「玄米は身体にいいのか悪いのか?」本当のところを知りたい

玄米は栄養があって、身体にいいと言われている半面、身体に悪い成分も含まれていると聞きます。

せっかく玄米を食べるのであれば、不安なくおいしく食べたいと思われる方も多いことでしょう。

そのために、本当のところは身体にいいのか悪いのかを、この機会に栄養面や調理の面など、様々な角度から探ってみましょう。

玄米が「身体にいい」とされる理由とは?

世の中には「身体に悪い」と言われる食品は、「添加物が多い」「身体に悪い成分」を含んでいるなど理由は様々です。

そのような中で、玄米は栄養がたっぷり含まれる、身体にいい食品だと聞かれることが多いと思います。

それというのも、玄米には40種類の栄養素が含まれていて、中でもマグネシウム、鉄分といったミネラル、ビタミンB群、食物繊維が豊富に含まれています。

ミネラルやビタミンなどの栄養素を、バランスよく含んでいるところが、玄米がスーパーフードと呼ばれている理由なのですね。

例えばビタミンB群が足りなくなると、疲れやすくなったり、食欲不振、情緒の不安定、貧血などが見られることがあります。

そこからわかるように、ビタミンB群は体調の良し悪しに、関係の深い栄養素になるのです。

ある栄養調査によると、ビタミンB1は体内で作ることができず、補助食品に頼ったとしても、不足気味になる方が多い栄養素のようです。

また、マグネシウムは骨や歯を作るために必要であり、鉄分は肺から酸素を運搬する役割を持っています。

そのためにも、ビタミンB1をはじめとした、栄養素をたっぷり含む玄米は、身体にいい食品と言えるでしょう。

玄米が身体にとって「悪い」と言われるのはなぜ?

玄米が栄養豊富で身体にいいと褒められる半面、身体に悪い部分もあると言われるのには理由があります。

おそらく身体に悪いと言われている理由は、玄米に含まれる「アブシジン酸」や「フィチン酸」に関する事になるでしょう。

まず「アブシジン酸」とは、玄米の種が乾燥や低温であることで、感じたストレスから合成される、植物由来のホルモンになります。

アブシジン酸が原因となって、体内に活性酸素が発生することにつながると言われています。

アブシジン酸は、私達の身体の細胞に存在する、ミトコンドリアに悪影響を与え、エネルギーを作ることに支障をきたします。

その結果低体温の状態になり、身体の免疫力や不妊にまで影響するとされています。

もう一つの「フィチン酸」は、体内の有害物質だけではなく、ミネラルまで体外に排出してしまうことがわかってきました。

ミネラルはマグネシウムやカルシウムなど、骨を形成するために大事な栄養素となります。

そして、ミネラルである鉄分は赤血球を作る、ヘモグロビンの成分になっている、こちらも体にとって必要な栄養素です。

そのため体内で吸収したい栄養素なのに、体外にミネラルを排出してしまうフィチン酸は、身体にとって悪いと言われてしまいます。

玄米を食べても身体にいい要素を得られにくい人とは?

玄米は「よく噛まなければ消化に悪い」と、いう話を聞かれたことはありませんか?

それは玄米の粒が外皮に包まれていて、白米を食べる時と同じように噛んでいては、消化に悪い状態になるからです。

玄米には栄養が豊富に含まれていると言われますが、しっかり噛んで消化にいい状態にしなければ、身体にいい栄養素を得られにくいです。

そのため、乳児、高齢者(特に歯が弱っている方)、病気療養中の方に関しては、玄米の食べ方をよく考えられた方がいいでしょう。

病気療養中の方の場合、栄養を多く摂る方が良いですが、玄米は噛み砕かないと栄養を吸収できないという特徴があります。

場合によっては他の食品から、必要な栄養素を取る方が望ましいです。

他には、食物アレルギーを持っている人は、グロブリン(アレルゲンになるたんぱく質)に注意が必要です。

花粉やハウスダストなどのアレルゲンが体内に入ってくると、グロブリンが原因となってかゆみが起きることもあります。

そして胃腸の病気を抱えている方は、食べた物を消化する力が落ちてしまっていることが考えられますので、避けるほうが良いでしょう。

玄米を水に漬けていると芽がでるけど、これは身体に悪いもの?

