甘酒というと、年末年始に神社やお寺で売られているイメージですが、美容効果やダイエットに良いと噂になっています。
そんな甘酒は、家庭でも手軽に作ることができますよ。
麹のみで作る甘酒の作り方を、色々な方法でご紹介します。
甘酒の酵素も一緒に摂れる作り方
飲む美容液、総合栄養ドリンクなどと呼ばれるくらい、甘酒は栄養豊富な飲みものです。
ブドウ糖・ビタミンB1・B2・B6のほか、天然の必須アミノ酸もたくさん入っています。
食物繊維とオリゴ糖によって、腸内環境を整える作用もあるので、まるで日本のヨーグルトのようですね。
麹のみで作る甘酒の作り方の前に、甘酒の酵素を十分に摂る方法をお話します。
市販の甘酒は、保存するために、65℃以上で加熱処理をしています。
これは仕方のないことですが、加熱と同時に、酵素も失ってしまいます。
しかし、甘酒を手作りすれば、60℃以下で作ることができます。
なので、加熱時に失われてしまう酵素も、ややぬるめの状態で飲めば、そのまま取り込むことができます。
甘酒の酵素を失わない作り方ですが、重要なポイントをまとめてみます。
●60℃以下
最初に加熱をしますが、麹を入れて、60℃以上の温度にならないようにしてください。
●発酵温度
発酵しているときは、低くても、高すぎてもいけません、
55~60℃を保ちましょう。
●飲み方
酵素も一緒に取りたい場合は、冷やして飲むか、再度温める場合は60℃以上にならないように、ややぬるめの温度で飲みましょう。
甘酒を作る麹の種類
続いて、甘酒を作る麹の種類について、お話します。
たくさんの麹がありますので、麹のみで作る甘酒の参考にしてみてくださいね。
麹には乾燥麹と、生麹があります。
まずは、乾燥麹の種類と、水の配合を見ていきましょう。
☆米麹
ほぐしてあるので、便利です。
米麹200gに対して、同量のご飯、お水600ccで、約1ℓの甘酒が作れます。
☆甘酒こうじ
板麹で、ほぐして使う、伝統のモロブタ仕込みです。
ご飯300g、お水900ccで、約1.5ℓの甘酒が作れます。
☆粉麹
麹のつぶつぶ感が残らない甘酒にできます。
粉麹200gに対して、同量のご飯、お水600ccで、1ℓの甘酒が作れます。
☆玄米粉麹
こちらも、麹のつぶつぶ感が残りません。
玄米粉麹200gに対して、同量のご飯、お水600ccで、1ℓの甘酒が作れます。
そして、生麹の水の配合を見ていきましょう。
☆米生麹
生麹で作るので、香りが良い甘酒になります。
麹1:ご飯1:お水3の割合で作ります。
では、次項で甘酒の作り方をお伝えします。
ステンレスボトルで作る米麹のみの甘酒の作り方
まず初めに、ステンレスボトルを使った、甘酒の作り方をご紹介します。
【用意するもの】
・ステンレスボトル(1.2~1.5ℓ以上の容量のもの)
・鍋
・おたま
・温度計
・耐熱の容器、瓶など
【材料】
・米麹 200g
・ご飯 200g
・お水 600cc
【作り方】
①ステンレスボトルに熱湯を注ぎ、あらかじめ温めておきます。
②鍋にご飯とお水を入れて、60℃になるまで加熱します。
③60℃になったら、火を止めて、麹を加えましょう。
④再び火にかけ、60℃になったら、すぐに火を止めてください。
麹菌が失われてしまいますので、加熱のし過ぎに注意しましょう。
⑤ ①のボトルからお湯を捨て、④をステンレスボトルに入れます。
温度計を使いながら、必ず60℃にすることが大切です。
温度が低い場合は、再度加熱をして、温度調節をしましょう。
⑥ボトルの蓋をしっかりと閉めて、温度が下がらないようなところで10~12時間ほど発酵させれば、米麹のみで作った甘酒の出来上がりです。
発酵が終わったら、保存するために耐熱容器や瓶などに移し替え、冷めたら必ず冷蔵庫で保管し、1週間を目安に飲みきりましょう。
