味噌汁・味噌炒め・味噌漬けなど、味噌はいろんな料理に使います。
スーパーや専門店などでも、たくさん味噌の種類がありますが、実は味噌は簡単に作る事が出来ます。
一度作れば何年も使えて、日に日に熟成します。
天地返しが面倒と思われるかもしれませんが、天地返ししない自家製味噌の作り方のポイントをご説明するので、ぜひ作ってみませんか?
好みの味が作れる手作り味噌
スーパーにはいろんな種類の味噌がありますが、どのように作られているか知っていますか?
〇ヶ月熟成・天地返しする・しないなど、味噌作り独特の工程もあります。
普段聞き慣れない言葉ですが、実は作り方も材料もシンプルで、簡単に作れるんですよ。
まずは、味噌の原材料や作り方についてご説明します。
味噌は、大豆・米麴・塩の3つの材料で作る事が出来て、配合によって甘口や辛口など、好みの味に作れます。
味噌と言えば熟成期間がありますが、短ければ香りがよく甘めで、長いほどコクや辛味が増します。
熟成期間以外にも、麹の種類によって、濃厚なものやさっぱりしたものがあります。
作る時はどんな味にしたいか決めて作る事で、好みの味に仕上げる事が出来ます。
ただ、初めて作る方・まだ作り慣れていない方が、材料や配合を考えるのは難しいので、その時は手作り味噌キットをおすすめします。
味噌を天地返しするメリット
味噌を作り終えたら、あとは熟成するのを待つだけですが、天地返しという言葉を聞いた事はありませんか?
天地返しは、味噌を仕込んでから6ヶ月ほど経ったらしますが、どのようなメリットがあるのでしょうか?
・味噌の発酵を均一にする
容器に味噌を仕込むと、表面は空気に触れますが、底の部分は空気に触れません。
発酵にムラが出来るため、一度味噌を取り出して上下を入れ替える事で、全体を均一に発酵させる事が出来ます。
・カビがあった場合に取り除ける
味噌の配合間違い・大豆の煮詰めが足りない・しっかり密封出来ていないなどの理由で、表面にカビが生えることがあります。
青カビ・赤カビが生えてしまうと、せっかく作った味噌が台無しになってしまいます。
表面のカビを取り除けば、問題なく食べられるので、天地返しのタイミングでカビの確認をする方も多いです。
天地返しすると、以上のメリットがあります。
味噌は容器に入れたあとは、熟成を待つだけなので、天地返ししないと1年以上中身を確認しなくても済むということになります。
しかし、それでは味噌がしっかり熟成しているのか心配になりますよね。
天地返しする時間がない方も、ときどき中身を確認することをおすすめします。
味噌は天地返ししないとダメ?
味噌を天地返しすることによって、メリットがある事が分かりましたが、味噌作りで天地返ししない方はいるのでしょうか?
天地返しは時間も手間もかかります。
しかも、天地返しは味噌を仕込んでから半年ほどたった頃に行います。
半年前に仕込んだ味噌のことを忘れてしまう方もいると思うので、天地返ししないとどうなるかご説明します。
まず、天地返しをしない場合の一番の問題点は、カビが生えていても気付くのが遅くなる事です。
早くカビに気付けば、取り除いてアルコールで消毒したり、甘かった密封をやり直すなど早い時期に対策を立てる事が出来ます。
白カビなら、味噌に混ぜ込んでも大丈夫ですが、青カビ・赤カビが生えた場合は早急に取り除く必要があります。
しかし、カビを見つけるだけであれば、必ず天地返しをしなければならないというわけではありません。
カビを取るだけなら表面を見るだけで充分です。
味噌を何十キロも仕込む場合は、表面と底の部分で発酵の進み具合が大きく違ってしまいますが、ご家庭で作る量なら、天地返しをしなくても味に大きな影響はありません。
天地返しをしない味噌専門店もある
ご家庭での味噌作りでは、天地返ししなくても大丈夫と分かりましたね。
ところで、専門店の味噌は天地返しをしているからこそ美味しいと思う方もいると思います。
専門店でも、天地返ししないお店があるので、ご紹介します。
・マルカワ味噌
マルカワ味噌は創業1914年の老舗の味噌専門店です。
原料はすべて有機栽培されたものを使い、天然醸造という製法で作られています。
米・麦・米と麦をブレンドしたもの・黒大豆などの原料を使い、甘口や辛口など様々な味噌があります。
・かど万米店
静岡県にある大正元年創業の老舗です。
味噌の熟成期間は3~6ヶ月と短い分、糀がよくきいた味噌に仕上がっています。
玄米糀・麦糀・米糀から作られた味噌があります。
余談ですが、お店によってこうじは、糀と麹の漢字が使われますが、なにが違うのでしょうか?
