テレビのCMなどからも耳にすることが多い「乳酸菌」という名称。
乳酸菌といえば、整腸作用の効果があるといわれているヨーグルトを作る時に必要ですよね。
実はそんな「乳酸菌」を、玄米の研ぎ汁から作ることが可能なのです!
玄米で乳酸菌を作る事が出来るのは、玄米の皮に乳酸菌が含まれているからなのです。
今回は、玄米乳酸菌液の作り方と、その活用レシピを紹介します!
玄米乳酸菌液を作りたい!まず、玄米にはどんな栄養成分が含まれているの?
その潜在力の高さに注目が集まり、現在再評価されている玄米ご飯の栄養価(栄養成分)の特徴や、「どうして栄養価が高いのか」、「どのような栄養成分を含んでいるのか」などを紹介します。
玄米は「ビタミン」「ミネラル」「食物繊維」が白米と比較して非常に多く、健康維持に必要な栄養素の多くを摂取できることから「完全栄養食」ともいわれています。
玄米の特筆すべき栄養成分は次の成分です。
〇食物繊維
白米と比較すると非常に多くの食物繊維を含んでいます。
食物繊維は腸内の老廃物を体外へ排出し、糖質吸収抑制、コレステロールの低下作用などがあり、糖尿病や高血圧などの生活習慣病の予防に効果的といわれています。
〇フィチン酸
玄米は糖の部分に豊富なフィチン酸を含むのが特徴です。
フィチン酸は血栓症、高カルシウム尿症、貧血などの予防や血行不良を改善する効果があるとされています。
〇ビタミンB1
白米よりも多くのビタミンB1が含まれています。
ビタミンB1は「水溶性のビタミン」と呼ばれるビタミンB群の一種で、神経機能を正常に保ったり、疲労回復を促進する効果があるとされています。
再評価されている原因はやはり、白米と比べて圧倒的にヘルシーであることの様ですね。
白米よりも炊飯に少し時間が掛かるようですが、玄米食に切り替える方も増えてきているようです。
今話題の「玄米乳酸菌」も研ぎ汁から作れますから、玄米の可能性は更に広がっています。
乳酸菌とは?
細菌は約35億年もの太古の時代から地球上に存在していると考えられています。
人類は約1万年前に誕生したといわれているので、細菌の歴史は人類の歴史を遥かに凌駕するものなのです。
そんな途方もない時間を経て、細菌は多くの種類に分かれてきました。
そんな細菌の種類の1つが乳酸菌です。
最初に発見したのはオランダのレーウェンフックという学者です。
当時は科学が発展途上にある時代でしたので、簡単な顕微鏡を自作し様々な微生物を研究していました。
その中で彼は、まだ名前のなかった乳酸菌の姿を観察したと考えられています。
19世紀に入り乳酸の発酵を本格的に調査したのは、狂犬病や天然痘の予防法を確立した事で知られるフランスの細菌学者パスツールでした。
パスツールが明らかにしたのは当時まだ解明されていなかった発酵や腐敗の仕組みです。
これらが微生物によって行われる事、微生物も他の生物と同じように増減することを科学的に証明したのです。
この事からパスツールは微生物学の祖とも呼ばれています。
玄米の糠等の糖質(ブドウ糖、オリゴ糖、乳糖)を培地に発酵し、乳酸を作る菌の事を乳酸菌と呼びます、
乳酸菌を利用し作られる食品に酸味を感じるのは、この乳酸の味によるものです。
乳酸菌は善玉菌の代表格でありヨーグルト、チーズ、バター、そして味噌、納豆、醤油、さらには日本酒やワインなど、多くの食品の製造過程において、私たちの生活を支えてくれています。
乳酸菌と酵母菌の共通点や違いについて
乳酸菌発見の歴史の次に、乳酸菌と酵母菌の働きとその共通点を簡単に説明します。
〇乳酸菌の働き
腸内フローラや腸内環境という言葉を最近よく耳にします。
その腸内環境に影響を与えるのが乳酸菌を含む善玉菌で、善玉菌が増えれば腸内環境は良くなります。
乳酸菌はヨーグルト、チーズ、キムチ、味噌等の発酵食品や玄米の糠等に豊富に含まれます。
〇酵母菌の働き
酵母は空気中のどこにでもいる微生物で、腸の中では善玉菌として働きます。
乳酸菌は酵母菌の成長に必要な乳酸を作り、成長した酵母菌は乳酸菌を増やすための培地になります。
つまり、お互い助け合う関係なのですね。
そんな互助関係の乳酸菌と酵母菌にも違いはあります。
〇糖質をエサに生成するものが違う
共に糖質を培地とするのですが、乳酸菌は乳酸を作り酵母菌はアルコールと炭酸ガスを作ります。
この酵母菌から作られるアルコールと炭酸ガスは重要で、悪玉菌を抑制する効果があります。
乳酸菌にはこのような効果はありません。
〇働く場所が違う
乳酸菌は主に大腸で働き、酵母は小腸と大腸の両方で働きます。
小腸は免疫系に作用します。
その小腸の環境を整える酵母には乳酸菌にない働きがあるようです。
〇構造が違う
乳酸菌には細胞核がありませんが酵母菌には核があります。
乳酸菌は胃酸で死んでしまいますが、酵母菌は細胞壁で守られていて胃酸にも負けません。
乳酸菌と酵母とうまく付き合う事が健康の秘訣のようです。
玄米乳酸菌液の作り方
話題の健康食品、「玄米乳酸菌液」の作り方を紹介します。
【用意する材料】
〇2ℓのペットボトル、
〇玄米1合(無農薬のほうが良いですね。)
〇黒砂糖(3%、60g)
〇粗塩(1%、20g)
〇飲料水
【作り方】
1)軽く洗ってゴミ等を除いた玄米と粗塩もペットボトルに入れてください。
2)飲料水を沸かしたお湯に黒砂糖を溶かしペットボトルに入れます。
3)「玄米乳酸菌液」の材料を入れたペットボトルは毎日よく振り、温かい(日光が当たっても大丈夫。)場所におきましょう。
4)早ければ3日、遅くとも5日位で pH3.5位になり、酸っぱくなったら完成です!
