日本の食卓に欠かせない調味料の味噌。
買うのが当たり前と思っている人が多いかもしれませんが、じつは家庭でも手作りで味噌は作れます。
今回は家庭でも簡単に作れる味噌の作り方をご紹介します。
ジップロックを使って作るので、大型の容器を買う必要もありません。
欲しい分だけ少量でも作れるので、ぜひ参考にして手作り味噌を作ってみましょう。
味噌は家庭でも手作りできるの?
毎日のように料理に使われる味噌は、食品メーカーやプロの味噌屋だけが作れるというものではありません。
最近では原材料を自分で選べることと、発酵して味が変化していくのが楽しめることで手作り味噌が人気を集めています。
基本的に味噌は、大豆と麹、塩の3つの原材料からできています。
調理も、細かい部分は後述しますが、大豆を茹でて、麹と塩を混ぜ合わせて発酵させるだけです。
家庭でも道具を揃えて、調理法を覚えれば簡単にできます。
道具も家庭にあるものでできますし、容器は袋タイプのジップロックでも作れます。
手作りの味噌は日々、味や色の変化が楽しめ、なにより添加物が入っていないので安心です。
今回は袋タイプのジップロックを使った、簡単な味噌作りのレシピをご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
味噌に含まれる栄養素は?
作り方をご紹介する前に、味噌に含まれている栄養素と健康効果についてご説明します。
味噌には、良質なたんぱく質やビタミン類などたくさんの栄養素が含まれています。
どんな健康効果があるのか見ていきましょう。
●ダイエット効果
味噌に含まれる植物性たんぱく質と大豆ペプチドにはダイエット効果があるといわれています。
植物性たんぱく質は体内でアミノ酸に分解され、そのアミノ酸に含まれるロイシンという成分は脂肪の燃焼を助けてくれます。
さらに、大豆ペプチドは腸内環境を整える効果が期待できるので、便秘解消にもつながります。
●生活習慣病の予防
味噌には高コレステロール、糖尿病、高血圧を予防する効果が期待できます。
コレステロールの上昇を抑えるサポニンやリノール酸、大豆レシチン、そして血糖の上昇を抑えるメラノイジンが含まれています。
高血圧に関しては、詳しい成分はまだ分かっていないものの、血圧の上昇を抑えるという実験の結果があります。
●アンチエイジング効果
味噌には、肌の水分を保つセラミドや細胞の酸化を予防して老化を防ぐビタミンEが含まれています。
上記のようにたくさんの健康効果が確認されています。
今回ご紹介しているジップロックを使ったお手軽手作り味噌でも、市販の味噌でも同様に効果があるので、ぜひ食卓に取り入れてみましょう。
手作りと市販の味噌の違いは?
市販の味噌でも含まれている栄養素に大きな違いはありません。
しかし、製法と原材料が大きく違います。
市販の味噌は「速醸法」という製法で、通常半年から一年かかる発酵を加湿できる部屋で早めます。
速醸法は発酵が早いので、3ヶ月程度で味噌が完成しますが、手作りの製法よりうま味が少ないです。
そして品質を均一化するためアルコールを加えて発酵を止めてしまいます。
市販の味噌は酵素の生きていない、発酵が止まった味噌、ということになります。
さらに、使用している原材料を見ると、ほとんどが海外産の遺伝子組換え大豆です。
人工的にうま味や見た目を良くする添加物が含まれている味噌も多いので、気をつけましょう。
手作りの味噌は原材料が選べますし、添加物の心配もないです。
価格も安い材料を選び、ジップロックなどを使用すれば、それほど予算もかかりません。
手作りで美味しい安心な味噌を作ってみましょう。
手作り味噌の容器はジップロックでOK!
