スーパーに必ず並んでいる魚といえば、鮭ですね。
よく見るのが、「甘塩」や「辛口」などの表示です。
いったい何を表しているのかご存知ですか?
今回は、塩鮭の塩分や、塩分を調節する方法をご紹介します。
塩鮭は塩分濃度によって名前が変わる
朝ごはんの定番といえば、ごはん・味噌汁・焼き鮭を思い浮かべます。
焼き鮭には塩味が付いていて、ごはんが進みますね。
塩鮭は、冷蔵庫のない時代に保存食として誕生しました。
日持ちさせるために塩漬にしていたのです。
冷蔵技術の進んだ現代では、塩分を使って保存する必要はなくなりましたが、消費者のニーズに合わせて鮭を味付けして販売しています。
塩鮭にはいくつか種類があります。
甘塩(甘口)…身の塩分濃度が3%未満
中辛…身の塩分濃度が3%以上6%未満
辛口…身の塩分濃度が6%以上10%未満
激辛…身の塩分濃度が10%以上
これは基準できっちりと定められているわけでなく、ある程度の指標として考えてください。
地域によって、塩分濃度には違いがあるようです。
焼いて食べるだけの焼き鮭でしたら甘塩がよいですね。
中辛はしっかり塩が効いていますので、お茶漬けやおにぎりの具材向けです。
辛口、激辛は塩分がかなり強いので、食べすぎには注意したほうがよさそうですよ。
甘塩鮭と辛口鮭の塩分
日本人の1日の平均塩分摂取量は、12g~13gです。
推奨される1日の塩分摂取量は、10g以下です。
健康に気を使っているのであれば、7g以下に抑えたいところです。
調味料だけでなく、食品に含まれている塩分量も気になりますよね。
それでは、塩鮭に含まれる塩分はどれくらいなのでしょうか。
◎甘塩鮭 1切れ(80g)
・塩分量 2.1g
◎辛口塩鮭 1切れ(80g)
・塩分量 5.1g
となっています。
辛口の塩鮭をひと切れ食べただけで、1日の塩分摂取量の半分を摂取したことになります。
他の食品と比べてみても、塩鮭の塩分量は高めです。
◎アジの干物 1切れ(60g)
・塩分量 1.0g
◎キムチ 30g
・塩分量 0.7g
◎ウインナー 2本
・塩分量 0.6g
思ったよりも、ほかの食品の塩分量は低いですね。
塩分を気にするのであれば、魚は塩漬けや干物よりも、生のものを食べるようにしましょう。
例えば、刺身や素焼きです。
味が物足りないと感じたら、食べる直前に塩を振りかけると、少量の塩でもしっかりと味を感じられます。
また、酢やレモン汁を使うのもおすすめです。
辛口鮭を甘塩鮭に変える方法
塩分を控えたいと思っていても塩鮭は美味しくて、ときどき食べたくなりますよね。
そんなときは、ちょうどいい塩加減に自分で調節することもできるのです。
いちばん塩分の低い甘塩鮭であっても、人によっては塩辛すぎると感じます。
そういうときに使えるワザです。
そのワザとは、迎え塩です。
塩分濃度1%~1.5%程度の塩水に、4~5時間鮭を浸けておくだけです。
真水の方が塩分が早く抜けて良いのでないかと思うかもしれませんが、真水に浸けてしまいますと、塩分濃度の差が大きすぎて、塩鮭が水を吸い込みすぎてしまいます。
そうなると、塩分と一緒に旨みも抜けてしまい、せっかくの塩鮭が美味しくなくなってしまいます。
薄い塩水に浸けることによって、旨みを逃がさず、余分な塩分だけを抜くことができるのです。
もし、冷凍の鮭を迎え塩したいのであれば、冷凍のままではなく、解凍してから行ってください。
その方が、味を損なわずに塩抜きできます。
解凍方法は、自然解凍がおすすめです。
旨みを逃がさない鮭の塩分の抜き方
迎え塩という方法で、塩鮭の塩分の抜き方をご紹介しましたが、やはり水に長時間浸けるので旨みが抜けてしまうのが気になるところです。
