味噌汁を600ml作るには味噌の量はどれくらい必要ですか?

味噌汁を作るときに入れる味噌の量は、どれくらいがいいのでしょう?

料理初心者がわからないのはもちろん、毎日台所に立つ主婦でさえ実は量ったことがない、適当に入れているというかたが多いのではないでしょうか。

今回は600mlの味噌汁を作るとして、適正な味噌の量はどれくらいなのか、その塩分濃度やおいしく作るコツなどについてもお話しいたします。

味噌汁600mlを作るのに味噌はどれくらい入れたらいい?

味噌汁を作る際、覚えておいて便利なのが水(またはだし汁)と味噌との割合です。

水(だし汁):味噌は、10:1。

水600mlに対し、味噌60gを入れればいいのです。

味噌汁1人分に必要な味噌の量は大さじ1杯といわれています。

1人前の味噌汁をお椀1杯分とすると、だいたい150mlです。

600mlの味噌汁なら4人前ですから、大さじ4杯入れればいいわけです。

では、大さじ4杯とはどれくらいの量なのでしょう?

大さじ1杯が15mlですから、15ml×4杯で60mlです。

60mlの味噌は60gなのかというと、実は違います。

もし水(またはお酒、お酢)であれば、60mlは60gです。

ところが味噌やみりん、醤油は大さじ1杯15mlの重さが18gと重くなるのです。

油やマヨネーズなら大さじ1杯が12gと軽くなります。

このように調味料によって重さと体積の比率が変わってくるのです。

60ml(大さじ4杯)の味噌は72gになります。

きちんと換算すると12gも多いのです。

適正な塩分の味噌汁600mlを作るには味噌はどれくらい入れたらいい?

味噌はもともと塩分の多い食品です。

健康を考えるなら、塩分摂取量はできるだけ減らしたいですよね。

味噌汁は毎日いただくものだからこそ、塩分濃度には気を配りたいです。

味噌には塩分がどれくらい含まれているかというと、大さじ1杯につき2g程度といわれています。

高血圧を予防するには1日の塩分摂取量を6gに抑えたほうがいいとされます。

ということは味噌汁を1日3杯飲むと、もうそれだけで1日の塩分摂取量に達してしまいます。

仮に朝食に1杯、夕食に1杯味噌汁を飲むとしても4gですから摂取量の半分以上を占めてしまいます。

味噌汁の塩分量をもっと抑える必要性があるのです。

味噌汁1杯を作るのに大さじ1杯の味噌入れると塩分濃度は約11%です。

大さじ1杯に2gの塩分が含まれているなら、4人前600mlの味噌汁を作るのに大さじ4杯の味噌を入れては塩分が強くなります。

心持ち少なめの大さじ4杯としても誤差が出てしまいそうです。

仮に味噌を60gとすると、大さじ3杯(18g×3=54g)と小さじ1杯(味噌は小さじ1杯5mlの重さが6g)になります。

大さじ4杯入れるよりも味噌の量が少なくなります。

味噌汁4人分600mlに対しては、これくらいの味噌の量が適正といえるのではないでしょうか。

塩分濃度はだいたい10%くらいになりますが、味噌汁の平均的な塩分濃度が10%といわれているのです。

結局、水10:味噌1で味噌汁を作ればいいということになりましたね。

健康を考えるかたならもっと減らしてもいいでしょう。

味噌汁600mlに含まれる塩分は味噌の種類によって異なる!

