健康に良いと評判の玄米は、コツさえつかめばご家庭でもカンタンに炊けます。
炊飯器で炊くのはもちろん、圧力鍋や土鍋、普通のお鍋から、なんとフライパンでも炊けるんです。
今回は、このフライパンを使った玄米の炊き方を、アレンジレシピまで含め、ご紹介したいと思います。
ご参考にしていただけたら幸いです。
初めての玄米炊飯!炊き方を教えて!
基本的な玄米の炊き方は、だいたい次のような手順で進められます。
①洗米
玄米は、もみ殻だけを取り除いた状態のお米なので不純物が混じっていることが多く、吸水の障害となります。
そのため、玄米を水で軽く洗ったら、浮き上がってくるゴミやもみ殻カスなどを手で丁寧に取り除くことが大切です。
水を取り替えながらこの作業を2~3回行います。
余裕があればこの後、玄米を両手にとり、こすり合わせるように洗いましょう。
その姿がまるで拝んでいるようなので、拝み洗いと呼ばれます。
拝み洗いをすると外皮に傷がつき、吸水しやすくなるのです。
この作業も、できれば2~3回行うといいでしょう。
②浸水
玄米で最も大切な工程が、水に浸けておくことです。
白米に比べて硬いため、長時間水に浸けておくことで、少しでも柔らかく炊きあがるようにします。
好みや、お米が古いか新しいかによっても変わりますが、できるだけ長く浸けておいた方がいいでしょう。
③炊飯
ここまで準備をしておいたら、いよいよ炊飯です。
玄米は炊飯器だけでなく、圧力鍋や土鍋、普通のお鍋やフライパンでも炊けます。
調理器具によって水の量が変わりますが、だいたい玄米の1.2~1.5倍が目安です。
炊飯器で炊く場合は、スイッチ一つで後は炊きあがるのを待つだけですが、それ以外は火加減と時間がポイントになります。
おおむね強火か中火にして、沸騰→弱火にして炊く→火を止める、の順で炊飯します。
④蒸らし
火を止めたらすぐに蓋を開けず、そのまま蒸らすことが玄米にとっては重要です。
じっくりと水分を中まで行き渡らせ、ふっくらと仕上げましょう。
⑤完成
しばらく蒸らしてから蓋を開け、上下をひっくり返すように、大きくさっくり混ぜ合わせたら出来上がりです。
フライパンを使った玄米の炊き方①基本編
炊飯器はもちろん、玄米は土鍋や圧力鍋でも炊けることは知られていますが、普通のお鍋やフライパンでも炊けるとはちょっと驚きです。
特に、フライパンは熱伝導が良いので、水加減や火加減のタイミングがやや難しいのですが、普段から使い慣れた調理器具とあって、玄米入門の敷居が低く感じられますよね。
それでは、フライパンを使った玄米の炊き方をご紹介いたしましょう。
①洗米
上述した洗米を行います。
不純物を取り除きましょう。
②浸水
洗った玄米を水に長時間浸けておきます。
フライパンで炊くとどうしても硬く、芯が残っているように感じられるため、できるだけ長く浸けておきます。
できれば10時間以上は浸けておきましょう。
③炊飯
厚手で深めのフライパンと蓋を用意します。
ざるに上げて水を切っておいた玄米をフライパンに入れ、玄米の1.5倍の水を入れます。
玄米が2合(360ml)なら、水は3合(540ml)になります。
全体を混ぜたら蓋をして強火にかけます。
沸騰したら弱火にし、25分程度炊飯します。
香ばしい香りがして水分がなくなってきたら、水分を一気に飛ばすため、30秒強火にしてから火を止めます。
④蒸らし・完成
そのまま15分蒸らしたら蓋を開け、上下をひっくり返すように混ぜたら完成です。
フライパンを使った玄米の炊き方②びっくり炊き編
玄米の炊き方は、いかに柔らかく、ふっくら炊き上げるかに腐心しています。
そのため拝み洗いをしたり、長時間浸水させたりといった下準備を丁寧に行っているのですが、はっきり言って面倒ですよね。
そこで、一切の下準備を省いた究極の炊き方をご紹介いたします。
びっくり炊きといって、炊飯の途中で冷水(びっくり水)を浴びせ、お米を文字通りびっくりさせることで吸水率を高め、柔らかくふっくら炊き上げる方法です。
米どころ秋田県に伝わる伝統的な炊き方で、浸水せずにすぐに炊飯できるのが特徴です。
それでは、フライパンを使った玄米のびっくり炊きをご紹介いたしましょう。
①洗米
玄米を軽く洗い、不純物を取り除きます。
②炊飯
洗ったお米は浸水させず、すぐにフライパンに入れ、水を玄米の1.2~1.5倍入れます。
お好みで調節してください。
全体を混ぜたら蓋をして強火にかけます。
吹きこぼれそうになったら弱火にして、15分~20分炊きます。
