ご飯を炊くとき、どのように炊いていますか。
炊飯器任せですよね。
もし、炊飯器がなかったら、どのようにご飯を炊くかわかりますか。
昔の人は、ご飯を炊くときの水の量を、自分の手を使って計っていました。
現代では知っている人も少なくなりましたが、知っておくと、いざという時に役立つ炊飯の知識をご紹介します。
炊飯するときの基本の水の量
いつもと気分を変えて、土鍋で炊飯したいときやキャンプなど屋外で炊飯するとき、水の量に悩んでしまいますね。
米を手で研いだ後、炊飯しようと思ったら、水の量がわからない!となったらパニックです。
いつもは炊飯器任せで、お米1合に対して、どのくらいの水の量が必要なのか知らない人は多いでしょう。
目分量で水の量を決めるのは最終手段です。
炊飯の出来栄えは、水の量に左右されます。
せっかく炊いたお米がベチャベチャだったり、芯が残って硬かったりしたら、お米ももったいないですし、ご飯も食べられなくてガッカリですよね。
まず、基本の炊飯です。
お米1:水1.2
これが一般的な白米を炊くときの基本の割合です。
計量カップすり切り1杯で、180ccです。
これがお米1合ですね。
これに対し、水の量は1~1.2が適量になるので、200cc前後ということになります。
お稲荷さんを作るときなど、少しご飯を硬めに炊きたいときもありますよね。
その場合でも、お米1:水1にとどめておきましょう。
あまり水の量を少なくしすぎると、炊きあがりがおいしくなりません。
柔らかめに炊きたい場合も、お米1:水1.2程度です。
基本の割合を忘れずに、微調整していくと、おいしいご飯が炊けますよ。
炊飯時の水の量はお米によっても変わる
水の量は、お米によっても変わります。
▽洗い米
きれいに手で研いだ後、しっかり浸水させて、吸水させておいたお米です。
お水を吸い込ませておく方が、おいしく炊飯することができます。
水の量は、お米1:水1~1.2の基本の割合でOKです。
▽無洗米
無洗米は、そのまま水を入れるだけでも炊飯できますが、2回~3回、水で軽くすすぐ人も多いようです。
このような場合は、お米1:水1.1くらいです。
▽新米
新米は、水分を多く含んでいます。
ですので、普通のお米より水の量を少し減らしたほうが、ふっくらおいしく炊けます。
お米1:水1~1.1程度です。
▽古米
収穫から時間が経ってしまったお米は、水分が抜けてしまっています。
古米を炊く際には、水を多めにします。
お米1:水1.2~1.4くらいです。
実は、お米は炊いている間だけでなく、研ぐ間にも水をたっぷりと吸います。
一番初めに触れる水をキレイな水にすると、おいしいお米を炊くことができます。
ミネラルウォーターでお米を炊くと、おいしいと言いますよね。
もし、ミネラルウォーターで炊くのはもったいないというのであれば、一番最初に研ぐときにミネラルウォーターを使用し、炊くときは普通の水道水でもOKです。
水の量を手首で計る
ここからは、計量カップさえないという人のための、昔からの知恵をお伝えします。
何も道具を持っていなくても、水の量は手で計ることもできるんです。
手で計る方法は2種類あります。
まずは手首を使った方法です。
研いだお米を鍋に入れ、お米が浸るくらいの水を入れます。
鍋を平らな場所に置いて、お米の上に手を置きます。
手首は垂直にします。
手でお米を押さないようにしてください。
手首の付け根あたりまで浸るくらい、水を入れて調整します。
これがベストな水の量です。
硬めのご飯にしたいときは、水の量を指の付け根くらいまでにしておきます。
1度、きちんと水を計量したときに、自分の手首のどれくらいまでの水の量なのかを確認しておくと良いでしょう。
この手首の場所を覚えておけば、計量カップがなくても慌てず、おいしいご飯を炊飯することができます。
手の指を使って水の量を計る
ふたつめの、手を使って水の量を計る方法は指を使います。
