おにぎりはお弁当にも、忙しい日の昼食や夜食などにも、ご飯と塩さえあれば簡単に美味しくできます。
そんなおにぎりをグレードアップさせたものが焼きおにぎりです。
醤油だけを塗った素朴な味から、味噌やチーズをトッピングした物までレシピは様々です。
今回は美味しい焼きおにぎりのレシピをたくさんご紹介します。
焼きおにぎりと味噌の歴史は深い
おにぎりは簡単に作れますが、焼きおにぎりを美味しく焼くのは手間がかかります。
家で作るのは手間だから、居酒屋さんでメニューを見かけるとつい注文してしまうという人もいるのではないでしょうか。
そんな焼きおにぎりですが、ずいぶん昔から日本人には食べられていたということをご存知ですか?
17世紀ごろの文献に「焼飯」という記述があり、これは「おにぎりを焼いたもの」を指しています。
戦国時代から味噌をつけたおにぎりを武将たちが戦の時に食べていたことは知られています。
味噌は昔から、肉の代わりのタンパク源であり、スタミナ持続のために重宝されていました。
伊達政宗は仙台味噌、上杉謙信は越後味噌など数々の名将たちも味噌作りの技術を本拠地で広めていたようです。
もともとはおにぎりに味噌を塗りつけただけの「味噌にぎり」として戦場に持っていっていたものを、数日後に温めや腐食防止のために焼いて食べたと考えらえています。
このように味噌を使った焼きおにぎりは日本人が昔から、栄養食、保存食として親しんでいた食べ物です。
現代ではトッピングも増えて、様々なレシピで楽しまれています。
醤油?味噌?地方で異なる焼きおにぎり
皆さんは焼きおにぎりというと、醤油味と味噌味とどちらを思い浮かべますか?
一般的に西日本では醤油、東日本では味噌が多いです。
これはもともと西日本では味噌=調味料、東日本では味噌=おかずと考えていたことに起因します。
東日本ではおかずである味噌と一緒に食べることで、食事を完結させていたのでしょう。
現代では情報も、物流もスムーズになり食文化も地域性が薄れてきました。
そのため、西日本、東日本関係なく、どこでも様々な焼きおにぎりを食べることができます。
とはいえ、今でも田舎のおばあちゃんの家にいくとその土地独特のレシピでの焼きおにぎりが提供されます。
実家やおばあちゃんの家で食べていた焼きおにぎりが、各個人の「基本の焼きおにぎり」になっています。
また焼かない味噌おにぎりもまだまだ健在で、東北地方を中心に生の味噌をご飯にまぶして握っただけの味噌おにぎりが食べられています。
味噌焼きおにぎりしか知らない人からすると「味噌を生で食べて大丈夫?」、「焼いた方が香ばしくて美味しい」など意見があります。
モロキュウを想像してもらえば、味噌を生で食べることは珍しくありません。
しかし不思議な物で味噌おにぎりの見た目や、味噌焼きおにぎりの先入観で、このような意見が出てくるのでしょう。
味噌を使った焼きおにぎりのレシピ
ではここからは美味しい味噌焼きおにぎりのレシピなどをご紹介していきます。
まずは基本の味噌焼きおにぎりです。
白飯のおにぎりに味噌を塗って焼いただけでは、塩からく風味がイマイチの焼きおにぎりになってしまいます。
味噌の塩辛さを和らげてくれるのはみりんです。
■基本の味噌焼きおにぎり
【材料】
・おにぎり 4個
・味噌 大さじ2
・みりん 大さじ1と1/4
【作り方】
①おにぎりの表面に少し焦げ目ができるまで焼いておきます。
②味噌とみりんを混ぜたものをおにぎりの両面に塗り、味噌の表面に焦げ目がついたら出来上がりです。
味噌の塩気がありますから、おにぎりは白飯でOKです。
みりんを加えることで甘味とコクが増し、美味しくいただけます。
この基本の焼きおにぎりを覚えておけば、あとは味噌に「ねぎ」「練りごま」「ゆず」などを加えると、より一層香ばしく風味豊かな焼きおにぎりが出来上がります。
意外と思われるでしょうが「梅味噌」も合います。
チューブのねり梅で簡単に作れますので、お試しください。
■梅味噌
【材料】
・味噌 大さじ1
・ねり梅 小さじ1/2
・みりん 大さじ1
・和風だしの素 ひとつまみ
【作り方】
①材料を混ぜ合わせて、両面を焼いた焼きおにぎりに塗って軽く焼いてください。
これはあまり焼き過ぎると梅の風味が飛びますから、表面が乾いたらすぐに火からおろしましょう。
梅の風味で、後味がさっぱりします。
