醤油は和食作りに欠かせない基本の調味料です。
しかし、レシピの材料に醤油50ccとあったら、どうやって量ればいいのでしょうか?
また醤油を50ccを使う料理にはどんなものがあって、それは何人前なのでしょう?
今回は醤油50ccについて、いろんな角度から見ていきます。
醤油50ccってどれくらいの量なの?
料理を普段からしない方にとっては、料理レシピに醤油50ccとあっても、どれくらいの量かピンときませんよね。
50ccのccとは立法cm(=Cubric Centimetre)の略で、1辺の長さが1cmの立方体の体積が1立方cmです。
1立方cmは1ccのことですから、50ccは50立法cmです。
…といわれても、やはりイメージしづらいですよね。
1立法cm、すなわち1ccは、1mlと同じ体積です。
mlは、缶やペットボトルのドリンクに表示されているので、お馴染みの単位です。
缶ビールが1本350ml、ペットボトルが500mlです。
醤油が50ccということは50mlですから、缶でいえば1/7缶、ペットボトルなら1/10本に相当します。
計量するのが難しそうですよね。
では、簡単に醤油50ccを量るにはどうしたらいいのでしょうか。
醤油50ccは大さじ・小さじで何杯になるの?
調味料を量るのに便利なのが、計量スプーンです。
普通は大・中・小、3本のスプーンがセットになっています。
100均でも売っているので、一つ買っておくと大変重宝します。
この計量スプーンは、大きいのが大さじといって1杯15cc(=15ml)あります。
いちばん小さいのが、小さじで1杯5cc(=5ml)です。
真ん中のものは中さじとはいいませんが、1杯が10cc(=10ml)です。
この3本を駆使すれば、たいていのものが量れます。
醤油50ccならまず大さじ3杯で45ccを量り、残り5ccはちょうど小さじ1杯になります。
つまり醤油50ccは、大さじ3杯と小さじ1杯になるのです。
または、小さじだけで10杯分です。
計量スプーンにはそれぞれ15、10、5と書かれているので、何cc(=ml)だったか忘れたとしても大丈夫です。
醤油50ccは計量カップでどれくらいなの?
計量スプーンともう一つ、持っておくと便利なのが計量カップです。
目盛りがついた料理用計量カップで、計量スプーン同様、100均で売っています。
計量カップでカップ1杯といったら、200cc(=200ml)を表します。
注意していただきたいのが、カップ1杯だからといって文字通りにカップにきっちりとすりきれ1杯分入れると、それは200cc(=200ml)ではなく、300cc(=300ml)になってしまうということです。
カップ1杯とは、計量カップの目盛りにココだよ、と指し示されています。
それが1カップで、200ccで200mlなのです。
もう一つ、計量カップには米専用のカップがあります。
こちらはすりきれ1杯にきっちり入れて、180cc(=180ml)です。
米はccやmlで量るのではなく、1合、2合といった昔ながらの「合」で量ります。
1合=180cc(=180ml)と料理用カップとズレがあるので注意してください。
最近では、料理用計量カップに米1合分(=180cc)が指し示されているものもあって便利です。
醤油50ccを計量カップで量るなら、1/4カップになります。
目盛りを頼りに量ってみてくださいね。
醤油50ccを重さに換算すると何gになる?