麹は、米・麦・大豆などの穀物全般を表す漢字です。
一方糀は、蒸し米の表面を、ふわふわした白い菌糸が覆っている様子が、花のように見えることから、糀になりました。
米糀を使ってる時に、よく使われます。
意味はほとんど変わりませんが、糀は国字、麹は中国から伝わった漢字です。
味噌を作る時の材料の選び方
天地返ししない味噌も美味しいことが分かったので、作り方のご説明をしたいところですが、味噌作りに欠かせないことがまだあります。
味噌は3つの材料のみで作るため、1つ1つの材料が大切です。
作る前に、材料を選ぶポイントをご紹介します。
☆大豆
大豆には、国産と外国産があります。
外国産は遺伝子組み換えされてるものがありますので、国産をおすすめします。
大豆の粒が大きいものを選ぶと、水をよく吸収して、煮た際に柔らかく仕上がります。
☆麹
麹には、米麹・麦麹・玄米麹・豆麹があり、それぞれ特徴があります。
・米麹
スーパーでよく見かけるため、手に入りやすくクセがありません。
・麦麹
米麹に比べると甘みが弱いが、あっさりとしています。
九州・四国・中部地方でよく使われます。
・玄米麹
甘み以外にも、苦みや旨味を楽しめて、香りが強いのが特徴です。
・豆麹
大豆の旨味と香りがしっかりした味噌を作る事が出来て、八丁味噌や赤だし味噌に使われます。
他の麹とは違い、デンプン原料がないです。
☆塩
塩を入れる事により、味だけでなく、塩に含まれる成分が発酵の手助けをします。
塩にも種類があり、精製塩・再製加工塩・天然塩などがありますが、カルシウムなどのミネラル豊富な天然塩がおすすめです。
天地返ししない美味しい味噌の作り方
作り方も材料の選び方もわかったので、実際に作ってみましょう。
家でも手軽に出来るレシピをご紹介します。
『自家製味噌』
【材料】
・大豆 1キロ
・米麹 2キロ
・塩 590グラム
・大豆の煮汁 500グラム
【作り方】
①大豆をよく洗い、大豆の3倍の水に18時間ほど浸けます。
②水を替えて、大豆が浸かるくらいの水を新たに入れて、弱火で3時間ほどアクを取りながら煮ます。
親指と小指で潰れる固さになれば、500グラムの煮汁だけ容器に移して、残りは捨てます。
③大豆を潰したら、米麹・塩・煮汁を入れてよく混ぜます。
固さは、耳たぶくらいにします。
④混ぜ合わせた味噌を、団子状に丸めて容器に入れていきます。
容器に入れる時は、空気が入らないように、しっかりと押し込んで入れます。
⑤味噌を入れたら、表面に軽く塩を振り入れ、ラップをして重石を乗せます。
重石には、袋に入れた塩を使うと、均等に重さがかかり、袋が破れた場合も塩は腐敗しないので安心です。
⑥最後に、容器を新聞紙で覆い、ヒモをすれば出来上がりです。
出来上がりの量は5キロほどのため、天地返ししない方も多いです。
日本が誇る発酵食品
味噌は日本の伝統的な発酵食品で、栄養価も高く、長期保存が可能です。
自家製と聞くと、ハードルが高いように感じますが、1つ1つ丁寧にすれば、美味しいものが簡単に出来ます。
自分で作ったものには、愛情も入り何を入れて作ったかわかるため、安心して食べられますので、是非挑戦してみて下さい。