手首のときと同じく、まず研いだお米を鍋に入れ、平らにならし、お米が浸るくらいの水を入れます。
平らな場所に鍋を置き、人差し指を鍋に入れ、垂直に立てます。
指がお米に埋まらないよう、先端がお米に当たるくらいまで、指を入れます。
人差し指の第1関節くらいを目安にまで水を入れると、ちょうどいい水の量になります。
こちらの方法も、1度計量して指のどれくらいまでの水の量なのか、確認しておくと安心ですね。
他にも、炊飯のとき計量カップなしで水の量を計る方法があります。
重さから水の量を計る方法です。
お米は計量カップ1杯で180ccです。
これを重さに変えると、150gになります。
水の量は、これに1.2を掛けた重さになります。
水の量は180gですね。
これは覚えておくと便利です。
計量スプーンを使って、お米と水の量を計る方法もありますが、少し手間がかかります。
大さじ1杯は15mlです。
大さじ12杯で、計量カップ1杯となります。
お水の量は大さじ13杯で、おおよそ200ccです。
面倒なので、この方法でお米を計ることはないかと思いますが、覚えておけば何かに役立つかもしれません。
もっと簡単に水の量を計る
様々な水の計量方法をご紹介してきましたが、もっと簡単な方法もあります。
米びつの中や、袋の中で中途半端に余ってしまったお米を炊くとき、困りますよね。
最終手段の目分量で、お米を炊いてしまいましょう。
まず、炊飯するお米を普段通りに研いで鍋に入れます。
そして、大切な水の量です。
お米の一番上のラインから、1.5cm~2cmくらいの高さまで水を入れます。
水を入れたら、15分以上、お米に水を吸水させてください。
吸水させないと、芯が残ったご飯になってしまいます。
ふっくらと炊くために、必ず吸水させてください。
吸水させたら、いよいよご飯を炊いていきます。
最初に、鍋を火にかけたら、強火にします。
沸騰したら、弱火にし、7分~10分そのまま炊きましょう。
火を止めて5分蒸らせば、出来上がりです。
便利な世の中ですが、日本は災害の多い国です。
道具に頼るばかりでなく、毎日食べているご飯くらいは、何も見なくても炊けるようにしておくと、いざという時に役に立つことと思います。
防災の手段としての炊飯の知識
防災対策という意味でも、炊飯の知識を身に着けておくと役に立ちます。
例えば、水の使用が限られているキャンプのとき、災害で避難しているとき、炊飯器は使えません。
そのような状況でも、お米を炊飯する手段があるんです。
その方法は、ビニール袋とカセットコンロを使った方法です。
使うお米は、水を節約するために無洗米が良いでしょう。
ビニール袋を2枚用意します。
1枚は、冷凍保存できるジップロックタイプであれば最適です。
お米1合と、180cc~200ccの水の量をジップロック袋に入れ、30分ほど吸水させます。
ジップロック袋のチャックは完全に閉めないで、少し開けておきましょう。
そのジップロック袋を、さらにビニール袋に入れ、口を緩く縛ります。
それを鍋に入れます。
鍋に、茹でるための水を入れましょう。
鍋のふちまで、満水になるくらいの水の量を入れます。
カセットコンロの火力は強すぎるとビニール袋が溶けてしまうので、弱火で調節してください。
15分~20分ほど茹でると出来上がりです。
非常時には、レトルトカレーを一緒に温めると、そのままカレーライスが食べられます。
こういった知識は、1度余裕のある時に試してみると、どのように炊けるのかわかって、いざという時に慌てずに済みます。
年に1度、防災の日という日がありますので、その日はキャンプ気分で、こういった調理方法を試してみるというのも良いと思いますよ。
マメ知識として覚えておくだけで役に立つ
水の量を手で計るという方法は、おばあちゃんの知恵袋のようなものです。
知らなくても生活できますが、やはり何かあったという時には、こういった知識が役に立ちます。
お子さんと一緒に実際にやってみても良いですし、マメ知識として覚えておいても良いですね。