醤油50ccを重さに換算すると、どれだけになるのでしょうか。
ちなみに水は体積と重さの比重が1:1なので、水1cc(=1ml)は1gです。
そうなると液体全て体積1:重さ1になりそうですが、そうでもないのです。
調味料の場合、お酢やお酒は水と同じ比重ですが、醤油は異なります。
水と比較すると次のようになります。
大さじ1杯(15cc) 小さじ1杯(5cc) 1カップ(200cc)
水 15g 5g 200g
醤油 18g 6g 230g
醤油は水よりも少し重いのです。
みりんや味噌も醤油と同じ比重です。
みりんはトロリとしていますし、味噌に至っては液体ではないので、重いことがわかりますよね。
油と比較してみると、違いがよくわかります。
大さじ1杯(15cc) 小さじ1杯(5cc) 1カップ(200cc)
水 15g 5g 200g
醤油 18g 6g 230g
油 12g 4g 180g
油は水に浮きます。
つまり、油は水より軽く、醤油(みりんや味噌)は水より重いのです。
では、醤油50ccは重さに換算すると、何gになるのでしょうか。
こたえは、60gです。
50gだと思っていると、10gも多いので注意してくださいね。
醤油50ccを量る奥の手!コレを使えば一発で計量できる
ここまで醤油50ccを計量スプーンや計量カップを使ったり、重さに換算することで量ることをみてきました。
しかし、実はもっともっと簡単に、醤油50ccを量る方法があるのです。
それは、お玉を使うことです。
お玉1杯が50cc、1/4カップなのです。
といっても、お玉にはいろいろなサイズがありますよね。
家庭用のお玉はだいたい、50~100mlくらいといわれています。
50ccならやや小ぶりなお玉といえそうですが、実際に量ってみて確かめてみるのがいちばんです。
ちなみに我が家のお玉を量ってみたら、大さじ5.5杯分ありました。
約83ccです。
直径が8cmのお玉です。
50ccなら、これより一回り小さいお玉1杯分といえますね。
お玉がどれくらいの量なのか知っておけば、これ一つで和食の味付けがほとんどできます。
醤油、みりん、酒、砂糖、味噌、だし汁(もしくは水)のうちのどれを、どれだけの割合で入れるかで味が決まるからです。
では、醤油50ccを使う和食にはどんなものがあるのでしょうか。
醤油50ccで作る和食の基本レシピは?
普通、醤油は一つの料理にダボダボ入れることはあまりありません。
ただでさえ減塩が叫ばれている昨今、できるだけ控えめが原則です。
しかし醤油50ccといったら1/4カップですから結構な量です。
それくらいの量を使うものといえば煮物か丼もの、あとはタレとして使うかです。
煮物なら単品で味をしっかりとしみこませたいもの、たとえば魚の煮付けです。
調味料は醤油とみりんと酒と砂糖と水。
割合が醤油2:みりん2:酒6:砂糖1:水6です。
醤油50ccならみりんも50cc、酒と水がそれぞれ150cc、砂糖が25ccです。
煮魚の場合、酒と水を同量にしたら、醤油とみりんがその1/3、砂糖がさらにその半分、と覚えておくと便利です。
例えばメバルの煮付けなら、水と酒をそれぞれ1カップ、醤油とみりんを1/3カップずつ、砂糖をその半分の25cc(大さじ1杯と小さじ2杯分)を入れて火にかけ、煮立って来たら生姜をひとかけ加えてメバルを入れ、アルミ箔の落し蓋を入れて10分程度煮たら出来あがりです。
この調味料で4人分、メバル4匹です。
丼物なら定番の親子丼やカツ丼などでしょう。
たとえば親子丼なら醤油とだし汁とみりんの割合が1:1:2。
醤油50ccならだし汁50cc、みりん100ccです。
これにお好みで砂糖を大さじ1/2~1杯加えて鍋に入れ、火にかけます。
刻んだたまねぎを入れて煮立たせ、甘みを出したところで、そぎ切りにした鶏肉を入れ火を通します。
最後に強火にして、割りほぐした卵を溶き入れます。
フタをして火を止め、余熱で火を入れることで卵が半熟のトロトロ親子丼の完成です。
この調味料でだいたい2人前です。
玉ねぎは1/2個、鶏肉は1/2枚、たまごは3個です。
タレとしてなら照り焼きのタレが王道です。
醤油とみりんと砂糖が5:5:3の割合です。
醤油50ccならみりんも50cc、砂糖が30cc(大さじ2杯)です。
鶏の照り焼きなら油を引いたフライパンで鶏肉をしっかり焼いたのち、調味料を全て混ぜ合わせたタレをまわしかけます。
煮詰めるとトロリとして肉によく絡みますが、砂糖が入ると焦げ付きやすいので火加減に気をつけましょう。
醤油50ccを入れた調味料でおいしい和食の献立を
醤油50ccにみりんや酒、砂糖、だし汁などを加えると、和食の基本の味付けになります。
ただ辛いのではなく、かといってただ甘いのでもない。
なんともいえない甘辛い味付けや、だしのうまみを生かした風味などが、今や世界中で大絶賛されている和食の味です。
そんな和の基本を生み出す醤油を使ったおいしくてヘルシーな和食作りは、これからも私たちの食卓に脈々と受け継がれていくことでしょう。