玄米と押し麦の栄養はどう違うの?どちらがダイエット向き?

体に良いといわれる玄米と押し麦ですが、それぞれに含まれている栄養はどう違うのでしょう。

また、ダイエットには向いているのでしょうか。

今回は、玄米と押し麦に含まれる栄養の違いを徹底比較し、ダイエットに向いている理由や、食べやすさや扱いやすさなどを併せてご紹介してまいりたいと思います。

玄米にはどんな栄養が含まれているの?

健康ブームで注目を浴びている玄米や押し麦には、どんな栄養が含まれているのでしょうか。

まず、玄米についてみてみましょう。

玄米とはご存知のように、もみ殻だけ取り除いた精白されていないお米のことです。

糠と胚芽がついているため、ビタミン、ミネラル、タンパク質など、完全栄養食品といわれるほどさまざまな栄養素が含まれており、精白されたお米(=白米)との大きな違いとなっています。

中でも豊富に含まれる下記の成分は、健康的にダイエットしたい方に効果的に働くでしょう。

・ビタミンB1

玄米にはビタミンB群が豊富に含まれています。

中でもビタミンB1には、脂肪や糖質の代謝を促す働きがあるため、太りにくい体つくりに役立ちます。

不足すると疲れやすくなったり、脳にエネルギーが行かなくなることもわかっています。

忙しくてストレスが溜まりやすい現代人には欠かせない栄養素です。

・ビタミンE

血管の健康を維持するのに欠かせないビタミンです。

強い抗酸化作用により活性酸素を除去、血液をサラサラにして新陳代謝を活発にします。

若返りやアンチエイジングに有効な栄養素です。

・カリウム

高血圧を防ぎ、健康を維持するミネラルです。

体内のナトリウムを排出して浮腫みを解消します。

・食物繊維

食物繊維は腸内環境を整え便秘を解消、デトックス効果や美肌効果もあるためダイエットの強い味方です。

玄米には白米の5倍の食物繊維が含まれています。

このほかにも玄米にはデトックス作用のある成分が多く含まれています。

玄米には1日に必要な栄養素のほとんどが含まれているうえに、排出効果もあるのですから、健康志向のかたに最適な主食といえるでしょう。

押し麦にはどんな栄養が含まれているの?

玄米は優れた栄養食品だということがわかりましたが、一方の押し麦はどうでしょうか。

押し麦とは、大麦をローラーなどで押して、薄く平たくしたものです。

最近話題のもち麦も大麦の一種で、もち性のため押し麦より粘りがあるのが特徴です。

押し麦はうるち性のため粘りはほとんどなく、さっぱりいただけます。

かつて白米が高級品だったころ、貧乏人は麦を食え、といわれていたことからもわかるように、おいしさの点でいえばふっくらつやつやした白米に軍配が上がりますが、栄養面ではどうなのでしょうか。

大麦には玄米同様、ビタミンB群が豊富に含まれています。

脂肪や糖質の分解を助け、新陳代謝を促すため、ダイエットには効果的な栄養素です。

浮腫みを解消するカリウムや、骨を丈夫にするカルシウムといったミネラルも豊富です。

またタンパク質も含まれています。

しかし最も特筆すべき特徴は、豊富な食物繊維です。

押し麦に含まれる食物繊維、βグルカンが凄い!

押し麦の原料である大麦には、玄米の4倍もの食物繊維が含まれています。

食物繊維には水に溶けやすい水溶性と、溶けにくい不溶性とがあり、不溶性の食物繊維ばかりだと、かえって便秘を招きやすいといいます。

大麦には不溶性と水溶性の両方の食物繊維が含まれており、中でもβグルカンという水溶性の食物繊維がとても多く含まれています。

βグルカンには免疫力を高め、インスリン分泌を抑制し、悪玉コレステロールを減らす働きがあります。

また水に溶けるとゼリー状となって胃の中をゆっくりと動くため、次に入ってくる食品の糖質の吸収をゆっくりにしてくれます。

そのため血糖値の急上昇を防ぎ、腸内環境を整えて便秘を解消します。

世界的に見てもβグルカンの健康効果は認められており、太りにくい体へと改善するため、ダイエットにとても効果的な栄養素なのです。

実際、白米7に対し、押し麦3の麦ごはんを12週間続けたところ、腹囲と内臓脂肪が減ってメタボが解消した、という実験が科学的にも証明されています。

βグルカンはキノコや海藻にも含まれている成分です。

逆に言えば押し麦には、キノコや海藻と同じデトックス効果があるといえます。

玄米や押し麦の栄養も大事だけどカロリーや糖質はどうなの?

