体に良いといわれる玄米ですが、私たちが普段食べている白米に比べて食感が硬く、食べにくいという特徴があります。
果たして炊く時、水の量はどれくらい必要なのでしょう。
白米と比較してお話しするとともに、玄米と白米を混ぜて炊いた場合の水の量についても詳しくご説明いたします。
玄米や白米を炊く時の水の量はどれくらい?
玄米や白米を炊飯器で炊く場合、水の量はそれぞれ内釜に記されている目盛りに合わせればOKです。
とはいえメーカーにより多少の違いがあるようなので、基本的な水の量をご紹介しましょう。
まず、白米は1合180㏄に対し、水の量は1カップ200㏄です。
白米1に対し、水の量は1.1~1.2倍が良いとされています。
一方玄米は白米と違って外皮が硬く、吸水しにくいため水の量も多くなります。
玄米1に対し水の量は約1.5~2.0倍が良いとされ、玄米1合180㏄なら水の量は240~360㏄が適しているといいます。
しかし、この水の量の割合で玄米を3合、4合と炊くと、大量に吹きこぼれることが多く、後始末が大変です。
吹きこぼれないようにするには水の量を減らさなければなりません。
しかしそうすると炊き上がりが硬く、ポソポソと食べにくく感じられます。
吹きこぼれず、なおかつおいしく炊き上げるにはどうしたらいいのでしょうか。
水の量は調整して!玄米や白米をおいしく炊くポイントは?
玄米を炊く時、水の量を米の1.5~2.0倍にすると吹きこぼれることが多くなります。
吹きこぼれないようにするには、水の量を米の1.3倍くらいにまで減らす必要があります。
しかしそうすると食感が硬くなるので、おいしく炊くコツをご紹介しましょう。
①洗米は丁寧に
玄米をとぐ時は白米とちょっと異なります。
最初は外皮に付いたほこりやごみなどの汚れを落とすように軽く洗いましょう。
そして、外皮と外皮をこすり合わせるように洗います。
こうすることで外皮に若干の傷をつけるのです。
玄米の外皮はご存知のように米の糠です。
糠は水分の吸収や熱の伝導をしづらくさせるため、少し剥がすことで吸水や加熱をしやすくさせます。
この作業を3~4回丁寧に繰り返しましょう。
②浸水は長時間
米を洗ったら水に浸けますが、できるだけ長い時間浸けるといいでしょう。
最低でも6時間以上、できれば12時間浸けたいところです。
吸水率が高まってふっくらおいしく炊けるだけでなく、発芽しかかることで含有成分の栄養価がパワーアップするからです。
玄米1合に対し塩をひとつまみ加えると、さらに吸水率がアップします。
こうしてたっぷり水分を含ませれば、水の量を減らしてもおいしく炊きあがるのです。
一方、白米の場合は玄米と違い、米とぎは手早く済ませます。
最初は軽くすすぎ、2回目、3回目で米をとぎますが、あまり力を入れてこすり合わせるとかえって食感が悪くなります。
浸水時間も夏なら1時間、冬でも2時間程度でOKです。
長すぎる浸水はうまみを消し去ってしまうので注意しましょう。
水の量は硬めの食感が好みのかたなら、白米1に対して水の量1でも構いません。
適宜、調整してください。
玄米と白米を一緒に炊く時水の量はどうすればいいの?
体に良いとされる玄米ですが、風味が独特で食感が硬いため、ニガテとする方も多くいらっしゃいます。
そんな場合、普段の白米と混ぜてしまうことで、おいしくいただけるようになります。
しかし、困るのは炊く時の水の量です。
もともとの吸水率がだいぶ異なるため、白米と玄米を一緒に炊く時の水加減がわかりません。
洗米や浸水時間も異なります。
どうすればいいでしょうか。
①洗米は白米と玄米一緒に
上述したように、白米と玄米とでは本来洗米の仕方が異なります。
したがってそれぞれ別にといで炊飯器に入れ、炊けばいいのですが、これではかなり面倒です。
そこで、一緒にといでしまいましょう。
とぎ方に神経質になる必要はありません。
いつもの白米をとぐより、丁寧に洗えばOKです。
②水の量は白米だけの時より気持ち多めに
水加減は白米だけですと米の1.2倍くらい、玄米だけですと1.5~2倍くらいですが、一緒に炊くので全体量の1.3~1.5倍くらいでいかがでしょうか。
白米の時より少し多めにすればOKです。
何回か試して最適な量を見つけてください。
③浸水時間は一晩が理想的
水に浸けておく時間は最低でも2時間以上です。
8時間浸けると玄米が発芽しかかりおいしくなります。
時間を計るのが面倒なら、一晩浸けておくのがいいでしょう。
朝食後には夕食分をセットしておきます。
1日2回のサイクルにすればわかりやすく、手間が省けますよね。
④炊飯は白米モードで
炊飯器で炊く時は玄米モードではなく、普通の白米モードで炊きます。
玄米と白米の比率は、まずは玄米1に対し、白米2で混ぜてみましょう。
玄米に抵抗のあるかたはもっと少なくても構いません。
水の量はお好みで!玄米と白米を混ぜて炊く時のポイントは?
