玄米餅の作り方が簡単にできる炊飯器のもち米モードを紹介

普通のお餅は白米のもち米を使いますが、玄米餅はもち玄米を使っています。

玄米ともち玄米は似ていますが、ちょっと違います。

もち玄米はその名の通り、もち米の玄米になります。

もち米の胚芽や糠を残したまま餅にするわけですが、胚芽や糠があると、普通の餅つきモードで作るのは難しいようです。

それではどうやって、もち玄米で餅を作るのでしょうか。

炊飯器を使ったもち玄米の作り方をご紹介しましょう。

玄米餅を炊飯器で簡単に作ろう

もち米と白米は「米」そのものが違いますね。

普通の白米は「うるち米」といって、でんぷんそのものの配列が鎖状につながった「アミロース」と、枝状につながった「アミロペクチン」の両方が配合されています。

この割合が「アミロース対アミロペクチン=2対8」である場合に、あのふっくらとした美味しいご飯を生み出しています。

しかし、もち米は枝状になった「アミロペクチン100パーセント」になるため、ふっくらと美味しく食べるためには、絡み合った糖質のアミロペクチンをほどくために時間がかかります。

そのためにしっかりと吸水時間を取る必要があるんですね。

お米は種類によって、炊飯器の炊飯一つでも作り方が違ってきますので、注意しましょう。

そして、絡み合ったでんぷんが、もちもちとした食感を生み出し、お餅以外にもおこわやお赤飯に利用されます。

もち米とは逆に、アミロースがうるち米よりもわずかに多いインディカ米はサラッとしたお米になります。

もち玄米はもち米の玄米になるため、アミロペクチンだけです。

そのため、炊き上がりはもっちりとしていますが、それまでの行程は普通の玄米ご飯よりも手間がかかります。

しかし、もち玄米を使って玄米餅を作るというのは、東北地方や中部地方で昔から行われており、郷土料理になっている地方もあります。

作り方はというと、もちろん今のように便利な機械はありませんでしたので、時間と手間をかけて作っていました。

もち玄米はとても水加減が難しく、ドロドロになってしまったり、逆に粒が残ってしまったり、と皆さん苦労をされていたようです。

玄米餅は、もち玄米を一晩かけて吸水させて蒸し器で蒸すという方法ですが、お米を蒸すのは手間ですね。

そこで今回は、蒸すという行程を少しでも簡単にするために炊飯器を利用します。

玄米餅の蒸し作業に炊飯器を利用した作り方

普通の玄米餅は、餅と同じように蒸して餅つきをして作ります。

昔は杵と臼で餅をつきましたが、今は餅つき機やホームベーカリーでつくことができます。

もち米は蒸して餅つき機に入れて、スイッチを入れるだけで簡単に餅になります。

そこで、今回はもち玄米のこの「蒸す」作業を炊飯器にしましょう。

【作り方】

もち玄米を炊飯器で炊くときは、「もち米」と同じ作り方で大丈夫です。

①玄米と同じように、まずはよく洗います。

そのあとボウルに入れて、きれいな水で吸水させて下さい。

吸水は時間をかけたほうが良いので、できれば1~2日前くらいから吸水させます。

水は半日に1回くらいの間隔できれいな水に取り換えます。

②炊く前に一度ざるに上げて、水気をしっかりと切ります。

その後、もち玄米を炊飯器に入れたら、もち米と同じラインまで水を入れます。

そこでさらに、2時間ほど吸水させます。

③炊飯器にもち米のモードがあればそれで炊きます。

モードがない時は、普通の玄米ご飯よりも水の分量をちょっと少なめにします。

玄米の水の量では水っぽさが残りますので、少なめで良いです。

④炊きあがった玄米餅ご飯を、そのま餅つき機やホームベーカリーに入れて、しっかりと捏ねてできあがりです。

