お味噌汁は好きですか?
毎日お味噌汁を作っていますか?
お味噌汁を作る時に、味噌の分量を正しく量っていますか?
と聞かれて、イエスと答える人はどれくらいいるでしょうか。
ベテランの主婦になればなるほど、調味料の分量は目分量になります。
それでも家族は美味しい、美味しいと毎日喜んで食べます。
それこそがお袋の味で、その家に伝わる代々の味です。
しかし、それで本当に良いのでしょうか。
しっかりと味噌の分量を量ることは、大切なのではないでしょうか。
今回は、お味噌汁の味噌の分量についてのお話を、ご紹介しましょう。
お味噌汁の味噌の分量を量っていますか?
塩分の摂りすぎは危険ですよ。
そんなことを他人には言いながらも、自分でお味噌汁を作る時に、いちいち味噌の分量を量っていますか?
栄養士や調理師・家庭科の先生といった料理や栄養の専門家でも、日常の食事の支度で計量カップやスプーン、はかりを使って料理をする人はほとんどいません。
ベテランの主婦ともなると、毎日の食事の支度は自分の味覚に頼った匙加減です。
いわゆる目検討です。
それでも、毎日同じお味噌汁を作っていくうちに、これくらいがちょうど良いという分量を覚えて、家族が喜ぶ美味しいお味噌汁が作れるようになります。
しかし、味覚に頼ったり、目検討で入れる味噌の分量には大きな落とし穴があります。
毎日家族のために同じお味噌汁を作るうちに、その味が濃いのか薄いのか、ちょうど良いのかがわからなくなります。
元々作る人の味覚が薄味好きで、塩辛いものは苦手という人なら、味噌の分量を減らしてだしをしっかりとった薄味のお味噌汁を作ります。
しかし、濃い味が好きという人が作ると、どうしても味噌の分量が多くなり、濃いお味噌汁になってしまいます。
中には濃い味付けに慣れてしまい、外食でもさらに塩コショウをしっかりと加える人もいます。
塩分の摂りすぎは、高血圧の原因にもなりますので、こういった家庭ほどお味噌汁の味噌の分量をしっかりと量った方が良いですね。
お味噌汁の基本の味噌の分量
それでは、お味噌汁の味噌の分量はどれくらいが理想でしょうか。
味噌のメーカーや顆粒だしを取り扱う食品メーカーでは、色々なお味噌汁のレシピを紹介していますね。
ある管理栄養士が、塩分の計算をして理想的なレシピを紹介しています。
基本のレシピにある味噌の分量は、200ml(カップ1杯)のだし汁で大さじ1になります。
しかし、栄養士がレシピを作っていても、メーカーによって味噌の分量は色々と違い、300mlで大さじ1のものもあれば、200mlでも大さじ1のものもあります。
レシピの中には、だし汁の蒸発分を考えて、水を多めの分量で指定しているものもあります。
具の種類によっても違いますが、だしの種類によっても味噌の分量が違います。
昆布や鰹節、煮干しからだしを作る時と違い、顆粒だしはその中にも塩分が含まれているため、味噌の分量を少なめにしているものもあるようです。
味の素やヤマキ、マルコメなどの公式ホームページでも、それぞれ違いがありますので、自分の舌に合ったものを色々と試されても良いですね。
だしから作るお味噌汁の味噌の分量
それでは今回はだしから作る、基本のお味噌汁をご紹介しましょう。
【材料 4人分】
・水 900ml
・昆布 10cm×10cm
・味噌 64g(大さじ4)
・豆腐 200g(1/2丁)
・乾燥わかめ 4g
・長ネギ 1/4本
【作り方】
①鍋の中に水と昆布を入れ、火にかけます。
②弱火で20分ほど熱し、沸騰する前に昆布を取り出します。
③乾燥わかめは水で戻します。
豆腐はさいの目切りに、長ネギは小口切りにします。
④だし汁の入った鍋をもう一度火にかけて、豆腐・わかめを入れます。
この時、だし汁の分量を640mlにします。
多い分は、他の煮物などに利用しましょう。
⑤沸騰したら火を止めて、味噌を溶き入れます。
⑥もう一度火にかけて、沸騰直前に長ネギを入れて火を止めます。
だしから作る場合は、蒸発分を入れて水の分量を味噌に対して少し多めにします。
同じだしでも、鰹節の場合はもっと多めになります。
鰹節でだしを取ると、鰹節を濾すときに水も減ってしまいますので、多めの水を用意しだしを取った後に、不足分は水を足します。
同じお味噌汁でも、だしが違うと初めに用意する水の分量が違います。
レシピを見る時に気を付けましょう。
お味噌汁の具で違う味噌の分量と入れるタイミング
お味噌汁の具によって、味噌を入れるタイミングが違います。
具にあまり味がないものと、旨味などの味が出るものによっても、入れる味噌の分量もほんの少し違ってきます。
大根や豆腐、わかめなど野菜や海藻・大豆製品は具に塩味や濃い旨味はありません。
特に、大根や豆腐は具からも水分が出ますので、あまり味噌を少なめにしてしまうと、味が薄くなってしまうこともあります。
そこで、ほんの少し多めにしましょう。
