味噌汁は日本に昔から続く伝統料理です。
最近では味噌汁の具材を充実させることで、立派なおかずほどにもなるという見方も出てきています。
インスタントの味噌汁は種類も豊富で簡単に作れますが、えのきなどのきのこ類を使って味噌汁の作り方をマスターすれば、手作りで簡単に味噌汁が作れます。
心も身体も温まる味噌汁で毎日元気に過ごしましょう。
日本人だけがもつ味覚の秘密は味噌汁にあり!
味覚を感じる細胞は、私たちが成長する段階で発達し、12歳までに約4万個になります。
しかし、それを過ぎるとだんだんと減っていき、成人はおよそ8千から1万個くらいになります。
ですから、味覚が発達する時期に、本物の「甘・酸・塩・苦味」の四味を体験し、身につけることが非常に重要になってきます。
日本人は代々味覚を教え、伝えてきました。
四味のうち、一番身に付きにくいのが「苦」ですが、サンマの内臓で苦味を教えました。
山に住む人は山菜のえぐみで、川の近くの人はアユの内臓などで苦味を伝承してきました。
甘・酸・塩・苦味の四味は世界共通ですが、日本人だけがもう一つ「五つ目の味覚」として「うま味」という感覚を持っています。
うま味は昆布です。
昆布でだしを取って、カツオやシイタケ、ニボシなどで香りをつけ、味噌汁を溶いて飲むことで、先祖代々うま味という感覚を伝えてきました。
ところが、その伝承が断ち切られ、今の子供達は味覚がおかしくなってきて本当の塩味や苦味などが分からなくなってきていると言われています。
まずは簡単に作れるえのきを使った味噌汁から作り方を学んでいきましょう。
味噌汁にえのきを入れる作り方がお勧めなわけ
私達が普段目にするえのきは、白くて細いものがほとんどですが、野生のものは茶褐色です。
えのきはクセがないのでどんな素材と合わせても大丈夫です。
また、えのきは栄養と旨みがぎっしり詰まっており、えのきを加えることで食物繊維が摂取できます。
その他にもカロリーはほとんどありませんが、ビタミンB1、B2、ナイアシン、カリウム、マグネシウム、鉄、亜鉛などが含まれており、ミネラル類の含有量はしいたけ以上です。
また抗がん作用が期待されるβ‐グルカンの一種である、レンチナンが、他のきのこより多く含まれています。
調理する際も、水洗いは不要で、えのきの根元を切り落とし食べやすい大きさに3等分すれば良いだけですので、皮をむいたり細かく切ったりする必要がなく、料理初心者にも使いやすい食材です。
そして、すぐに火が通るため時間短縮にも繋がります。
味噌汁の作り方は是非簡単な食材から始めてみてくださいね。
えのきの他にも味噌汁に合うきのこがたくさんあります!
えのきの他にも、きのこには色々な種類があります。
味噌汁に合うきのこは、しいたけ、舞茸、なめこ、しめじをお勧めします。
「しいたけ」は食べた後に日光に当たると、含まれる成分が骨の形成に欠かせないビタミンDに変化します。
また血中コレステロールを低下させるエリタデニン、免疫細胞を活性化させる成分も含まれています。
旨味成分であるグアニル酸は加熱すると増加し香りとうま味がアップします。
「舞茸」は、「見つけると舞うほど嬉しい」というのが名前の由来と言われています。
歯ごたえと独特の香り、うま味で人気です。
抗腫瘍、免疫力アップに効果があると言われています。
「なめこ」は、独特のぬめりと歯ごたえが特徴です。
つるりとした喉越しと歯ざわりが人気です。
水分が95%と多く、カルシウム、鉄、銅、マグネシウムなどを含んでいます。
また、なめこ特有のぬめりの成分は、消化吸収を助け胃壁を守り、肝機能の働きを助ける、といった効果があります。
「しめじ」は食物繊維が豊富なので、便秘の解消やコレステロール値の低下などに効果的です。
そして、うま味成分のアミノ酸も多いので、煮物や炊き込み御飯など和洋中と幅広く利用できます。
このように優れた栄養価と効能が期待されるきのこです。
これらのきのこも全て、簡単に火が通り調理しやすいので、えのき同様、味噌汁の作り方を学ぶ際の基本の具材として積極的に取り入れてみて下さいね。
えのきを使った味噌汁の簡単な作り方
計量器を使うのはやめてみましょう。
【材料 2人分】
・だし汁 お椀なみなみ2杯分
・えのき 半分
・味噌 好みの味になる量
【作り方】
①だし汁を鍋に入れ火にかける。
②沸騰したら、食べやすい大きさに切ったえのきを入れる。
③1分ほど煮たら火を止めて、好みの味になるまで少しずつ味噌を入れる。
もし、ネギや乾燥ワカメがあれば火を止めた後に入れてもいいですよね。
えのきを使ったとても簡単な作り方をお伝えしました。
簡単にできそうだと思いませんか?
