日本人が古くから親しみ、食してきた「うどん」。
うどんがどのような形で日本に伝わってきたかは諸説ありますが、江戸時代にはすでに現在のような形で全国の人々の間に普及されていたといいます。
うどんといっても、食べ方やうどんに入る具材は多種多様。
かけうどん、ざるうどん、釜揚げうどん、ぶっかけうどん、つけ汁うどんに煮込みうどん、焼きうどんなど、調理法だけでもこんなにたくさんの種類があります。
今回は、醤油で味付けされたものに焦点をあて、美味しい醤油うどんの作り方をご紹介します。
醤油うどんに使う醤油は何がおすすめ?
醤油うどん作りにおいて、味を決める重大な役を担うのは、ズバリ醤油ですよね。
日本人の食卓には欠かせない調味料である醤油は、さまざまな種類のものが並んでいます。
一般的な醤油は濃口のものをさし、あまり色をつけたくない時には薄口しょうゆを使います。
薄口しょうゆは京料理など、素材やだしの色を大事にしたい時に使い、主に近畿地方で使われていますね。
他にも、濃厚なトロッとした風味のたまり醤油や、さしみ醤油、減塩醤油やうす塩醤油など、塩分を抑えたい人におすすめの醤油もあります。
だし醤油、土佐醤油など、醤油を原料にだしをきかせて旨味をパワーアップさせたものは、湯豆腐など、シンプルな料理に最適な醤油です。
また、近年よく流通されるようになった、何も余計な手を加えていない醤油本来の「生」の味を真空にして閉じ込めている「生醤油」も、注目されています。
醤油うどんを作る上でおすすめなのは、普通の濃口醤油、薄口しょうゆ、生醤油の3種類です。
うどん作りでは、関西風の味付けには薄口醤油、関東風の味付けには濃口醤油、というのはよくいわれていますが、生醤油も醤油生粋の風味でうどんの味を引き出す役割をしてくれます。
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次に、基本的な醤油風味のうどんの作り方をご紹介していきます。
基本の醤油うどんの作り方~あたたかいつゆ編~
醤油うどんのつゆを作りましょう。
昆布とかつおぶしでしっかりとっただしに、みりん、お酒、塩、しょうゆなどを加えるだけで、美味しいつゆを作ることができます。
うどんだけでなく蕎麦にも使え、また天つゆや煮物などにも使うことができますよ。
だしを顆粒だしにしたり、つゆを2~3倍に希釈して使うめんつゆを使うともっと手軽につゆを作ることができますね。
ここでは、昆布とかつおぶしからだしをとる、基本的な醤油味のうどんつゆの作り方をご紹介します。
●うどんつゆ(醤油風味)
【材料 4人分】
・昆布 7~8㎝角
・かつおぶし 20~30g
・醤油 大さじ5
・みりん 大さじ2
・塩 一つまみ
・水 1000ml
【作り方】
①昆布は乾いた布巾かペーパータオルで軽く拭き、汚れを落とします。
分量の水にひたし、30分~1時間ほどおいておきましょう。
② ①の鍋を火にかけ、沸騰直前で昆布を引き上げ、削りがつおを入れます。
③もう一度沸騰したら火を止めて、3~4分ほどおいてから濾します。
④濾した③をあたため、醤油、みりん、塩を入れて、もう一度煮立ったら火を止めてできあがりです。
醤油うどんにおすすめの具材と作り方は?
醤油うどんには、色々な具材のバリエーションがあります。
かけ、ざる、もり、ぶっかけ、釜揚げなどは、シンプルに麺をいただくメニューですね。
きつねうどん、たぬきうどん、卵とじうどん、鴨南蛮うどん、月見うどん、力うどん、あんかけうどん、わかめうどんなども、醤油味のうどんの定番です。
ここでは、基本のきつねうどんの作り方をみていきましょう。
●きつねうどん
【材料 2人分】
・油揚げ 2枚
・だし カップ1
・砂糖 大さじ1と2分の1弱
・薄口醤油 大さじ1
・ゆでうどん 2玉
・ねぎ(小口切り、七味唐辛子)
・つゆ(上記のうどんつゆの作り方を参照してください)
【作り方】
①油揚げは熱湯をかけて油を抜き、半分に切っておきます。
②お鍋にだしとお砂糖を入れて、弱火で5~8分煮ます。
③醤油を加え、煮汁が少なくなるまで煮詰めましょう。
④うどんを茹でて器に盛り、あたたかいおつゆをかけ、油揚げを乗せてできあがりです。
お好みで、ねぎと七味唐辛子をかけてくださいね。
きつねうどんというと、たぬきうどんも有名ですが、たぬきは、きつね(油揚げ)を天かすにかえて、簡単に作ることができますよ。
醤油風味のうどんは、豚肉や鶏肉、鴨肉などのお肉とも相性抜群です。
また、野菜とお肉で煮込んだ煮込みうどんにすることもでき、あたたかいものだけでも、色々なバリエーションで作れますね。
生醤油うどんの作り方!おすすめのトッピングは?
