寒くなってお鍋が恋しくなる季節には、日本のお鍋の代表格と言っても過言ではない、味噌鍋が食べたくなりませんか?
そんな味噌鍋を、ただの味噌鍋ではない、特別な一品にするための、スープの作り方とアレンジをいくつかご紹介します。
たまにはちょっぴり時間をかけて、いつもの味噌鍋を、贅沢なお料理に変えてみてはいかがでしょうか。
味噌鍋に合う基本のスープの作り方
味噌鍋は、日本の食材である味噌を用いた料理ですから、やはりスープの基本の材料は、昆布と鰹ですね。
そうです、日本料理の基本、出汁です。
【材料 3、4人分】
・昆布 10cm角1枚
・鰹の削り節 15~20g(ひとつかみ位)
・水 5カップ(1,000ml)
【作り方】
①昆布の表面を軽く拭き、分量の水と共に鍋に入れて、10分ほど置いておく。
②鍋を中火にかけ、沸騰直前に昆布を引き上げる。
③弱火に落として、鰹の削り節を入れて、1分ほど煮てから火を止める。
④そのまま削り節がなべ底に沈むまで休ませておく。
⑤ボウルにペーパータオルを敷いたザルをのせて、4のスープを注いでこす。
⑥すぐに使わない場合は、保存瓶などに移して冷蔵庫に入れておけば、2~3日は美味しさを保てます。
こした後の昆布と鰹の削り節は、もう一度鍋に戻して煮出せば、煮物やお惣菜などの出汁として使うことができます。
これを二番出汁といいます。
味噌鍋のスープに合うお味噌の選び方
ひと口に味噌鍋といっても、沢山あるお味噌の中から何を選べばいいのでしょう?
前項では、味噌鍋に合うスープの作り方をご紹介しましたが、こちらではお味噌の種類とその違いをご紹介します。
味噌選びの参考にしてみてください。
【米味噌】
大豆と米麹を原料にして作られた、最もポピュラーな馴染みのあるお味噌です。
全国的に生産されており、信州味噌・西京味噌などが良く知られていますね。
お米の持つ甘みと、そのマイルドな風味が、さまざまな食材と合わせやすく、最も多く使われているお味噌です。
【麦味噌】
大豆と麦の麹から作られています。一般的にはあまり使用頻度は多くないと思いますが、九州地方や山口県、愛媛県では特に好まれている有名なお味噌です。
米味噌よりも甘みが強く、豊かな麦の香りが特徴です。
【豆味噌】
大豆と豆麹で作られており、その生産地は主に中京地域で、愛知県や三重県、岐阜県で多く使用されています。
米味噌よりも、少し塩辛さを感じる風味が特徴です。
【合わせ味噌】
米味噌・麦味噌・豆味噌を組み合わせて作られています。
愛知県を中心として生産されている赤だし味噌は、豆味噌を主原料に米味噌と調味料を合わせた、コクの中に軽い渋みも感じられるお味噌です。
そして、それぞれの味の違いと、外観の色の違いなどによって、沢山の種類の銘柄が生産されています。
一般的には、白・淡色・赤の三色に分類され、その味の特徴は、白味噌は塩分が少なく甘口であり、赤味噌と呼ばれる色の濃いものは、塩分が多めで辛口です。
その中間の淡色味噌は、塩分の幅も広く、甘めから辛めと味の種類も豊富です。
王道の味噌鍋とスープの作り方
お味噌の違いが分かったところで、まずは誰もが知っている味の、「これぞ味噌鍋」というスープの作り方で、味噌鍋を作ってみましょう。
【材料 4人分】
・白菜 1/2個
・春菊 2束位
・長ネギ 1本
・シイタケ 中サイズ6~7枚
・ニンジン 中サイズ1/2本
・豆腐 1丁
・豚肉薄切り 400g~
【味噌スープ】
・基本の出汁 1,000ml
・淡色味噌 大さじ5~6
(ここでは信州味噌がおすすめです。)
・酒 100ml
・みりん 大さじ3
・砂糖 大さじ2~3
・白練りゴマ 大さじ1~2
・ショウガのすりおろし 大さじ1~2
・ニンニクのすりおろし 小さじ1~お好みで
・白すりゴマ 適量
【作り方】
①味噌をボウル入れ、出汁を少しずつ加えながら、ゆるいペースト状にのばす。
②白すりゴマを除いた、①の味噌と全てのスープの材料を、残った出汁と合わせてスープを作る。
③白菜は水で洗い、葉と白い軸の部分に分けて、葉の部分は食べやすい大きさに、軸の部分は、縦半分に切り分け、横にして2cm位の幅にカットする。
④春菊・長ネギも水洗いしておき、春菊は3等分にカットし、長ネギは1.5cmほどの斜め切りにする。
⑤シイタケは、石づきを取りのぞき、ニンジンは5mm幅の輪切りにする。
⑥豆腐は軽く水で流し、食べやすい幅に切り分ける。
⑦豚薄切り肉は、大きい場合は1/2ほどにカットし、軽く熱湯に通してザルに上げておきます。
⑧鍋に豚肉以外の具材を並べ、味噌スープを鍋の深さの2/3ほど注ぎ、蓋をして中火にかけて煮込む。