そこで、旨みが逃げにくい塩抜き方法をさらにご紹介します。
☆酒とみりん
・塩鮭 4切れ
・水 2.5カップ
・酒 大さじ2
・みりん 大さじ1
上記を、塩鮭と一緒にジップロック袋に入れて浸けます。
塩分の具合や、調理法によって浸ける時間は調節してください。
甘塩であれば、あまり長時間浸す必要はありませんが、辛口であれば少し長めという感じです。
2時間から1日くらいが目安です。
☆麹
・塩鮭 4切れ
・水 2カップ
・乾燥麹 小さじ2
ジップロック袋に、すべて入れて浸けます。
冷蔵庫で1晩ほど浸けましょう。
☆酒粕
・塩鮭 4切れ
・酒粕 200g
・みりん 大さじ1
・酒 大さじ1
・水 大さじ2
酒粕は電子レンジなどで温めておくと、混ぜやすくなります。
調味料をすべて混ぜて、塩鮭に絡めます。
平たいお皿やバットなどに並べて、冷蔵庫で半日から2日ほど置きます。
酒粕の効果で、鮭の味が良くなります。
使う前に酒粕を取り除き、軽く水洗いしてから調理します。
塩鮭の塩分を利用した調理法
塩抜き以外に、塩辛い鮭の調理方法をいくつかピックアップしてみます。
◎チャーハンの具にする
◎雑炊にする
◎焼いて鮭フレークにする
◎煮物にする
塩で締めた鮭は、良いだしが出ます。
根菜類、野菜と一緒に煮込むと、軽く味付けするだけで、ちょうど良い味になります。
だしは昆布だしを使いましょう。
かつおだしを使うと、魚同士で味がぶつかってしまいます。
◎クリームシチューにする
鮭はクリーム系のソースと相性が良いです。
クリームパスタにするのも、おすすめです。
◎粕汁の具にする
◎炊き込みご飯の具にする
まず、湯通しして、臭みをとってから調理するのがポイントです。
塩辛い鮭をあえて買ってきて、上記の方法で料理する人もいるようです。
塩漬けした鮭は塩分が高いので、気を付ける必要はあるのですが、調理次第で美味しく食べられます。
甘塩・中辛・辛口と上手に使い分けて、料理していきましょう。
甘塩鮭を美味しく食べるレシピ
それでは、甘塩鮭をそのまま利用したレシピをご紹介します。
甘塩鮭は、そのまま焼いただけでもシンプルで美味しいのですが、その塩分をうまく使えば、さらに美味しい料理になります。
☆甘塩鮭のグラタン☆
【材料】
・甘塩鮭 2切れ
・玉ねぎ 1個
・まいたけ 1パック
・きのこ類 お好きな量
・塩 少々
・こしょう 少々
・バター 20g
・小麦粉 大さじ2
・牛乳 250cc
・ブロッコリー 100g
・ピザ用チーズ 100g
・パン粉 小さじ1
【作り方】
1)ブロッコリーは茹でておきます。
鮭は焼いて、冷ましてから、大きめにほぐしておきましょう。
2)玉ねぎを薄切りにします。
まいたけ・きのこ類は、ひと口大に切ります。
3)フライパンを熱し、バターを溶かします。
玉ねぎが、しんなりするまで炒めましょう。
4)まいたけ・きのこ類を加えて炒め、塩こしょうで軽く下味をつけます。
つけすぎると塩辛くなりすぎてしまうので、気を付けてください。
5)火を弱め、小麦粉を少しずつふるい入れます。
粉っぽくなくなるまで、よく炒めましょう。
6)牛乳を数回に分けて入れ、とろみがつくまで底の方から全体的に混ぜます。
7)ほぐした鮭・ブロッコリーを加え、全体を混ぜ合わせます。
8)グラタン皿に入れ、ピザ用チーズ・パン粉を上にかけて、トースターで焼き色が付くまで焼いて出来上がりです。
塩分を気にする人はひと手間かけよう
朝ごはんに、お弁当に塩鮭は欠かせない存在です。
近年では、減塩を気にする人が増えましたので、鮭の塩分が気になってきますよね。
ひと手間かかってしまいますが、上記のような方法で鮭を処理すれば塩分を気にせず、美味しく鮭が食べられると思いますよ。