炊飯器で炊いた玄米餅の作り方

玄米餅は、炊飯器で炊いた後に餅にします。

玄米餅は、普通のお餅よりもほんのちょっと色が付いています。

普通の白米の餅よりも香ばしいような味わいもあり、ちょっとプチプチとした食感が残った方が良い人は、餅つき機の通常モードで充分です。

滑らかな食感が良いという人は、餅つき機やホームベーカリーのお餅モードよりも5~10分長くしてみましょう。

玄米餅がつきあがったら、そのまま片栗粉を手につけて、丸めて出来上がりです。

ホームベーカリーや餅つき機がないという人は、少量なら手でつくこともできます。

ちょっと手間ですが、炊飯器にもち米を入れたままで、しゃもじとすりこぎで頑張ってついてみましょう。

それでは、手でつくときの作り方です。

【作り方】

①まずは、炊飯器で炊きあがったもち玄米を、しゃもじでよく上下を返しながら混ぜます。

混ぜたら一度蓋をして、15分ほど蒸らします。

しゃもじとすりこぎは塩を入れた湯につけておくと、くっつきにくいようです。

②しゃもじで何度か混ぜ合わせたら、すりこぎに持ち替えます。

すりこぎがない場合は、麺棒を使いましょう。

炊飯器の内窯の素材によっては、割れることがありますので気を付けて下さい。

③ひたすらついて混ぜてを繰り返すと、1時間くらいで玄米餅になります。

手間はかかりますが、器具がないという人のための作り方でした。

子どもたちと楽しみながら作っていると、1時間くらいはあっという間かもしれません。

滑らかな餅になったら、餅つき機の時と同じように片栗粉にとって、食べやすい大きさにします。

豆を混ぜたり、きな粉をまぶして普通のお餅と同じようにして食べましょう。

もちろん、杵や臼があれば普通の餅つきのようにつくこともできますね。

普通のお餅よりも美味しいと、くせになる人もいるようです。

そして、この工程を利用すると、おはぎが作れます。

炊飯器を利用!もち玄米のおはぎ

もち米を使った代表的なスイーツといえば大福やおはぎです。

大福は餅にした後、固くなる前に片栗粉でしっかりと薄い円盤状にし中心に餡を乗せて包むだけで、簡単にできます。

おはぎも作ってみると意外と簡単です。

それでは、餅つき機もホームベーカリーも使わずに炊飯器一つでおはぎを作ってみましょう。

【材料】

・もち玄米 300g
・水 360g
・粒あん 300g
・きな粉 50g
・砂糖 50g
・塩 一つまみ
・砂糖 大さじ1(お好みで)

【作り方】

①玄米餅を作る作業と同じように、2~5日間かけてもち玄米の吸水と洗いを繰り返します。

水は半日に1回くらいの間隔できれいな水に取り換えます。

②炊く前に一度ざるに上げて、水気をしっかりと切ります。

その後、もち玄米を炊飯器に入れたら、もち米と同じラインまで水を入れます。

そこでさらに、2時間ほど吸水させます。

ここも玄米餅と同じです。

③炊飯器のもち米のモードで炊きます。

その間に、粒あん、きな粉を用意します。

きな粉は砂糖と塩を混ぜておきます。

④炊き上がったら、一度しゃもじでよく上下を返しながら混ぜます。

混ぜたら一度蓋をして15分ほど蒸らします。

⑤しゃもじで何度か混ぜ合わせたら、すりこぎに持ち替えます。

甘いおはぎが好きな人は、この時に、もち玄米ご飯にも砂糖を大さじ1入れます。

おはぎはつぶつぶが残って良いので、滑らかになるまでつきません。

ちょっとつぶつぶが残った玄米餅ご飯を、小判型に丸めます。

まわりにお好みで粒あん、きな粉をまんべんなく絡めます。

炊飯器で作れますので、ぜひ今度のお彼岸には自家製おはぎを作ってみてください。

炊飯器で玄米餅の作り方モードはあるのか?

