玄米と精米されたお米の違いとは?栄養価や重さが変わる!

近年の健康ブームによる意識の高まりで、玄米を食べる機会が増えたと感じている人も多いのではないでしょうか?

玄米には、栄養が豊富に含まれていると言われていますが、精米された白米と比べて、どれくらい違いがあるのでしょうか。

また、玄米と精米されたお米では重さも変わります。

今回は、玄米と精米されたお米の違いについて学んでみましょう!

玄米と精米されたお米は、栄養価と重さが違う!

まずは、玄米や精米されたお米が、それぞれどんな状態のことを指すのかについてご説明します。

「玄米」とは、「もみ」から「もみ殻」だけを取り除いたお米のことです。

一方、「精米されたお米」とは、玄米から「胚芽」と「ぬか層」を取り除いたお米(白米)のことです。

つまり、精米されていないお米が玄米です。

精米されていないということは、胚芽とぬか層が残っているので、栄養価が高いということです。

健康への意識が高い人は、既に玄米を食べているかもしれませんね。

実際に、玄米100gと精米されたお米(白米)100g、それぞれの栄養価を比べてみました。

【玄米100g中の栄養価】

・たんぱく質 6.8g
・脂質    2.7g
・ビタミンB1 0.41mg
・食物繊維  3.0g

【白米100g中の栄養価】

・たんぱく質 6.1g
・脂質    0.9g
・ビタミンB1 0.08mg
・食物繊維  0.5g

お米に含まれる栄養価の一部を抜粋してご紹介しましたが、「胚芽」と「ぬか層」がついているかどうかでこれだけ栄養価が変わるというのがわかりますね。

また、玄米を精米すると、当然ながら重さも変わります。

玄米にした時点ではまだついている「胚芽」と「ぬか層」を取り除くので、30㎏の玄米を精米すると、大体27㎏くらいになると言われています。

「胚芽」と「ぬか層」を取り除くだけで、10㎏につき1㎏減るのですね。

栄養価の高い玄米を美味しく炊く方法は?

引き続き、玄米と精米された白米の違いについてご紹介していきます。

先ほど、玄米の栄養価が白米に比べて高いとお伝えしましたね。

しかし、栄養価が高いことと消化が良いことは別の話です。

実は、玄米を白米と同じ炊き方で炊いた場合、美味しく炊くのは難しいです。

それは、吸水が白米とは違うために、お米の成分であるデンプンの糊化(こか)が十分になされないことが関係しているからです。

ビタミンや無機質などの栄養が摂れるのはメリットですが、美味しくないと長続きしませんよね。

玄米を美味しく炊くには、圧力鍋などを活用すると良いようです。

その場合、やはり十分に吸水させてから、110~120℃で炊くのがおすすめです。

また、玄米に加水した重さ(加水重量比)は、1.6~2.0が良いとされています。

せっかく栄養価の高い玄米を食べるなら、美味しく炊いて、健康維持につなげたいですね。

さらに近年では、炊飯器でも美味しく炊けるように加工された玄米も売られているので、それを購入してみると、比較的手軽に玄米食を楽しめるでしょう。

重さがあっても保存するには玄米が良い!

今回は、玄米と精米されたお米についてその違いをご紹介していますが、ここでは、玄米の重さに関することを書いていきます。

はじめの章で、玄米には「胚芽」と「ぬか層」がついていることをお伝えしました。

白米よりも重さがあるのは、そのためですよね。

大体、10㎏の玄米には、1㎏の「胚芽」と「ぬか層」がついています。

しかし、「胚芽」と「ぬか層」がついていることは、栄養の面以外から見てもメリットがあります。

保存する際に大きく役立つからです。

日本では、大きな工場で白米にされる一部のお米以外は、玄米のまま輸送され保管されます。

「なぜ玄米で保存するのか?」というと、玄米は、白米よりも虫の被害を受けにくいからです。

虫だけでなく、微生物による被害も少なくなります。

そういった理由から、貯蔵には、玄米のままの方が都合が良いのです。

もちろん、胚芽に含まれる脂肪が分解されてしまい、風味が落ちるということもありますが、食べる際に精米する人が多いので、この方法が取られています。

精米されたお米にもメリットはある!