だし汁は最初は市販の物を使って下さい。
自分でだしをとってみたいな…と思ったら、是非こちらを試してみてください。
【材料 2人分】
・水 お椀なみなみ2杯分
・昆布 親指サイズ2枚
・煮干し 5匹ほど
【作り方】
①作り始める1時間以上前に水に昆布と、煮干しを入れておく。
②作る時に火をかけ、味噌汁の具材を入れて通常の作り方で完成させる。
たったこれだけで簡単に自分でだしがとれるのです。
簡単だと思いませんか?
ポイントは煮干しです。
煮干しは水につけておくと勝手にいいだしが出てきます。
鰹節のように濾さなくていい分、手間が省けます。
何時間前に入れても大丈夫なので、朝や昼の手が空いた時に、水に材料をポンポンと入れておけば、夜に作る時にはだしはできています。
また煮込んだ昆布、煮干しも、そのまま味噌汁と一緒に食べることができますよ!
栄養源として是非食べる習慣をつけてみてはいかがでしょうか?
味噌汁の簡単な作り方を知って、少しずつ具材を増やしていくのも良いですね。
味噌汁の他にもえのきを使った汁物の作り方をご紹介
えのきは和洋中どんな料理にも合う優れた食材てす。
味噌汁の他にも、お吸い物や洋風スープ、中華スープにも合います。
きのこの扱い方に慣れてきましたら、味噌汁以外の汁物にチャレンジしてみるのはいかがでしょうか。
例えばお吸い物でしたら、味噌を入れる代わりに、酒少々と塩、しょうゆを入れるだけです。
ポイントは塩を少し多めでしょうゆ少々で味を整えてみることです。
ワカメや三つ葉を加えると香り豊かなお吸い物の完成です。
洋風スープだと、ブイヨンを入れて沸騰したお湯に、えのきや冷蔵庫にある野菜を入れるだけです。
また玉ねぎ、キャベツ、人参、ブロッコリー、じゃがいもなど冷蔵庫の掃除を兼ねて余った野菜を入れてください。
味は塩とこしょうで整えて完成てす。
具だくさんスープで野菜不足も補えます。
中華スープも簡単にできます。
沸騰したお湯に鶏ガラスープの素を入れて、えのきやワカメを入れます。
火を止める直前に卵1個を溶いたものを、鍋に流し入れます。
味は塩とこしょうで整えてください。
春雨を入れても美味しいですし、ごま油を数滴加えるだけでも風味がぐんと変わりますよ。
どのスープも作り方は簡単でしたね。
汁物は、和風だし、洋風だし、中華だしを変えるだけで簡単に作れます。
まずは、手軽に扱えそうな食材から試してみてはいかがでしょうか。
えのきを美味しい和え物にする作り方
えのきは味噌汁やスープなどの汁物以外に、美味しい和え物としても使えます。
とても簡単に作れるので、えのきの和え物の作り方を覚えておくと副菜に困った時に便利です。
【材料 2人分】
・えのき 1/2袋
・にら 1/2袋
・ぽん酢 適量
【作り方】
①にらを洗い沸騰したお湯で20秒ほど湯がき、水にさらさずザルに上げて置いておく。
②にらを湯がいたお湯にえのきを入れ、1分ほど湯がいたら熱いままザルに上げて置いておく。
③あら熱が取れたら、にらとえのきの水分を軽く手で絞り、それぞれ3センチほどの長さに切り、それをお好みの量のぽん酢で和える。
同じ鍋で少し湯がくだけで簡単に和え物ができます。
にらは緑黄色野菜です。
カロテン、ビタミンB2、C、カルシウムやカリウムなどを豊富に含み、糖分の分解を促進する働きがあります。
さらに、血行を良くして身体を温め、胃腸の働きを助けるので、風邪の予防や病後の回復にも効果があります。
ですので、代謝の悪い人や虚弱体質の人は積極的に摂るのをお勧めします。
「二日酔いにはにらの味噌汁が効果的」とも言われているので、えのきの味噌汁の作り方にも慣れたら、にら入りの味噌汁も簡単に作れそうですね。
いつも身近にあるえのきを活用して元気な身体作りを目指す!
1年を通りしてほぼ店にあるえのきなどのきのこ類は、料理に幅広く活用できる優れものです。
味噌汁だけでなく、炒めものやサラダ、揚げ物にも使えるので気にかけて頂きたい食材です。
忙しい日々が続くと体調も崩れやすくなります。
日々の食事にえのきなどのきのこ類をこまめに取り入れることで、免疫力強化につながります。
是非、少しずつ作り方を学び、美味しく簡単に作れる料理で健康な食生活をお送り下さいね!