だいたいのご家庭は、毎日のようにお米を食べているでしょう。
そんなお米の中で「黒い粒」や「茶色いお米」に遭遇したことはありませんか?
「ゴミではないの?」「健康に悪くない?」などと心配になりますよね。
今回は、そんなお米のさまざまな疑問を徹底的に解決していきます!
お米に黒い粒が混ざってて全体的に茶色い!食べても問題はない?
冒頭でお話ししたように、お米には黒い粒が混ざっていることがあったり、全体的に茶色いことあります。
黒い粒は、白いお米の中にあると特に目につき、「ゴミではないか?」「健康に被害はないか?」と心配に思っている方も多いでしょう。
実際に、黒い粒や、茶色い様子を見て、ゴミや汚れなどと勘違いして購入元にクレームを入れる方も少なくないようです。
しかし、結論を言いますと、この黒い粒や茶色いお米は、ゴミでもなく、このお米を食べたからと言って健康に悪影響を与えることはありません。
では、なぜそのような黒い粒や茶色いお米になってしまうのでしょうか?
まずは、たまに混ざっている黒い粒についてお話ししましょう。
この黒い粒は、もちろん通常のお米です。
しかし、黒い粒になってしまうと「ヤケ」と呼ばれるものになります。
その「ヤケ」の状態にしてしまうのが、みなさんが一度は目にしたことがあるであろう、カメムシです。
田んぼにカメムシがいるイメージがない方は、びっくりするかもしれませんね。
そのカメムシが、稲穂の時にくっつき、お米の養分を吸い取り、その跡が黒くなってしまうのです。
「ヤケ」を相当の数を含んでいた場合、「苦味」や「えぐみ」を感じることがあるようですが、数粒の場合は、ほとんど味に影響はないでしょう。
お米は黒い粒の割合で等級が決まる?
先ほどは、お米に混ざっている黒い粒、「ヤケ」についてお話ししました。
次は、お米の等級についてお話ししましょう。
お米には等級というものがあり、1等米・2等米・3等米・規格外と格付けされます。
世間的には、等級が高ければ高いほど美味しいお米だと認識されているかもしれません。
しかし、厳密に言うと味を検査基準として、等級を決めているわけではないのです。
検査では、一定量の玄米の中で整った形の粒の割合や、透明感を目視で検査します。
そして、「ヤケ」も判定に影響を与えます。
米粒の形や、ヤケの有無で味や食感に直結してくると考えられているからです。
それでも、試食をして検査をしているわけではないので、「等級が低いからまずいお米」、「等級が高いから美味しいお米」ということは一概には言えません。
もし、美味しいお米を知りたいという方は、実際に試食して評価を付けられている「お米の食味ランキング」を参考にした方がいいでしょう。
それでも、やはり味の好みは個人差があるので、自分自身で食べ比べをしてみるというのもいいかもしれませんね。
次は、よく耳にする「お米が全体的に茶色い時がある」といった疑問について、お話ししましょう。
お米が全体的に茶色い!古いお米ではないの?
「お米が全体的に茶色い」といった疑問が挙げれられることがあるのが、「知り合いの農家から譲ってもらった」などといったケースです。
そのような場合、茶色い袋に入っていて中身が見えず、持ち帰ってから開けてびっくり、なんてこともあるでしょう。
「もしかして古いお米?」などと思う方もいるかもしれませんね。
しかし、決してそんなことはありません。
考えられる原因としては、「精米をしていない」や「精米の度合い」が挙げられます。
玄米の状態は一番持ちがいいので、玄米の状態で譲るという方も少なくありません。
そのような場合は、玄米の状態で食べるのもいいでしょう。
玄米は、ぬか層や胚芽がそのまま残されていて、ビタミン・ミネラル・食物繊維などの栄養が豊富に含まれています。
しかし、独特の香りや、硬めの食感があります。
また、あまり消化は良くないので、初めて玄米を食べるという方はよく噛んで食べることを意識しましょう。
一度食べてみて、違和感を感じるのであれば、精米をしてみるといいかもしれません。
そして、お米は、玄米の状態から「3分づき米」・「5分づき米」・「7分づき米」・「精白米」・「無洗米」といった精米の度合いがあります。
3分づきが一番玄米に近い状態で、色も順に薄くなっていきます。
中には、3分づき米の状態で譲ってくれる方も少なくないようです。
次は、「全体的にお米が黒い」、「とぎ汁が黒い」といったケースについてお話しします。
お米が全体的に黒くなってる!食べても大丈夫?
