ボタン1つで食べ物を温めてくれる便利な電子レンジ、今や私たちの生活に欠かせない家電です。
しかし、使い方を間違えると電子レンジ内で食品が爆発し、大怪我に繋がってしまいます。
電子レンジの爆発事故の原因は何なのか、爆発を防ぐにはどうしたら良いのかを、今一度しっかりと確認しましょう。
電子レンジが爆発!間違った使い方が原因
火を使わずに食品の温めや解凍・簡単な調理までできる便利な電子レンジは、毎日の生活に欠かせないという人も多いと思いのではないでしょうか。
主婦にとっては料理の時短アイテムとして、一人暮らしの人にとっては冷凍食品やお惣菜を美味しく食べるための必需品とも言えます。
しかし、誤った使い方をすると電子レンジ内で食品が爆発したり、沸騰した液体が飛び散って火傷をしたり、発火して火事の原因になる可能性もあるので注意が必要です。
例えば電子レンジで卵料理を作ろうとすると、爆発して庫内や部屋中に飛び散ってしまったという事故は昔から絶えません。
なぜ卵を電子レンジで加熱すると爆発するのかは後ほど説明しますが、危険ですので絶対に真似しないでくださいね。
また、電子レンジで使用不可のお皿や容器を使うのも、事故が起きる危険があるので注意しましょう。
アルミホイルなどの金属性のものは火花が散って最悪の場合火事になったり、プラスチックの容器は溶けてしまいます。
またペットボトルも電子レンジに入れると危険なものの1つです。
ホット専用のペットボトルなら温めても大丈夫だと思いがちですが、電子レンジで加熱すると破裂したり変形する危険性があるので、ペットボトルの飲み物を温める時は必ず別の容器に移しましょう。
電子レンジは身近になりすぎて改めて取扱説明書を読む人は少ないかもしれませんが、今までの使い方は本当に正しかったのか今一度確認し、事故の起きないよう注意したいですね。
電子レンジで温めると危険な食材とは?
電子レンジは料理の下ごしらえから調理、お弁当やお惣菜の温め直し、冷凍食品の解凍など様々なシーンで使われますが、中には電子レンジの使用を避けた方が良い食材もあります。
最近の電子レンジは性能が良くなり重量や温度のセンサーが付いていて、自動で温める時間や強さを設定してくれる機種もあります。
オートメニューはとても便利な機能ですが、頼り過ぎてしまうと爆発などの思わぬ事故に繋がりかねないので気を付けたいですね。
電子レンジで加熱してはいけないもの、注意が必要な食材を確認しましょう。
まずは皮や殻が付いた食品全般です。
一例として卵・ソーセージ・たらこ・いか・栗などの木の実類・丸ごとのじゃがいもやトマトなどが挙げられます。
例えばじゃがいもはゆでたり蒸したりするのに比べ時短にもなり、水を使わず加熱でき、ホクホクとした食感になるので、ポテトサラダを作る時などは電子レンジでの加熱が向いています。
しかしやり方を間違ってしまうと電子レンジ内で皮が破裂し、中身が飛び散ってしまう可能性があるので注意しましょう。
次に危険なものは飲み物やスープなどの液体や、カレーやシチューなどとろみのあるものです。
電子レンジのオートメニューの多くに飲み物のボタンがあるため危険だと認識されづらいですが、液体を電子レンジで加熱した時「突沸」といって吹き出す危険性があります。
特に、とろみのあるカレーなどは突沸の原因になりやすいと言われています。
他にも水分の少ないサツマイモや人参などの野菜は加熱しすぎると焦げたり、発火する場合もあります。
ラップで水分が逃げないようにしたり、加熱時間を短めに設定しこまめに確認しながら加熱するなどの工夫をしましょう。
電子レンジは火を使わずに温めや調理ができるので子どもが使う場面も多くあると思いますが、一歩間違えると思わぬ事故や怪我が起きてしまうので、親子で使い方をしっかりと確認することが必要です。
電子レンジの爆発事故、原因その①圧力の上昇
私たちの生活に密着した電子レンジ、そもそもどのように食品を温めているのかご存知ですか?
