色、味、匂い。
作り方が変わるだけで、味もがらっと変わる味噌。
様々な種類や産地の商品が販売しておりますが、ご家庭の味を作ってみませんか。
今回は圧力鍋を活用した、味噌の作り方をご紹介いたします。
自家製の味噌を手作りすることで、ご自身のお口に合った味噌に出会う事ができます。
圧力鍋で作る味噌。職人の手作り味噌
老舗味噌屋さんが作る味噌は、大豆を煮込み、潰し、麹菌を振りかけます。
そこから長い年月をかけて熟成させます。
発酵菌も店それぞれに違うので、味もコクもそれぞれで、当然おいしいです。
ですが、ご自宅でここまで手の込んだ事はできません。
しかし、圧力鍋を活用して、ご自宅で手作りの味噌を作る事ができます。
仕込みや熟成、熟成中の手入れは、時間や手間がかかりますが、手作りで作る楽しさ、ご自身が手作りした味噌が出来ていく過程、ご自身の好みの味ができる事など、いい事はたくさんあります。
また、圧力鍋を使う事で、仕込み時間を短縮できます。
材料も大豆、麹等は、スーパーやホームセンターで購入でき、道具も最低限、鍋、ジッパー付きの袋、ザルで味噌が作る事ができます。
もちろん、圧力鍋や、豆を潰すためのミキサーがあれば時短になります。
味噌を手作りするのに適した時期は、一般的に冬がおすすめですが、特別限定的ではなく、いつの時期からでも始められます。
身近な物で、いつでも作る事ができるので、是非この機会に挑戦してはいかがでしょう。
手作り味噌のメリット、デメリット
手作り味噌は、いい事尽くしですが、作り方によっては、デメリットもあります。
味噌を手作りするメリット、デメリットをご紹介します。
【メリット】
・ご家庭好みの味ができる
塩分の調節、豆、麹等材料を自分で選べる事ができるので、ご家庭の味ができます。
・腸内環境が整い、風邪に強くなる
人の皮膚に常に着いているのが常在菌ですが、この菌は皮膚だけでなく、部屋にも着いています。
手作りなので、味噌にもこの菌が混ざります。
これは、自分の体調に合った菌を体内に取り入れる事になるので、腸内の環境を整えてくれます。
また、ご家族一同で体内環境を整えることができます。
・無添加で安心
手作りなので、添加物等は使用しないので気にする方も安心です。
【デメリット】
・道具がないと時間がかかる
最低限の道具で味噌を作る事ができますが、時短ができる圧力鍋や、ミキサーがあれば便利です。
特に圧力鍋は、大豆を水に浸すところからご使用できるので、その分使用する道具も減らす事ができます。
最近は、お値打ちで持ちの良い圧力鍋も販売されているので、お手頃にお求めできます。
・塩加減はほどほどに
減塩をしすぎると、味噌が酸っぱくなります。
逆に入れすぎると、辛すぎてしまいます。
・お手入れをしっかりと
日の当たる場所、湿度の多い場所に放置していると、密閉をちゃんとしていないと、カビが生える原因になります。
天地返し、冷蔵庫保存等、時々様子を見てください。
圧力鍋での手作り味噌の作り方
これから手作り味噌を作る方は、少量から作る事をおすすめします。
【材料 少量用】
・乾燥大豆 100グラム
・乾燥麹 100グラム
・塩 50グラム
【必要な道具】
・圧力鍋 底が深いタイプのもの
・ジッパー付きのポリ袋 2枚
・蓋付きタッパー
・ミキサー
【作り方】
①たっぷりの水に乾燥大豆を浸けて、一晩おきます。
②圧力鍋で20~30分程煮ます。
指で潰せる位柔らかくなればOKです。
大豆の煮汁は取っておいてください。
③塩と乾燥麹をよく揉み、混ぜておきます。
④圧力鍋で煮た大豆を、ミキサーですり潰します。
熱いうちに潰すのがポイント。
くまなく潰れたら、人肌位の温度になるまで冷まします。
⑤ ③で混ぜ合わせておいた塩と麹を混ぜます。
混ぜている時、固いようでしたら煮汁を適量入れてください。
⑥なめらかになったら、ポリ袋に入れます。
この時机等に叩きつけ、味噌の空気を抜きます。
ポリ袋は2重にしますが、ジッパーを閉めるときは、空気を抜きながら締めます。
⑦タッパーにポリ袋ごと、平らに、隙間のないように入れます。
日に当たらないように、布を被せたり、暗所に保管するようにしてください。
⑧「天地返し」と言う方法があり、梅雨明けの時期に保管しておいた味噌を混ぜ直します。
