玄米は炊飯器で簡単に炊けますが、白米よりも時間がかかってしまいます。
そこでおすすめなのが、圧力鍋です。
玄米は圧力鍋を使うと、1時間もかからずに炊けてしまうのです。
今回は、圧力鍋を使った玄米の炊き方や、時間のかからない炊き方など、いろいろご紹介したいと思います。
玄米を圧力鍋で炊くと、時間がかからず早く炊ける!
カラダに良くて栄養たっぷりの玄米ですが、炊飯器で炊くと白米より時間がかかり、機種にもよりますが、だいたい75~90分もかかります。
もっと炊飯時間を短くしたいなら、圧力鍋がおすすめです。
60分未満、だいたい40~45分で炊き上がります。
高圧で蒸気が充満するため、玄米とは思えないほどふっくらもちもちに炊き上がります。
玄米は圧力鍋で炊くにせよ炊飯器で炊くにせよ、十分な下準備が必要です。
ちょっと面倒ですが、これをやるのとやらないのとでは仕上がりが違います。
おいしさを求めるなら、ぜひ下記の下準備をしましょう。
・洗米
玄米はもみ殻だけを取り除いた状態なので、もみ殻かすなどのゴミが混ざっています。
そのまま炊いてしまうと食感が悪く、風味を損ねるので、きちんと取り除くことが大切です。
ボウルに玄米と水を入れたら軽くかき回し、浮き上がってくるゴミを丁寧にすくい取りましょう。
水を取り替えつつ2~3回繰り返してください。
・拝み洗い
ゴミを取り除いたら、両手に玄米をとって、こすり合わせるようにして洗います。
その姿がまるで拝むようなので、拝み洗いと呼ばれています。
拝み洗いは硬い玄米の外皮を傷つけるため水分が吸収されやすく、柔らかくふっくら炊き上げるためのコツといえます。
忙しいときは省いてもいいので、できるときは行うようにしてください。
ここまで出来たらいよいよ炊飯か、と思いきや、実はもうひと工程あるのです。
やっぱり時間がかかるの?玄米に必要な下準備の工程とは?
玄米を圧力鍋で炊くための下準備で拝み洗いまで出来たら、後は水に浸けておきます。
・浸水
最も大切な工程です。
玄米は硬いため、長い時間水に浸けておくことで水分をたくさん吸収させます。
人によって浸水時間は異なりますが、6時間以上浸けておいた方がおいしくなるようです。
面倒なら一晩浸けておくといいでしょう。
前の日の晩に浸けておいて翌朝炊飯し、朝食後にまたセットしておけば夕飯用にいただけます。
ルーチンワークにすると苦になりません。
ボウルに玄米を入れ、ひたひたの水を注いで放置するだけです。
あるいは直接圧力鍋に入れてもいいでしょう。
水の量は、そのまま炊飯するなら玄米の1.1~1.2倍入れます。
柔らかめがお好みなら1.2~1.5倍入れましょう。
炊飯器や土鍋で炊くより水の量が少なくても、圧力鍋ではもちもちに炊き上がります。
浸水させた後の水を捨てるかたは、水の量は特に測らなくても結構です。
圧力鍋を使うと玄米が発芽するまでの時間を短くできる!
