最近では、おしゃれなカフェでも雑穀米や、麦ご飯が出てくるようになりました。
麦ご飯と言えば、「押し麦」が使われることが多いですね。
その押し麦を使って、お家でも、おいしい麦ご飯を炊いてみましょう。
炊き方も水加減も難しくありません。
ぜひ、挑戦してみましょう。
「押し麦」と「もち麦」と「ハト麦」って何が違うの?
健康食ブームの昨今、玄米・雑穀米・麦ご飯などを、よく見かけるようになりましたね。
麦ご飯といっても、「押し麦」「もち麦」「ハト麦」など、いろいろな麦がありますよね。
まずは、何が違うのか、まとめました。
「押し麦」とは、実は大麦のことです。
大麦の殻をむき、実を磨いて、90℃の蒸気で蒸しあげた後、ローラーで1mmまで押しつぶしたもののことです。
押しつぶされているので、「押し麦」と呼ばれるのですね。
食べにくい大麦を、食べやすくするために処理してあります。
「もち麦」も、実は同じ大麦です。
もち麦は、大麦の殻をむいたものです。
麦の殻をむくことを、精麦と言います。
これは、米で言う精米に当たります。
押し麦と違って、押しつぶす工程がありません。
歯ごたえや食感を生かすため、メーカーによって、精麦具合が調整されています。
なので、メーカーによって、プチプチ感が強かったり、モチモチ感が強かったりします。
「ハト麦」は、名前に「麦」と入っていますが、麦ではありません。
イネ科の穀物です。
雑穀としてご飯に混ぜて炊かれたり、お茶の原料になります。
化粧水や薬に使われたりもします。
このように、押し麦ともち麦は大麦、ハト麦はイネ科の穀物ということが分かりました。
ところで、押し麦などの麦ご飯は、どうして健康食と呼ばれるのでしょう。
自宅で食べたいときは、麦ご飯の炊き方や水加減は、どのように調節すればよいのでしょうか。
驚くべき押し麦の食物繊維
健康食として扱われている押し麦ですが、実際に含まれているカロリーや栄養は、どのようになっているのでしょう。
押し麦のカロリーは、100gあたり334kcalです。
白米のカロリーが、100gあたり356kcalですから、そこまで違いがあるわけではありません。
大きな違いというと、含まれている栄養素になります。
押し麦には、いろいろな栄養素が、白米よりも多く含まれています。
▽食物繊維
水溶性食物繊維、不溶性食物繊維がバランスよく含まれています。
その含有量は、野菜の中でも食物繊維が多く含まれることで知られる、ゴボウよりも多いのです。
その量は、白米の20倍です。
特筆すべきは、βグルカンという水溶性食物繊維です。
このβグルカンは、水に溶けるとゼリー状になり、胃の中をゆっくり動きます。
ですので、糖質の吸収を緩やかにし、血糖値の急な上昇を防いでくれます。
▽カルシウム
白米の3倍程度含まれています。
▽カリウム
白米の2倍程度含まれています。
▽ビタミンB群
炭水化物や脂肪、タンパク質の代謝を促進する働きがあります。
ビタミンB群が不足すると、疲れやすくなり、ストレスなどを溜めやすくなります。
現代人は、積極的に摂取したい栄養素です。
他には、タンパク質なども豊富に含まれています。
押し麦は豊富な食物繊維を含むため、ダイエット効果も期待できます。
その炊き方や水加減は、意外と簡単です。
次項でご説明します。
押し麦の炊き方と水加減
押し麦の炊き方は難しくありませんが、水の吸収が良いため、基本的に水加減は押し麦の量に対して、2倍の量が必要になります。
押し麦のみだと食べにくいので、白米に混ぜて炊くと良いですよ。
水加減に気を付ければ、後は炊飯器のスイッチを押すだけでOKです。
4割麦ご飯の炊き方をご紹介します。
【材料 5合分】
・白米 3合
・押し麦 2合
・水 6合分
【作り方】
①白米3合を研ぎます。
通常の水加減で炊飯器にセットしましょう。
②そこに、押し麦2合を加えます。
水をさらに3合分入れ、軽く混ぜます。
③炊飯器のスイッチを入れます。
通常の白米と水+押し麦と押し麦1.5倍の水
