日本人の大好きなお米が銀シャリと呼ばれる意味とそのルーツ

私たち日本人の大好きなお米ですが、何故白米のことを”銀シャリ”と呼ぶのでしょうか?
お寿司屋さんではお米のことをシャリと呼び、定食屋さんではライスと呼んだりご飯と呼んだり、それだけ私たち日本人はお米に愛着があるということです。

毎日食べているお米、ご飯のことを私たちは意外と知らないことが多いのではないでしょうか?

ご飯は”シャリ”なのか、はたまた”しゃり”なのか?
銀シャリの意味することは何かそんな疑問に答えていきます。

銀シャリのシャリとはどのような意味なのか

銀シャリとは漢字で書くと舎利と書くそうです。

意味としては諸説ありますが、まず1つは、お釈迦様が亡くなったときお釈迦様が火葬された際に骨が細かく砕け散ったという逸話があります。

お釈迦様の灰塵を仏教用語で仏舎利と呼ぶことと相まって、お米が砕け散ったお釈迦様の骨に似ていることから舎利、シャリと呼ばれるようになった説。

もう1つは古代インドのサンスクリット語でお米のことを”シャリ”、遺骨のことを”シャリーラ”と言うのですが、日本に仏教が伝わったときに言葉が混同してお米のことをシャリというようになった説があります。

この2つの説がとても有力視されています。

お寿司屋の銀シャリの意味と金シャリの意味

お寿司屋の酢飯のことを銀シャリと言いますが、この酢飯のシャリも舎利からきています。

飲食店などの業界用語はときには皮肉も混ざっていますから、お釈迦様の舎利のことをいう言葉なのにお寿司屋でシャリといって良いものなのかどうなのか分かりませんが、業界用語というものは、カウンターの中と外では言葉が違いますから、本来はお客さんには分からないようなやりとりから、銀シャリという意味につながったと思います。

例えばお茶のことを”あがり”と言うように、お寿司屋では酢飯のことをシャリと呼ぶようになったと考えられます。

銀シャリがあるのなら、金シャリはないのか?というような疑問が湧きますが、金シャリという言葉は実際存在します。

でも金シャリとは聞きなれない言葉だと思いませんか? 

実はお寿司屋で酢飯のことを金シャリと呼ぶことがあるのです。
酢は少し黄色味がかかりますから、そのことで酢の使用量と種類によって酢飯は金シャリとも呼べるのです。

しかしながら、お米というのは本来、金色ではないのでしょうか?
豊作の稲穂が黄金色に輝きながらたなびいている田園風景を思い描いてください。
歴史を見ても、お米は農作物の中でも、特別な地位にありましたよね。

精米していない栄養価の高い玄米などは現在見直されて、金シャリと呼ぶ人達も出てきているようです。

シャリに銀とつけて銀シャリの意味するところ

お釈迦様の言葉からシャリという言葉ができたということで、シャリは大切なお米の代名詞であります。
シャリという俗語を嫌う方もおられますが、炊き上がった、艶々した、米が立っているお米を銀シャリと呼びます。

銀シャリイコール美味しいお米ということ、そして炊き上がりが美味しいお米のことを銀シャリと呼ぶということがごく一般的になっています。

銀シャリの意味するところ定義とは何かを決めるとしたら、こんなイメージなのではないでしょうか?

★透明感のある白さと光り輝く艶
★口に入れたときの鼻に抜ける香り
★噛みしめた時の粘りと濃さ
★口のなかに広がる甘味とコク
★食後に残る美味しい余韻

と言ったところでしょうか?

美味しい銀シャリとは良い米、良い精米、そして良い炊き方が揃って初めて美味い銀シャリということになります。

毎日、こういった理想的な銀シャリを楽しみたい、お腹いっぱい銀シャリを食べたいと皆が思うはずです。

理想の銀シャリを毎日食べるということは案外難しいものですが、最近は稲の品質や栽培技術の向上、精米技術の進化、炊飯器の進化によりあの釜戸で炊いたような、艶々した
銀シャリを食べるのも簡単になりました。

数多くあるお米の中から自分の好みに合うお米を見つけたり、色々なお米を選びながら自分の中の最高の銀シャリを見つけていきましょう!