⑨具材が柔らかく煮えたら、豚肉を鍋の中に入れ、すりゴマを振りかけて完成です。
⑩入りきらなかった具材と、スープを足しながら、いただきます。
アレンジ①豆乳ゴマ味噌鍋の作り方
【材料 4人分】
・水菜 2束
・豆腐 1丁
・ニンジン 1/3本
・長ネギ 1本
・豚薄切り肉 400g~
・その他お好みの野菜 適量
【ゴマ味噌スープ】
・基本の出汁 1,000ml
・無調整豆乳 400ml
・お好みの味噌 大さじ5~6
・酒 大さじ2
・みりん 大さじ5
・砂糖 大さじ2~3
・醤油 大さじ1~2
・白すりゴマ 大さじ4
【作り方】
①味噌をボウルに入れ、出汁を少しずつ加えながら、ゆるいペースト状にのばす。
②①の味噌と、残った出汁を合わせ、豆乳を除いた全てのスープの材料を加えてゴマ味噌スープを作る。
③水菜は、水で洗い5cmほどの長さに切り揃える。
④長ネギは、幅1.5cmほどの斜め切りにする。
⑤にんじんは、縦に3mm幅でカットし、さらに縦3分割の短冊切りにする。
⑥豆腐は、食べやすい幅に切り分ける。
⑦豚薄切り肉は、大きい場合は1/2にカットして、軽く熱湯に通してザルに上げておく。
⑧鍋に具材を並べ、ゴマ味噌スープを注いで、蓋をして中火にかける。
⑨具材に火が通れば、豆乳を加え、豚肉を入れてひと煮立ちさせれば出来上がりです。
※豆乳を加えたら、あまり煮立たせないのが美味しさのポイントです。
アレンジ②ピリ辛鶏だんご味噌鍋の作り方
【材料 4人分】
・鶏挽き肉 400g
A 片栗粉 大さじ1
A 酒 大さじ1
A 醤油 小さじ2
A ショウガの絞り汁 大さじ1位
A 塩 小さじ1弱
A 水 大さじ2位
・白菜 1/2個
・春菊 2束
・シイタケ 中サイズ6枚
・ニンジン 1/4本
・豆腐 1丁
・その他お好みの野菜 適量
【ピリ辛味噌スープ】
・基本の出汁 1,000ml
・赤味噌 大さじ5~6
・豆板醤 小さじ1~2
・酒 大さじ2
・みりん 大さじ4
・醤油 小さじ1
・砂糖 大さじ1~2
【作り方】
①前述した味噌スープの作り方で、ピリ辛味噌スープを作り、味見をして辛さの調節をする。
②お好みで、甜麺醤を適量加えても美味しくなります。
③ボウルに鶏ひき肉とAの材料を加えて、粘りが出るまで良くこねて、冷蔵庫で休ませておく。
③白菜は、葉の部分は食べやすい大きさに、軸の部分は1cm幅の細切りにする。
④春菊は、3等分にカットしておく。
⑤シイタケは、石づきを取り除き、ニンジンは2mm幅の輪切りにする。
⑥豆腐は、食べやすい幅に切り分ける。
⑦鍋に鶏肉以外の材料を並べ、ピリ辛味噌スープを注いで、蓋をして中火にかける。
⑧具材に火が通れば、②の鶏肉を大きめのスプーン2本を使って、丸く形を整えながら、鍋に入れ、煮込みながらいただきます。
アレンジ③牡蠣とキノコの味噌鍋
【材料 4人分】
・牡蠣(鍋用) 400g位
・豚薄切り肉 300g
・白菜 1/2個
・長ネギ 1本
・シイタケ 中サイズ5~6枚
・エノキダケ 1/2株~1株
・ブナシメジ 1株
・エリンギ 1~2本
・その他お好みの野菜 適量
【白味噌スープ】
・基本の出汁 1000ml
・白味噌 大さじ6
・鶏ガラスープの素 大さじ1
・酒 100ml
・みりん 大さじ3
・砂糖 大さじ2
・白練りゴマ 大さじ2
・ショウガのすりおろし 大さじ1~2
・ニンニクはお好みで 適量
【作り方】
①前述した味噌スープの作り方で、白味噌スープを作る。
②牡蠣は、塩水で洗いザルに上げておく。
③豚薄切り肉は、1/2にカットし、軽く熱湯に通してザルに上げておく。
④白菜は、軸の部分も同様に食べやすい大きさに切り揃える。
⑤長ネギは、2cmほどの斜め切りにする。
⑥シイタケは、石づきを取り除き、エノキダケ・ブナシメジも、石づきの部分を切り離し、ほぐしておく。
⑦エリンギは、縦に2mm幅でスライスする。
⑧鍋に牡蠣と豚肉以外の材料を並べ、白味噌スープを注ぎ、蓋をして中火にかける。
⑨材料に火が通れば、牡蠣を加え蓋をしてさらに5~6分煮込む。
⑩最後に豚肉を入れて、軽くひと煮立ちしたら器にスープごと取り分けていただきます。
基本を知ればアレンジは無限大
市販の鍋の素を使って、手軽に作れる鍋料理ですが、ひと手間をかけてスープから手作りしてみると、いつもの味噌鍋が、おもてなし料理に変わります。
安心してスープまで飲み干せるのも、手作りならではですよね。
また、糖質が気になる場合は、砂糖をラカントなどの天然甘味料に変えてみるのも、おすめです。