美味しそうなレシピを発見して、いざ作ってみようと思うと、材料に「大さじ」や「ml」の表記があることがあります。
全て統一してあればいいですが、計量スプーンや計量カップを使うのは、正直面倒ですよね。
和食でよく使う醤油は、大さじ1でいうと、何mlを表すのでしょうか?
製造方法や等級で分けられる醤油の種類
醤油の大さじ1は何mlなのか、気になるところですが、まず、醤油についてお話します。
和食で使うことの多い醤油。
JAS規格によると、5つに醤油は分けられています。
・濃口醤油
・淡口醤油
・再仕込み醤油
・溜醤油
・白醤油
この中では、濃口醤油が一般的な醤油で、もっとも世に流通している醤油です。
●製法の違いで分けられる
「本醸造」や「混合」と醤油のラベルに記載されているのは、製法の違いになります。
・本醸造
原料は、大豆・小麦・塩で、アミノ酸液を使っていない醤油です。
本醸造でも甘み付けとして、ブドウ糖やアミノ酸などが含まれていることもありますが、アミノ酸とアミノ酸液は違うものです。
・混合
本醸造との違いは「アミノ酸液」が加えられているか否かです。
搾った醤油にアミノ酸液を入れたものが混合です。
・混合醸造
混合との違いは、醤油を搾る前の段階で、アミノ酸液を入れているところです。
醤油と一緒に熟成させています。
●等級で分けられている
JAS規格で定められた等級が醤油にはあります。
特級・上級・標準と基本的に3つに分けられ、旨味成分が多ければ多いほど、特選、超特選と呼ばれる醤油になるのです。
醤油を作る原材料と仕込み容器
●原材料
・丸大豆と脱脂加工大豆
丸大豆はそのままの大豆で、まろやかな味わいです。
脱脂加工大豆は大豆から油を除く処理したもので、スッキリとした味と表現されることが多いです。
・小麦
実は醤油を作るのに欠かせない原材料の一つです。
小麦に含まれるデンプンが、ブドウ糖に分解されて甘みのある醤油になります。
小麦を使用していない、グルテンフリーの醤油も、海外などで販売されていますよ。
・食塩
長期間、熟成発酵させる醤油作りには、腐敗菌の活動を抑えてくれる塩がとても重要な役割をしています。
●仕込む容器
醤油を搾る前に入れておく容器でも分けられます。
・桶
木の表面に微生物が住み着くと、微生物による生態系が出来上がり、翌年に醤油を作る時に活躍します。
桶によって仕上がりが違ってくるので、常に同じものではないことが、桶仕込みの苦労する点であり、楽しさでもあります。
・FRPタンク
プラスチックの中に、ガラス繊維などの繊維を入れて強度を付けている容器です。
新しく木桶を作るよりも安価で、形状の加工もしやすいことから、多くの醤油販売メーカーで使われています。
・屋外発酵タンク
桶の場合は温度変化によって、発酵に影響しまが、タンク式は温度を上げたり下げたり最適な環境に調整することが出来ます。
ですので、短期間で醤油を作ることが出来ます。
・コンクリートタンク
その名の通り、コンクリートで出来ている容器です。
深さがあるので、大量に仕込むことが出来ます。
ひちくちに醤油と言っても、奥が深いですね。
作る料理によって、醤油を変えてみるのも、面白いかもしれません。
では、醤油を大さじ1とした時、いったい何mlになるのかを次項でご紹介します。
醤油大さじ1は、何ml?重さで違う?