玄米と白米を混ぜて炊く時の比率は、玄米1に対して白米2がおいしいといいます。
しかし玄米に慣れてきたら、白米との比率を1対1にしてもいいでしょう。
その場合の水の量は、白米で炊く時よりもやや多めにします。
白米1合+玄米1合で計2合なら、水の量は2と3の目盛りの中間に合わせ、白米モードで普通に炊きます。
白米のしっとり感と玄米のプチプチ感が混ざり合ったちょうどいい食感になるはず。
しかし、ご飯の硬さは個人の好みもあるので、水の量はいろいろ試してみて、適宜調整してください。
それでもうまくいかない場合は、玄米だけ先に浸水させておくのがポイントです。
その後玄米と白米とを合わせ、少し多めの水で玄米モードで炊きます。
これで玄米の気になる食感は消えるでしょう。
玄米と白米を混ぜて炊く時のおいしくなるコツをいろいろご紹介!
玄米と白米を混ぜたお米をおいしく炊くコツは、
・玄米と白米の比率を1対2にする
・玄米だけ先に浸水させておく
・水の量は多めに(1.3~1.5倍)入れる
・炊飯器の白米モードで炊く
というかたが多いですが、他にもさまざまな工夫を重ねていらっしゃる方がいます。
いくつかご紹介しましょう。
・玄米を乾煎りする
玄米を洗って水を切ってからフライパンで10分程度、香ばしい香りがするまで乾煎りします。
その後白米と混ぜて、多めの水(お好みで調整)に塩を少し加えて白米モードで炊きます。
香ばしい香りのする玄米入りご飯になります。
・玄米を先に茹でておく
長時間浸水させた玄米を鍋で10分茹でます。
茹で上がったらざるにあげて玄米を洗います。
白米は通常通りに浸水させて、玄米と混ぜます。
水の量は玄米と白米を合わせた量に、お酒を加えます。
玄米が1合で白米が2合、合計3合なら、3合の水に大さじ3杯のお酒を入れます。
合計4合なら4合の水に大さじ4杯のお酒を加えます。
お酒を加えることで臭みを消し、ふっくらさせるのです。
あとは普通に白米モードで炊けば出来あがりです。
これでもまだ玄米に硬さが残るなら、茹で時間をもう少し長くしてもいいでしょう。
・玄米が多い時は玄米モードで炊く
水に浸しておく時間は30分程度にし、水の量を1.5倍にして玄米モードで炊きます。
特に玄米と白米との比率が1対1以上なら玄米モードがいいようです。
・先に白米をとぐ
白米をといで水がきれいになったところに玄米を加え、軽く1度といで水を入れます。
水の量は1.3倍程度です。
その後は玄米モードで炊きます。
どうぞさまざまなやり方を試し、最適な方法を見つけてくださいね。
発芽玄米を使えば、おいしさも栄養価もアップしたお米に!
玄米と白米を混ぜて炊く場合、水の量をただ多めにするだけでなく、予め玄米を煎っておいたり、長時間浸水させたり茹でて置いたりするなどして、おいしくふっくら炊けるよう工夫を重ねていらっしゃいます。
中でも圧倒的おいしさと評判なのが、ご家庭で玄米を発芽玄米にしてしまうことです。
玄米にはもともとは発芽部分が含まれているため、長時間水に浸けておけば発芽します。
発芽した玄米は通常の玄米よりも栄養価が高く、しかも中までしっかりと水分が吸収されているため、ふっくら柔らかく炊き上がるのです。
やり方は簡単です。
まず玄米をサッと水で洗ってから、きれいな水を注いで一晩置いておきます。
翌朝玄米をサッと洗って水を変えて浸けて置き、夜再び玄米をサッと洗って水を変えて浸けておきます。
これを3日間繰り返すと玄米が発芽して発芽玄米になるのです。
この発芽玄米と白米とを合わせ、白米モードで普通に炊けば、おいしくて栄養たっぷりな発芽玄米ご飯になるのです。
発芽玄米は冷蔵庫で1週間保存可能なので、時間のある時にまとめて作っておくといいでしょう。
玄米が入れば白米だけの時より水の量はやや多めに
体に良いといわれる玄米ですが、やや硬く食べにくいのが難点です。
そこで玄米を炊く時は、水の量を多くするといいでしょう。
白米と混ぜて炊く時も同様です。
玄米のプチプチした食感と白米のねっとりした食感とがうまくマッチして、何ともいえないおいしさになります。
最初は玄米の量を少なめに、徐々に量を増やしていくといいでしょう。
慣れると病みつきになるという玄米。
あなたもこの機会にぜひ、始めてみませんか。