電子レンジは庫内にマイクロ波という電波を発生させます。
そのマイクロ波が当たると食品内の水分が激しく振動し、水分子同士がぶつかり合う摩擦熱で食品が温められるのです。
そのため水分の少ない食品は温まりにくいという性質があります。
ここで先ほど例に挙げた卵の爆発の原因を説明しましょう。
卵は周りを硬い殻で覆われています。
中の卵白・卵黄は水分を含んでいるため卵の内部から徐々に加熱されていき、殻の中で水蒸気が発生し圧力が高まります。
水というのは温められると水蒸気に変わり、体積が1700倍にも膨れ上がるため、逃げ場がなくなった水蒸気の圧力に卵の殻が耐えられなくなり最終的に爆発してしまうのです。
卵を割った状態でも卵黄には薄い膜があるため、同様に爆発する可能性があります。
また、おでんの卵を電子レンジで温め直した時に爆発させてしまったという人もいます。
すでに火が通ったゆで卵の状態でも、生卵を加熱した時と同様に爆発の危険があるので注意しましょう。
卵以外にも栗やソーセージなど殻や膜に覆われている食品は、この圧力の上昇が原因で爆発する可能性があります。
そのため、圧力を逃がすための穴を開けると爆発を防げると言われていますが、少しでも危険性があるものは電子レンジでの加熱は控えた方が良いでしょう。
危険な食材の代表「卵」は専用グッズで爆発回避
電子レンジでの爆発事故の原因として特に多いのが卵の加熱です。
例えば、ゆで卵を1つだけ作りたい、目玉焼きが食べたいがフライパンを汚したくないなどの理由から電子レンジでの調理を試す人が多いようですが、何の対策もせずに行ってしまうとかなりの被害を受けるでしょう。
電子レンジで加熱OKなのはしっかりと溶いた卵だけで、殻付きの状態はもちろんのこと、割った生卵やすでにゆで卵にしたものでも電子レンジでの加熱はNGですので覚えておいてくださいね。
インターネットで調べると電子レンジでゆで卵を作る裏ワザ的な方法が出てきますが、万が一失敗した時の代償は大きいので避けた方が良さそうです。
それでも1人分の卵料理を作るために鍋やフライパンを準備するのはめんどくさいという人は、電子レンジ調理専用グッズを使いましょう。
電子レンジでゆで卵を作れる調理グッズは色々なメーカーから出ており、1個用から一度に複数作れるものまで種類も豊富で、半熟や固ゆでなどのゆで加減の調整も可能です。
鍋で作る時のように沸騰するまでつきっきりで確認する必要もありませんし、容器に卵をセットしてスタートボタンを押すだけなのでとても簡単です。
ゆで卵以外にも目玉焼きやポーチドエッグ用の調理グッズも販売されているので、興味のある人はぜひ一度お試しください。
電子レンジの爆発事故、原因その②液体の突沸
電子レンジで飲み物やスープなどの液体を温める人も多いと思いますが、実は液体も爆発に気を付けなくてはいけないものの1つです。
液体を電子レンジで加熱すると「突沸」という現象が起こりやすいと言われています。
突沸とは沸点(水なら100℃)に到達しているにもかかわらず、見た目にはブクブクと沸騰していない状態(=過加熱状態)の液体に、何らかの刺激が加わった途端突然沸騰することを指します。
電子レンジからマグカップを取り出したり、机に置いた時の振動、コーヒーに砂糖を入れたりスプーンでかき混ぜる動作など些細な刺激でも突沸の原因となります。
取り出した直後には何の変化も見られない液体が、このような刺激をきっかけに突然吹き出したり、周囲に飛び散り火傷をしてしまうケースも多くあるようです。
特にとろみのあるカレーやシチュー、味噌汁、豆乳などは温めている最中に容器の中で対流が起きにくく、過加熱状態になりやすいので注意が必要です。
続いては、突沸を防ぐためには何に気を付けたら良いのか注意点をご説明します。
味噌汁が電子レンジで爆発!突沸の予防法
電子レンジで加熱した液体が、爆発したように吹き出す突沸を防ぐ方法は4つあります。
最大のポイントは、突沸の原因である過加熱状態にしないことです。
まず1つ目は液体を入れ過ぎないようにしましょう。
電子レンジの加熱に対応した容器を使うことは大前提として、液体は容量の6~7分目くらいに留めておきます。
液体の量が多くなるほど加熱時間も長くなり、過加熱状態になりやすいからです。
2つ目は加熱時間を短めに設定し、様子を見ながら温めることです。
鍋で温める時には湯気や鍋底から上がってくる気泡で沸騰を確認できますが、電子レンジの場合は目で見ても確認しづらいので注意が必要です。
電子レンジには便利なオート機能も付いていますが、条件によっては温まり過ぎることもあるので、オート機能を使用する時も途中で温まり具合を確認することをおすすめします。
3つ目は時折かき混ぜながら加熱することです。
特に、カレーなどとろみのあるものは加熱ムラができやすいため、途中で取り出して全体をよく混ぜましょう。
最後の4つ目は、温め終わったあとすぐに取り出さないことです。
万が一温めすぎて過加熱状態になっていたとしても、振動や刺激がなければ突沸は起こりません。
温め終わって30秒~1分ほど置いてから取り出すと少し温度が下がり、突沸が起きる危険性が低くなるでしょう。
突沸は、とにかく過加熱状態にさせないことが大切です。
温まり具合を確認したり何度も加熱するのは多少面倒に感じるかもしれませんが、火傷するよりは絶対に良いですよね。
今まで大丈夫だったからと過信せず、自分の身は自分で守りましょう。
電子レンジは使い方を守って安全に使いましょう
暑い夏には火を使わず調理ができ、寒い冬には温かい飲み物を手軽に用意できる優れものの電子レンジ。
使い方さえ守ればとても便利なものです。
思わぬ怪我や事故を起こさないためにも、今一度使い方を見直してみましょう。