料理のレシピを見ていると、「大さじ」で表している場合や、「ml」で書かれていることがありますよね。
調味料を混ぜる時など、大さじで量るものと、mlで量るものがあり、少々面倒な時もあります。
それでは、調味料の分量について、お話します。
まず、基本的な分量表記です。
・1カップ 200cc
・大さじ1 15cc
・小さじ1 5cc
1cc=1g=1mlなので、大さじ1は15mlとなります。
しかし、この分量は水に限ります。
同じ5ccの分量でも、重さの異なる調味料では、差が出てしまいます。
では、代表的な調味料をグラムにして、それぞれ見ていきましょう。
●水・酒・酢
・1カップ 200g
・大さじ1 15g
・小さじ1 5g
●醤油・みりん・味噌
・1カップ 230g
・大さじ1 18g
・小さじ1 6g
●塩・ウスターソース
・1カップ 240g
・大さじ1 18g
・小さじ1 6g
●砂糖(上白糖)
・1カップ 130g
・大さじ1 9g
・小さじ1 3g
●グラニュー糖
・1カップ 180g
・大さじ1 12g
・小さじ1 4g
●コショウ
・1カップ 100g
・大さじ1 6g
・小さじ1 2g
●ケチャップ
・1カップ 30g
・大さじ1 15g
・小さじ1 5g
●マヨネーズ
・1カップ 190g
・大さじ1 12g
・小さじ1 4g
大さじは大さじで、mlはmlで量ろう
水は大さじ1=15mlに対し、同じ液体ですが、醤油の大さじ1は18mlと異なりました。
では、調味料以外の材料も見てみましょう。
●小麦粉(薄力粉・強力粉)
・1カップ 110g
・大さじ1 9g
・小さじ1 3g
●コーンスターチ
・1カップ 100g
・大さじ1 6g
・小さじ1 2g
●かたくり粉
・1カップ 130g
・大さじ1 9g
・小さじ1 3g
●油・バター
・1カップ 180g
・大さじ1 12g
・小さじ1 4g
●粉チーズ
・1カップ 90g
・大さじ1 6g
・小さじ1 2g
●ハチミツ・水あめ
・1カップ 280g
・大さじ1 21g
・小さじ1 7g
●牛乳
・1カップ 210g
・大さじ1 15g
・小さじ1 5g
●生クリーム
・1カップ 200g
・大さじ1 15g
・小さじ1 5g
このように、同じ大さじ1を量っても、分量を量る材料によって変わってきます。
レシピの分量が、「大さじ」である場合は大さじで量り、「ml」である場合はmlで量るのが、一番正確に料理やお菓子を作ることが出来ますよ。
調味料は全て大さじで量る簡単レシピ
それでは、しっかり大さじとmlを使い分けて、料理を作ってみましょう。
ヘルシーなのに、こっくりとした味わい。
ピリッと辛い甘辛煮レシピです。
全て大さじで量るので、簡単ですよ。
☆鶏肉の甘辛煮
【材料 2人分】
・鶏胸肉(もも肉でも可) 150g
・長ネギ 1/2~1本
◎水 50ml
◎酒 大さじ1
◎黒糖 大さじ1
◎醤油 大さじ1
◎酢 大さじ1
◎鷹の爪(小口切り) 1本分
◎生姜 適量
・ゼラチン 大さじ1
【作り方】
①鶏肉に小麦粉をまぶして、油を敷いたフライパンで、鶏肉が少し焦げ目がつくまで焼きます。
②長ネギを小口切りにして、①に加えて軽く炒めます。
③ ②に◎を加えて鶏肉に火が通るまで、中火で5~7分ほど煮込みましょう。
煮込んでいる最中に、焦げそうなら、水を少量足してくださいね。
④火を止める直前にゼラチンを入れて混ぜ合わせれば出来上がりです。
小さな子供や、辛さが苦手な方は、鷹の爪を入れなくても美味しく出来ますよ。
反対に、辛いのがお好きな方は、仕上げに七味唐辛子を振りかけても、お酒のつまみにピッタリな甘辛煮になります。
300mlのドレッシングも計量スプーンで簡単手作り
手作りドレッシングや、ハンバーグソースを、計量スプーンで、らくらく手作りしませんか?
☆和風ドレッシング
どんなサラダにも合う、万能ドレッシングのレシピです。
【材料 300ml】
・砂糖 大さじ4
・醤油 大さじ4
・ごま油 大さじ4
・すりごま 大さじ4
・アマニ油 大さじ4
・米油 大さじ4
・酢 大さじ2
【作り方】
①ドレッシングを保存するボトル容器に、全ての材料を入れてフタを閉めます。
②フタをしっかり押さえて、上下左右に振り混ぜれば出来上がりです。
少し時間を置くと、砂糖が溶けて味がまとまりますよ。
☆おろし玉ねぎソース
ハンバーグやステーキ、野菜に合う万能ソースです。
【材料 2~4人分】
・おろし玉ねぎ 大さじ3
・めんつゆ(3倍濃縮) 大さじ2
・酒 大さじ1
・みりん 大さじ1
・醤油 大さじ1/2
・砂糖 大さじ1/2
・おろしニンニク チューブで5mm位
・水 大さじ1(新玉ねぎの場合は不要)
【作り方】
耐熱容器に全ての材料を入れて、電子レンジ(600w)で1分30秒あたためれば出来上がりです。
玉ねぎの辛味を感じる場合は、再度30秒~1分程あたためてください。
美味しい料理を作るには
レシピで使う材料を正確に表すために、料理の表記が異なります。
重さで、必ずしも大さじとmlはイコールではありません。
少し面倒かもしれませんが、レシピ通りの美味しい料理を作るためには、正確に量ることも大切ですよ。