ヘルシーなてんさい糖を上白糖の代用にしてみませんか

てんさい糖という名前を聞いたことはありますか?

近年、健康志向の甘味料ということでその名が上げられたりしていますよね。

みなさんは、上白糖とはどのように違うのかご存知でしょうか。

上白糖の代用品にするときの注意点と共に、てんさい糖についてご紹介します。

てんさい糖とは?

てんさい糖とは文字通り甜菜(てんさい)、または、ビートと呼ばれる植物から作られる砂糖のことです。

甜菜の『甜』という文字は、舌に甘いと書きますが、この漢字には正に『甘い』という意味があります。

その言葉の通り、甘い野菜であるというところからついた名前のようです。

甜菜とはいわゆる砂糖大根のことで、大根という名の通り、見た目は大根のような形をしています。

しかし、実際は意外なことに、ホウレン草と同じ分類に属するアカザ科の植物です。

寒冷地でしか育たないため、日本では主に北海道などで栽培されていますが、世界的には、ロシア、フランス、北アメリカ、ドイツ、トルコなどが主な産地をしてあげられます。

甜菜の根の部分には、ショ糖が高い濃度で含まれます。

甜菜をてんさい糖に精製するには、まず収穫した後、根の部分を細かく刻んでエキスを絞り、それを煮詰めることで含まれる糖分を抽出します。

上白糖をはじめとするその他の砂糖は主にサトウキビを原材料とするため、てんさい糖と上白糖は全くの別物です。

しかし、主成分はてんさい糖も上白糖もショ糖なので、てんさい糖を上白糖の代用とすること、もしくは上白糖をてんさい糖の代用とすることは簡単にできます。

上白糖とは?

日本で一般的な砂糖というと、主に上白糖を指します。

上白糖とは、精製した仕上げの状態による名称であるので、てんさい糖のように原料名を示唆する名称ではありません。

上白糖とは、主成分であるショ糖に転化糖(ブドウ糖と果糖の混合物)の液を振りかけて製造されたもので、しっとりとした風合いを持っています。

日本で流通している上白糖の大半は、サトウキビを原材料としたものです。

サトウキビは寒冷地で栽培される甜菜とは反対に、温暖から亜熱帯、熱帯地域で栽培されます。

日本では、沖縄や鹿児島などが主な生産地となりますが、世界的に見たときに一番のサトウキビの生産国はどこでしょうか。

答えは、ブラジルです。

サトウキビの糖分は主に茎の部分に蓄えられていて、茎を絞って取り出したエキスを煮詰めて精製するところは、てんさい糖の作り方と基本的は同じです。

上記したように、出来上がった上白糖もてんさい糖も主成分はショ糖であるので、それぞれを代用品として使うことはとても簡単です。

てんさい糖と上白糖、互いに代用することは可能

てんさい糖も上白糖も主成分がショ糖であることに変わりはないので、互いに代用することは無理なく行えます。

では、原材料の違いのほかに、てんさい糖と上白糖にはどのような違いがあるのでしょうか。

サトウキビを原材料とする上白糖などの砂糖は、コクのある直接的な甘味が特徴です。

一方、てんさい糖はさっぱりとしたやさしく上品な甘味で、素材の味を邪魔しないのが特徴となります。

そのため、上白糖の甘味に慣れている方たちの中には、てんさい糖の甘味を物足りなく感じる方もいらっしゃるかもしれません。

肉じゃがや煮魚など、醤油などの調味料と合わせて使う和食にはコックリ味の上白糖を使い、焼き菓子などシンプルに砂糖の味が出るものにはてんさい糖を使うのがおすすめです。

ただ、舌に触れたときの甘味の感じ方が若干違います。

それぞれの特徴をよく考えたうえで、利用するレシピとの相性やご自身のお好みに合った方の甘味料を選んでみてください。

てんさい糖で代用することによって得られる健康効果

てんさい糖は上白糖に比べて精製度が低いため、少量のタンパク質とさまざまなミネラル分が多く含まれています。

そのため、同量の上白糖とてんさい糖を比較すると、てんさい糖の方が若干炭水化物の含まれる量が少なく、その分含まれるカロリーも少ないです。

含まれている主なミネラル分には、カルシウムやリン、カリウムなどもあり、骨の健康維持にも役立ちます。

また、てんさい糖にはビフィズス菌の栄養源となるオリゴ糖が多く含まれているため、おなかの調子を整えるのに一役買ってくれます。

精製度が低いということは、体の中で分解するのにも長い時間がかかるということであり、その分、体にもゆっくりと穏やかに糖分が吸収されます。

穏やかな糖分の吸収ができるということは、急速な血糖値の上昇を防ぐことになり、ダイエットのお供にありがたいですし、糖尿病の予防にもつながるのではないでしょうか。

例えば、コーヒーに入れる砂糖をてんさい糖で代用してみるのも良いでしょう。

てんさい糖と上白糖、生産地に見られる違い

前の項でお話ししたように、てんさい糖の原料である砂糖大根は北海道などの寒冷地で、反対に上白糖の原料であるサトウキビは沖縄や鹿児島などの温暖地で栽培されています。

インドなどで広く知られるアーユルベーダの考え方では、食物はその生産地の気温に相反する性質を抱えるといわれています。

暖かい土地で採れたものには体を冷やす効果が、寒い土地で採れたものには体を温める効果がそれぞれあるという考え方です。

この考え方からすると、てんさい糖を利用して作ったお菓子などには体を温める特徴があります。

上白糖を代表とする白砂糖とは違って体を冷やしにくい、引いては太りにくいという効果が期待できますね。

このことと相まって、精製度が低くて消化に長い時間がかかるというのも、少ないカロリー摂取で長く燃焼し続けてくれるということになり、エネルギーを有効に使えます。

それならば、夏場には体を冷やす性質の上白糖を使い、冬場には反対に体を温める効果のあるてんさい糖で代用してみるというのはいかかでしょうか。

上白糖とてんさい糖を代用するときの注意点

冒頭でご紹介したように、上白糖とてんさい糖の代用は簡単にできます。

分量も、家庭で作るような分量においては、ほぼ同じ量で代用してしまって大丈夫です。

しかし、上白糖の方はダイレクトに甘みを感じる分、甘さを強く感じるかと思います。

反対にてんさい糖の方はスッキリとした甘みのため、甘みが足りないというように感じられてしまうかもしれません。

気になる方は少し多めにてんさい糖を入れてみる、上白糖は少し控えめにしてみるなどして、調整しながら代用してみてください。

ただし、色をつけたくないお菓子にてんさい糖を使用してしまうと、ほんのりとですが色がついてしまいます。

それが気になってしまう場合には、上白糖を使用してください。

また、てんさい糖と上白糖では、焼き菓子に利用した際の焦げ目の付き具合が変わってきます。

オーブンで加熱をする際は、こまめに様子を見ながら、少しずつ焼き加減を調節してください。

ヘルシーな天然の甘味料、てんさい糖を試してみませんか

普段使う上白糖をてんさい糖に変えてみるだけで、簡単にオリゴ糖やミネラル分を摂取することができます。

上白糖よりは値段が高いですが、それほど高額のものではないので、てんさい糖を一度試してみるのはいかがでしょうか。

意外とあっさりした甘みの虜になってしまうかもしれません。