甘酒は美味しいだけでなく、健康づくりや体力回復のために飲む人も増えています。
甘酒には、酒粕を使う作り方と、麹を使う作り方があります。
酒粕の甘酒も麹の甘酒も、それぞれ栄養たっぷりですが、では、いったいどんな栄養の違いがあるのでしょうか?
また、麹の甘酒は、ご飯を使った作り方とご飯を使わない作り方がありますので、それぞれのレシピもご紹介します。
『酒粕』で作った甘酒の栄養と効能
酒粕で作る甘酒とはご飯粒が入った、あのほんのり甘い甘酒ではなく、酒粕を水に溶かして温めて作ったアルコールの入った飲み物です。
酒粕には甘さがないので、砂糖を加えて作ります。
では、酒粕の甘酒は栄養的にはどうでしょうか?
酒粕には、食物繊維やビタミンやタンパク質が含まれています。
また、酒粕には、悪玉コレステロールをやっつけて、善玉コレステロールを増やす働きがあります。
ほかにも、酒粕には、インスリンと似たような働きをする物質があり、糖尿病予防にも効果があります。
糖尿病予防として飲む人は、砂糖の量を控えめにしてください。
また、酒粕に含まれるレジスタントプロテインというタンパク質は、油を捕まえて体の外に運び出してくれます。
そのお陰で、体に脂肪がたまりにくく、便秘解消にもなりますので、ダイエットや美容効果にもつながります。
酒粕に含まれる、セラミド成分であるスフィンゴ脂質は、肌の角質層の細胞をつなぎ合わせてくれ、肌の潤いを保たせてくれます。
また、シミを抑える効果もあります。
さらに、酒粕に含まれるビタミンBは、美白にも効果的です。
ダイエットや美肌効果を望む人に、ピッタリですね。
アルコールを含みますので、子供や妊婦さんや車を運転する人は、飲むのを控えてくださいね。
では次に、麹で作った甘酒の栄養と効能について、ご紹介します。
『麹』で作った甘酒の栄養と効能
麹で作った甘酒は、『飲む点滴』と言われるほど、栄養たっぷりです。
麹菌には、様々な酵素が含まれています。
主な酵素に、デンプンをブドウ糖に分解するアミラーゼや、タンパク質をアミノ酸に分解するプロテアーゼがあります。
また、代表的な麹菌の持つ酵素に、脂肪を脂肪酸に分解するリパーゼ、繊維をオリゴ糖に分解するセルラーゼがあります。
これらの酵素のおかげで、甘酒の消化吸収が良くなって、栄養成分も増えるわけです。
また、麹の甘酒はビタミン類も豊富です。
ビタミン類には、アンチエイジング効果・精神安定効果・免疫力アップ・新陳代謝の活性化などの効能があります。
ビタミンB群以外にも、パントテン酸・イノシトール・ビオチン・葉酸なども含みます。
パントテン酸は、善玉コレステロールを増やし、抗ストレス作用があります。
また、イノシトールは脂質代謝促進効果や、たまった脂質を取り除く効果があります。
ビオチンは、アミノ酸の代謝やコラーゲンの生成に関わり、皮膚や髪の健康を促進します。
葉酸は、DNAの合成や細胞分裂に関わり、妊婦さんにとって大切なビタミンです。
その他、アミノ酸やコウジ酸などの大切な栄養素も含みます。
いかがですか?
たくさんの栄養がたっぷりの麹の甘酒、ぜひ飲んでみたいと思われたことでしょう。
ノンアルコールなので子供や妊婦さん、お年寄りや車を運転する人も安心して飲めますね。
では、次に、いよいよ麹を使った甘酒レシピをご紹介します。
ご飯を使う方法と、麹のみで作る方法を、それぞれご紹介します。
麹の甘酒をご飯を使って作ろう!
手作りの甘酒は栄養が壊れず、添加物もないので、安心して長期的に飲めますね。
今回は、麹の甘酒をご飯を使って、炊飯器で作る方法をご紹介します。
【材料】
・お米 1合
・水 3合(米の3倍の水)
・乾燥麹 200g
【作り方】
①まずは、お米と水でゆるめのご飯、おかゆ状のものを作ってください。
鍋で作っても良いですし、炊飯器のおかゆモードでも。
もしくは、冷ご飯にお湯を足し、炊飯器で炊いても良いです。
この場合、湯気が出てきたら、電源を切ってください。
②おかゆは、60℃に冷まします。
熱すぎると、麹菌が死んでしまいます。
③乾燥麹をほぐして、おかゆに混ぜます。
④炊飯器に③を入れ、炊飯器の蓋をせずに布巾をかけて、8時間保温しましょう。
寝る前にセットするが、おすすめです。
朝起きたら甘くなってますよ。
⑤かき混ぜて出来上がりです。
冷蔵庫で1週間、冷凍で1ヶ月保存できます。
麹の甘酒をご飯なしで作ろう!