先ほどは、「お米が全体的に茶色い」といった場合に、考えられる原因をお話ししました。
次は、「全体的にお米が黒い」、「とぎ汁が黒い」といったケースです。
この場合、黒っぽいだけでなく、緑や灰色といった場合もあります。
なんとなくわかると思いますが、正体は「カビ」です。
お餅やパンなどに付いたカビを見たことがありませんか?
それと同様の「マイコトキシン」というカビです。
「アフラトキシン」「オクラトキシン」というカビ毒を持ち、さまざまな悪影響を与えます。
肝臓・腎臓障害・免疫機能不全などといった症状を引き起こすこともあり、このような状態になっているお米は絶対に食べてはいけません。
また、カビが生えていない場合でも、カビ臭いということがあります。
お米は、臭いを吸収しやすいです。
そのため、カビのニオイを吸収した上で、胞子がお米を包んでいる状態になっていると、洗ったり炊いたりしてもカビのニオイを消し去ることは難しいでしょう。
もし、カビ臭い状態になってしまった場合は、潔く処分するべきです。
お米に黒いカビを生やさないために!
先ほどは、お米に黒いカビが生えてしまった場合は、絶対に食べてはいけないとお話ししました。
しかし、せっかく購入したお米や、譲ってもらったお米を処分するのはもったいないですよね。
ですから、カビが生えないよう、正しい保管をしましょう。
まず、大切なのが保管場所です。
お米にカビが生えやすくなるのはお米の水分量が一定の割合を超えた時です。
必ず、湿気のない場所に保管しましょう。
キッチンで保管しているという方が多いかもしれませんが、シンクの下などは避けるべきです。
可能であれば、冷蔵庫での保管が望ましいでしょう。
しかし、他の食品から水分が移ってしまうと意味がないので、お米は密閉できる容器に入れておくことをおすすめします。
そして、冬場と比べて、夏場はカビが生えやすいだけでなく、虫が発生する危険性もあります。
そのため、夏場は短期間で食べきれる程度に購入し、出来るだけ保管する量を減らしておくといった工夫が必要です。
最後は、「お米に黒い虫や茶色い虫がわいてしまった」といったケースについてお話ししましょう。
お米に黒い虫や茶色い虫がわく?!
みなさんは、保管しているお米に、黒い虫や茶色い虫がわいてしまったなんて経験はありませんか?
虫の侵入経路はさまざまあり、収穫前や収穫後、精米中や保管している時などがあります。
お米にわく虫として考えられるのは、「コクゾウムシ」や「ノシマダラメイガ」といった場合がほとんどでしょう。
コクゾウムシは、濃い茶色から黒っぽい色をした虫です。
幼虫は小さくて見つけることは難しいですが、成虫になるとすぐ気づくでしょう。
成虫が、お米に卵を産みつけ、産まれた幼虫がお米の中で成長し、外に出てきます。
そして、また卵を産み付けるの繰り返しです。
ノシマダラメイガは、お米の表面に卵を産み付け、いもむしの形の幼虫が産まれます。
そして、サナギになり、蛾となって飛び立ちます。
考えるだけでゾッとしますね。
最初にお話ししたように、虫の侵入経路はさまざまです。
せめて、ご家庭での保管で虫が侵入しないように、しっかりと正しい保管を行いましょう。
お米のトラブルもこわくない!
今回は、お米についてのさまざまな疑問を解決しました。
参考になったでしょうか。
見た目だけが悪いケースや、食べることも避けるべきケースがありました。
しっかりと、正しい知識を持っていれば、そのようなお米トラブルに遭遇してもこわくありませんね。