味噌を使った焼きおにぎりの美味しい焼き方
焼きおにぎりを焼く時に、フライパンやトースターを使うことが多いと思います。
ひっくり返した時に形が崩れたり、フライパンやトースターにくっついてしまったりということがありますね。
おいしそうなレシピを見つけて作ってみたけど、焼き方で失敗してしまうと見た目が残念です。
そうならないためにこのポイントを押さえておきましょう。
・おにぎりは炊き立てのご飯をしっかりと握り、常温で充分に冷まし自然乾燥させます。
冷ますことで米粒がしっかりと固定されます。
・クッキングシートを使ってフライパンで焼きます。
フライパンでクッキングシートを一枚引くだけで、ひっつきを防げます。
クッキングシートはトースターでは使えませんので、フライパンがお勧めです。
・最初におにぎりだけを焼いて、表面にかるく焦げ目を付けます。
おにぎりがさらに崩れにくくなります。
・何度も返さない事が重要です。
・味噌などのタレを塗ったら、表面が乾いてからひっくり返します。
炊きたてのご飯でおにぎりを作ってすぐに焼いてしまうと、崩れやすいです。
また何度もひっくり返すことも崩れる原因です。
焼きおにぎりを美味しく食べるためには、下準備と根気が必要です。
あっさり焼きおにぎりのレシピ
焼きおにぎりには決まりはありません。
自分のオリジナルレシピをお持ちの方も沢山いるでしょう。
焼きおにぎりのバリエーションはいくらでも広げられます。
味噌ばかりではなく醤油のレシピを合わせてご紹介します。
■簡単めんつゆ焼きおにぎり
【材料:2個分】
・ご飯 200g
・めんつゆ 大さじ1/2
・醤油 大さじ1/2
・ごま 適量
・カツオ節 1つまみ
【作り方】
①ご飯にめんつゆ、醤油、ごま、カツオ節を混ぜてからおにぎりを作ります。
②フライパンでじっくりと、両面を焼いたら完成です。
お醤油だけで作るよりも、めんつゆとカツオ節で風味豊かでまろやかな塩味になります。
■大葉入りゴマ味噌焼きおにぎり
【材料:2個分】
・ご飯 200g
・大葉 2枚
・練りごま 小さじ1
・味噌 小さじ1
・砂糖 小さじ1/4
【作り方】
①練りごまと味噌、砂糖はあらかじめ混ぜ合わせておきます。
②大葉を千切りにしてご飯に混ぜ込み、おにぎりを作ります。
③フライパンでおにぎりの表面を焼いてから、最初に混ぜた味噌を塗り表面が乾くまで焼いて完成です。
ご飯に大葉をいれると、後味がさっぱりします。
がっつり焼きおにぎりのレシピ
肉巻きおにぎりのように、ボリュームのある焼きおにぎりもできます。
■スパム焼きおにぎり
【材料:2個分】
・ご飯 200g
・スパム 1cm幅×2枚
・スライスチーズ 2枚
・マヨネーズ 小さじ1
【作り方】
①おにぎりをにぎります。
②おにぎりにチーズ、スパムがくっつくように一緒ににぎります。
③フライパンにスパムの面を下にして並べて、上面にマヨネーズをかけます。
④スパムの面がこんがり焼けたら、ひっくり返してマヨネーズの面もこんがり焼いて完成です。
スパムとマヨネーズに油分があるので、焦げ付く心配がありません。
受験勉強の夜食など、ボリュームが欲しい時にお試しください。
■豚味噌焼きおにぎり
【材料:2個分】
・ご飯 200g
(豚味噌)
・豚ひき肉 100g
・麦味噌 100g
・砂糖 大さじ3
・油 小さじ1/2
【作り方】
①フライパンに油を引き、中火でひき肉を炒めます。
②8分目までひき肉に火が通ったところで味噌と砂糖を加えて炒めます。
③ひき肉と味噌をしっかり混ぜながら、焦がさないよう3分ほど炒めて豚味噌の完成です。
④おにぎりをフライパンで焼きます。
⑤おにぎりの表面が固まったら、豚味噌を塗り、表面が乾くまで焼いて完成です。
豚味噌は作り置きしておけば、いつでも手軽に焼きおにぎりが楽しめます。
また豚味噌レシピに生姜や、にんにくを加えて風味を変えるとアレンジも広がります。
焼きおにぎりはレシピにとらわれず、自分流を楽しもう
焼きおにぎりの失敗しない焼き方をマスターすれば、あとはアレンジを楽しんでもっと手軽に食べられるようになります。
味噌でも醤油でも、チーズでもバターでも冷蔵庫にあるもので楽しんで作れます。
小さいおにぎりをたくさん作って、ホットプレートでおにぎりを焼いて、焼きおにぎりパーティなども楽しめそうですね。