ということになります。
この場合は、押し麦に対する水の量が1.5倍なので、少し硬めの炊き上がりになります。
柔らかい食感がお好みであれば、押し麦に対する水の量を2倍にしてください。
押し麦が2合の場合ですと、4合分の水ということになります。
押し麦の量は、お好みで調節してください。
始めは慣れないと思いますので、まずは1合の白米に対して、押し麦大さじ1杯程度から始めてみてはいかがでしょう。
炊き方と水加減が不安な人はリゾットで
押し麦は、普通のご飯と違って粘りがありませんので、チャーハンやピラフにするのもおすすめです。
パラパラなので、サラダなどのトッピングにも使えますよ。
リゾットにすれば、水加減も簡単です。
【材料】
・玉ねぎ 1/2個
・にんにく 1/2片
・ジャガイモ 1個
・オリーブオイル 適量
◎押し麦 1カップ
◎トマト缶 1/2缶
◎顆粒ブイヨン 小さじ1
◎醤油 大さじ1
◎塩 少々
◎水 400cc~適量
◎バジル・オレガノ 適量
◎ローリエ 1枚
【作り方】
①玉ねぎ、にんにくをみじん切りにします。
ジャガイモは、5mm角くらいのサイコロ切りにします。
② ①をオリーブオイルで炒めます。
③ ◎を加え、混ぜながら煮込みます。
水の量が少なくなったら、少量ずつ足していきます。
④水分がなくなってきたら、火を止め、ふたをして5分蒸らします。
押し麦の炊き方が心配な人は、このようなレシピで作ってみましょう。
押し麦のデメリットも知っておこう
押し麦の炊き方や、水加減がわかりましたね。
ここで、押し麦のデメリットについても、お伝えしておきます。
押し麦には、豊富な食物繊維が含まれていることはお話しましたね。
豊富なゆえに、食べ過ぎると体調不良を起こす可能性もあります。
▽消化不良
食物繊維は、胃の中をゆっくりと移動します。
ゆっくりなので、血糖値を上げにくいというメリットもありますが、同時に消化に時間がかかりすぎるというデメリットもあります。
消化に時間がかかりすぎてしまうと、消化器官に負担をかけることになり、その結果、消化不良や胃もたれを起こすことになります。
消化不良を感じた場合、摂取する押し麦の量を減量してみてください。
▽下痢
食物繊維は、腸内を刺激し、便通を良くしてくれるという効果があります。
ですが、摂取しすぎると、下痢を引き起こす可能性もあります。
しかし、押し麦は水溶性食物繊維・不溶性食物繊維が、バランスよく含まれているため、下痢を引き起こす原因になることはあまりありません。
下痢を引き起こした場合は、体質に合っていないという可能性もあります。
押し麦の摂取量を減量するか、もしくは押し麦を摂取しない方が良いかも知れません。
圧力鍋を使った押し麦の炊き方と水加減
もし、10割の押し麦を炊くのであれば、炊飯器でなく圧力鍋をおすすめします。
ふっくらプチプチの食感を楽しめますよ。
【材料】
・押し麦 200g
・水 540cc(3カップ)
【作り方】
①押し麦と水をボウルに入れ、冷蔵庫で一晩おきます。
しっかり、押し麦に浸水させてください。
②圧力鍋に浸水した押し麦を入れ、ふたをして、圧力を低圧に設定します。
③強火で加熱し、圧がかかってピンが上がり、蒸気が出てきたら、弱火にします。
④弱火で5分加熱し、火を止めます。
⑤そのまま放置し、圧が抜けてピンが下がったら、蒸気を排出して、ふたを開けます。
これが、ふっくらな押し麦の炊き方です。
しっかり浸水させるので、水加減も難しくありません。
しかし、浸水の時点で水分が、ほとんど吸水されているようであれば、水を足した方が良いですよ。
圧力鍋のクセもありますので、何度か炊いてみることをおすすめします。
麦ご飯で健康的な体づくり
麦ご飯は、ダイエットに最適ですが、劇的な効果があるというわけではありません。
食事に取り入れて、少しずつ体質改善をしていくことになります。
食物繊維も栄養も豊富な麦ご飯を、毎日食べることによって、健康な体を作っていきましょう。