冬はあたたかいうどんが食べたくなりますが、うどんは冷たくして食べるのもおすすめです。
暑くて食欲のない夏には、さっぱりしたうどんはとても美味しく感じられますよね。
次にご紹介するのは、うどん本来の味が味わえる生醤油うどんの作り方です。
生醤油うどんとは、うどん(讃岐うどんなどコシの強いものがおすすめ)を茹でて、しっかりと水で締めたものに、生醤油をお好みでかける食べ方です。
このまま食べても良いのですが、薬味などのトッピングのバリエーションを楽しむのがおすすめです。
●大根おろし生醤油うどん
・大根おろし 7~8㎝分(汁ごと使いましょう)
・すだち
・万能ねぎ
・すりごま
・生醤油
●牛しゃぶとろろ生醤油うどん
・牛しゃぶ 150g
・大和芋 3~4㎝をすりおろしてとろろにします。
・みょうが
・ねぎ
・すだち
・生醤油
●卵黄しらす生醤油うどん
・卵黄 1個分
・しらす干し 30g
・万能ねぎ
・生醤油
●とろ玉生醤油うどん
・卵 1個
・大和芋 3~4㎝をすりおろしてとろろにします。
・きざみのり
・ねぎ(小口切り)
●揚げなすおろし生醤油うどん
・なす(素揚げしたもの) 1本分
・大根おろし 5~6㎝分
・ねぎ(小口切り)
・しょうが
・レモン
・天かす
忙しい時におすすめ!だしパックや顆粒だしですぐできるうどんつゆの作り方
かつおぶしや昆布でだしを取って作るのは大変という方に、簡単にできる醤油風味のうどんつゆの作り方をご紹介します。
●醤油風味のうどんつゆ
【材料 2人分・簡単編①】
・水 300ml
・ほんだし 小さじ1
・醤油 大さじ1
・みりん 大さじ1
・塩 小さじ2分の1
【材料 3~4人分・簡単編②】
・水 600ml
・だしパック 1袋(水600ml程度対応のもの)
・醤油 大さじ1
・みりん 大さじ2
・酒 大さじ2
・あごだし(顆粒) 小さじ2分の1
どちらも、一煮立ちさせるだけで作ることができますよ。
麺つゆを使う場合は、商品ごとに希釈倍数が違うので、その記載を参考にして水を足すとあっという間にうどんつゆができあがります。
麺つゆの味だけではちょっとという方は、水のかわりに、だしで希釈してみましょう。
だしで希釈することで、麺つゆにプラスしてだしの旨味を味わうことができます。
その場合は少し麺つゆの量を抑えてくださいね。
醤油うどんの四季折々の楽しみ方
一年中美味しく食べられるうどん。
うどんは食欲のないとき、風邪をひいたとき、そして赤ちゃんの離乳食にも使えるほど消化もいい食材です。
生麺タイプはもちろん美味しいですが乾麺も多く出回り、乾麺はいくらか保存もきくので、いざという時の災害の備えとしても、常備しておきたいものです。
四季折々でうどんを楽しみ、その時の旬の食材を用いて調理するのも楽しいですね。
春は薄口醤油を使い、ちょっと上品なだしの香りや味わいを感じられるものはいかがでしょう?
○春におすすめの食材
・アサリ、菜の花、たけのこ、キャベツなど
夏は暑いのでさっぱりと。
でも、スタミナもつけたい季節。
旬の夏野菜をたくさん使って、冷やして食べるうどんがいいですね。
○夏におすすめの食材
・キュウリ、トマト、オクラ、なす(揚げなすにしても)、肉みそなど
秋は山里の景色が思い浮かぶような、きのこたっぷりの具だくさんうどんもいいですね。
○秋におすすめの食材
・サトイモ、大根、にんじん、豚肉、しめじ、まいたけ、えのき、ねぎなど
○冬におすすめの食材
大根、ごぼう、にんじん、餅、柚子、油揚げ、しいたけなど
秋や冬は寒いので、身体が心からあたたまるような鍋焼きうどんがおすすめです。
旬の大根をたっぷりと使うのもいいですね。
四季折々で、色々な醤油ベースうどんの作り方がありますね。
美味しい醤油うどんを作ってみよう
美味しい醤油うどんの作り方、いかがでしたでしょうか。
日本人が大好きな醤油、そしてうどん。
自分で作るといつも同じ味、食材になりがちですが、うどんの作り方やうどんに合う食材は本当にたくさんあるものです。
季節の旬もとり入れつつ、バラエティに富んだ醤油ベースのうどんを、日々の食事にとり入れていきたいですね。