☆ポイント
万一納豆菌が多く付着した玄米を原料に作った乳酸菌液は臭くなります。
その場合飲む度毎にレモン等柑橘類の絞り汁を混ぜると良いでしょう。
酸味が強くなり過ぎた玄米乳酸菌液は、毎日通常の半分の量を飲み、残りで豆乳ヨーグルトを作ってみても良いでしょう。
量が半分に減ったタイミングで、飲料水か玄米の研ぎ汁を足し、足した量の3%の黒砂糖と1%の粗塩を継ぎ足します。
このサイクルだと毎日1ℓの玄米乳酸菌液が使えます。
乳酸菌液は毎日よく振れば少なくとも2~3か月は使用可能です。
清潔に維持し活性保管が保てた場合には更に長期間の使用が可能です。
そうして乳酸菌液が10ℓ程溜まれば浴槽に入れ乳酸菌風呂が楽しむこともできます。
約100ℓ分の乳酸菌液を作り終るのを目安に、新しい材料と交換しましょう。
玄米乳酸菌を使って豆乳ヨーグルトを作ってみよう
玄米乳酸菌液を使って豆乳ヨーグルトを作ってみましょう。
ヘルシーで美味しいヨーグルトが手軽に簡単に作れます。
作り方と上手く作るポイントを紹介します。
ホームメイドで善玉菌を増やして目指せ!腸美人!
【材料】(2人分)
・無調整豆乳 450ml
・種菌(玄米乳酸菌液です。)50ml
【作り方】
1)種菌を清潔なタッパーなどの容器に入れましょう。
2)種菌の容器に無調整豆乳を入れます。
3)混ぜずに5~10時間常温でねかせて発酵(埃除けにキッチンペーパーなどを被せて)させます。
4)発酵中はこまめに固まり具合を確認すること。
5)出来上がったら冷蔵庫に入れて保存して下さい。
☆コツとポイント
温かい場所では発酵が早く進み短時間で凝固しますが、寒い冬場は発酵時間が長くなります。
過発酵気味の時はヒビ割れのようになることがあります。
作ったヨーグルトを種菌として次に残しておけば、豆乳を継ぎ足すだけで続けて作れてお手軽です。
☆豆乳ヨーグルトのアレンジ方法
果物や野菜と一緒にミキサーに掛けジュースで飲んで免疫力アップ!
乳酸菌は比較的熱に強い菌なので、少しなら熱を通しても大丈夫です。
湯船に入れると、乳酸菌液よりもさらにお肌がしっとりします。
お肉を調理前に豆乳ヨーグルトに漬けておくと、柔らかく美味しくなります。
ホットケーキの水分として加えても、フワフワ感が増して美味しいです。
玄米乳酸菌を使って更に美味しく!トマトミネストローフの作り方
真っ赤なトマトの栄養と効果!代表的なものを紹介します。
〇リコピン
強い抗酸化作用があり、摂取することでシワやシミの予防など美肌ケアが期待できます。肌状態が気になる方にはアンチエイジング、脂肪の蓄積を防ぐダイエット効果もあります。
〇クエン酸
トマトの酸味の元、疲れを取る効果が期待できます。
〇ケルセチン
トマトの皮に多く含まれる栄養素で血管の強化に有効といわれ、動脈硬化等の血管の病気を予防することが期待できます。
〇カリウム
体内に溜まった塩分や水分を排出し、むくみの解消や血圧の上昇抑制といった効果が期待できます。
〇グルタミン酸
内臓脂肪を溜まり難くするダイエットに効果の高い栄養素です。
摂取することで肌の保湿、美肌効果も期待できます。
トマトの栄養素と乳酸菌の力を併せた「乳酸菌入りトマトミネストローネ」がオススメです。
玄米乳酸菌の塩分が、トマトの旨みを引き立てます。
そんなヘルシービューティーメニューのレシピを紹介します。
【材料】(2人分)
・トマトジュース400ml
・玉ねぎ半個
・えのき半分
・鶏胸肉50g
・玄米乳酸菌80ml
・味噌小さじ1
・こしょう少々
【作り方】
1)玉ねぎを千切り、えのきをほぐし半分に切り鶏胸肉を粗みじん切りにしましょう。
2)全ての材料をトマトジュースと共に煮込んで完成です。
えのきを入れることで程よいとろみが出るでしょう。
シンプルな具材で紹介しましたが、冷蔵庫に入っているキャベツや人参などでアレンジしてみて下さい。
玄米乳酸菌液の使い道は沢山ある!
いかがでしたか。
玄米乳酸菌液は食べることの他に、入浴剤、化粧水、歯磨きなどにも使えて、とても便利で、使用することによるメリットが沢山ありますよね。
そんな玄米乳酸菌を、是非ご家庭で手作りして、活用してみて下さい。