目盛りのついた炊飯器や、ワンプッシュで自動的に計量できる米びつの普及により、最近は計量カップで量って炊飯する機会が減りました。
しかし、米びつが壊れたときや土鍋で炊くときなどには、やはり計量カップは欠かせません。
いざというときになって、計量カップは何mlで何合か、また、水は何ml入れたらいいのかなどをわかっていないと、困ってしまいますよね。
今回は、米を炊くのに最低限知っておきたい、基本的な計量についてお話しします。
米1合は計量カップで何ml?
米を量る単位は現代でも1合、2合、と「合」が使われています。
この「合」とは昔、米を量る時に使われていた、木製の四角い升に由来しています。
升1杯分、つまり1升の米は10合にあたります。
1合はその1/10、1回に食べるごはんの量を1合の米としていました。
その1合を現代の単位であるmlに換算すると、180mlです。
mlはccと同じなので、1合=180ml=180ccになります。
普段、ボタンをワンプッシュすると自動的に1合、2合の米が出てくる米びつを使っているかたは、米1合が180mlといわれてもどれくらいの量なのかピンと来ないと思います。
炊飯器を買うと付いてくる米専用の計量カップが1合です。
これに、すり切りで米を入れると180ml(=180㏄)になるのです。
一般的な料理用の計量カップは1カップが200ml(=200cc)なので、1合を料理用計量カップで量ると0.9カップになります。
カップによって違いがあるので注意が必要です。
米を計量カップで量るときは、カップの底をトントンすると規定より多く入ってしまうので、普通にカップ1杯分の米をすくい取るようにしてください。
180mlの計量カップならすり切りに、200mlの計量カップなら20ml減らせば1合になります。
計量カップがなくても大丈夫!米1合は何g?ご飯何杯分
計量カップがなくても、1合の米が何gなのか知っていれば、はかりで計量できます。
米1合の重さは150gです。
米を3合炊きたかったら、150×3=450、450gの米を計量すればいいのです。
ちなみにmlやccは体積の単位、重さの単位であるgとは似ているようで異なります。
1ml=1ccで、1ccとは1辺が1cmのサイコロの体積です。
このサイコロが、発泡スチロールであろうと鉛であろうと、体積は1ccに変わりありません。
しかし、重さは明らかに違いますよね。
素材が変わっても体積は変わりませんが、重さは変わるのです。
ただし、水に限り、体積と重さの比率は1:1。
水1ml(=1cc)の重さは1gです。
米は体積と重さの比率が1:0.85。
米1合で見れば、体積は180ml(=180cc)で重さは150gです。
この1合の米を炊くと、約350gのごはんになります。
といわれても、350gはどのくらいの量なのかわかりませんよね。
350gのご飯とは、大きさにもよりますが、だいたいお茶碗2杯分といわれています。
4人家族でひとり2杯ずつご飯を食べるとしたら、1回に4合炊けばいいことになります。
5人家族なら5合、3人家族なら3合。
ひとり1回1合の米を食べると考えた昔の人は、1回にご飯2杯を食べていたんですね。
米1合を炊くとき水は何ml必要?計量カップでどれくらい?
基本的に水は、米の体積の1.1~1.2倍入れます。
米1合180mlを炊くなら、水の量は198~216ml必要です。
約200ml入れればいいでしょう。
料理用計量カップで、ちょうど1カップです。
米専用の計量カップなら、1カップと20ml。
20mlは、米専用計量カップで1/9カップです。
同様に、
・米2合(=360ml)水396~432ml(約400ml)
・米3合(=540ml)水594~648ml(約600ml)
・米4合(=720ml)水792~864ml(約800ml)
となります。
水は米の2割増しで覚えておくと便利です。
炊飯器の目盛りがない量を炊くとき、たとえば1.5合を炊きたいときは、水の量を計算によって求めることができます。
米1.5合は270mlなので、270×1.2=324、324mlの水を入れればいいことになります。
これは、米専用計量カップで1.8カップ。
1と4/5カップです。
料理用計量カップでは約1.6カップ。
1と3/5カップです。
新米を炊くときは水分を多く含んでいるので、いくらか水の量を減らすといいでしょう。
米1合を重さで量るとき、水は何ml必要?