優れた栄養が豊富に含まれている玄米と押し麦ですが、ダイエッターにとっていちばんの関心事は、なんといってもカロリーや糖質量です。

100gの玄米と押し麦と白米で比較してみましょう。

玄米    押し麦   白米
カロリー  353kcal  334kcal   356kcal
糖質量   70.8g   68.2g    76.6g

玄米も押し麦も白米も、カロリー・糖質ともそれほどの違いがないことがわかりますよね。

玄米はヘルシー、低カロリーと思われているかたもいらっしゃるかと思いますが、実際にはそうでもないということになります。

体に良いといわれている玄米・押し麦も、意外に高カロリー、高糖質なのです。

それにもかかわらず、なぜ玄米・押し麦ともダイエットに向いているといわれるのでしょう。

もう少し詳しく見ていきましょう。

だからダイエット向き!栄養たっぷりで低GIの玄米と恐るべき食物繊維量の押し麦

玄米と押し麦は、カロリー・糖質量において白米とほとんど違いがありません。

下記は100g当たりに含まれる押し麦と玄米の栄養素の比較です。

玄米   押し麦
食物繊維   3g    9.6g
カルシウム  9㎎    17㎎
カリウム   230㎎   170㎎
リン     290㎎   110㎎
鉄      2.1㎎   1㎎
亜鉛     1.8㎎   1.2㎎
銅      0.27㎎  0.4㎎
マンガン   2.05g   0㎎

ミネラルは玄米のほうが多く、食物繊維は押し麦のほうが多いことがわかります。

完全食品と呼ばれるくらいなので、栄養価は玄米のほうが高いといっていいでしょう。

一方押し麦の食物繊維量の多さは、他の食品と比べても一目瞭然です。

100g当たりの食物繊維量を比較すると下記のようになります。

白米 0.5g
さつまいも(皮つき) 2.8g
ゴボウ 5.7g

さつまいもやゴボウより食物繊維が多いのですから、ダイエットにぴったりといえますね。

玄米も高カロリー、高糖質でありながら、低GI食品なので、食後血糖値の上昇がゆっくりしています。

そのため肥満を防ぎ、太りにくい体を作るため、押し麦同様ダイエットに向いているといえるのです。

しかし、玄米は値段が高く、炊きかたもちょっと面倒です。

押し麦はその点使い勝手が良く、値段も比較的安いのが魅力です。

ダイエット初心者はまず押し麦を使った麦ごはんから試してみてはいかがでしょうか。

味や風味に慣れてきたところで、いよいよ玄米ご飯にチャレンジするのがいいでしょう。

押し麦の食物繊維と玄米の栄養でスーパーダイエットを!

押し麦には腸内環境を整える食物繊維が豊富に含まれ、玄米には太りにくい体質へと改善する栄養素がいろいろ含まれています。

であれば、この2つを一緒に摂ってみてはいかがでしょう。

ダイエット効果がアップしますよね。

玄米2に対して押し麦を1入れて軽く水で洗ったら、普段より多めの水に浸けておきます。

朝食用には前日の夜に、夕食用には朝食後にセットしておくといいでしょう。

押し麦も玄米も吸水率が良くないので、炊き上がっても硬く感じられるかもしれません。

そのため麦ごはん、玄米ご飯に慣れることが先決です。

最初は白米と混ぜて炊くのがいいでしょう。

慣れてきたら押し麦の量を多くしていったり、玄米だけのご飯を炊きます。

ポソポソした独特の食感に抵抗がなくなったら、押し麦入り玄米ご飯にチャレンジしてください。

栄養豊かな主食で健康的なダイエットができるでしょう。

玄米と押し麦の豊かな食物繊維+栄養素で健康的にダイエットを!

玄米や押し麦は、白米と変わらない糖質とカロリーがありながら、豊富な食物繊維と豊かな栄養素とで新陳代謝を活発にし、太らない体質へと改善していくことがわかりました。

普段の白米に少しずつ足していくことで独特な風味に慣れてきたら、最後は押し麦入り玄米ご飯でダイエットがきっと成功します。

知らないうちに、健康的に痩せられることでしょう。