玄米を精米したときに取れる米ぬかですが、米ぬかは栄養価が高く、園芸などの肥料にも使うことが出来ます。
いつも精米した米ぬかを捨てている、という人は再利用してみませんか?
そこで米ぬかを使った肥料の作り方をご紹介していきます。
また、米ぬかの成分や効果も一緒に知っておきましょう。
米ぬかは肥料にも最適!その効果は?
米ぬかには様々な活用法がありますが、ここでは肥料として使った場合の効果を紹介します。
まず、米ぬかについて説明します。
稲の種子は表皮、胚芽、胚乳と全体を保護するもみ殻でできています。
そのうち、表皮と胚芽を合わせたものが米ぬかです。
そして胚乳が白米です。
胚芽は稲の芽にあたる部分で、これを成長させるためのエネルギーとなるでんぷんが胚乳である白米に含まれています。
米ぬかに含まれる成分については後で詳しく述べます。
米ぬかで最も期待できるのは発酵を進める力がとても強いことです。
ぬか漬けは米ぬかの発酵を進める力によってできますが、これは米ぬかによって酵母菌や乳酸菌などの有用微生物が増殖する働きを利用しています。
ぬか漬け以外にも、肥料や米油にも使われています。
とくに最近、農業生産のために多くの米ぬかが使われています。
以前は米ぬかの大半は都市部で消費され、農家に残った米ぬかの多くがぬか漬けの床に使われ、一部が飼料、肥料、堆肥作りの発酵材として活用されるだけでした。
しかし、最近、米の産直が広まり、農家が精米まで行うようになって以来、農家が米ぬかを自由に大量に使えるようになったために、米ぬかの発酵を利用した生産が増えているのです。
米ぬかの成分とすごい効果!米ぬかは畑にまくだけで虫害を防ぐ!
それでは、米ぬかに含まれる成分を詳しく紹介します。
【米ぬか】
窒素 3.20%
リン酸 6.68%
カリウム 1.51%
カルシウム 0.38%
マグネシウム 2.36%
炭素 33.65%
【牛糞堆肥】
窒素 2.0~2.5%
リン酸 1.0~5.0%
カリウム 1.0~2.5%
【鶏糞堆肥】
窒素 3.0~5.0%
リン酸 5.0~9.0%
カリウム 3.0~4.0%
このように他の肥料と比べても養分の割合が高いことが分かります。
また、肥料としてだけではなく虫害を防ぐ効果も期待できます。
米ぬかを田畑にまくと、これを分解する乳酸菌が増殖します。
すると、乳酸菌などの有機物を餌とし、植物に寄生しない自活型センチュウが急激に増殖します。
自活型センチュウは増殖すると尿酸などの老廃物を排泄します。
尿酸はアンモニアに変化します。
また、米ぬかが分解される時もアンモニアが発生します。
自活型センチュウはアンモニアに100ppmまで耐性があります。
しかし、植物に寄生するセンチュウはアンモニアに10ppmまでしか耐性がありません。
すなわち、米ぬかが分解される時に発生するアンモニアと自活型センチュウが排泄するアンモニアによって、植物に害をなす植物寄生型のセンチュウを防げるのです。
米ぬかは土にまくだけで、肥料に!?