しいたけやなめこ・油揚げ・あさり・あおさなどは具からも旨味が出ます。
そこで、味噌が少なめでもコクが出ます。
また、大根と豆腐では、だし汁に入れるタイミングも味噌を入れるタイミングも違います。
大根は、だし汁がしっかりとしみこむように煮た後に味噌を入れると、味噌の塩辛さや色が大根に移ることなく、美味しいお味噌汁が作れます。
ところが、大根にだし汁がしみ込んでいない状態で味噌を入れてしまうと、大根そのものが茶色になってしまったり、逆に生っぽさが残ってしまいます。
豆腐は、あまり早く入れて煮込みすぎると、豆腐にすが入ってしまい見た目も食感も変わってしまいます。
お味噌汁を作るからといって、何でも同じ味噌の分量、同じタイミングで味噌を入れるわけではありませんね。
特に、なめこや長芋、オクラのように粘りのある具は、具を入れて味噌を入れたら早めに火を止めます。
すぐに煮立ちますので、具を入れる前にしっかりとだし汁を沸騰させてから、具と味噌を入れます。
具と味噌を入れてから煮込もうとすると、吹きこぼれてしまいますので注意しましょう。
あさりのお味噌汁の味噌の分量
それでは、具からだしが作れる、あさりのお味噌汁の作り方をご紹介しましょう。
あさりそのものからだしが出ますので、だしは一切必要ありません。
さらに、旨味がでるため、基本のお味噌汁よりも味噌の分量が少なめで大丈夫です。
【材料 4人分】
・水 680ml
・あさり 28~32粒
・味噌 52g
・豆苗 1/2袋
・小ねぎ 1/4本
【作り方】
①あさりは砂抜きをしておきます。
豆苗は細かく刻み、小ねぎは小口切りにしておきます。
②鍋にあさりと水を300ml入れて、蓋をして強火にかけます。
③あさりの口が開いてきたら火を止めて、そのまま2~3分蒸らします。
④残りの水を入れて再び火にかけて、煮立ったら豆苗をいれ味噌を溶き入れます。
最後に小ねぎをちらします。
水は沸騰分が40ml多めに取ってあります。
同じ水640mlでも、豆腐とわかめ・長ネギのお味噌汁は64gに対して、あさりのお味噌汁は54gになります。
だしもあさりから出ている分になり、顆粒だしはもちろん、昆布や鰹節のだしも使っていません。
その分塩分が少なくても、あさりから出る旨味成分で味がしっかりとつきます。
あさりと同様に、しじみやホタテなど魚介類のお味噌汁を作る時も具からのだしが出ますので、味噌はほぼ同じ分量になります。
減塩味噌を使ったお味噌汁の塩分量
最近の医学の専門家から、お味噌汁を1日2杯飲んでも高血圧にはつながらない、という研究結果が発表されています。
これは、味噌に含まれるナトリウムと具に含まれるカリウムが相殺してしまうことから、お味噌汁では塩分過多を心配することはないということだそうです。
それでも気になる人はいらっしゃいますね。
そこで、食品栄養の研究を長く行っている女子栄養大学と、健康器具の大手メーカータニタが監修したお味噌が作られ、人気が高くなっています。
どちらも塩分が控えめで、他のメーカーのお味噌と比較しても、かなり低い塩分量になっています。
それでは、実際にお味噌汁の塩分量はどれくらいになるのでしょうか。
成人男性が一日に必要な塩分量は8.0g未満、成人女性は7.0g未満です。
これを塩小さじ1.5杯ということがありますが、実際に私たちが毎日食べている塩分は、塩だけでなく味噌や醤油・ソース・マヨネーズなどの調味料全般に含まれています。
そのために、知らないうちにたくさんの塩分を摂ってしまっていると、問題になっています。
今回ご紹介したわかめと豆腐、長ネギを入れた基本のお味噌汁では、塩分量が3.7g、あさりのお味噌汁では3.1gになります。
こちらでは、一般的な有機味噌を使ったときの塩分量です。
この味噌を塩分が少ない、女子栄養大学やタニタが監修の減塩味噌を使うとかなり控えめになり、基本のお味噌汁で2.8g、あさりのお味噌汁で2.4gになります。
お味噌汁を1日2杯飲んでも高血圧には影響がないと言われていますが、それでもやはり気になる、という方はこの数値を参考にして下さい。
この数値からもわかるように、減塩の味噌はかなり塩分量が少なくなりますので、使っていただくことをお勧めします。
お味噌汁の味噌は日々の積み重ね
一食くらい、一日くらい塩分を気にすることなくお味噌汁を飲みたい、と思っていらっしゃる方もいることでしょう。
しかし、味覚は毎日の積み重ねで薄味に慣れたり、濃い味に慣れたりします。
お味噌汁の味噌の分量を、今日からほんの少し減らしてみませんか。
お玉でいい加減に入れていた方、大さじでも大盛にしていた方。
大さじは大盛ではなく、摺り切りで量ってみましょう。
ほんのちょっとずつ味噌の分量を減らすことで、徐々に薄味に慣れて、健康に良い本当に美味しいお味噌汁を味わうことができるようになります。