圧力鍋を使えば、シチューや煮込み料理など簡単で時間短縮に

圧力鍋を使うと、具材などの火の通りをあっという間にし、時間短縮やガス代の節約に繋がります。

シチューやカレー、煮込み料理などに向いているといわれている圧力鍋ですが、実際調理時間のスピードの早さは、普通に鍋を使用した場合と変わるのでしょうか。

今回は、なぜ圧力鍋を使うと早く料理が仕上がるのか、向いている料理、向かない料理についてなど、圧力鍋についてお話していきます。

圧力鍋を使うと、調理時間はなぜ早いのか?

圧力鍋は煮込み料理や煮豆、カレーやシチューを作る時などに活躍しますが、圧力鍋の調理時間はなぜ早いかご存知ですか?

普通の鍋は沸点が100℃なのですが、圧力鍋は内部を高圧に保つことによって、水の沸点が上がって約120℃になり、普通鍋と圧力鍋の差に20℃の違いがでることで、飛躍的なスピードの差になり、材料が早く柔らかくなるのです。

また、圧力鍋によって多少圧力が違うので調理時間にも違いがでますが、圧力が高いほど調理時間が早くなります。
普通の圧力鍋は通常鍋の4~5倍くらい早く調理できるので、普通の鍋を使用する料理レシピの煮込み時間を、1/4~1/5の時間で丁度よい仕上がりになるということですね。

圧力鍋は4~5倍の早さで材料が柔らかくなりますが、味の染み込みは普通の鍋とあまり変わらないので、思ったよりも味が染みていないことがよくあります。
そのため、味を染み込ませたい場合は、火を止めてから30分~1時間くらいそのままにしておきましょう。
冷めても味が染み込みますし、火も止めているのでガス代もかからずに経済的ですね。

使われなくなるキッチン道具ナンバーワン!?圧力鍋の正しい使い方

初めは、煮込みやビーフシチューなどの料理を作りますが、そのうちに出番がなくなり、持っている家庭は多いのに使わなくなるキッチンの道具1位ということです。

そして、圧力鍋のイメージもあまりいいとはいえず、「重くて使いにくい」、「音がシュッシュッとしてなんか怖い」、「煮込んでる時に爆発したらどうしよう」と思う人が多いです。

しかし、実際は美味しい料理が短時間でできて便利ですし、正しい使い方をすれば危険ではありませんし、圧力鍋を使用する時には使用上の注意を守ることが大切です。

圧力鍋調理の時の材料の分量ですが、鍋の高さ2/3までが安全に調理ができる分量です。
ただ、水分を含むと量が増える豆類、切り干し大根、ひじき、練り物などは、1/4までの分量です。

量が多いおかゆも吹きだすので限度は1/2くらいまでのようですし、圧力鍋で乾麺のうどん、パスタも茹でることができますが、こちらも量が多い場合吹きこぼれるので限度は1/2くらいということです。

圧力鍋の圧力がかかり始める時、おもり式の場合は、おもりが回りながらシュッシュッと音を立て始め、蒸気口から蒸気がでた時から圧力がかかります。
スプリング式の場合は、目印となるピンが上がった時から圧力がかかるので、そこから時間を計り始めましょう。

圧力鍋の火加減は、加圧するまでは強火で、圧力がかかり始めたら弱火にします。
蒸し料理は、圧力がかかったら中火にしましょう。

圧力鍋は、シチューなどの煮込み料理の他、日本食にもオススメ

圧力鍋の火をつけて沸騰するまでと、加圧時間、火を止めて減圧する時間を含めると、10~15分程はかかります。
なので、圧力鍋に向いている料理は、下茹で、炒めを含めて、火をつけてできあがるまで15分はかかる料理に向いているので、日本の食材向きといえます。

圧力鍋は、お米、根菜、豆、魚の日本の食材が得意な鍋で、硬いものが多い日本の食材も、普通の鍋では手間がかかりますが、圧力鍋では簡単に作ることができます。

世界無形文化遺産に登録された日本の食文化の和食は、海外でも注目されている健康的な食生活ですが、普段の食事には中々取り入れづらい食材もあります。
そのような時には、圧力鍋を活用して簡単に調理をしましょう。

圧力鍋は和食だけではなく、カレーやシチュー、おでんも得意ですが、普通の鍋でカレーなどを作った場合、時間がない時は「もう少し煮込みたいけどしょうがない」とあきらめて食べることはありませんか?
そのような時でも、圧力鍋の場合は、野菜からでるスープでコクを出せるので、2日目のカレーのように寝かさなくても、短時間でコクのある美味しい料理を作ることができます。

シチューを作るとき、圧力鍋を使うとどのくらいの時間短縮になる?

圧力鍋でシチューを作る時は、どれくらいの時間でできるのでしょうか?

