味噌汁のレシピに「味噌30グラム」とあったら、大さじで何杯入れればいいのでしょうか。
また、はかりや計量スプーンがなかったら、どのように量ればいいのでしょう。
今回は味噌汁を作るときに知っておきたい味噌の量やはかり方、塩分などについてお話しいたします。
味噌汁の味噌30グラムは大さじ何杯になる?
料理のレシピには、「みりん大さじ2杯、砂糖50グラム」といったように分量の単位が混在していることがあります。
大さじとは量を量る計量スプーンのひとつです。
計量スプーンにはこの大さじともうひとつ小さじがあり、大さじ1杯が15ml、小さじ1杯が5mlになります。
一方、グラムは重さの単位です。
正確に量るにははかりが必要ですが、持っていないという人もいます。
そんな時でも計量スプーンがあれば、たいていの分量を量ることができます。
では、味噌汁のレシピに「味噌30グラム」とあったら、計量スプーンでどうやって量ればいいでしょうか。
まず、mlを重さの単位であるグラムに換算します。
水の場合は比重が1:1なので、1ml=1グラムとなりますが、これは物質によって違います。
水大さじ1杯15mlは15グラムでも、味噌の場合は大さじ1杯15mlが18グラムになります。
小さじなら1杯5mlが6グラムです。
つい、味噌でも5mlは5グラム、15mlは15グラムと換算してしまいがちなので注意が必要です。
味噌30グラムは「大さじ1杯(18グラム)+小さじ2杯(6グラム×2=12グラム)」でぴったりになるのです。
計量スプーンはひとつ持っておくととても重宝します。
100円ショップにもありますから、手に入れておくことをおすすめします。
味噌30グラムで何人前の味噌汁ができる?
味噌汁のレシピに「味噌30グラム」とあったら、だいたい何人前になるでしょうか?
味噌汁1人前をお椀1杯とすると、味噌の量はだいたい大さじ1杯必要といいます。
味噌大さじ1杯が18グラムになるということはお話しましたね。
味噌の種類によっても分量が変わりますが、30グラムといったらだいたい2人前とみていいでしょう。
味噌の分量がわかったら、さっそく味噌汁を作ってみましょう。
さて、味噌汁を作るには、水(またはだし汁)と味噌の割合が「10:1」になるようにすると良いといわれています。
味噌が大さじ1杯なら水(またはだし汁)は大さじ10杯、150ml必要です。
お椀にだし入り味噌大さじ1杯と熱湯を150mlを注げば、それでできあがりです。
乾燥わかめとネギ少々を刻んで入れれば、立派なわかめの味噌汁になります。
2人前以上なら、お鍋で作る方がラクです。
お椀2杯分の水を入れて火にかけ、乾燥わかめを入れてグツグツして来たら、だし入り味噌を溶き入れます。
2人前なら大さじ2杯、重さにして36グラムですが、最初は控えめに30グラムくらいを入れるのが適量です。
味噌30グラムは大さじ1杯+小さじ2杯です。
面倒なら大さじ2杯弱でも構いません。
しっかり溶き入れたら最後に刻んだネギを散らし、沸騰寸前に火を止めてできあがりです。
2人前だからといって始めから大さじ2杯を入れないのがポイントです。
味をみて足りなければ足すくらいでちょうどいいのです。
3人前、4人前を作るときも同様に、味噌は少なめに入れてみましょう。
基本的な調味料の大さじ1杯の重さも知っておこう!
味噌を30グラムに抑えて2人分の味噌汁を作ったなら、それに合うおかずも一緒に作りたいですよね。
基本的な調味料の分量も、体積と重さの関係を予め知っておくと換算しやすいです。
大さじ1杯15mlが15グラムになる主な調味料は次の通りです。
・水
・お酒
・酢
・ケチャップ
味噌と同じく大さじ1杯15mlが18グラムになるのは下記の調味料です。
・味噌
・醤油
・みりん
・ウスターソース
大さじ1杯が15グラムより軽いのは以下の通りです。
・油(12グラム)
・マヨネーズ(12グラム)
・片栗粉(9グラム)
・小麦粉(9グラム)
・上白糖(9グラム)
・粉チーズ(6グラム)
ケチャップが水と同じだったり、ウスターソースやみりん、醤油が味噌と同じなのはちょっと意外な感じがします。
しかしこの換算を知っておけば、レシピがグラム表示であっても大さじで量れるので便利です。
味噌30グラムを大さじを使わずに量るには?