⑨数ヶ月(10ヶ月程度)保存し、頃合いを見てお好みの味になれば完成です。
ご自身の好きな時期に完成できるのが、手作りのメリットです。
潰したりこねたりと、親子で手作り調味料を作るのも、楽しい体験になります。
手作り味噌は麹も豆も自由に選べる
手作りで作る味噌は、ご自身で豆から選べるので、本当に様々な組み合わせができます。
豆や麹、その他の材料で、味噌がどの様に変化するかをご紹介いたします。
・ひよこ豆
柔らかな甘味のある白色の味噌に。
圧力鍋で炊くときは圧力は弱めがポイントです。
・小豆
作り方は大豆での味噌作りと一緒です。
アクは取らない事。
甘い味噌ができます。
・麦麹
熟成期間が他の味噌より早いため、早く食べたい方におすすです。
独特な香りのある味噌です。
麦味噌を手作りする時は、麦麹は少なめに使用します。
・玄米麹
コクのある辛口な赤色の味噌に。
濃い味が好きな方におすすめです。
・雑穀
豆の代わりにあわ、きび等の雑穀で味噌を作ります。
大豆アレルギーの方におすすめです。
甘味がある白味噌になります。
いずれも豆を煮る時間が長いので、圧力鍋での調理がおすすめです。
40分~1時間程かかる時間が、圧力鍋を使用すると、15~25分と短縮できます。
減塩したり、辛口にしたりと、塩加減も自由に調節できるところも、手作りの良いところです。
手作り味噌料理を圧力鍋で作ろう
手間暇かけた手作り味噌を、色々な料理でいただきたいですよね。
定番の味噌汁の他にも、おいしくいただけるメニューをご紹介します。
・土手煮
スジ肉は、圧力鍋で20分程度炊けば柔らかくなります。
そこに手作り味噌、酒、みりん、醤油を加えたらあっという間に出来上がりです。
・ふろふき大根
圧力鍋で10分程大根を炊きます。
手作り味噌に、ひき肉やねぎを加え、薬味として大根に乗せるとおいしいです。
・手羽元の味噌煮
圧力鍋で15分程炊きます。
手羽のだしと味噌のコクが合って濃厚な味わいになります。
・さばの味噌煮
圧力鍋で5分程炊きます。
甘い味付けと味噌の相性は抜群です。
お子様も食べやすいメニューです。
おかずの他にも、みじん切りにした玉ねぎ、とうがらし、福神漬け等を混ぜたおかず味噌もおすすめです。
おかず味噌は、火を通さずに作れるので、生きた麹菌や乳酸菌を摂る事ができます。
手作り味噌で、是非色々な味噌料理を試してください。
手作り味噌、失敗しないためのポイント
豆、麹選び、熟成過程を観察できたりと、手作りならではの楽しさがありますが、作業工程が多く、完成までの期間も長いので、どこかで失敗してしまう事もあるかもしれません。
失敗を減らすための注意点を、いくつかご紹介します。
・衛生管理をしっかりと
保存容器は、アルコール(35度以上の酒)除菌をしたりと、カビの発生を抑えましょう。
圧力鍋やミキサーも、洗い残しがあるか、再度確認してみてください。
・高火力で炊かない
圧力鍋を使用するとき、高圧力で炊いたり、沸騰させたお湯でグツグツ煮てしまうと、豆の皮が剥がれてしまいます。
煮崩れしないために、弱火でじっくり煮たり、圧力鍋の場合は鍋が加圧を始めたら、弱火にしましょう。
・大豆を人肌まで冷ましましょう
炊いた豆は、熱いうちが潰しやすいですが、潰した後は、人肌位の温度まで冷ましましょう。
その後混ぜる麹菌、これは熱に弱いため、熱いうちに混ぜてしまうと、うまく発酵しません。
また、生きた麹菌は、腸内環境を整えてくれます。
これは、加熱処理をした市販の味噌と違い、手作りだからこその特権でもあります。
・空気をしっかり抜いてください
保存容器に味噌を入れる時は、しっかり空気を抜きながら入れてください。
隙間があると、カビの原因に繋がります。
・直射日光を避け、風通しの良いところで保管
日の当たる場所は、味噌の品質を下げてしまいます。
また、湿度が高い所では、カビの原因にもなります。
達成感と味噌のおいしさは手作りならでは
作業手順や注意点と、工程は多く、完成までの期間も長いですが、味噌ができた時の達成感はひとしおです。
ご家族と一緒に作ることで、年に1度のイベントとして、味噌作りを一層楽しいものにできるでしょう。
何より手作り味噌は、市販のどの味噌よりもおいしいです。
おいしいお料理は、毎日を楽しくしてくれます。
おいしい味噌で、体も心も健康になりましょう。