味噌は、日本の食卓には欠かせない調味料ですね。
味噌は発酵食品ですので、長期にわたって保存できますが、保存方法によっては劣化したり、変色してしまったりします。
特に、袋詰めの味噌ですと、ふたがないため、劣化が進んでしまいがちです。
今回のお話は、味噌の保存についてです。
味噌の基本的な保存方法
どこの家庭でも必ず常備してある調味料といえば、味噌を思い浮かべる人も多いでしょう。
味噌はプラスチックの容器で売られていることが多いのですが、袋詰めで売られていることもあります。
それぞれ、味噌のおいしさを長持ちさせる保存方法をみていきましょう。
味噌は、基本的に冷蔵庫で保管します。
開封したら、できるだけ空気に触れさせないようにしましょう。
空気に触れると、風味が落ちてしまうためです。
袋詰めの味噌ですと、使うたびに袋の中の空気を抜き、袋の口をしっかり閉めて空気が入らないようにします。
密閉容器に移し替えて、表面にラップを密着させてから、ふたをするのもおすすめです。
プラスチック容器の味噌も同じように、ラップを密着させてから、ふたをします。
ラップで空気と遮断し、味噌の酸化変色や、乾燥を防ぐことができます。
1度開封した味噌は、保存方法や状況によって保存性が変わってきますので、何日でダメになるということは言えません。
味噌は発酵食品ですので、腐るということはありません。
しかし、風味の劣化は起きますので、賞味期限内に使い切るようにしましょう。
おすすめの保存方法は冷凍
味噌は冷蔵庫で保存するとお伝えしました。
さらに、おすすめするのが、冷凍庫に入れるという保存方法です。
味噌は塩分が多いため、家庭用の冷凍庫(約-20℃)では、凍らないと言われています。
カチカチにならないため、解凍する必要もなく、そのまま、スプーンですくって使えます。
保存方法は、前の項でお伝えしたのと同じように、ラップを密着させて密閉して冷凍庫で保存するだけです。
プラスチック容器のものは、そのままでもOKです。
袋詰めの味噌は、おすすめの保存方法があります。
まず、袋のまま味噌を冷凍庫で1晩、凍らせます。
味噌が凍ったら、袋を開き、味噌の塊ごと保存容器に移し替えます。
味噌はカチカチにはならないのですが、手でつかめる硬さにはなります。
すっきりきれいに、移し替えることができますよ。
凍らせていない味噌は、袋から容器に移す際、袋の中に味噌が残ってしまったり、手にベタベタくっついたりしてしまいます。
この方法でしたら、手を汚さず簡単に、袋詰めの味噌を保存容器に移し替えられるので、おすすめですよ。
保存方法が悪い味噌はどうなる?
プラスチック容器でも、袋詰めでも、冷蔵庫に入れておいた味噌の色が変わってしまった、ということがありませんか。
この、味噌の色が濃くなる現象は、「褐変(かっぺん)」と呼ばれます。
どのような味噌でも起こる変化です。
味噌は熟成が進むと、原料の大豆と、米の分解物が互いに反応しあい、褐変物質が生成されます。
この褐変は温度に影響されますので、保存方法によっては、夏などの暑い季節に急激に変化が進みます。
褐変が起き、色が濃くなったとしても、体に害はありませんので、そのまま味噌として使うことができます。
しかし、風味は落ちますので、長くおいしさを保つため、きちんと冷蔵庫で保管しましょう。
褐変が起きてしまった味噌は、味噌そのままの風味を味わう料理には向きませんので、アレンジ料理に使うのがおすすめです。
☆にらチャーハン・味噌風味
【材料】
・ご飯 250g
・にら 1/4束
・味噌 大さじ1
・ごま油 小さじ1
味噌は、だし入りのものを使います。
だしなしの場合は、粉末だしを適量、足してください。
【作り方】
①にらを1cm幅に切ります。
②ごま油を熱し、にらとご飯を炒め、味噌を加えて、さらに炒めます。
にらがなければ、長ネギでもおいしく作れます。