最近は、炊飯器の機能もすごいものがたくさんついています。

私が使っている炊飯器は、米の銘柄によって炊き分けるというモードがあり、「コシヒカリ」「ササニシキ」「ひとめぼれ」など名だたるブランドのアイコンメニューがあります。

もちろん、もち米モードや玄米モードもありますので、フル活用したら美味しいご飯が炊けるはずです。

そこで、国内で販売されている炊飯器のすべてを調べてみました。

パナソニック、日立・タイガー・象印と調理用家電を販売しているメーカーはたくさんありますね。

炊飯器は普通に白米を炊くだけでなく、玄米やもち米、炊き込みご飯におこわを炊くこともできます。

シフォンケーキ、蒸しパンを焼くこともできます。

中には食パンやメロンパンの発酵と焼きができる機能付きの炊飯器もありました。

そこで、「そんな多機能な炊飯器なら、餅つきまでできても良いのでは」と思い、探してみました。

ほとんどの炊飯器は、いかに美味しく炊飯をするかに特化し続けており、お米の銘柄や種類、好みの堅さに炊き上げるという機能が充実しています。

その中の過程で、お米ふっくらと仕上げるところを生かして、ケーキのスポンジや茶碗蒸し、温野菜が作れるというものが増えています。

しかし残念ながら、直接餅つきモードがついている炊飯器というものは見当たりませんでした。

餅をつくまでのもち玄米の炊き方はありましたが、もち菓子などの作り方のレシピ紹介があるものはありませんでした。

やはり、つくように混ぜるというのが難しいようです。

ですが、ここまで進化した炊飯器ですので、玄米餅を作ることができる炊飯器も、いずれは出てくるかもしれませんね。

王道の玄米餅作り方を炊飯器で

最後に、じっくりと時間をかけた王道の玄米餅の作り方です。

【作り方】

①まずは、農家などで無農薬のもち玄米を手に入れたら、しっかりと何度も水洗いをします。

玄米は精米をしない分、無農薬のお米の方が良いですね。

水洗いは餅つきをする5日前くらいから始めると良いようです。

半日に一回以上水を取り替えながらしっかりと洗い、ここでホコリや汚れ、糠殻を取り除きます。

発芽玄米の状態になると、美味しい玄米餅を作ることができます。

寒い冬は、5日間水につけても発芽しないこともありますが、吸水はしっかりできているので大丈夫です。

②蒸し器やせいろを上に乗せることができる大きな鍋に水を入れて、沸騰させます。

もち玄米をざるにあけて、しっかりと水気を切ります。

せいろにふかし布を敷いて、その上にもち玄米を平らに入れます。

中央にくぼみをつけて、蒸し器、またはせいろで30分蒸します。

③炊飯器で蒸すときは、もち米モードで蒸し上げます。

水は、もち米のラインに合わせて入れます。

一合分のもち玄米なら一合のライン、二合なら二合のラインに合わせます。

吸水が充分な時は、少し控えめでも良いです。

④蒸しあがったら(炊飯器の場合は炊き上がったら)、餅つき機に入れます。

つきあがった餅は厚手のポリ袋に入れて麺棒などで伸ばし、2日間平らなところに置きます。

そうすれば、玄米餅の、のしもちの出来上がりです。

もちろん、つきたてを丸めて、そのまま海苔を巻いたりきな粉をつけて食べることもできますよ。

炊飯器で簡単!玄米餅を作ってみよう

蒸し器で作る玄米餅は、確かに美味しいですね。

しかし、炊飯器の性能も進化していますので、吸水と水加減を間違えなければ、普通の「家庭でも玄米餅が作れることがわかりました。

蒸し器がないと面倒と、敬遠していた人もいると思いますが、一度自家製玄米餅を作ってみてはいかがでしょうか。

買ってきたお餅も良いですが、つきたての玄米餅は、きっと美味しいですよ。