白米の場合は、胚芽と呼ばれる部分を切り取ってしまっています。

そのため、どれだけ長時間水に漬けたとしても、芽が出てくることはありません。

でも玄米の場合は、夏場で12時間ほど、冬場だと24時間ほどといった、長時間の水への漬け込みで、発芽することになります。

そうなると水に漬けている中で、ピンと芽が出てきていることが確認できるでしょう。

これは「発芽玄米」と呼ばれる状態になっていて、含まれている酵素が活性化していたり、旨みも増していることになります。

また、玄米を発芽させると、身体に悪いのではと心配されるアブシジン酸は、水に漬けずに圧力鍋で炊くよりも減少しています。

そのため、玄米から芽が出ている状態は、「悪い」とされるものではなく、より身体にいい状態になっていると思ってもいいでしょう。

ただし、高温乾燥させた玄米を購入されている場合は、同じように水に漬けても、発芽することは見られないと思います。

自然乾燥や低温乾燥させた玄米は、発芽をすることになりますので、ご購入の際は説明書きを確認されることがおすすめです。

身体に悪い玄米の食べ方ってあるの?

身体に悪い食べ方としては、水に漬け込んでいない玄米を、圧力鍋で炊いてしまう方法があります。

圧力鍋で玄米を炊く調理方法は、身体にいいと評判の玄米が好きな方達の間でも、人気のある作り方のようですね。

それは圧力鍋を使うと、「短時間で玄米を炊ける」という点が一番の魅力になり、健康志向でありながら忙しい方にはぴったりなのでしょう。

ですが、玄米の圧力鍋を使った調理が身体にいいか悪いかというと、悪い面が見えてきます。

その理由は圧力鍋で高温調理することで、発がん性物質であるアクリルアミドという、身体に悪い物質が発生してしまうからなのです。

発がん性物質が発生すると聞くと、できれば危険性があるものは避けたいですよね。

そうなると、実際に水に長時間漬け込んで、発芽玄米の状態にして炊いた方が、お米は柔らかくなるため、消化によく身体にいいのではないでしょうか。

尚、アクリルアミドが発生しないようにするためには、沸騰温度が120℃以下の圧力鍋を使うといいとも言われています。

ただし、身体に悪い玄米の食べ方を避けるためには、念のために圧力鍋の調理をやめておくのも、一つの方法かもしれません。

より身体にいい玄米を食べるレシピを教えて!

玄米は栄養が多く身体にいい食品ですが、アブシジン酸のような悪いイメージの物質が、気になる食品でもあります。

アブシジン酸が気になる場合、夏場は水に12時間以上、冬場は24時間程度漬けると、無毒化できるとされています。

その玄米を使った料理であれば、通常の玄米よりもさらに、身体にいい玄米と言えるのではないでしょうか。

また、漬け込んでいる間の水をきれいに保つことも、衛生面で良いとされているので、夏場は1回、冬場も2回ほど変えるのもいいですね。

他には、玄米に多く含まれるビタミンB群は、加熱に弱いタイプになるため、できれば冷凍の玄米にしないで、炊いたものを早めに食べるといいでしょう。

その場合は、玄米に具材を入れて、具入りの御飯にして食べるのはいかがでしょうか?

ビタミンの栄養にプラスをして、野菜や肉を始めとする具材からも、栄養素が摂れることになります。

さつまいもは、糖質の多い食品になるため、脳の働きを良くすることになります。

さつまいものビタミンCは、他の野菜に含まれるビタミンCよりも、熱に強いと言われているので、さつまいものご飯にするとちょうどいいですね。

皮の周りに栄養が多いので、よく洗って皮をむかずに入れると彩もよくなり、そこに栄養豊富なゴマをふるのもいいと思います。

玄米が身体にいいか悪いかについての結果は…

玄米は含んでいる栄養や成分、それに調理法もいろいろと種類があることが分かりました。

身体に悪い成分も確かに含まれているようで、それに合った対処の仕方をすることが必要だと感じます。

他には、消化の面でも、玄米をおいしく食べる上でも、長時間水に漬け込んだ調理法を選ぶ方がいいと言えるのかもしれません。

それは、玄米の食感も柔らかくなることと、栄養や消化の面でもより多くの人にとって、玄米に持つ不安が少なく、そしておいしく食べられるからです。