日本人のソウルフードでもある味噌汁を、毎日のように作っている方も多いでしょう。
よく使う具に、ネギと豆腐がありますよね。
ネギと豆腐は今や、どこのスーパーでも手に入れることができる、馴染み深い食材です。
今回は基本に戻って、ネギと豆腐の切り方を再確認してみましょう。
適した切り方をして、食材の美味しさを存分に楽しみましょう。
ご飯と味噌汁は相性バッチリ
今回は、味噌汁の具によく使われている、ネギと豆腐の切り方をご紹介します。
切り方については後々ご紹介しますが、その前に、ご飯と味噌汁の相性について少しお話します。
味噌汁の相棒は、やっぱりご飯ですよね。
炊きたてでツヤツヤ輝く白いご飯、ほっとする温かさで味噌の香りがたまらない味噌汁。
日本人の食事は古くから、このご飯と味噌汁の組み合わせを中心として、おかずを一品プラスした「一汁一菜」を基軸に作られてきました。
昔の人は本能で知っていたのか、栄養学的に見ても、ご飯と味噌汁の相性は良いのです。
ご飯は栄養バランスに優れていて、炭水化物、ビタミン、ミネラル、食物繊維が含まれています。
食材からでしか摂取できない、必須アミノ酸も沢山含んでいます。
しかしながらご飯のみでは、能率よくたんぱく質を摂取することは不可能です。
なぜなら、必須アミノ酸のリジンが少ないからです。
必須アミノ酸9種類全てが一定量含まれていないと、うまくたんぱく質を合成できないのです。
そこで味噌汁の出番です。
味噌の原料の大豆は、リジンを多く含んでいます。
しかし大豆には、必須アミノ酸のメチオニンが少ないのです。
反対に、お米にはメチオニンが豊富に含まれています。
ご飯と味噌汁を組み合わせることによって、お互いにないものを補いあえるのです。
昔の人はこうして、生きるために必要不可欠な栄養素を、能率よく摂取してきました。
ご飯と味噌汁のペアは、炭水化物、たんぱく質、脂質などの三大栄養素がバランスよく揃った、完璧な組み合わせといえます。
味噌汁にはネギが一番?人気の具ランキング
ところで、味噌汁に入れる好きな具は何ですか。
好みは人それぞれですが、ほかの人達はどんな味噌汁の具が好きなのか、ちょっと気になりますよね。
ここでは、ある委員会が調査した「味噌汁の好きな具ランキング」を発表します。
1位 豆腐(33.9%)
2位 わかめ(24.1%)
3位 油あげ(21.1%)
4位 長ネギ(17.2%)
5位 じゃがいも(16.0%)
6位 大根(13.6%)
7位 玉ネギ(8.6%)
8位 なめこ(8.5%)
9位 しじみ(4.6%)
10位 さといも(4.0%)
いかがでしたか。
みなさんが好きな具は、ランクインしていましたか。
味噌汁で好きな具の第1位は定番ですが、ほかの具とも好相性の豆腐でした。
わかめと油あげの人気も、納得できます。
長ネギ、じゃがいも、大根、玉ネギ、さといもなどの野菜も好まれていますね。
やはり、味噌汁は野菜を摂取するのに、もってこいのメニューなのですね。
次は、ランキングでも堂々の第4位にランクインした、長ネギの基本的な切り方についてご紹介します。
美味しさを引き出す長ネギの切り方
味噌汁の具として人気が高い、ネギについての知識を深めておきましょう。
ネギは大きく分類して「白ネギ(根深ネギ・長ネギ)」「青ネギ(葉ネギ)」があります。
東日本では白い部分を食べる白ネギが、西日本は根元まで青い「青ネギ」が使われています。
白ネギは甘味があり、焼き鳥や煮込み料理に適しています。
全体に張りがあり、緑色の葉がみずみずしいものを選びましょう。
青ネギは香りが良く、薬味や炒め物に適しています。
葉が先端まで美しい緑色をしていて、つやがあり、葉先がピンと張ったものが新鮮な証しです。
白い茎の部分が比較的少ないものを選びましょう。
味噌汁で使われることが多い長ネギは、部位によって違う甘みと辛みがあるのをご存知でしたか。
長ネギは、以下の4部位に分けることができます。
①白い部分の下
②白い部分の上
③白と緑が混ざっている部分
④緑色の部分
うどんやそばなどの薬味で使われることも多い①には甘みがあり、④の緑色が濃い方にいくにつれて辛みが強くなっていきます。
各部位の特徴を引き出す切り方を覚えれば、味わい深さもアップさせることができるのです。
<美味しさを引き出す長ネギの切り方>
●引き切り 包丁を奥から手前に「引きながら」切ることで、すっきりした甘みが出ます。
●押し切り 包丁を手前から奥へ「押し出す」ように切ることで、辛みが引き立ちます。
味噌汁に適した長ネギの切り方と部位
