梅雨の時期がはじまり、雨がしとしとと降り続けるような季節ですが、そんな時季に旬な食材があります。
それは、市場ではあまり見かけない、果実が赤くなる前に収穫した「青唐辛子」です。
今回は、青唐辛子についてお話します。
青唐辛子を使った南蛮味噌の作り方や、保存方法も併せてご覧ください。
青唐辛子とはどんな唐辛子?
辛い青唐辛子とは通常、市場にはあまり出回らない品物です。
主に、家庭菜園等での自家栽培時、赤くなる前に収穫されます。
赤い唐辛子を「赤唐辛子」というのに対して、緑色のものを「青唐辛子」と呼びます。
一般的に、赤唐辛子は過熱をすればするほどに辛さが増しますが、青唐辛子は過熱をすると辛さが飛びます。
言い方を変えると、赤唐辛子は過熱をしないと微妙な辛さなのに対し、青唐辛子は過熱をしなくても十分辛いいうわけです。
お料理だと、伊豆の伊東等では青唐辛子をカツオを叩いたものに入れて作る郷土飯、「うずわ定食」などが有名ですが、ほとんどの青唐辛子は保存食に使われます。
保存食では「柚子胡椒」も有名ですが、青唐辛子を味噌と調味料で味付けした青唐辛子味噌、別名「南蛮味噌」がより手軽にかつ材料を仕入れやすいので人気があります。
この南蛮味噌は、東北の方でよく食べられているそうです。
家庭によって様々な特徴や味付けがあり、作り方に慣れてしまえばアレンジがきく保存食といえるでしょう。
唐辛子の主な栄養成分と辛くない青唐辛子の種類
唐辛子にはハバネロ、ジョロキア、オリンピック、タバスコペッパー、キャロライナリーパー等、世界中に様々な種類があります。
今でもその種類は増え続けているそうです。
日本では主に、
・キダチ唐辛子
・唐辛子
の二種類が主流だそうです。
唐辛子の代表的な成分は、辛み成分であるカプサイシンが有名ですよね。
カプサイシンは、発汗作用、殺菌作用があり、デトックスによいとされています。
しかし、カプサイシン以外の栄養成分も豊富です。
唐辛子には緑黄色野菜などに多く含まれているβ-カロテンが多く含まれています。
ほかにも、ビタミンE、ビタミンCが豊富に含まれているので美肌によいです。
そして、青唐辛子には辛くない青唐辛子もあります。
辛くない青唐辛子は、辛い青唐辛子より市場に出回っているのですが、日本では主に、
・ししとう
・甘唐辛子
・伏見唐辛子
などの種類があります。
こちらの青唐辛子は辛くないので、保存食の味噌などにはせず、調理方法としては素揚げや焼き物に添えたり煮物に入れたりします。
ただし、たまに辛くない青唐辛子も辛くなることが10本に1本あるようなので、小さな子供や辛味が苦手な方は注意してくださいね。
青唐辛子の長期保存方法は冷凍と味噌漬け
辛い青唐辛子は市場にあまり出回らないので、自家栽培にて収穫した後に長期保存をしておく必要があります。
長期保存の方法は、主に「冷凍」や「味噌漬け」などが挙げられます。
①冷凍
保存方法は唐辛子を一本ずつ包みこみ、タッパーやジップロックに詰めて冷凍庫に入れます。
こうすることで鮮度が保たれ、その場で取り出しやすく、使いやすくなります。
②味噌漬け
味噌漬けとは、塩分の強い調味料の味噌の中に青唐辛子を入れて保存する手段であり、保存食の一種です。
この手段は、そのまま料理の味付けとして使用することもできれば、そのままつまみとして食べることもできるので、優れた保存方法といえます。
保存期間は冷蔵庫で3カ月程度ですが、冷凍しておいた青唐辛子を使えばまた再び楽しむことが出来ます。
そんな青唐辛子をふんだんに使った味噌、南蛮味噌の作り方をご紹介する前に、保存食作りにおける基本的に必要な所作をご説明します。
保存食に必要な所作「殺菌」
