味噌汁の作り方ってどうしてる?だしの素は使う?使わない?

食卓に欠かせない味噌汁は、ご家庭によって味が違ったり、味噌の配合が違ったり、作り方はお家の数だけきっと存在しているはずです。

現代の忙しい食生活では、粉末状のだしの素を使って味噌汁を作っているご家庭も多いことかと思います。

毎日くちにするものだからこそ、少しこだわってみませんか。

ここでは、自分で作れるだしの素の作り方や、だしを使わない味噌汁の作り方などを紹介したいと思います。

だしの素を自家製で!作り方紹介

手軽にだし汁を用意したいときに便利な、だしパック。
しかし、丁寧に取っただし汁にはなかなか敵わないものです。

美味しい天然だしを味わいたい、でも楽はしたい…ということで、自分でだしパックを作ってしまいましょう。

家庭でだしパックを手作りする2つのメリット。
それは、『1からだしを取るよりも簡単』、『市販品のだしパックよりも美味しい』ということです。
おかずや汁物など、あらゆる料理に使いやすい万能だしと、煮干の入った味噌汁だしの作り方を紹介いたします。

自家製だしの素の材料(1パックでだし汁1ℓ分)
【万能のだしパック】
・かつお厚削り12g
・昆布6g
・干し椎茸1g

【味噌汁のだしパック】
・かつお厚削り7g
・昆布7g
・煮干7g
※計量さじを使いたい方は、記事の続きに分量を書いてあります。

まず、すべての材料を粉砕します。
材料の粉砕には、「ミルサー」か「ミルグラインダー」という、主に硬く乾燥した食材を細かくする道具を使用してください。

だしを取った後の片づけを楽にしたい方は、「お茶・だしパック」も用意してください。これは、茶葉の入っていないティーパックのようなもので、スーパーなどで購入できます。
粉砕した材料が全部入るだけの、大きめのサイズのものが必要です。

適当な「お茶・だしパック」が用意できない方や、だし汁を漉すのが面倒でない方は、粉砕した材料を混ぜるだけでも構いません。

自家製だしの素の作り方は粉砕するだけ!

材料についての詳しい説明をしておきます。

かつお節は、だし用として販売されている厚削りのものが適しています。
そのままだと粉砕しにくいのですが、冷凍庫に袋ごと入れてパリパリにし、外袋ごともみ込んで細かくすると、ある程度細かくなります。

続いて昆布。
だし用の昆布は大きくて硬いので、ミルに入れる前にある程度細かくしましょう。

干し椎茸(万能だしの素用)は、手で割って細かくしておきます。

煮干し(味噌汁だしの素用)は、ワタから苦味が出やすいので、取り除いておきます。
頭はさほど苦味は出ませんが、煮干しらしさが強く出るので、煮干しの風味を控えめにしたい方は取り除きましょう。

では、作り方を順に説明します。
まず粉砕です。

・ミルミキサー(またはミルグラインダー)の、材料を入れる容器の半分くらいまで入れましょう。
(あまり多すぎると均一に粉砕できずムラが出ます)

・スイッチを入れて3~4秒砕いたら取り出して中身を確認してください。

・上下を返してもう一度ミルにかける 

という手順です。

ここでのポイントは、「粉状なる手前でストップする」ということです。
もとの形状がある程度残した粗削りの方が、素材から苦味など余計な味が出ず美味しくなるからです。
少しずつ確認しながら進めましょう。

特に昆布は、均一に粉砕するのが難しい素材です。
大きいまま残ったものは取り出してしまい、全体が粉状になりすぎない適度な状態を目指してください。

自家製だしの素で簡単に本格味噌汁!

次に、粉砕した材料を計量し、パックに詰めていきます。

ここでは、1ℓ分の材料を1つのパックに詰めるので、計量スプーンを使うと作業しやすいです。

【万能だしパック】
・厚削りの粉砕12g(約大さじ2)
・昆布の粉砕6g(約小さじ2)
・干し椎茸の粉砕(約小さじ1弱)

【味噌汁のだしパック】
・厚削りの粉砕7g(約小さじ4)
・昆布の粉砕7g(約小さじ2)
・煮干の粉砕(約小さじ4)

だしの素の作り方は以上です。

できあがっただしパックは、ジップロックなどに入れて冷凍保存してください。
冷凍庫で2~3か月は保存することができます。

「お茶・だしパック」を使わない場合は、だしパックと同じ分量で1ℓ分ずつ分けて保存すると、粉末の自家製だしの素になります。
直接お湯に入れてだし取りができます。
この場合のだし汁は漉して使ってください。

いずれの場合も、必要な分のお湯を沸騰させてからだしの素(お湯1ℓあたり1個)を投入し、弱火で10~15分ほど煮出して、取り出すのが基本です。

美味しい味噌汁の作り方

ここからは、美味しい味噌汁の作り方をお話しします。

①「だしをしっかりきかせること」
味噌汁は、シンプルなお吸い物ほどだしにこだわらないことが多いものです。
具材のだしや、味噌自体のうま味を利用することができるからです。