水分がなくなってパチパチと音がしてきたら、びっくり水をお米の0.8~1.2倍入れて全体を混ぜ合わせます。
弱火で10~15分煮たら火を止めます。
③蒸らし・完成
5分蒸らしたら蓋を開け、全体を大きく混ぜて完成です。
フライパンを使った玄米の炊き方③おいしい硬め編
玄米をフライパンで炊くと、やや硬い感じがします。
びっくり炊きをしても、水加減によってはかえってベチャベチャとなることがあり、思ったようにうまくできないかもしれません。
だったらいっそ、フライパンならでは炊き方を究めてみませんか。
以下にご紹介するのは、フライパンでの玄米の一般的な炊き方ですが、芯が残ったように硬く感じられます。
柔らかいご飯が好きなかたは、フライパン炊きは避けた方がいいかもしれません。
玄米ならではの歯ごたえ、味わいを楽しみたい方にはおすすめの炊き方です。
①洗米
玄米を軽く洗い、不純物を取り除きます。
②浸水
やはり浸水は必要です。
最低でも1時間以上、できれば6時間は水に浸けておきましょう。
一晩浸けておけばOKです。
③炊飯
テフロン加工のフライパンに水を切った玄米を入れ、玄米と同量か、やや少なめの水を入れます。
蓋をして10分弱火にしたら、一気に強火で1分間沸騰させ、再び弱火にします。
16~17分後、音が小さくなって水分も程よくなくなってきたら火を止めます。
④蒸らし・完成
そのまま10分蒸らします。
蓋を開けて、全体を大きくさっくり混ぜたら完成です。
フライパンだからこそ!おいしい玄米パエリアの炊き方
フライパンで炊く玄米は、どうしても硬くなりがちです。
であれば、それを生かしたアレンジレシピを楽しみませんか。
おすすめはパエリアです。
白米で作るとベチャッとなりがちですが、玄米ならちょうど良い炊き上がりになります。
魚介のうまみを生かしたパエリアの炊き方を、早速ご紹介いたしましょう。
【材料 4人前】
・玄米 1合半
・水 400ml
・有頭エビ 6尾
・アサリ 200g
・玉ねぎ 1/2個
・ズッキーニ 1本
・パプリカ 1/2個
・プチトマト 6個
・にんにく 1かけ
・サフラン 小さじ1/2杯
・レモン 1/2個
・醤油 大さじ1杯
・塩コショウ 少々
・オリーブオイル 大さじ2杯
・サフラン ひとつまみ
【作り方】
①玄米は洗米し、12時間浸水した後、ざるに上げて水を切っておきます。
②玉ねぎはみじん切り、ズッキーニは縦に半分にしてから幅5mmに斜め切り、パプリカは1cm幅の細切り、レモンはくし切り、にんにくはつぶしておきます。
③フライパンにオリーブオイルを入れたらニンニクを香りが立つまで炒め、玉ねぎ、①を加えて炒めます。
④水、醤油、サフラン、塩コショウを③に加え、砂抜きしたアサリ、有頭エビを入れて蓋をし、20分弱火にします。
⑤蓋を開け、④にズッキーニ、プチトマト、パプリカを加えて再び蓋をして10分加熱し、蓋を開けて一気に強火にして水分を飛ばしたら出来あがりです。
浸水なしでもできる!フライパンでカンタン玄米パエリアの炊き方
玄米パエリアは、浸水なしでも作れます。
炊き方をご紹介しましょう。
【材料 4人前】
・鶏肉などお好みの具材 適量
・玄米 2カップ
・にんにく 2かけ
・ホールトマト 固形3個
・固形コンソメ 1個
・ぬるま湯 3カップ
・オリーブオイル 大さじ2杯
・塩コショウ 適量
【作り方】
①玄米は洗って不純物を取り除いたら、ざるに上げておきます。
②フライパンにオリーブオイルを入れ、みじん切りにしたにんにくを香りが出るまで炒めたら、具材を入れて炒め、さらに洗った玄米も入れて炒めます。
③ホールトマトをつぶしながら入れ、ぬるま湯で溶いたコンソメスープの半量を注ぎ入れます。
④沸騰したら残りのコンソメスープとサフランを入れて炒め合わせます。
⑤蓋をして弱火にし、35分炊きます。
⑥火を止めたらそのまま20分蒸らします。
⑦塩コショウをして、上下をひっくり返すように混ぜたら出来上がりです。
水分が残っていたら、弱めの中火で水分を飛ばしてから召し上がってください。
硬く、噛み応えのあるパエリアです。
フライパンで炊く玄米は硬く、噛み応えアリ!
玄米はフライパンで炊くと簡単にできますが、硬く、噛み応えのある玄米らしい玄米に炊き上がります。
硬めのご飯が好きな方にはおすすめです。
白米で炊くとベチャっとするパエリアなどは、玄米を使ってフライパンで炊くと、おいしさが引き立ちます。
ぜひ一度お試しください。