圧力鍋のメーカーや、コンロがガスか電気かなどでも、多少の差や違いがありますので、参考までですが、普通の鍋でシチューを作ると鍋に火をつけてからシチューができあがって火を消すまで1時間30分くらいはかかり、圧力鍋の場合は35~45分くらいです。

圧力鍋で時間がかかる工程は、圧力を高める時と圧力を下げる時で、圧力鍋の宣伝によくある「たった1分の圧力」というのは、圧力鍋の圧力が高まってから1分という意味ですので注意して下さい。

シチューを普通の鍋で作ると90分必要なところを、圧力鍋を使うと35~45分でできるので、十分に時間短縮できますしガス代の節約にもなります。

圧力鍋でシチューを作る時のポイントは、圧力鍋はかなり圧力が強いので、玉ねぎを最初に炒めますが、しんなりするまで炒めないで、サッと炒めたらお肉を入れます。
シチューができあがった時には、玉ねぎはほとんど溶けてお肉もほろほろになり、人参やジャガイモも、普通鍋で相当長く煮込んだように柔らかくなるので、炒める時間は想像以上に短くてよいですね。

シチュー以外にも!圧力鍋オススメの調理方法は?

圧力鍋は、シチューの他に得意な料理が色々あります。

圧力鍋で魚を調理すると、魚の太い骨も気にせずに丸ごと食べられるので、歯の悪いお年寄りや、育ち盛りのお子さんのカルシウム摂取、好き嫌いの防止になり助かります。

鶏肉を使った煮物も、普通の半分以下の時間で美味しく作ることができますし、お肉屋さんで手に入る数十円の鶏ガラを圧力鍋で煮込むといい出汁がでるので、自家製のラーメンスープも作れます。

白米を圧力鍋で炊くと、柔らかめでもちもちのご飯になるので、そのようなご飯がお好きな方にはオススメです。
炊飯器より手軽に炊ける圧力鍋は、白米の他、お赤飯や硬い玄米も、もちもちになり美味しく炊くことができます。

お赤飯は普通、小豆を水に浸けたりして2日がかりですが、圧力鍋で炊けば、下準備の手間も時間もいらず、お米と小豆をそのままの状態から15~20分で作れてしまうので、食べたい時にすぐお赤飯が炊けます。

硬い牛すじ肉も、普通2時間煮込むところ、あっという間にトロトロになるので、おでんの具や酒の肴に最高ですね。

圧力鍋でトウモロコシ、サツマイモ、栗などを蒸せば、素材の甘さが引きでて、驚くほど甘く感じると思います、

プリンも、懐かしい昔ながらのプリンから、今流行りのなめらかなプリンまで、手作りの無添加で安心なプリンができます。

また、やわらい離乳食も作れて、圧力鍋があって助かるママさんも多いといいます。

逆に時間がかからない料理は、圧力鍋に向かない?

圧力鍋に向く料理は、普通鍋で15分以上煮込む料理で、15分以下の料理には向きませんし、普通に作ったほうが早いですね。

きんぴらごぼうや、れんこんのきんぴらなど、歯ごたえを残したい料理に圧力鍋は向いていません。

パラパラにしたいチャーハンやバターライス、タイ風カレー用のご飯などは圧力鍋には向きませんが、チキンライスやピラフ、炊き込みご飯は味が染みるので美味しくできます。
失敗が多い食材は、ジャガイモを小さく切ったものや玉ねぎで、これらを使う肉じゃがやポトフは圧力鍋に向いていないわけではありませんが、慣れるまでは失敗を繰り返すことが多い食材です。

ジャガイモと玉ねぎを使用した料理は、普通のお鍋で調理しても難しい食材ですので、圧力鍋で使う場合は、付属のレシピや取り扱い説明書の時間などを守り作って下さい。

コツとしては、形を残したい食材は大きめにカットしたりして、食材にあった下ごしらえをするとよいですし、コツさえつかめば上手に美味しくできるようになります。
カレーやシチューの時に、玉ねぎやジャガイモの形を残したい時も、大きめにカットしましょう。

貝の酒蒸しやアクアパッツァ、クラムチャウダーなどに欠かせない貝類は、普通の鍋の調理でも縮みやすい食材ですが、圧力鍋でも同じで、アサリやシジミ、ハマグリは、サッと煮て出汁がでたら取りだし、その他の食材を加圧した後に再度貝を戻すと上手にできます。

便利な圧力鍋を使って時間短縮に

いかかでしたか?

圧力鍋は、使い方は分からない、爆発しそうで怖いなどの理由で使わなくなってしまうキッチン道具ナンバーワンとなっていますが、正しい使い方を守れば本当に便利でガス代などの節約にもなるのです。

また、短時間で美味しく仕上げることが出来、具材を入れて放っておくだけなので、時間も有効に使うことが出来ますね。

ぜひ圧力鍋を活用して、いろいろな料理に挑戦してみてください。