中華風チャーハンに飽きたら、味噌風味のチャーハンを作ってみましょう。
容器や袋の中で起こる味噌の変化
味噌は発酵食品ですので、生きている調味料とも言えます。
ですので、保存方法が悪ければ、色が変わってしまったり、熟成が進んで風味が落ちたりします。
褐変以外に、どのような変化があるでしょうか。
◎味噌の上部に醤油のようなものがたまる
これは、味噌の「たまり」です。
味噌が熟成されるとできる「味噌のエキス」の成分です。
食べても問題ないので、味噌の部分と一緒に使えます。
◎味噌に白いものが出ている
味噌に出てくる白いものは、「チロシン」というアミノ酸です。
無害ですので、あまり気にしなくても大丈夫です。
チロシンは、味噌の熟成の段階で、大豆のたんぱく質の分解が進むと発生します。
水に溶けにくいので、味噌の中に結晶となって現れることがあります。
なかには、「生きている味噌」を売りにしている商品もあります。
添加物を使わず、発酵を止めずに販売しているので、発酵で袋がパンパンになってしまいます。
そのため、袋に空気穴があります。
発酵が進むと、熟成されて色が濃くなります。
熟成が進んだ状態が好きで、あえて熟成させてから使うという人もいるようです。
袋詰め味噌は詰め替えて使おう
味噌の保存方法がわかりましたね。
味噌をおいしく保存するためには、保存容器も大切になってきますね。
味噌の保存におすすめなのは、ホーロー製か、ガラス製の保存容器です。
いくつかおすすめアイテムを見ていきましょう。
☆野田琺瑯(のだ ほうろう)
ホーロー製の保存容器は、見た目も美しく、臭い移りの心配もないので衛生的です。
・持ち手つきストッカー
持ち手がついた保存容器です。
冷蔵庫の中でも取り出しやすく便利です。
角型Lサイズ、丸形S、Lサイズとありますので、用途に合わせて使い分けられます。
・ラウンドストッカー
筒形の保存容器です。
サイズが豊富ですので、お好みの大きさを選ぶことができます。
サイズが違うのをいくつか持っていても良いですし、同じサイズを揃えておいても、整頓しやすくおすすめです。
・ホワイトシリーズ スクエア
袋のままの味噌を入れるのに、ちょうど良い形と大きさです。
もちろん、移し替えて使っても大丈夫です。
☆無印良品
シンプルなデザインで使いやすく、ファンも多い無印良品の保存容器は、味噌の保存にも適しています。
・バルブ付き密閉ホーロー保存容器 深型
ふたにバルブが付いており、密閉状態を作ることができます。
液体やニオイが漏れないようになっています。
袋詰め味噌をそのまま使う裏ワザ
味噌の保存方法についてお話してきました。
最後に、裏ワザのような、味噌の使い方をご紹介します。
袋の味噌を、容器に入れ替えるのも面倒だという人におすすめです。
裏ワザ①
袋の味噌の角の部分を切ります。
100円ショップなどに売っている、「シャンプーを詰め替えずにそのまま使えるキャップ」を切り口に取り付けます。
そのまま使います。
裏ワザ②
さらに、もっと手軽な方法があります。
袋の角を少し切ります。
使うときには、その切り口から絞り出して使います。
空気が入らないように、後ろから押し出してください。
空気が触れる部分を最小限にしているので、劣化を抑えられます。
切り口は、密閉できるクリップなどを使って乾燥しないようにしておきましょう。
毎日使う人や、すぐに味噌を使い切ってしまう人などは、この方法でも良いかもしれませんね。
長期の保存には向きませんので、あくまで裏ワザとして覚えておいてください。
味噌を使いつくす
身近な調味料である味噌は、健康食品でもありますので、できれば毎日摂取したいものです。
夏には味噌きゅうりで、そのまま食べるのもいいですので、劣化には注意しましょう。
変色してしまった味噌も、料理に使えますので、いろいろな料理にアレンジしてしっかり使い切りましょう。