甘酒はご飯を使わず、麹と水のみでも、作ることができます。
わざわざ、おかゆを作ったり、ご飯を炊いたりする手間も省くことができるなんて、とても簡単ですよね。
今回は、炊飯器を使って、簡単に麹の甘酒を作る方法をご紹介します。
ヨーグルトメーカーがある人は、60℃にセットして使用しましょう。
【材料】
・乾燥麹 200g
・お湯 400㏄
【作り方】
①お湯の温度は、必ず60℃にしてください。
きちんと計りましょう。
②炊飯器に麹を入れ、そこに60℃のお湯を混ぜます。
③炊飯器は保温にセットし、温度調整と通気のため、蓋は開けたまま布巾をかけて、4時間ほど保温状態にします。
④4時間経ったら、よくかき混ぜて出来上がりです。
麹の甘酒を料理に活用する方法
甘酒は、料理にも活用できます。
例えば、砂糖の代わりに煮物に入れたり、肉を漬け込んでみたりと、レシピは限りなくあります。
今回は、家庭で簡単に楽しめる、甘酒入りカレーをご紹介します。
●甘酒カレー
だいたい、以下の分量で、2人分のカレーができます。
甘みがあるので、子供が好きな味になるでしょう。
野菜は、お好みで入れましょう。
【材料】
・鶏の胸肉 100g
・玉ねぎ 半分
・にんじん 半分
・じゃがいも 1個
・チューブおろしにんにく 1cm
・チューブおろし生姜 1cm
・麹の甘酒 120cc
・豆乳 250g
・サラダ油 適量
・小麦粉 大さじ2
・バター 大さじ1.5
・カレー粉 小さじ1.5
・コンソメ 1個
・塩コショウ 適量
・ご飯 適量
【作り方】
①鶏肉は食べやすい大きさに切ります。
玉ねぎは薄切り、じゃがいも・にんじんは乱切りにします。
②フライパンにサラダ油を熱し、玉ねぎをアメ色になるまで、弱火でじっくり炒めます。
③ ②のフライパンにバター・おろしにんにく・おろし生姜・カレー粉を入れて炒めます。
④ ③に鶏肉と野菜類を入れて、さらに炒め合わせます。
⑤ ④に甘酒・豆乳・コンソメを加え、アクをとりながら、野菜が柔らかくなるまで煮ます。
⑥小麦粉を水に溶いて⑤に入れ、とろみが出たら、塩コショウで味を調えましょう。
⑦ご飯と一緒に、お皿に盛り付けましょう。
麹独特の香りやご飯のツブツブをなくす方法
麹の甘酒の、独特な香りが苦手な人も、いるかもしれません。
そのような人は、次のアレンジ方法を試してみてください。
●ココアを入れる
ココアを入れることで、甘酒の香りが消えます。
ココアには、カカオポリフェノールやカカオ豆テオブロミンが含まれていて、美肌効果や自律神経を整える効果があります。
●豆乳を入れる
豆乳を60℃に温めて、甘酒と半々で混ぜてください。
こうすると、甘酒の甘さが緩和されて、飲みやすくなりますよ。
豆乳には動脈硬化を予防できるリノール酸と、成人病や老化を予防できる大豆サポニンが含まれているので、健康や若さを保ちたい方にもぴったりです。
●きな粉を入れる
きな粉の香ばしさが、甘酒のにおいを消してくれます。
きな粉には美肌効果のある大豆イソフラボンと、抗酸化作用のある大豆サポニンが含まれています。
●バナナと撹拌
ミキサーで混ぜてしまえば、ご飯のツブツブも消えて、ますます美味しく、飲みやすくなりますよ。
麹の甘酒を楽しんで活用したり、アレンジしたりしよう
今回は、麹の甘酒の作り方をご紹介しました。
健康のため、ぜひ続けて飲んでみてください。
ちょっとにおいが嫌だ、ちょっと味に変化をつけたいという人は、ぜひ今回の甘酒活用法やアレンジ法を試してみてください。
楽しく甘酒ライフを送れますよ!