昭和の銀シャリの意味するもの、そして銀シャリへの思い

今はどの家庭でも、精米したお米、白米でご飯を炊くのが一般的ですが、大正から昭和の初期頃までは、精米していないお米、玄米が一般的でした。
今でも、田舎や地方にいくとお米は玄米を精米して食べるところも多いと思います。

戦後の食料難の時代のお米と今のお米では比較になりません。
昭和に入り、戦後の食料難の時代には、白米に何割かの玄米を混ぜてご飯を炊くことが
多く、白米だけの銀シャリは特別なものでした。

そのことから、真っ白なご飯のことを銀シャリといって、ものすごく有り難がった名残りが銀シャリという、ひとつのブランドを生んだ背景があり、そのことに意味があります。
戦前は玄米の方が多かったようですし、米の流通自体が少なく、ヤミ米と呼ばれる不法な流通米が横行していました。
その時代に銀シャリを食べること、それは実に贅沢なことだったでしょう。

お米を美味しい銀シャリにする意味のある炊き方と裏技

家庭でお米を炊いたときに艶々のお米が立つ銀シャリにするにはポイントがあります。

お米の炊き方は、ご家庭でも色々な方法があると思いますが、確実に外さない意味のある炊き方を要点だけ簡単にお教えします。

★良いお米を選ぶこと 
良いお米といっても値段が高いからというようなことではなく 簡単に言うと炊き上がりにムラがてきないように米粒が揃っていて 割れた米が少ない米を選ぶこと。

★お米の保管に気をつける
温度差がないことが肝心ですから、米びつに入れるのではなく、米マイスターも推薦しているような米をペットボトルに入れて冷蔵庫に保管すること。 
また、タッパーなどの容器に入れるときには必ず 前の米のヌカをしっかり洗ってから米をタッパーに入れお米を清潔に保つことが肝心です。

次にお米の研ぎ方のポイント3つ
★長い時間、米を浸水させないこと
★米を研いだら素早くお水を捨てること
★米はやさしく洗うこと

この3つは是非守ってください。

米が艶々して、光っているのが銀シャリですから、銀シャリにする秘訣の裏技は炊く前にサラダ油などをひと回しすることです。
これにより米に油のコーティングがされて、炊き上がりが艶々になります。
そして、炊く前に日本酒やみりんを入れてもふっくらと炊き上がります。

海外から見た銀シャリブランドが意味するもの

2014年に日本の定食チェーン店がオーストラリアのシドニーに銀シャリを食べられるお店としてオープンしました。
これは、日本の銀シャリ文化が海外に渡ることを意味します。

日本のお米は真っ白くて艶々していて、これが銀シャリというものなのかと、今までこんな美味しいライスを食べたことがないと海外の方も絶賛しています。

また、新聞の記事に中国のお米を美味しくする計画、銀シャリ計画なるものを中国が発表したとありました。
日本の土地作りから、稲のDNA検査まですることで、日本の技術を習得するということです。
日本の美味しいお米、銀シャリを目指そうという計画です。

日本では3~4年でお米の品種改良をして、品種が更新されるのに対して、現在中国では14年前のお米の品種を使っていたようです。
そのことからも日本のお米の技術が世界トップクラスであることが分かりますね。

中国では、普通の飯は白飯、ちょっといいのは米飯、一番美味しいのが銀シャリと言われて、銀シャリという意味の言葉がひとつのブランドになっています。

それから日本に来た外国の方がコンビニエンスストアのおにぎりを食べると、こんなに日本のお米は美味しいのかと感動して驚かれるそうです。

日本のお寿司の影響でシャリといえばライス、銀シャリといえば美味しい日本のお米であるとどこでも通用するところまできています。
日本が誇るジャパニーズライスは銀シャリということですね。

銀シャリの凄さは海外でこそ感じる

銀シャリの意味はどこから来たのかと言う疑問は解けたように思います。

銀シャリと言う言葉がひとつのブランドになり、銀シャリの意味は美味しいお米が炊きあがったと言う意味です。

日本の銀シャリを誇りに思います。