圧力鍋で玄米を美味しく炊くために必要な時間を調べよう

健康のために玄米を食べようかなと考えてみるけど、以下のような悩みはありませんか?

圧力鍋がいいらしいと聞いたことがあるけれど、浸水時間や加圧時間まで詳しくわからない。

圧力鍋で炊いている友人に聞いても、「いつも感覚で止めているから時間ははっきりわからない」と言われる。

玄米を食べて健康生活をしたいけど、やはり白米の方が美味しいしなかなか切り替えられない。

そんなアナタに、今回は玄米を美味しく食べるための、浸水時間や圧力鍋での加圧時間をご紹介します。

玄米を圧力鍋で炊くメリット

玄米はちょっと苦手で…。

という声を聞いたことがありませんか。

そう言われてしまう原因の一つに、「硬くて、ボソボソとした食感」という玄米特有の弱点があります。

この「ボソボソ」を「モチモチ」に変える力が、圧力鍋にはあるのです。

玄米のモチモチとした食感は「デンプンがアルファ化」することで生まれます。

この「デンプンのアルファ化」は、玄米に水を吸わせて加熱することで起こります。

圧力鍋は内部を高圧にして沸点を上げて調理することで、急速にアルファ化が起こるため、短時間でモチモチとした玄米を炊くことができるのです。

玄米炊飯専用の圧力鍋も販売されていますが、今回は、今お持ちの圧力鍋でも充分に美味しく炊ける基本の炊き方をご紹介していきます。

それでは、玄米を炊く前の準備をご紹介します。

圧力鍋で玄米を炊く時の浸水時間は?

玄米を美味しく食べるためには、圧力鍋で炊く前に、しっかりと玄米にお水を吸わせることがポイントです。

美味しい玄米を食べるための浸水時間は1晩です。

2~8時間や夏場は6時間で、冬が12時間など諸説ありますが、玄米は必要以上に吸水することはないので、つけすぎということはありません。

ただし、1晩以上水に漬ける場合はデンプンが溶け出してべたべたするので、お水を変えましょう。

けれども、なぜこんなに時間がかかるのでしょうか?

お米の芯までしっかりと水があると、アルファ化がお米の芯まで起こるので美味しく炊けます。

今は炊飯器の性能がよくなったのであまりありませんが、早炊きすると「芯がある」という経験をしたことないですか?

あれは、お米の表面でしかアルファ化が起こっていない証拠なのです。

玄米も同じで、芯までたっぷりと水を吸わせ、玄米全体でアルファ化が起こるように、しっかりと浸水します。

玄米は籾を取り除いただけなので、お米の周りは米ぬかで覆われています。

この米ぬかが白米にはない防御壁になっているため、浸水には時間がかかるのです。

さらに長く水につける事で胚芽が活性化され、発芽玄米となり栄養価が高くなります。

発芽玄米とは発芽してしまった状態ではなく、発芽に必要な栄養素(GABA)が玄米内に増えた状態を指します。

発芽してしまうと逆に味が悪くなり、匂いがきつくなることがあります。

発芽玄米にするには2つの方法があります。

・常温で浸水時間を2日間にする(途中で水を交換してください)

・30℃~37℃のぬるめのお湯に4時間浸水させる(温度はキープしてください)

どちらも時間や手間がかかってしまいますが、もし興味があるようでしたら試してみてください。

では次は、いよいよ圧力鍋の登場です。

圧力鍋で玄米を炊く時の加圧時間は?

普段の調理でも、圧力鍋を活用している人も多いですよね。

調理の時短もできて、使い慣れてしまえばとても便利な調理器具です。

そんな圧力鍋の仕組みを簡単にご説明しましょう。

圧力鍋の内部は、具材と水を加熱することで発生した蒸気が鍋の中に閉じ込められて、1.2~1.5気圧ほどに上がります。

通常100℃で沸騰する水が115~125℃になり、この高温のために食材に早く火が通る仕組みです。

圧力鍋で調理をするときに、沸騰して鍋の中の圧力が上がった状態で加熱する時間を加圧時間と言います。

玄米を炊く時の加圧時間の目安は15分です。

もちろんお使いの圧力鍋により若干の差はありますが、説明書がなくなってわからないという事であれば、まずは15分加圧してください。

強火で加熱し、沸騰してピンが上がってから弱火にして15分です。

圧力調整があれば「高圧」に設定してください。

圧力鍋で玄米を炊く時の蒸らし時間は?

