近年、健康志向の高い人が増加していますよね。
その中で、若い方達からも注目を集めているのが、大麦や雑穀の入ったご飯です。
そこで、皆さんは、押し麦ってご存知ですか?
押し麦とは、大麦やオーツ麦を蒸してから、食べやすく押して潰したものです。
実は、押し麦は、日本には古くからお馴染みの食材なのです。
今回は、押し麦の栄養・美容効果と、押し麦を炊飯器・圧力鍋・土鍋を使う炊き方について紹介します。
大麦(押し麦)の歴史や種類について
麦にもいろいろな種類があり、よく知られているものには小麦やライ麦などありますが、押し麦は大麦で作ります。
大麦は約1万年前から栽培され、世界最古の穀物の1つといわれ、古代エジプトのツタンカーメン王の墓から副葬品として発見もされています。
日本へは約1,800年前に伝わったそうで、奈良時代にはほぼ全国で広く栽培されていました。
寒さや乾燥に強い植物で、熱帯地域を除いた世界各地で栽培され、ビールや焼酎などの醸造用や飼料用としてアメリカ・カナダ・オーストラリアから輸入されています。
大麦には六条大麦と二条大麦があり、日本で「大麦」といえば六条大麦を指します。
麦茶や麦ごはんに使われますが、丸のままの大麦は水が吸いにくいため、加熱してローラーをかけ押し麦にしています。
押し麦に加工されている大麦は使い勝手がよく、圧力鍋を使う炊き方は時間もさほどかからず簡単に麦ごはんを作ることができます。
一方の二条大麦は別名「ビール麦」とも呼ばれ、主にビールの原料になることが多い大麦です。
日本では四国や中国地方、九州地方などの西日本で多く栽培され、六条大麦は関東から北での栽培が多いです。
押し麦とは?美容効果は?
大麦にも米と同様うるち性ともち性のものがありますが、押し麦に使われるのはうるち性の大麦がほとんどです。
外皮やヌカを取り除き、蒸気で加熱しやわらかくなったところをローラーで平らにします。
押し麦に含まれる成分で一番多いのは食物繊維です。
食物繊維には不溶性と水溶性がありますが、押し麦にはその両方が含まれています。
100g中不溶性食物繊維が3.6g、水溶性食物繊維が6.0gも含まれています。
水溶性食物繊維は脂肪の吸収を抑えたり、食後の血糖値を抑えてくれたり、満腹感が続く働きもあると考えられています。
不溶性食物繊維は腸を整え、善玉菌を増やしたり、肌荒れを引き起こす便秘を解消したりする働きが期待できます。
押し麦は白米と合わせて圧力鍋などで炊いて食べる炊き方が一番生活に取り入れやすいのですが、サラダやスープなどに使うなら、押し麦だけを茹でて使うのもオススメです。
カロリーは、それぞれ100gで白米356kcal、玄米350kcal、押し麦340kcalとあまり差はありませんが、押し麦には食物繊維の他、カリウムやビタミンBも含まれているため、美容と健康を気にする人にピッタリです。
押し麦の炊飯器での基本的な炊き方
押し麦の炊き方はいろいろありますが、ここでは炊飯器を使った方法を紹介します。
圧力鍋もオススメですが、炊飯器はスイッチを入れるだけの手軽さ。
初めての人でも気軽に挑戦できます。
押し麦ごはん(麦100%)
【材料】3~4人分
押し麦 2合(300g)
水 600cc
【作り方】
1.炊飯器に押し麦と水を入れ、30分ほど浸水させます。
2.普通に炊き、炊き上がったら上下を返すようにほぐします。
麦ごはんを初めて食べる人は麦100%ではなく、白米と合わせて炊く方法をオススメします。
まずは白米2合に対して、50gの押し麦を混ぜて炊いてみてください。
水加減は加えた麦の2倍のお水を増やすのがコツです。
また、沸騰したお湯で15~20分茹でて使う方法もオススメです。
小分けにしラップで包んで保存袋に入れ、冷凍すれば約1か月、冷蔵なら約1週間保存でき、炊いた白米に混ぜたり、サラダやスープの具材にしたり、ココナッツミルクと煮込んだり、茹で小豆と混ぜたりすればデザートとしても使えます。
