ご飯を食べるとき、私たちは茶碗を使います。
カロリーや栄養価を調べる際に、茶碗一杯という表現がありますが、このときの茶碗はどれくらいの大きさをいうのでしょうか。
茶碗には小さいものもあれば、丼のように大きなものもあります。
女性用は比較的小さめですが、男性用は大きめにできていますよね。
いったい、どちらを基準に茶碗一杯を決めているのでしょうか。
今回は、玄米の茶碗一杯のカロリーについてお話します。
茶碗一杯分の玄米のカロリー
私は、玄米や雑穀米が好きです。
しかし、子どもは白米が大好きで、玄米はおかずの味がのらないから美味しくないといいます。
そして毎日、丼のように大きいご飯茶碗で白米を山盛りに食べています。
玄米も白米も、お茶碗一杯分のご飯の量は、およそ150gといわれます。
このときのご飯茶碗の大きさは、旅館などで出される茶碗をイメージしてください。
これは米70gを炊いたときにできたご飯の量で、どちらもほぼ同じカロリーになります。
白米も玄米も、炊くときに必要なものは水だけになります。
玄米は、土鍋などで炊くときに「塩一つまみ」とありますが、塩も水もカロリーはありません。
そのため、炊いたときに使った米のカロリーと、炊きあがったご飯のカロリーは、ほぼ同じというわけです。
カロリー紹介をするサイトでは、どちらも100gあたりのカロリー表示となっています。
白米(うるち米)は100g当たり358kcal、玄米は353kcalです。
この米を炊き上げると、100g当たりの白米は168kcalで玄米は165kcalとなります。
100g当たりのカロリーは減っていますが、これは米のカロリーが減少したのではなく、水を吸って量が増したためです。
米は水をしっかり吸えば吸うほど、柔らかくふっくらした米になり、カサも増します。
吸水をして炊き上げた玄米は100g当たり165kcalの玄米ご飯になり、茶碗一杯150gでは247.5kcalとなるのです。
発芽玄米の茶碗一杯分のカロリー
昔の日本では白米の方が高級品で、玄米の方が貧しい人が食べるものということになっていました。
しかし、最近では玄米の方が健康的と、わざわざ高額な玄米を購入する人も増えています。
玄米の中でも、発芽玄米は玄米と同じ栄養素を持ちながら、玄米よりもおいしくて食べやすいといわれていますよ。
発芽玄米は、スーパーマーケットなどで普通の白米の2倍近い価格で、米の中でも高級といわれる厳選コシヒカリやササニシキとほぼ同じくらいです。
それでは、玄米と発芽玄米ではカロリーも違うのでしょうか。
発芽玄米は、玄米を発芽させたその名の通りの玄米ですが、玄米を発芽させることで玄米本来の栄養価を変えることなく、もちもちと美味しい食感を味わうことができます。
発芽玄米は食物繊維が豊富で、糖質をエネルギーに変えるビタミンB1やGABAも含まれていますよ。
玄米や胚芽米にはビタミンB1が含まれていますので、発芽玄米も胚芽の部分で摂取することができますね。
また、玄米は自律神経に働きかけることで、ストレスの緩和や記憶力の低下防止にも効果があるというGABAというアミノ酸を含みます。
発芽玄米にもGABAが含まれていますので、健康志向の人たちの間で、好まれて食べられるようになりました。
発芽玄米も玄米とカロリーはほぼ同じで、ご飯茶碗一杯分は247.5kcalになります。
しかし、食物繊維やビタミンB1が含まれるため、同じくらいのカロリーでも、消費される量は違ってきます。
カロリーを消費する玄米の栄養素
白米は100gで168kcalになりますので、茶碗一杯分は252kcalです。
白米と玄米のカロリーを茶碗一杯分で比較すると、わずか4.5kcalしか違いません。
茶碗の盛り付け方で、すぐに変わってしまうくらいのカロリーです。
しかし、玄米にも発芽玄米と同様に、ビタミンB1と食物繊維が含まれています。
そのため、白米よりも食べた後のエネルギー消費が違ってきます。
カロリーではわからない栄養があります。
これが、白米と玄米の一番の違いです。
同じ茶碗一杯で、白米と玄米、発芽玄米のカロリーはあまり違いはありません。
しかし、玄米や発芽玄米の方が、一緒に含まれるビタミンB1や食物繊維が豊富に含まれているために、摂ったエネルギーを消費しやすくなります。
同じカロリーを摂ってもエネルギーにならなければ、そのまま無用になって脂肪として蓄えられてしまい、脂肪になるだけでなく、エネルギーそのものは不足してしまいますので疲れやすくなります。
玄米や発芽玄米のようにビタミンB1が含まれることで、しっかりとエネルギーに変えて消費することができますよ。
これが、カロリーではわからない玄米の良いところです。
余った茶碗一杯分の玄米ご飯レシピ
それでは、ご飯茶碗一杯分の玄米を使った、お手軽レシピをご紹介しましょう。
玄米を炊いたけれど、茶碗一杯分余ってしまった、というときのためのレシピです。
それでは、玄米の俵型おにぎりのご紹介です。
【材料 3個分】
・玄米ご飯 茶碗一杯分
・ウズラ卵 3個
・海苔 1/2帖
