけです。
米糠肥料は肥料効果が割と強いので、 初めは少量を与えて状態をみながら施して下さい。
米糠肥料の作り方は大変・・でも無駄にしたくない方はこんな使い方がオススメ
米糠での肥料の作り方は大変ですが、料理にも利用すれば、無駄なく使用できます。
米糠をお料理に少し加えるだけで栄養価が上がるので、日々作るお料理に、米糠を少し加えてみましょう。
・お好み焼の粉
・カレーやシチュー
・ギョーザのあん、肉団子
・天ぷら粉
・雑炊
・お味噌汁
・納豆やめかぶ
・ピラフやチャーハン
・焼きそば
・ハンバーグやコロッケ
・ポテトサラダ
・卵焼き
・白和え、おひたし、和え物 ・鍋物や、つけだれ
気にならないままで米糠を食べることで、栄養を向上させましょう。
米糠を加えすぎるとと、米糠が強すぎて、舌触りや味覚にかなり違和感を感じてしまうことがありますので、気をつけましょう。
長期間飽きずに食べるためにも、色々なお料理に、少な目に加えるようにするとよいです。
米糠をお菓子作りにも利用してみてはいかあgですか!
日々のおやつが、米糠をちょっと加えるだけで栄養向上で健康的になります!
・パンやケーキの生地
・クッキーの生地
・蒸しパンの生地
・ホームベーカリーで焼くパンに、1割ほど
・パンケーキやホットケーキの生地
・ヨーグルトにトッピング
パンケーキやパンに混合して焼いて利用するのは、お手軽に作ることが出来るのでオススメの利用方法です。
米糠を利用してエコな生活を
精米後の米糠を使用すれば、環境的にもとてもエコですよね。
今回紹介したように米糠を肥料に使用すれば、肥料代も節約できます。
肥料作りはちょっと手間がかかる・・という方は、ぜひ料理などにちょっと足して使用してみてはいかがでしょうか。
また、糠床などを作ってみるのもオススメです。
少しでももったいない!と思っている方は、ぜひ生活の中に米糠を取り入れてみてはいかがでしょうか。