玄米&押し麦の圧力鍋を使っての炊き方
玄米は圧力鍋を使って炊くともっちりとして美味しくなります。
ここでは押し麦を混ぜて食感も楽しめる炊き方を紹介します。
【材料】3~4人分
玄米 2合
押し麦 1合
昆布 約5cm
塩麹 大さじ1
水 700cc
【作り方】
1.玄米を洗い、ザルにあげ30分~1時間ほどおきます。
2.圧力鍋に1、と残りの材料を全ていれ、強火にかけます。
3.圧がかかり始めたら弱火にし、20分加熱します。
4.火を止め、圧が下がるまでそのままにします。
5.圧が下がったら昆布を取り出し、鍋底からごはんを返します。
水の量は650ccに変えても炊けますので、調節して自分好みの水加減を探してください。塩麹の代わりに塩をひとつまみ加えてもOKですし、お水だけで炊いても美味しいです。
玄米はビタミンやミネラル、食物繊維を豊富に含み、完全栄養食ともいわれています。
白米を主食とした場合は、栄養バランスをとるため1日30品目以上を食べるようすすめられていますが、玄米を主食とした場合は一汁一菜でもよいと考えられています。
玄米には、体内の有害物質を排出してくれる働きが期待できるフィチン酸も多く含まれているため、便と一緒に身体の外へ毒素を出してくれる効果もあります。
圧力鍋を使って押し麦と鶏手羽元でトマトスープを作ってみよう
圧力鍋を使えば、お肉も野菜もトロトロのスープが簡単に作れます。
押し麦入りなので、スープだけでも十分満足できますよ。
押し麦ごはんの炊き方を覚えたら、ぜひこんなアレンジレシピにも挑戦してください。
【材料】4人分
押し麦 45g
手羽元 8本
にんにく 1かけら
お好みの野菜 適量
コンソメ(キューブタイプ) 4個
水 1,000ml
トマトジュース 1缶(160g)
トマトケチャップ 大さじ3
粗挽き黒コショウ 適量
【作り方】
1.押し麦は適量の水に浸しておきます。
2.にんにくは輪切り、野菜は食べやすい大きさに切ります。
3.圧力鍋に押し麦、手羽元、にんにく、野菜、コンソメ、水を入れ加熱します。
4.圧がかかったら、4~5分加熱します。
火を止め、自然と圧が下がるまで置きます。
5.一度フタを開けトマトジュースとケチャップを加え、煮立つまで加熱し、仕上げに粗挽き黒コショウをふります。
加える野菜は圧力鍋の容量内であれば、人参やじゃが芋、玉ねぎ、きのこなどお好みのものを入れてください。
手羽元を入れず、押し麦と野菜だけで作っても美味しいスープになります。
押し麦の圧力鍋でなく土鍋を使っての炊き方もご紹介
炊飯器を使う方法や、圧力鍋を使った押し麦ごはんの炊き方を紹介しましたが、土鍋でも美味しく炊くことができます。
浸水させる時間が夏場は30分、冬場なら1時間とかなり違いますので、炊き上がりの時間から逆算することを忘れないようにしましょう。
【材料】
米 2合
押し麦 1/4カップ(お米カップ)
水 490cc
【作り方】
1.米を洗い、そこへ押し麦を入れ、適量の水に浸水させます。
2.しっかり水気を切り、土鍋に移し分量の水を入れます。
3.強火にかけ、蒸気が出はじめたらとろ火にし、8分加熱します。
4.火を止め10分置いたら、下からかき混ぜます。
蒸気が上がり始めると、土鍋のフタから水があふれ出てきますが、とろ火にすれば吹き零れることはほとんどありません。
それでも、吹きこぼれそうなら一度火を消し、再びとろ火にしてください。
押し麦を計るとき、お米カップを使うことを忘れずに。
浸水させるときは米と押し麦をザルに入れておくと水切りが楽にできます。
色々な炊き方をしてみよう
押し麦は、食物繊維が豊富で、鉄分やビタミンも含まれているので、美容や健康増進目的の方にもオススメです。
そのまま白米に混ぜても美味しいのですが、色々なアレンジレシピも楽しめるので、まずは色々な炊き方に挑戦して自分好みの炊き方を探してみましょう。