玄米には胚芽部分に、アブシジン酸という毒があります。
毒といっても毒キノコのように口にしただけですぐ悪影響が出るものではなく、生で大量に食べた場合に細胞のミトコンドリアが阻害され、体調不良になるかもしれないといわれているだけです。
アブシジン酸は穀類の種子を狙って食べようとする鳥の攻撃や乾燥といった厳しい環境から種を守り、保存しようとするために備わった、いわば自然の知恵です。
ヒトに対して直接害をなすことはありません。
それでも気になるという方は、玄米を発芽させましょう。
発芽させることでアブシジン酸が無毒化されるからです。
ただし、玄米を発芽させるには、長い浸水時間が必要です。
季節にもよりますが、夏場でも24時間、冬場ですと48時間以上かかります。
ボウルで浸水させるなら冷蔵庫に入れるか、途中で水を取り替えましょう。
しかし、圧力鍋を使うとずっと早く発芽させられます。
玄米と一緒に35度くらいのぬるま湯を入れ、蓋をきっちりして放置しておけば5~6時間で発芽します。
圧力鍋に蓋をすることで発芽に適した温度が保たれるため、発芽までの時間が短縮できるのです。
発芽させた場合は、その水(ぬるま湯)をいったん捨ててからあらたに水を入れて炊飯します。
アブシジン酸を気にする方も、これなら心配いりませんね。
もちもちおいしい!圧力鍋を使った玄米の基本の炊き方
玄米を圧力鍋を使って炊く場合、次のような工程で進めていきます。
①洗米
上述したやり方でゴミを取り除きます。
②拝み洗い
水を吸わせるために外皮をこすり合わせます。
時間がない場合は省いてもかまいません。
③浸水
水を吸わせるために、一晩は水に浸けましょう。
発芽させたい方は24時間以上浸けておくか、ぬるま湯を使って時間短縮させましょう。
④炊飯
いよいよ炊飯です。
圧力鍋に玄米と、玄米の1.1~1.5倍の水を入れます。
水加減は好みで調節してください。
柔らかめが好きな方は水を多めに、硬めが好きな方は少なめに入れます。
ひとつまみの塩を入れるとさらにおいしく、柔らかく炊けます。
全体を静かにかき混ぜたら蓋をして、強火にかけます。
おもりが上がったら火を少し弱めて、1分くらいそのままにします。
それから弱火にして25分間炊きます。
⑤蒸らし
火を止めて蓋をしたまま10~15分放置します。
蒸らすことでお米がふっくらもちもちになるので、とても大切な工程です。
蓋を開けて、上下をひっくり返すように大きくかき混ぜて出来上がりです。
炊飯のポイントは、はじめ強火、その後弱火で25分してから火を止めて蒸らすことです。
さらに強火から弱火にする前に、少し火を弱めて1分間そのままにしておくことがおいしさアップのコツです。
ぜひ、お試しください。
超時短!圧力鍋を使った時間のかからない玄米の炊き方
玄米を圧力鍋で炊くと時間がかからないといいながら、結局浸水に長い時間がかかってしまいますよね。
だったら思い切って浸水なしで炊いてみませんか。
硬めに仕上がりますが、圧力鍋ならプチプチした食感になり、おいしくできます。
早速作り方をご紹介しましょう。
①洗米
ゴミを取り除くことは大切です。
丁寧に取りましょう。
②拝み洗い
浸水をしないなら、せめて拝み洗いで外皮に傷をつけ、水分を吸収させる機会を作ってあげましょう。
2~3回やってください。
③浸水はなし
④炊飯
水を切った玄米と、玄米の1.2~1.5倍の水、ひとつまみの塩を入れてゆっくり混ぜます。
水加減は好みで調節してください。
蓋をしたら強火にかけ、高圧になったら弱火にして20分炊きます。
⑤蒸らし
火を止めて、自然に減圧されるまで蓋をしたまま放置します。
蓋を開けて、上下をひっくり返すようにかき混ぜたら出来上がりです。
このやり方なら、玄米が食べたいと思ってからやり始めても、60分かからず食べられます。
超時短の炊き方です。
玄米は圧力鍋でまとめて炊いて冷凍保存しよう!
玄米を圧力鍋で炊くと確かに時間はかかりませんが、だからといって毎日炊くのはちょっと面倒です。
そんな時は一度に多めに炊いて、小分けにしてから冷凍保存しておくと便利です。
食べたいときに食べたい分だけ電子レンジでチンすれば、いつでもおいしい玄米ご飯がいただけます。
そのまま食べてもいいですが、チンした玄米をリゾットすると、おいしさがさらにアップします。
解凍した玄米ご飯は、柔らかくなるのはいいのですが、ややもするとベチャっとしがちです。
リゾットにしてしまえばそれが活きるうえ、加える具材の栄養も一緒にとれるため一石二鳥です。
解凍した玄米ご飯に刻んだトマトとベーコンを加え、スープを注いで煮込みます。
塩コショウで味を調え、粉チーズをたっぷりかけてパセリのみじん切りを載せれば、玄米のイタリアンリゾットの完成です。
温泉卵を加えるとさらにおいしくなります。
ひとりのランチにおすすめです。
玄米は圧力鍋を使うと1時間以内でもちもちに炊ける!
玄米は圧力鍋を使うと、1時間かからずに、ふっくらもちもちに炊けます。
ただし炊飯前に、一晩くらい浸水させておかなくてはなりません。
しかし硬めでもいいのなら、浸水なしで炊飯しても大丈夫です。
プチプチした食感がおいしいでしょう。
玄米は多めに炊いて冷凍保存するのがおすすめです。
圧力鍋で一気に炊いてしまいましょう。