4人前の味噌汁600mlの塩分濃度はだいたい10%くらいですが、実は使う味噌の種類によっても塩分濃度は多少異なります。

まず一般的な米味噌で見ると、以下のような塩分濃度になっています。

甘口

・白 5.5%
・赤 5.5%
・淡色 7.0%
・赤 12.0%

辛口

・淡色 12.0%
・赤 12.5%

豆味噌の場合は、次のようになります。

・辛口 11.0%

麦味噌は以下のようになります。

・甘口 10.5%
・辛口 12.0%

減塩味噌と呼ばれるものも調べてみると下記のようになります。

・減塩 9.0%

米味噌の白い甘口タイプが、いわゆる白味噌と呼ばれるものです。

関西や山陽、四国の一部など広く西日本で好まれています。

一方、米味噌の辛口タイプが関東甲信越、北陸、東北、北海道など広く東日本で好まれています。

豆味噌は主に中京地方で、麦味噌の甘口タイプが主に九州、四国、中国地方で好まれています。

簡単にいうと、東は塩分濃度の高い味噌が、西は塩分濃度の低い、甘い味噌が好まれる傾向です。

減塩味噌とは、米味噌の塩分の平均から2割程度減じたものをいいます。

そのため塩分濃度を見ると、減塩味噌が最も低いわけではないことがわかります。

単純に塩分だけをみれば米味噌の甘口タイプが最も少ないです。

また中京地方で好まれる八丁味噌などはその味の濃さと赤い色からいかにも塩分が多いように見えますが、意外にもそれほどではありません。

むしろ米味噌の赤い辛口タイプのほうが塩分は高いです。

こうしてみると普段口にしている味噌の塩分が、実は高いのかそうでもないのかがよくわかりますよね。

減塩味噌だから、あるいは白味噌だからといって、味噌をたくさん入れれば塩分の強い味噌汁になります。

常に控えめを心がけましょう。

味噌汁600mlを作るのに必要な味噌の量はどうやって量る?

4人前の味噌汁600mlを作るのに際し、必要な味噌の量について調べてきました。

では、その味噌をどうやって量ればいいでしょうか。

いちばんいいのはやはり計量スプーンを用いることです。

味噌汁600mlなら味噌60gですので、大さじ3杯と小さじ1杯分になります。

計量スプーンは100均でも売っているので、持っておくととても重宝しますが、なくとも代用できるものがあります。

最もよく使われるのがお玉です。

だいたいお玉1杯分、お玉に半分くらい、など毎日味噌汁を作る主婦であれば把握しているのではないでしょうか。

人数やお玉の大きさによって変わりますが、お手持ちのお玉のどれくらいまで味噌を入れればいいのか、一度実際に量ってみるといいでしょう。

それがわかれば後はお玉に入れた目分量で作れます。

最近話題になっているのが、味噌専用の計量スプーンです。

味噌汁の量に合わせた味噌の量を正確に量れると評判です。

100均でも売られていますから、1つあると便利かもしれません。

おさらい!4人分の味噌汁を作る基本の手順は?

ここであらためて4人分600mlの味噌汁を簡単に作る手順をおさらいしてみます。

①水600mlを鍋に入れて沸かします。

②だしの素小さじ1杯を入れます。

③具材を入れて、ジャガイモなどの硬いものなら少し煮ます。

④火を止めて味噌大さじ3杯と小さじ1杯分をしっかり溶き入れます。

⑤再び火をつけて弱火にし、汁が少しプクプクしたら火を止めできがありです。

煮干しやかつお節でだしをとるのは手間がかかるため、最近はだしの素を使うのが主流です。

あるいはもっと簡単に、だし入りタイプの味噌を入れるかたもいます。

この場合、②が省けますので、具材を煮込んで味噌を溶き入れればできあがりです。

味噌汁を作る上でのいちばんのポイントは、味噌の溶き入れをしっかり行うことです。

面倒だからと味噌を塊のままドボンと鍋の中へ入れてから箸やお玉で溶いていくと、必ずといっていいほど塊が残ります。

味噌こしがあればぜひお使いください。

ない場合は必ず味噌全部をしっかりよく溶いてから鍋に入れ、全体に均等に行きわたるようにします。

お玉を使うかたが多いのは、お玉の中で味噌を少量の汁でよく溶かし、鍋に入れるのに便利だからです。

味見をして、味噌が足りないようなら足してください。

おいしい味噌汁を作るにはどんなことに気をつけたらいい?

4人前の味噌汁600mlをおいしく作るには、他にもいくつかコツがあります。

たとえば味噌を入れた後は沸騰させないようにするのもポイントです。

味噌は温度が高すぎるとうまみが逃げていくからです。

味噌汁がいちばんおいしく感じられるのは62~70℃だといわれています。

アツアツの味噌汁をフーフーしながらいただくイメージがあるためか、100℃近い温度がおいしいものと思っていましたが、意外にも低いのです。

しかしこの温度でも十分熱く感じられるため、弱火でブクブクしてきたらすぐに切るクセをつけるといいです。

また、味噌汁は飲み慣れた味がいちばんおいしいといいます。

いろいろ工夫してもあまりおいしくないと感じたら、原点に返り子どもの頃飲んでいた味噌汁に戻ってみるといいでしょう。

味見して何か違うなと感じたら、お酒を少し入れてみてください。

風味が増しておいしくなります。

味噌汁を作るには水と味噌が10:1!

今まで味噌の量をいい加減に入れてきたかたも、これでしっかり基本が学べたと思います。

その味噌をお鍋に入れるときは、いったん火を止め、よく溶いてから入れるのがポイントです。

そして沸騰する前に火を切れば、おいしい味噌汁のできあがりです。

適正な味噌の量でおいしく健康的な味噌汁作りをお楽しみください。