ご飯を炊くにはお米の量を計ります。
計量カップで一合、二合…と計って洗って研いで炊く、というのがお米を炊く一連の流れです。
普段から料理をする方にとっては、手慣れた工程ですね。
でも、そもそも一合ってどんな量なのでしょう。
お米を計る計量カップもよく見れば、料理に使うものとはどうやら違うようです。
ここでは、身近なお米一合という量を掘り下げながら、お米や水の量の計り方、炊き方を併せてご紹介していきます。
1カップ?一合?計量カップの種類に注意
料理のレシピに米1カップと書いてあったら、ちょっと注意が必要です。
なぜなら料理に使う調味料などを計る一般的な計量カップと、お米を計る計量カップでは1カップの量が違うからです。
お米は、一合、二合と計ります。
この一合は180㏄、お米用の計量カップにすり切りまで入れた量になります。
一般的な計量カップの1カップは200㏄なので一合のほうが20㏄少ないということになります。
そのため、カップ200㏄で3カップ計ったお米を炊飯器の目盛り3合のところで合わせた水で炊くと、お米の量に対して水が足りなくなるため、芯の残った硬いご飯になってしまいます。
レシピの表記がカップなのか合なのか、必ずチェックしておきましょう。
一合の合とは?お米に使われる単位の秘密
前の項目で挙げたように、一合は1カップより少ない量です。
では、なぜ少ないのでしょうか。
普段何気なくお米の量を数えている、「合」という単位ですが、これは人が一回に食べるお米の量が基準となっています。
現在、使われている単位に換えると一合は180㏄=150g、炊き上げる茶碗2杯分のご飯になります。
このように現在の「㏄」という単位になおすと、一合分の量は中途半端な数字です。
そもそも、合とはどのような単位なのでしょうか。
もともと日本には、10合=1升、10升=1斗、10斗=1石という単位の関係がありました。
これらの単位の歴史は古く、今から1,300年ほど前に制定された大宝律令に記されています。
この当時から江戸の時代まで、年貢はお米で納めるものでしたから日本の歴史の中で長い間使われてきた単位であると言えます。
この年貢を納めるお米の量を計るために1升の枡があるのですがこの枡の大きさは土地の権力者の都合によってさまざまでした。
その後、枡の大きさは統一され1升枡の大きさが4寸9分四方、深さ2寸7分と定められました。
メートル法の単位だと約1.8L分の容積のものとなります。
現在の一合は1升の10分の1ですから一合は180ml=180㏄となるのです。
お米の計量カップが180㏄なのはこんな理由があったのです。
やってみよう!計量カップの使い方と一合分の炊き方
焼き魚や肉じゃがなどの和のおかずには、やっぱり白いご飯が不可欠です。
たとえ少しの量だったとしても、美味しく炊くことができれば料理の美味しさがより引き立ちます。
ここからはお米の計り方、炊き方についてお話していきましょう。
【用意するもの 一合分】
・白米
・計量カップ
・水道水
・ミネラルウォーター
●お米の計り方。
計量カップを使って180㏄分をすくって炊飯器のお釜、もしくはボウルに入れます。
このときカップを振ったりしてお米を詰めすぎないよう注意します。
お米を詰めすぎると一合の量が増えてしまい炊き上がりに影響が出るからです。
●お米を研ぐ
お米は最初に触れた水を一番吸水する性質をもっています。
日本の水道水は硬度が低い軟水なのでお米を炊くのに適していますが、少しこだわってミネラルウォーター(軟水のもの)を使って研ぐと、より美味しいご飯を炊くことができます。
お米を優しくかき混ぜるように洗って水を切る工程を、水の濁りが少なくなるまで繰り返します。
●水を注ぐ
炊飯用の水は水道水でも構いません。
研ぐ工程でミネラルウォーターを使った場合、ここまでに十分美味しい水を含んだお米になっているからです。
水の量は200㏄です。
炊飯器で炊く場合はお釜に記されている一合の目盛りまで入れましょう。
●炊き上げる
炊飯器を使うなら炊飯スイッチを押して、後は待つだけです。
蓋のできる鍋がある場合には、ガスコンロで炊くこともできます。
鍋でのご飯の炊き方は、沸騰するまで中火、沸騰したら弱火にして15分~20分加熱した後火を止め10分蒸らします。
どちらの方法でも、ふっくらと炊き上げるコツは、お米に十分な水分を含ませることです。
水に浸したお米が白くなっていれば、吸水が完了しているサインです。
計量カップがない!そんなときに使えるアイテム
一人暮らしで自炊をしなかったり、普段ご飯をあまり炊かないで過ごしていて計量カップがない!なんて方もいるかもしれません。
そんなとき、一合分を他の物を使って計る方法がいくつかあります。
●計量スプーンで計る
一合は180㏄です。
計量スプーンの大さじ1杯は15㏄なので、12杯分が一合分ということになります。
●キッチンスケールで計る
一合の重さは150gなので、キッチンスケールが手元にあれば計ることができます。