玄米を美味しく食べるためには「蒸らし」時間も大事です。

火を止めたらそのまま15分ほど蒸らし、圧力が抜けてから蓋を開けましょう。

とはいえ、圧力鍋は圧力が抜けるまである程度の時間が必要ですから、圧力が抜ける時間=蒸らしのための放置時間とほぼ同じになりますから、難しく考える必要はありません。

ただ、圧力鍋によっては早く圧力が抜ける事があります。

蓋をあけるときに、「火を止めてから15分たっているか?」を確認してください。

蓋を開けた時に「カニ穴」ができていたら、美味しく炊けたサインです。

「カニ穴」は、炊きあがった玄米の表面に見えるたて穴の事です。

これは、炊いている時に強い火力で加熱されることで、水蒸気の泡が勢いよく玄米を押しのけて通る道の事です。

つまり、お鍋の中がしっかりと対流して、玄米に均一に火が通ってふっくらと炊きあがったという証拠です。

蓋を開ける時に、この「カニ穴」ができているか楽しみですね。

圧力鍋で玄米を炊く時のポイント

最後に、圧力鍋で玄米を美味しく炊く時の手順と時間をまとめます。

玄米にしっかり水を吸わせるために、洗い方にもコツがあります。

また、玄米を炊く時には塩をいれると、ぬかや胚芽の臭みがとれます。

さらに塩を入れると水の吸収率が高まり、ふっくら炊き上がるというメリットもあります。

【材料 2合分】

・玄米 2合
・塩 小さじ1/2
・水 400ml

【計量カップで図る場合】

・玄米 3カップ
・塩 小さじ2/3
・水 4カップ

【作り方】

①玄米の表面に傷をつけるように、玄米同士をこすりながら洗います。

最初のお水では、表面のもみ殻やほこりなどを流すイメージです。

2回目のお水から、こすりながら洗いましょう。

ただし、この時に強すぎると胚芽が取れるので注意しましょう。

②3~4回水を変えながら洗います。

米ぬかがついているので、白米のように水が透き通ることはありません。

表面の汚れやほこりが落ちたらOKです。

③1晩玄米を浸水させます。

朝炊くなら前日の夜に、夜炊くなら朝のうちに洗って浸水してください。

④浸水が終わったら、炊く前に水を変えるために、一度ザルにあげて水気を切ります。

お水は必ず変えてください。

⑤圧力鍋に玄米と塩とお水を入れます。

⑥沸騰するまで強火、沸騰したら弱火にして15分加圧します。

⑦火を止めて15分蒸らします。

鍋の内部の圧力が下がったことを確認してから蓋をあけて、できあがりです。

圧力鍋で炊いた玄米の保存方法

玄米を炊くには、圧力鍋で炊飯する時間短縮は可能ですが、浸水に時間がかかることがわかりました。

これでは多忙な毎日に、その都度炊いて食べるのは大変です。

体に良い玄米ご飯生活の継続も、困難になってしまうでしょう。

そんな時は、炊いた玄米を冷凍保存しておくと便利です。

炊きたてのホカホカ玄米ではなく、常温で人肌程度に冷めたものを、1人前ずつラップに平たく包んで冷凍庫に入れましょう。

保存期間は長くても1か月以内を目安にして下さい。

長期保存するとパサパサしたり、風味が落ちて美味しくなくなります。

食べる時には蒸し器で15分ほど蒸して食べると美味しいですが、時間がないという方は電子レンジ500ワットで2分30秒ほど温めてください。

冷凍した玄米ご飯の量によって、若干時間は調整してください。

圧力鍋なら玄米も美味しく食べられる

玄米と言えば硬くて、ボソボソして美味しくないと敬遠されがちでした。

この食感や味が、圧力鍋で改善されるとなれば嬉しいことです。

モチモチふっくらと炊けて美味しいだけではなく、健康にも良いとくれば試したくなりますね。

玄米は食物繊維が白米の6倍と豊富なうえに、ビタミンやミネラル、ポリフェノールなども含まれ「質の良い炭水化物」と言われています。

皆さんも圧力鍋で美味しく玄米を炊いて、健康的な食生活を楽しんでください。