水は米の体積の1.1~1.2倍必要ですが、米の重さを基準にすると1.4倍必要になります。
米1合150gを炊くなら、150×1.4=210、210gの水を入れます。
水は、210g=210mlなので、210mlの水を入れればいいことになります。
体積を基準にした場合でも水の量は198~216ml、約200ml入れればよかったので、ほとんど差がありません。
計量カップがなくてもはかりがあれば、重さを体積に換算して水の量が求められるのです。
さらに、計量カップやはかりがなくても、次のような方法で水の量が量れます。
・米に人差し指を立て第1関節まで水を入れる。
・米の表面に手のひらをピッタリ押し当てて、手首を直角に曲げたときの出っ張った骨のあたりまで水を入れる。
・米の表面に手のひらをピッタリ押し当てて、手の甲がすっぽり隠れるまで水を入れる。
昔の人はみな、こういったやり方で水を入れていたのですね。
出来あがりに多少硬軟の違いがあるため、お好みで調整してみてください。
玄米やもち米を計量カップで量るとき、水は何ml入れればいい?
水は米の体積の1.2倍、重さの1.4倍必要といいましたが、これは白米の場合です。
玄米やもち米だと、水加減がちょっと変わります。
玄米1合180mlのときは、水を300ml入れます。
料理用計量カップで1カップ半、米専用計量カップですと約1と7/10カップです。
もち米1合180mlのときは、水を150ml入れます。
料理用計量カップで3/4カップ、米専用計量カップでは約4/5カップです。
米を水に浸しておく時間も変わります。
玄米は白米の4~8倍長く浸します。
夜セットしたものを朝食べ、朝食後セットしたものを夕食に食べるサイクルがおすすめです。
逆に、もち米は浸す時間なしです。
研いでからすぐにスイッチを入れても大丈夫です。
最近は健康ブームのためか、食物繊維の豊富なもち麦や押麦を入れて炊く人も増えています。
水の量をいくらか多めに入れるだけでいいので、扱いもラクです。
お好みで水の量を増減してみてください。
計量カップの代用となるもの
ワンプッシュで量れる米びつも、計量カップも、はかりもない場合、どうやって計量すればいいのでしょうか?
まず、計量カップの代わりになるものを探してみましょう。
日本酒や焼酎のワンカップ、牛乳瓶があると便利です。
いずれも180mlなので、ちょうど米1合分になるからです。
また、ゼリーなどのカップには容量が記載されているものがあります。
計量カップの代わりになるので、ぜひお試しください。
持っているかたは少ないかもしれませんが、キャンプで使う飯盒は内蓋1杯が米2合分、360mlになっています。
さすがはキャンプ用品、計量カップがなくても量れるよう工夫されているんですね。
計量カップがなくても計量スプーンがあれば、十分活用できます。
大さじ1杯が15ml、小さじ1杯が5mlなので、1合180mlならちょうど大さじで12杯です。
ちょっと面倒ですが、1合くらいなら計量スプーンで量れますよね。
他にもペットボトル、インスタントコーヒーやメンマ、海苔の佃煮などの瓶で使えそうなものが色々あるので、利用してみてください。
計量カップを用いて米を炊く基本に帰ろう
ふだん自動的に計量できる米びつを使っているかたも、たまには計量カップで量ってみると、1合はこれくらい、2合はこれくらい、と大まかな米の量が把握できると思います。
水の量も然り。
炊飯器の目盛りに合わせているばかりでは、実際の量がつかめませんよね。
米の2割増し(重さなら4割増し)を実感するためにも、計量カップで量ってみてはいかがでしょうか。
基本的なことだからこそ、たまにはキチンと手をかけてみるのもいいのではないかと思います。