とはいえ、だしが濃い味噌汁は、やはり口にしたときのインパクトが違います。
献立の一角で存在感を放つ、良質なだしで作りましょう。

②「食感や香りの異なる具材を合わせること」。
たんぱく質の具と野菜の具を1つずつ、という方もいます。
具材の味わいも楽しむのが味噌汁ですから、工夫してみてください。

③「味噌にこだわる」
味噌と一口にいっても、米味噌、豆味噌、麦味噌など、製法や産地によって香りや味が違います。
地域や家の慣習もあるでしょうが、夏は赤味噌のさっぱりした味、冬は甘めのコクのある味噌、という使い分けもよいですし、時には違う種類の味噌を合わせてお好みの味を追求するのもよいものです。

味噌汁を作るとき、味噌を溶き入れた後は決して煮立たせないことが大切です。
味噌は香りが飛びやすいので、具材にしっかり火を通してから溶き入れましょう。
あとは、食べる前に軽く温めればよいのです。

味噌汁の基本の材料(3人分前後)
・だし汁 500ml 
・好みの味噌 大さじ2と1/2ほど 
・好みの具材 適量

自家製だしの素1パックあたりで1ℓのだしが取れますので、味噌汁でいえば6人分前後できることとなります。

だしの素なしの味噌汁

さて、「だし無しの味噌汁」と聞いて、どう思いますか。
とんでもない!と思う方が多いでしょうか。

散々だしのお話をして、だしの素の作り方まで説明しておいてなんですが、実は、だしがなくても十分に美味しい味噌汁を作ることが出来るのです。

具材に入れる野菜には、それぞれに独自の味わいがあります。
豆腐にもワカメにも、それぞれの素材の味がありますよね。
良い畑で採れた野菜や、手作りの豆腐の美味しさは格別です。

これらに濃い味付けをするのが勿体ないと思いませんか?
少しの塩やしょうゆなどで、シンプルにいただきたいですよね。

煮物であれば、簡単に味付けした煮汁を煮詰めるだけでも、旨味が凝縮され美味しくなっているのが分かるでしょう。

それは味噌汁でも同じこと。
だしが、具材本来の味や香りを消してしまうことがあるのです。

化学調味料の強いうま味に慣れてしまうと、素材本来の味わいを感じにくくなってしまい、結局「だしの味しかしない」ものを作ってしまうことになりかねません。

たくさんの調味料や濃いだしに頼るのではなく、いろいろな種類の野菜を使ったり、肉、魚、きのこ類など旨みを多くもつ素材をじょうずに使ったりすることで、充分に美味しい味噌汁を作ることは可能なのです。

味噌汁に使う味噌は季節によって変える

味噌には大別して米味噌、麦味噌、豆味噌の3種類があります。

味噌は原材料を発酵させて作りますが、発酵に使われる麹(こうじ)の原料が米であるものが米味噌、麦であるものが麦味噌、大豆であるものが豆味噌です。
材料だけでなく、塩分濃度、発酵期間などによって、色や味の異なる多彩な味噌ができるのです。

例えば、魚料理によく使われる「甘くて白い」京都の西京味噌と、「辛口で赤茶色」の仙台味噌は、同じ米味噌です。
米麹の量や発酵期間の違いによって、まったく違う色と味になるのです。
(「西京味噌」の中にも粗目で塩分の効いたものもあります)

味噌の中で最も生産量が多いのは米味噌で、全体の約8割を占めており、ほとんど全国的に生産されています。

豆味噌は主として愛知、岐阜、三重の3県、麦味噌は福岡、長崎、鹿児島など九州で、伝統的に生産されています。

「合わせ味噌」と呼ばれるのは、個性の違う味噌を合わせたもので、旨さの相乗効果が発揮されます。

それでは季節の合わせ味噌の作り方を紹介します。
(夏)豆味噌2:田舎味噌1  
(春・秋)豆味噌2:田舎味噌2:白味噌1  
(冬)豆味噌1:田舎味噌1:白味噌1
がオススメです。

汗をかく夏には、人は塩分を欲するのでやや辛めの組み合わせ、冬は汗をかかず体の塩分が抜けにくいので甘めに、という知恵も込められています。

美味しいだしの素に美味しい合わせ味噌で、一味違う味噌汁作りに挑戦してみてください。

美味しくて健康的な食事をしよう

スーパーで売っている調味料は、確かに簡単に調理ができるようになっています。
しかし、家族や自分の健康は食からできているということを改めて考えてみませんか。

味噌汁のような毎日くちにするものこそ、少しだけ手間をかけて、美味しくて健康的な食事をぜひ摂り入れましょう。