青唐辛子を使った保存食の味噌、南蛮味噌作りにおいて重要なのが「殺菌」です。
殺菌とは、食中毒等の原因となる特定の菌を死滅させることを指します。
この殺菌がなぜ重要かというと、菌を死滅させておかないと長期保存中に菌が増殖し、食中毒等を引き起こすからです。
そのため、殺菌という手段を講じる必要性が出てきます。
殺菌しないと、菌は無限にどんどん増殖します。
その手段を講じずに保存食を作るとどうなるかというと、保存期間が短くなるだけではなく、食中毒が起きます。
美味しいものを手間をかけて作るのに、それではもったいないです。
殺菌の方法は簡単です。
①味噌漬けの容器として手のひらサイズの瓶の容器を準備します。
②洗った容器に沸騰した湯を注ぎます。
③そのあとに、ホワイトリカー等アルコール度数約40パーセント以上の酒を回し入れて、酒を捨てて無菌のペーパータオルでふき取るか乾燥させます。
これで殺菌完了です。
こちらの所作を行ってから、南蛮味噌を作りましょう。
保存が可能なスパイシーで甘くない南蛮味噌の作り方
保存食である南蛮味噌は、味付けのタイプが2タイプあります。
それは、スパイシータイプと甘辛タイプです。
両方ともご飯にも合いますが、雰囲気が変わるので、気分によって作り分けてみましょう。
スパイシーで甘くない南蛮味噌は、甘いものが苦手な方にもおすすめです。
それでは大人なテイスト、スパイシーで甘くない南蛮味噌のレシピをご紹介します。
【材料】
・味噌 100g
・青唐辛子 10本
・にんにく 3かけ
・酒 10g
・生姜 5g
【作り方】
①青唐辛子、にんにく、生姜をみじん切りにします。
②小鍋に、酒と①を入れて強火にかけます。
一煮立ちしたら火を止めましょう。
③ボールに①の青唐辛子と②を入れ、味噌を入れてよく混ぜます。
④容器に入れて出来上がりです。
塩分は相応にありますので、適度に加減してお召し上がりください。
もう少し辛いものがよい方は、赤い唐辛子を炒めて混ぜても美味しいですよ。
慣れてきたら、いろいろなアレンジを試してみてくださいね。
保存して置くと多用できる甘辛い南蛮味噌の作り方
次に、甘辛い南蛮味噌の作り方をご紹介します。
子供でも、辛いものが苦手でなければ、食べやすいのが利点です。
お家にこの保存食があれば、お弁当にもよく合うのでおかずに困ったときなどに多用できます。
また、キュウリなどの夏野菜につけて、野菜スティックとしても楽しめますよ。
【材料】
・味噌 100g
・青唐辛子 10本
・にんにく 3かけ
・酒 10g
・味醂 10g
・砂糖 10g
・生姜 5g
【作り方】
①青唐辛子、にんにく、生姜をみじん切りにします。
②フライパンにごま油を引き、①のにんにくと生姜を入れて強火にかけ炒めます。
香りがしてきたら、酒と味醂と砂糖を入れて沸騰させましょう。
沸騰したら火を止めます。
③ボールに①の青唐辛子と②を入れ、味噌を入れてよく混ぜます。
④容器に入れて出来上がりです。
甘辛いので、家庭料理のアレンジに少しだけ足しやすくなっています。
おでんの辛子の代わりに、この味噌を使っても美味しいですよ。
出来合いの餃子などの味付けに飽きたときに、この味噌をつけるといいアクセントになります。
ぜひ、色々試してみてください。
青唐辛子で暑い夏を乗り切る!
辛くない青唐辛子は市場で見かけますが、辛い青唐辛子は市場に出回るのが大変珍しい食材です。
β-カロテン、ビタミンC、ビタミンE等、美肌に効果があるビタミンが豊富です。
食欲が落ちがちな夏ですが、保存食として冷蔵庫に青唐辛子をふんだんに使用した南蛮味噌を作っておけば、ご飯進みますよ。
常備すると便利なので、ご興味のある方はぜひ試してみてください。