・麺つゆ 50ml
・水 100ml
・いりごま(白) 適量
・刻み生姜 適量
【作り方】
①麺つゆは水で希釈します。
ウズラ卵を茹でて、殻はむいておきましょう。
②ウズラ卵と希釈した麺つゆを密封容器か、ビニール袋に入れて一晩おきます。
③玄米ご飯にいりごまと、刻み生姜を混ぜます。
海苔は縦長に、1/3に切ってください。
④玄米ご飯を3等分にし、手に取ります。
真ん中にへこみをつけて、水気を切ったウズラ卵をのせましょう。
⑤玄米ご飯で包むように握り、海苔を巻きます。
刻み生姜は、紅生姜にすると彩りがきれいですよ。
いりごまの代わりに、しらすや刻んだ大葉、ミョウガなど、季節や好みに合わせて混ぜてみましょう。
レシピ通りに作ったときのカロリーは次の通りです。
・玄米ご飯が茶碗一杯分 247.5kcal
・ウズラ卵3個 54kcal
・海苔 2kcal
麺つゆ、いりごま、刻み生姜は適量になりますので、303.5kcalといりごまなどのカロリーが加わります。
3個でおよそ310kcalになりますので、かなり低カロリーで美味しいおにぎりを食べることができますね。
茶碗一杯分の玄米で作った五平餅のカロリー
玄米ご飯が茶碗一杯分余ったら、おにぎりにするのが一番簡単ですね。
ほかにも、チャーハンやお茶漬け、焼きおにぎりなどもあります。
中でも美味しいのが、朝の連続ドラマでも話題になった「五平餅」です。
ドラマは普通の白米でしたが、玄米にすると香ばしさが増してさらに美味しくなります。
五平餅を本格的に作るとなると、炭や焼き網が必要ですが、今回はフライパンを使って焼きましょう。
玄米ご飯は、そのままではバラバラになってしまうので、小麦粉を混ぜて焼きます。
それではレシピのご紹介です。
【材料 1個分】
・玄米ご飯 茶碗一杯分
・小麦粉 15g
・味噌 大さじ1/2
・すりごま 大さじ1/2
・みりん 大さじ1/2
・砂糖 小さじ1/2
【作り方】
①すり鉢があれば、玄米ご飯をすり鉢に入れて、小麦粉を混ぜてすり潰します。
しっかりと粘りけが出るまで潰したら、小判型に成型しましょう。
②フライパンにオーブンシートや魚焼き用のホイルを敷いて、両面をじっくり焼きます。
③オーブントースターを使う場合は、片面ずつ10分焼いてください。
④焼いている間に味噌、すりごま、みりん、砂糖をよく混ぜます。
⑤焼きあがったら、味噌だれをぬってオーブンでさらに5分焼きましょう。
五平餅は主食にもなりますが、おやつにも最適です。
ご飯で食べた後に余ったら、五平餅にしても良いですね。
玄米ご飯の五平餅のカロリーは次の通りです。
・玄米ご飯 247.5kcal
・小麦粉 55kcal
・味噌 16.7kcal
・砂糖 9.6kcal
・みりん 21.7kcal
・すりごま 26kcal
1個分のカロリーは、おおよそ387.5kcalになります。
玄米ご飯の五平餅は、400kcal以下でもお腹いっぱいになります。
カップラーメンとほぼ同じカロリーで、栄養価はたんぱく質やビタミンB1、カルシウム、葉酸なども含まれています。
玄米ご飯を炊いて、たくさん作ればみんなで楽しむことができますね。
茶碗一杯の玄米ご飯のカロリーを消費するための生活
茶碗一杯分の玄米ご飯は247.5kcalですが、このカロリーを消費するためには、どんな活動が必要でしょうか。
成人女性を例にあげてみると、1日1000kcalを必要とします。
これを基礎代謝量といい、玄米ご飯を茶碗で4杯分は必要になります。
もちろん、私たちはご飯だけでは必要な栄養は十分に摂ることができますので、ほかにもおかずが必要ですね。
肉に魚、野菜・卵・豆や乳製品を食べます。
すると、ご飯の他にも色々食べることで、一食当たり500~1000kcalくらい摂ることになります。
基礎代謝によって1000kcalを消費しても、1000kcalあまりますので、その分活動しましょう。
茶碗一杯分の玄米ご飯のカロリー247.5kcalは、体重50kgの人がジョギングを40分行うことに匹敵します。
普通の生活なら、デスクワークなら2時間半、洗車なら1時間分です。
お風呂は浴槽に20分入っても、35kcalにしかなりませんので玄米ご飯のお茶碗半分にもなりませんね。
犬の散歩は、30分でもわずか92kcalです。
意外と消費カロリーは少ないですね。
玄米ご飯は健康に良いといわれていますが、食べすぎればそれなりにカロリー過多になります。
さっぱりした玄米ご飯はとても美味しいですが、食べすぎには注意しましょう。
玄米ご飯を色々試してカロリーオフ
私たちが生きるためには、脳のエネルギーとなる「炭水化物の糖質」が必要です。
糖質は主食から摂りますが、それが白米なのか、玄米なのか、そしてパンや麺類なのかは人それぞれです。
その中で少しでもカロリーが低くて、健康に良いといわれるものが玄米ご飯になります。
同じ150g食べて一番カロリーが低いものが、玄米ご飯のお茶碗一杯分です。
玄米ご飯をそのまま食べるも良いですが、たまにはおにぎりや五平餅と新しい食べ方も試してみてください。