計量カップでは、何度も計ると誤差が出てきますが、重さでえるキッチンスケールは正確な量を計ることができます。
●紙コップで計る
一般的な紙コップはすり切りで200㏄です。
それよりも少し少な目にお米を入れると一合分を計ることがでます。
正確に計るのは難しいですが、野外で調理をするときには便利な方法です。
●ペットボトルで計る
ペットボトルの容器一杯にお米を入れると、ちょうど3合分になります。
これを3等分すれば一合の量を計ることができます。
一合分の白米、炊くと何g?気になるカロリーと食べ過ぎない小ワザ
白米を炊くと、炊き上がりの重さは計量カップ1杯分、約200㏄の水を吸い約2.2倍になります。
一合分150gを炊くと約350gで、だいたいお茶碗2杯分、カロリーは534kcalです。
好きなだけ盛って食べるのではなく、健康な体を保つための量を知ることで摂取カロリーをコントロールすることができ、健康的な食生活の役に立つはずです。
毎日食べるご飯のカロリーを、摂りすぎないためには、ご飯の量、食べ方、種類の3つに注意して食事をすることが大切です。
●ご飯の量
150g(約250kcal)を目安にします。
一食あたりのお茶碗に盛るご飯の量を決めておくことで、毎食のご飯の量のばらつきを抑えることに繋がります。
また、いつものお茶碗に盛ってみて少ないなと感じた時は、お茶碗のサイズを小さいものに変えてみましょう。
こうすることで、量は変わらないのにたくさん食べた気分になります。
これは「デルブーフ錯視」という目の錯覚によるものでお茶碗を小さなものへ変えることで盛られたご飯が増えたように感じ、満足感を得られるというものです。
●食べ方
早食いせず、ゆっくりよく噛んで食べましょう。
一口30回が目標と言われますが、噛む回数を数えながら食事をするのは大変ですから、口の中の食べものが完全になくなったら次の一口を入れるようにすると、気軽に挑戦できます。
良く噛んで食べることで満腹のサインが脳に伝わり、過剰な食欲が抑えられます。
●種類
しっかり噛むことができ、栄養豊富な玄米を選んでみましょう。
玄米と白米とでカロリーの差はあまりありませんが、玄米には塩分の排出を促すカリウムや、疲労回復効果のあるビタミンB1、食物繊維も豊富に含まれています。
噛み応えのある玄米は、ゆっくりと時間をかけて食事をすることができる食材です。
お米の食べ方を工夫しよう!太りにくい食べ方とは
白米は日本人にとって身近な主食です。
しかし健康に気を付けよう、ダイエットをしようと考える人の中には白米を食べることを避け、パンや麺を食べる人が少なくないようです。
パンや麺といった小麦類の方が太らないイメージが強いのかもしれません。
しかし、ダイエットにしても健康を考えるにしても、白米ではなく小麦類ばかりを食べるのはマイナスです。
パンの材料は、小麦だけではなく牛乳やマーガリンなどの脂肪の素が多く含まれているからです。
パンの中でもカロリーの低い食パンですら、100gあたり264kcalもあり、白米(100gあたり160kcal)よりもずっと上回っているのです。
小麦は糖化しやすく、体内でうまく消化できずに腸壁にこびり付き炎症を起こす原因にもなり得ます。
これらのことから、ダイエットや健康的な食生活に挑戦するときも、白米を主食にするのがベストだと言えるのです。
では、白米の太りにくい、健康に良い食べ方とはどのようなものなのでしょう。
まず、空腹の状態で白米を食べるのは控えましょう。
食物繊維の少ない白米は体に取り込まれるとすぐに消化されて血糖値が急上昇し、やがて脂肪として溜め込まれてしまうからです。
そこで血糖値を上げないために食べる順番を、最初に野菜、次にたんぱく質、最後に白米という順番に変えてみましょう。
食べ始めの野菜類はゆっくり良く噛んで食べるとより効果があります。
なるべく噛み応えのある根菜類を使ったり、切り方を工夫したメニューがあると良いでしょう。
お腹がすいていても、食べる順番を守ることで血糖値の上昇は防ぐことができます。
それから、白米自体の量を減らすのも効果があります。
一合分炊いても、すべて食べてしまうのではなく、お茶碗に盛る時に少し少な目にしてあとは保存をするなどして、1食分の食べる量をコントロールしましょう。
雑穀などを合わせて炊くのも良いです。
白米を計量カップで計るときに、一緒に計り入れて炊くだけなので、簡単に取り入れることができます。
お米一合の量や栄養を知って健康的な食生活を目指そう
お米一合の量、さらにカロリーや栄養価などがはっきりするとレシピを調べたり献立を作るのにも役立ちます。
主食のお米について考えることは、一緒に食べるおかずや副菜の栄養や健康効果を意識するきっかけにもなります。
しかし、お米を炊くのは毎日のことで、なかなか意識できないものです。
この記事でお伝えしたことを覚えておいて、普段の食事作りに役立ててください。