ここまでのお話で、玄米は白米よりも重さがありますが、

・「胚芽」と「ぬか層」があるため、栄養価が高い
・虫の害に強いため、貯蔵に向く

というのがわかりましたね。

では、精米されたお米(白米)には、メリットはないのでしょうか。

いえ、そんなことはありません。

先ほど少し触れましたが、

・炊きやすく、消化・吸収がしやすい
・白いので、炊いたときに見た目が美しい

などが白米のメリットです。

玄米の見た目が黒っぽくなるのは、「胚芽」と「ぬか層」がついたままだからです。

精米してそれらを取り除けば、きれいな白色になるので、必然的に見た目が美しくなります。

また、多くの食品と相性が良いので、卵かけご飯や炊き込みご飯など、何かを乗せたり混ぜたりして食べても美味しいです。

こうした食べ方ができるのも、白米の良いところです。

白米は、玄米に比べると栄養価が低いという面は確かにありますが、おかずから必要な栄養素を摂れているのであれば、そこまで玄米にこだわらなくても大丈夫でしょう。

完全に精米しないお米がある?

ここまで、玄米と精米されたお米(白米)の違いについて学んできましたね。

玄米、白米それぞれに、メリットとデメリットがありました。

しかし、玄米の栄養価と白米の炊きやすさ、美味しさをうまく両立させたお米はないのでしょうか。

実は、それを実現させた、「完全に精米しないお米」があるのでご紹介しておきます。

これは、玄米と白米の良いところを合わせたお米なので、「栄養も多く取れるけど、美味しくてきれいなお米が食べたい!」という人におすすめです。

この完全に精米しないお米というのは、「胚芽の部分を残して精米したお米」のことです。

「七分づき米」や「胚芽米」などがこれにあたります。

「胚芽」と「ぬか層」を完全には取り除かないため、

・美味しさ
・食べやすさ
・栄養価の高さ

を両立することができているのです。

これなら、「玄米食にしてみたいけれど、続けられるか自信がない」という人や、「普通の玄米食には挫折してしまった」という人でも無理なく続けることができるのではないでしょうか。

やはり、美味しくて健康にも良いものが嬉しいですよね。

こうした胚芽米などは、ネットショップや生協、大きなスーパーなどで売られているので、気になる方は購入して食べてみてはいかがでしょうか。

また、売られているお米の量(重さ)ですが、1㎏、2㎏をはじめ、5㎏、10㎏、20㎏くらいまであるので、家族構成やお米を食べる頻度などに合わせて選んでみて下さい。

「精米後は軽くなる」とは言え、米袋の重さには要注意!

では最後に、玄米を購入している人が白米にして食べる場合、玄米を精米するのにおすすめのタイミングをお伝えしましょう。

玄米を精米する場合、食べるタイミングで行うのが良いとされています。

それは、やはり、精米してすぐのお米の方が美味しいからです。

精米されたお米は、どうしても酸化するので、「お米の栄養や新鮮さにこだわりたい!」という人は、食べる直前に、食べる分だけ精米するのが良いでしょう。

また、この記事では何度も、「玄米を精米すると重さが変わる(玄米のときより軽くなる)」とお伝えしてきました。

しかし、いくら軽くなるとは言え、例えば、30㎏の玄米を精米した後の白米の重さは27㎏です。

このように、精米する量によっては精米後もかなり重いので、精米したお米を車に乗せたり、自宅に運んだりする際には、注意が必要です。

重い米袋を運ぶ際は、台車を使ったり、家族に手伝ってもらうなどして、ギックリ腰などの怪我を防ぎましょう。

玄米、白米それぞれの良さを楽しもう!

今回は、玄米と精米されたお米(白米)の違いをご紹介しましたが、楽しみながら読んで頂けたでしょうか?

玄米と白米、それぞれに良さがありますが、「健康的な食生活にしたい!」と考えている人は、玄米を取り入れてみると良いでしょう。

手軽に試したい人には、玄米と白米の良い点を合わせた「胚芽米」などがおすすめです。

この機会に、お米の買い方や食べ方を見直してみて下さい。