もっと細かく、部位別に長ネギの切り方を見ていきましょう。
☆白い部分の下部
この部分は、甘みが強く、肉厚で食べごたえがあります。
加熱すると、とろみのある食感になります。
<おすすめの切り方>
●せん切り ネギの外側を使いましょう。
●縦割り ネギの内側を使いましょう。
●小口切り 端から直角に薄く切ることで、香りも良く、繊細な食感になります。
●筒切り 加熱すると外側には歯ごたえが、内側はとろりとします。
合う料理に、焼きネギ、冷奴、鍋、スープ、麺類などがあります。
☆白い部分の上部
下部よりも柔らかく、甘みと辛みのバランスや香りも良いです。
<おすすめの切り方>
●斜め薄切り 外側と内側を一緒に使うことで、甘みと辛みのバランスが良くなります。
合う料理に、焼きネギ、鍋、麺類、丼もの、スープ、味噌汁などがあります。
☆白と緑が混ざっている部分
青い部分の辛みと、白い部分の甘みの両方が混在しています。
内側の白くてフワフワしている部分は、柔らかい食感が楽しめ、加熱するととろみが出ます。
<おすすめの切り方>
●縦切り 繊維にそって、長めの縦切りにしましょう。
合う料理に、豚ネギ炒め、スープ、味噌汁などがあります。
☆緑色の部分
最も辛みが強く、薬味に使うと美味しいです。
<おすすめの切り方>
●縦切り ワタと一緒に、縦にざく切りにしましょう。
●角切り 辛みを生かした薬味として使う場合は、ワタを削り取りましょう。
合う料理に、中華炒め、スープ、味噌汁などがあります。
基本!豆腐の「さいの目切り」の切り方
ここまで読んで頂いて、ネギの切り方にも、色々あることがお分かりいただけたと思います。
ここではネギと同様に、味噌汁の具として人気の、豆腐の切り方についても見ていきましょう。
どんな料理でも活躍する豆腐ですが、まるごとそのまま使うことはないですよね。
豆腐の切り方にも、ネギと同様に数種類あります。
その中でも、最も基本となる切り方が「さいの目切り」です。
さいの目切りとは、食材をサイコロの形に切る方法です。
サイコロ1辺の長さによって、呼び方が違います。
あられ切りは5mm、さいの目切りは1cm角、角切りは1cm以上となります。
今回は、豆腐のさいの目切りの切り方をご紹介します。
ベテラン主婦の方も、1回ここで基本に戻ってみましょう。
①手の平に載る半丁の大きさに切って、手の平に載せましょう。
②まずは、包丁を手の平と平行になるようにします。
豆腐の高さが1cmくらいになる様に、平行に保ったまま、手首の方まで包丁を進め、2段に切りましょう。
慌てないで、ゆっくりと包丁を動かしてください。
③包丁を立てて、豆腐の端から1cm幅で切っていきましょう。
手の平に包丁が当たるので、絶対に引かないように注意して、ゆっくりと押し切ってください。
力を入れる必要はありませんよ。
④先ほどの切り口と垂直に、1cm幅で切っていきましょう。
豆腐の切り方の種類
豆腐の切り方には、前項でご紹介した「さいの目切り」以外にも、色々な種類があります。
切り方を少し工夫するだけで、豆腐の舌触りが変わって美味しくなるだけでなく、見た目にもオシャレにすることができます。
今後、必ず使うことがある豆腐の切り方を、ここで覚えておきましょう。
●拍子木切り
細長い2本の木「拍子木」に形が似ていることから、拍子木切りといわれています。
①豆腐一丁を水で洗って、縦方向に1cmに切ります。
②切った豆腐を横に寝かせ、1cm幅で縦方向に切ります。
●縦半分、横半分の四つ切り
縦半分と横半分の四つ切りは、よく居酒屋で出される冷奴などに使われている切り方です。
切り方はとても簡単です。
①十字になるように、豆腐の真ん中から縦に切れ目を入れます。
②それと垂直に、真ん中から横に切れ目を入れていきます。
●豆腐をちぎる
切り方ではありませんが、豆腐の調理においてはなくてはならない使い方です。
手でちぎると、切断面は歪みます。
包丁で切るよりも表面積が大きくなり、味が染みやすくなります。
ネギや豆腐の形状は、食感や味の染み方に影響を与える要素となるので、調理をするうえで重要なのです。
味噌汁の具としてだけでなく、ほかの料理を作る際も切り方にこだわってみると、美味しさがアップするかもしれませんね。
切り方によって味わいや食感は変化する
和洋中、色々な料理を引き立てるネギや豆腐の活躍ぶりは、食卓に欠かせないものです。
切り方で食材の特徴を活かして、異なった食感や味わいを楽しみましょう。
食生活の多様化が進む今日ですが、一日に一度くらいは、ご飯と味噌汁の組み合わせを食べて欲しいものです。