ヨーグルトメーカーで米麹のみの甘酒を作る
鍋と温度計で、温度を量りながら作るのは、手間がかかってしまいます。
ですが、ヨーグルトメーカーが手元にある場合は、こうした手間がなく、いつでも甘酒が作れます。
加熱し過ぎて麹菌を失う失敗がないので、ヨーグルトメーカーをお持ちの方は、試してみる価値ありですよ。
【用意するもの】
・ヨーグルトメーカー
・箸
【材料】
・米麹 200g
・ご飯 200g
・お水 600cc
【作り方】
①ヨーグルトメーカーの容器に、ご飯とお水を入れて、箸でしっかり混ぜます。
② ①に米麹を加えて、よく混ぜ、蓋をします。
③温度を60℃に、時間は12時間に設定してセットしましょう。
60℃以上だと、酸っぱくなる原因になりますので、注意してください。
④あとは、スイッチを入れれば、米麹のみの甘酒が、簡単に出来上がります。
セットして、あとは放置していても甘酒が作れるなんて、ヨーグルトメーカーはヨーグルトを作れるだけではないのですね。
甘酒を頻繁に飲む方、そして手作りしたいと思っている方にも、画期的なアイテムをなってくれることでしょう。
粉麹のみ!伝統的な寒造り甘酒の作り方
60℃を保ちながら作る甘酒に対して、低温で発酵させて作る甘酒もあります。
麹で寒造りを作る場合、麹の芯が残ってしまったり、甘さが出ないことがあります。
ですので、今回は、粉麹と餅を使い、粉麹のみの寒造り甘酒の作り方をご紹介します。
【用意するもの】
・鍋
・ヘラ
・タッパー容器、またはチャック付き保存袋
【材料】
・粉麹 200g
・お餅 200g
・お水 600cc
【作り方】
①お餅を、1cm角に適当に切り、お水600ccと共に、鍋に入れます。
中火で5~7分ほど、お餅を溶かしてください。
② ①をタッパー容器に移して、60℃ぐらいになるまで、粗熱を取っておきます。
ここに、粉麹を加え混ぜます。
60℃の温かさがあるうちに粉麹を入れたほうが、甘さが出やすいですよ。
③すぐに、冷蔵庫に入れて、12時間冷やします。
次の日になれば、糖度も上がり、1~3日経てば、甘くておいしい寒造り甘酒が味わえます。
必ず冷蔵庫で保存して、1週間ほどで飲み切るようにしましょう。
甘酒の保存と飲み方
米麹のみで作る甘酒や、粉麹で作る寒造り甘酒の作り方は、いかがでしたか。
最後に、甘酒の保存方法と、飲み方についてお話します。
【甘酒の保存】
甘酒が出来上がったら、粗熱を取って冷まします。
常温で保存していると、時間と共に酸っぱくなってしまいますので、タッパーやチャック付き袋に移し、冷蔵庫や冷凍庫で保存しましょう。
冷蔵庫なら7~10日ほど。
冷凍庫なら、1~2ヶ月間、保存ができます。
冷蔵で保存した場合も、麹の発酵は続いているので、1日1回ガス抜きをした方が良いですよ。
【甘酒の飲み方】
甘酒は、1日でどのくらい飲んだらよいのかという目安は、大さじ4杯くらいです。
食前に飲むと満腹中枢が刺激され、食事の量をセーブすることができますし、食後に飲むと消化吸収を助ける働きもあります。
もちろん、空腹時に甘酒を飲めば、余計な間食をしないで済みます。
なお、お腹がゆるくなることもありますので、小さな子供や、ご年配の方は飲む量を調節しましょう。
お湯などで割って飲みたいときは、酵素が失われないように、60℃以上にならないように気を付けてくださいね。
自然な甘さの甘酒を手作りしよう
甘酒をステンレスボトルやヨーグルトメーカーで作ると、とても簡単に作れます。
手作りの甘酒も、想像以上に甘くて美味しいですよ。
冷凍すれば長期保存もできますので、作り置きしておいて、いつでも飲めるようにしておくと良いですね。
市販の甘酒を買うよりも、お得に作れるところも魅力です。