米ぬかは他の肥料と比べても養分の数値が高いことはすでに紹介しました。
しかし、養分の数値が高いこと以外の点でも、米ぬかの優れた効果は期待できます。
残渣や緑肥などの未熟な有機物を土の表面におき、米ぬかをふって浅く土を混ぜてみるとそれだけで土はいつの間にか団粒化が進み、畑の排水が良くなっていきます。
田んぼでも、米ぬか除草をしただけなのに、表面からトロトロ層という良い状態が形成されます。
このようなことが起きるのは、有機物が微生物によって分解されたからだけではありません。
有機物が分解される過程で微生物群が土に潜り込みながら、土の中のミネラルなどを餌に繁殖した結果です。
このように、人がほとんど労力をかけなくても、自然に土は耕され、微生物の作り出したアミノ酸、酵素、ビタミン、ミネラルを多く含む豊かな田畑になります。
このことを「土ごと発酵」と言います。
土ごと発酵は、外で発酵させたものを持ち込むのではなく、田畑にある作物残渣や緑肥などの有機物を中心に使う「現地発酵方式」なので、手間がかからずコストも低く抑えられます。
さらに、有機物のエネルギーロスも少ない方法です。
米ぬかを使った肥料、「米ぬかぼかし」の作り方
米ぬかの効果によって土ごと発酵をする際にオススメなのが「米ぬかぼかし肥料」というものを使う方法です。
ぼかし肥料とは、雑草、野菜のくず、枝などの複数の有機質資材を発酵させ原型をとどめなくさせ、窒素・リン酸・カリウムの三要素をバランスよく含ませつつ、土中の微生物や根に悪影響を与えるガスが出なくなるまで分解させたものです。
生の有機質肥料であれば、施用してから微生物の分解が始まるため、種まきや植え付けの2週間から1か月半ほど前に施用しなくてはなりません。
しかし、発酵済みであるぼかし肥料であれば、施用してからすぐに種まきや植え付けが可能です。
さらに、身近にある材料を使って作ることもできます。
それでは、米ぬかぼかし肥料の作り方を説明します。
1) 四隅に足をつけた段ボールやプランターなどの容器を用意します。
2) 容器に、黒土やピートモスと、もみ殻を混ぜた土を入れます。
3) 生ごみを土に混ぜます。
4) 生ごみを増やした分、米ぬかを追加します。
5) よくかき混ぜます。
6) ふたをして、なるべく毎日中身をかき混ぜます。
7) 生ごみが出るたびに3~6を繰り返します。
8) 容器がいっぱいになったら10日ほど毎日かき混ぜます。
9) 1か月ほど放置して充分に発酵させます。
米ぬかのぼかし肥料を作るときの注意ポイント
前項では、米ぬかぼかし肥料の作り方について説明しましたが、この項では作るときに注意する点を挙げていきます。
まず作る場所は屋内が良いでしょう。
コモやムシロで覆いをして乾燥を防ぎ、通気性を確保してください。
各材料を薄い層にして何層にも積み重ね、切り崩しながら水をかけてまんべんなく混ぜ合わせて、積み込みを行います。
発酵する時の水分は、ぼかし肥料を作るときに重要な点です。
水分が多すぎると肥料の温度が上がらず、腐ってしまい悪臭がしてしまいます。
一方、水分が少なすぎると急速に高温となり、アンモニアが揮散して窒素が減少してしまい、効果を得られなくなります。
理想的な水分は、50%~55%で、握ると固まりになり、それを指でつつくとほぐれる程度の状態が良いです。
発酵温度は水分と土の割合が少ないほど上がりやすくなります。
肥料を発酵させるには肥料を撹拌する切り返しを行いますが、夏季で1昼夜、冬季で3昼夜ほどおいて50℃前後になったら最初の切り返しを行います。
切り返すといったん温度が下がりますが再び発酵により上昇します。
これを3~5回行って発酵を完成させます。
米ぬかぼかしには、すごい効果がある
前項まで米ぬかぼかし肥料の作り方と作るときの注意点を説明しましたが、この項では米ぬかぼかし肥料の効果について紹介します。
肥料の成分も優れていますが、肥料が畑に与える影響も非常に大きいです。
ぼかし肥料の最大のメリットは土を団粒構造にして物理性を良くするだけではなく化学性、生物性を改善するという点です。
どういうことかというと、ぼかし肥料を施用するということは、肥料成分を施用するだけではなく微生物も施用しているということです。
ぼかし肥料は化学肥料と似ていますが、微生物による有機物の発酵作用を利用している点で異なるものです。
農業の基本は土作りにあると言われます。
とりわけ有機農業においては、その労働力の大半を土作りに充てています。
健全で力強い土地を育むことによって病害虫に強く、栄養豊富な安心で安全な作物を作り、多収につながることが大切なのです。
ここまで、米ぬかの優れている点と、農業における米ぬかの与える影響と効果について紹介してきました。
米ぬかは私たちの生活には身近なものですが、今後の有機農業に欠かせないものであることが言えると考えます。
米ぬかぼかしは素晴らしい肥料になる
米を精米する時に出る米ぬかですが、捨ててしまっている人も多いのではないでしょうか?
玄米が健康にいいとされている通り、米ぬかには素晴らしい成分がたくさん含まれています。
畑の肥料として使用すれば、野菜など植物を育てる大きな手助けとなるでしょう。
米ぬかを捨ててしまっている人は、利用してみる価値ありですよ。