味噌汁を作るときに、味噌をいちいち大さじで量って入れるのは面倒ですよね。
そこで、直接お玉で量って入れてみましょう。
お玉にはいろいろな大きさがあります。
直径9.5㎝のお玉なら大さじ7杯105ml、直径8.5㎝のお玉なら大さじ5.5杯82.5mlです。
仮に8.5㎝のお玉なら、2人前の味噌汁を作るのに最初に入れる味噌30グラムを、お玉に半分くらいとればいいわけです。
ご自宅のお玉ではどれくらいなのか、実際に量ってみることをおすすめします。
大さじスプーンがなくてわからなければ、目分量でも構いません。
味噌1人分は梅干し1個分の大きさといわれています。
梅干しにもいろいろな大きさがありますが、直径が3~4cmはあるたっぷりとした肉付きの良い梅干と考えるといいでしょう。
大さじ1杯の味噌に塩分はどれくらい入っている?
味噌はもともと塩分の強い食材です。
では味噌汁1杯に塩分はどれくらい含まれているのでしょうか。
一般的に、味噌100グラムに対し塩分は約10グラム含まれています。
つまり標準的な味噌の塩分濃度は約10%です。
1杯の味噌汁に味噌が大さじ1杯18グラム入っているとして、塩分は1.8グラム入っていることになります。
ところで、高血圧を予防する1日の塩分摂取量の目標値は男女とも6グラムといわれています。
1日に3杯味噌汁を飲んだらそれだけで5.4グラム、2杯でも3.6グラムと半分以上を摂ってしまいます。
健康を考えるなら味噌汁は1日に1杯にするか、味噌の量を抑えた味噌汁にするべきです。
2人前の味噌汁を作るなら大さじ2杯の味噌を入れるのではなく、まず大さじ1杯を入れ、味をみながら小さじで足していくようにしましょう。
小さじ2杯目でちょうど味噌30グラムです。
これで通常の塩分より0.6グラム減量したことになります。
わずかであっても毎日飲む味噌汁だからこそ、塵も積もれば山となります。
できるだけ減塩の味噌汁にすることで他の食品の塩分量を気にしないで済みますから、そのほうが気分的にラクになるのではないでしょうか。
味噌の種類によって塩分濃度が異なる!
味噌は種類によって塩分量が異なります。
2人前の味噌汁を作るのに味噌30グラムを入れるとして、塩分含有量の少ない味噌を選べば、おいしくてなおかつ体にも良い味噌汁になるのです。
最も塩分量の少ない味噌は、白味噌です。
塩分濃度が約6~7%です。
味噌の平均の塩分濃度が約10%といわれますから、かなり控えめです。
白味噌は主に関西地方で好まれますが、同じく関西で人気の西京味噌も塩分濃度は約6~7%です。
一方、味が濃い印象がある赤味噌は、意外にも塩分濃度は約10%、名古屋で有名な八丁味噌も約11%と、思っているほど塩分が強くありません。
実は、塩分濃度が最も高いのがだし入り味噌なのです。
最近はだしをとる手間を省いたこのタイプがとても人気ですが、塩分濃度が約12%もあるのです。
だし入り味噌を大さじ1杯入れて味噌汁を1人前作れば、摂取する塩分量はそれだけで約2グラムです。
だし入り味噌を30グラム入れて2人前(2杯分)の味噌汁を作っても、塩分量は3.6グラムと1日の摂取目標値である6グラムの半分を超します。
だし入り味噌を使う限り、量をいくらか減らしたところで塩分はさほど下がりません。
高血圧が気がかりなら、だし入り味噌はできるだけ避け、白味噌を使うことをおすすめします。
あるいは味噌の量を徹底して減らすことです。
味の物足りなさは、だし汁を工夫したり具だくさんにすることでカバーできますよ。
「味噌は少なめに」が味噌汁の基本
いかがでしたか。
料理が初心者でも慣れている人でも、味噌汁の適正な味噌の量は案外知らないものです。
お椀1杯に大さじ1杯が基準といっても味噌は塩分が強いため、できるだけ味噌の量を減らしたり、減塩タイプにしたり、具材を工夫したりすることなどで、塩分控えめの味噌汁にすることが大切です。
地域や好みもありますが、毎日いただくものだからこそ、健康に気遣う滋味豊かで優しい味噌汁にしたいですね。