手作り味噌を入れる容器は主に木製の木桶、陶製の味噌かめ、ホーロー製、プラスチック製などがあります。
木製や陶製、ホーロー製は外気温や湿度に影響を受けにくく、長期間の保存が可能です。
プラスチック製は価格が安く手軽に購入できますが、塩分の影響を受けやすく、長い期間使用すると変色することがあります。
プラスチック製よりも手軽に作れるのが、袋タイプのジップロックです。
価格が安く、袋の内側は外気に触れずに製造されているため、雑菌やカビが繁殖するリスクも少ないのでおすすめです。
味噌を作る量も少量から作れるので、一人暮らしで味噌の使用量が多くない人でも味噌作りを楽しめます。
ただし、ジップロックは味噌作り用ではないので、たまに空気をだす必要があります。
木製やプラスチック製のような専用の容器は仕込んだら基本は放置でもいいので、その点は手がかかることを頭に入れておきましょう。
ジップロック以外に味噌作りに必要な道具と材料
今回は袋タイプのジップロックを使って味噌を作っていきますが、ジップロック以外に手作りの味噌に必要な道具と材料を見ていきましょう。
大きめの鍋、大きめの容器、はかり、ザルが最低限必要な4つの道具です。
ほかにミキサーや圧力鍋があると、大豆を潰す作業や茹でる作業の時間が短縮されます。
時間があって作る量が少ない、という場合は必要ありません。
大豆は膨らむので小さい鍋だと水に漬けたり茹でたときに、大豆が水からはみだしてしまうことがあります。
大きめの鍋を用意すると失敗なくできます。
大きめの容器は材料を混ぜる際に使用するので、大きめでないと上手く混ざりません。
次に材料は、大豆と塩、麹の3つだけでできます。
味噌は大豆や塩でも味は左右されますが、1番味に影響があるのが麹の種類です。
麹には、米麹、麦麹、豆麹と種類があり、地域などにより使用される種類が異なります。
もっとも多く使われているのが米麹で、入手しやすいのと食べ慣れているので、おすすめです。
自分の住んでいる地域の味噌に使われている麹を使用するのもいいでしょう。
今回は標準的な食べやすい中辛のレシピをご紹介しますが、もし甘口や辛口が好きなら麹の量を調整してください。
麹を増やすと甘口、減らすと辛口になります。
いくつか少量ずつ作って、味を変えてみてもいいでしょう。
ジップロックを使った味噌の作り方
ここからジップロックを使った手作り味噌のレシピをご紹介していきます。
手順は少ないのですが、時間のかかる作業も多いので、ゆとりをもって作業できる時間を確保しましょう。
【材料】
・大豆 300g
・米麹 500g
・塩 200g
【作り方】
①大豆をよく洗い、たっぷりの水に18時間以上つけます。
②大豆を多めの水で5、6時間煮ていきます。
③指で簡単に潰れるくらいの硬さになったら、ザルにあけ、流水で冷やします。
④大豆の水気をよく切り、ジップロックやビニール袋に入れて、手やすりこぎ棒、瓶などを使って大豆を潰します。
⑤大きめの容器に塩と米麹を入れて、しっかりと混ぜ合わせます。
⑥ ⑤に潰した大豆を入れて、よく混ぜ合わせます。
⑦ジップロック(中サイズ、新しいものを使う)に空気が入らないように、入れていきます。
以上がジップロックで作る手作り味噌です。
圧力鍋がある人は大豆を煮る時間は30分で済みます。
また、ミキサーやハンドブレンダーがあると潰す作業が楽です。
あとは半年程度待てば、熟成が進み完成となります。
保存場所は日の当たらない冷暗所が理想で、温度は20~30℃が最適とされています。
ジップロックは密閉度が高いため発酵が進むと袋が膨らむことがあるので、たまに確認して膨らんでいたら空気をだしましょう。
ジップロックで簡単に手作り味噌を作ろう!
手作り味噌は市販の味噌よりもうま味が強く、添加物が入っていないので安心して食べられます。
難しいイメージがありますが、ジップロックを使えば手軽に作れます。
毎日のように使う調味料なので、ぜひ美味しくて安心の手作り味噌にチャレンジしてみましょう。