パンを作るに際に必要な「発酵」という手順。
細かな温度管理が必要になってくる繊細な工程です。
今ではオーブンに発酵モードなるものも発売されていて、家庭でのパン作りは楽な時代になりました。
今回は、そのパン作りに必須な発酵についてと、オススメのオーブンレンジに関してのお話です。
生地の発酵って何で必要なの?
そもそものパン作りについての発酵についてのお話です。
パンのタネ生地は小麦粉、水とイーストをメインに、その他に必要に応じて、食塩や砂糖などの副材料を混ぜて捏ねたものです。
その発酵というのは、その中のイーストや天然酵母などの、人体に有益な菌・微生物が、パン生地の中で成長・増殖することなのです。
菌や微生物の性質とは、必要な栄養と適切な水分、さらに一定の温度下という3要素で増殖することなのですが、増殖する際に菌・微生物の呼吸による炭酸ガスが発生します。
この炭酸ガスの発生によって、パン生地の内部に細かい気泡・穴が空いて、その結果、パン生地は捏ねた直後の状態の体積よりも、おおよそ1.5~2倍くらいの大きさに膨らむのです。
そうしてパン生地が膨らむことで、焼き上げたパンはふんわり・もっちりを柔らかい食感になるのです。
逆に発酵させないパン生地を混ぜ合わせて、ただ捏ねただけでいきなりオーブンで焼くと、出来上がりのパンのサイズは小さいままで、さらにガッチガチに詰まったような固いビスケットのような食感の焼き上がりになってしまい、とても食べられないパンのようなものになってしまうのです。
パン生地の発酵に適した温度と時間
では、パンに必要なイースト菌の温度についてのお話です。
菌類は温度によって、その活動が顕著に変わるので見ていきましょう。
「0〜5℃」・・・イースト菌の保存・保持に適した温度です。
「27〜30℃」・・・パン生地の一次発酵に適した温度です。
この温度下で40分~60分かけて、パン生地はうまく発酵します。
夏場は冷水、冬場はぬるま湯を利用し、パン生地がこの温度を保てるように調節していきます。
「36〜38℃」・・・成型後の二次発酵に適した温度です。
お好みの大きさに切りわけたパン生地を型づくり、さらにもう一度発酵させます。
この二次発酵の適温が、36〜38℃です。
一次発酵では27〜30℃でしたが、二次発酵のこの温度帯では、30~40分ぐらいで発酵します。
この際、あまり高温になりすぎないよう注意しましょう。
「60℃以上」・・・60度以上になると、イースト菌は完全に働かなくなります。
死滅ということです。
温めたオーブンの中にパン生地を入れ、パン生地の内部が60℃以上になってくると、そこでパンの大きさは固定されます。
発酵の温度管理ができるオーブン①
では、パン作りに便利なオーブンのご紹介をします。
『シャープ 過熱水蒸気オーブンレンジ RE-SS10D』
これからパン作りを始ようと思っている方にオススメなのが、この『シャープの過熱水蒸気オーブンレンジ』です。
パン作りを始めてみたい人には、どのオーブンレンジを選べば良いか難しい問題だと思います。
このオーブンレンジはパン作りに、とても便利な2段タイプのオーブンです。
2段オーブンなら、当然ながら1段オーブンよりも多くのパンが焼けるので、後々本格的なパン作りになってきても十分対応できますね。
このシャープの過熱水蒸気オーブンレンジでのパン焼成では、焼きムラがほとんど出ないという評判も多いので、初心者さんでも、だれでも満足のいくパンを焼き上げることができます。
温度管理も発酵も上手く調節できるのも便利なオーブンです。
発酵の温度管理ができるオーブン②
『日立 過熱水蒸気オーブンレンジ ベーカリーレンジ ヘルシーシェフ MRO-SBK1』
これも簡単にパン作りができるオススメな1台です。
これ1台で捏ねから焼成までやってくれるという、手軽にパンを作るには、もってこいのオーブンです。
パンを作るのって想像以上に手間がかかるもので、材料を捏ねてからパン生地を作って、そこからの一次発酵、さらに二次発酵等の段階作業を考えると、その完成・焼き上がりまで意外と時間がかかるのです。
しかし、このヘルシーシェフなら、なんと付属専用容器にパンの材料を入れてセッティングするだけで、生地を捏ねて発酵から焼き上がりまでワンタッチで可能です。
また、プレーンの食パンだけじゃなく、レーズンやくるみなどの色々な具材を入れたアレンジパンも作れちゃいます。
さらにさらにすごいのが、例えば翌朝に出来立てのパンが焼き上がっちゃうという、予約機能があるという点です。
前日の夜に作りたいパンの材料を専用容器に入れて予約時間を設定するだけで、翌朝にはパンが完成しているので、優雅に出来立てのパンを食べることができてしまうのです。
「朝はパン派」には、とってもありがたい機能ですね。
このヘルシーシェフは熱風式のオーブン加熱で、そのパンもしっとりもちもちの焼き上がり・仕上がりになります。
とても便利で美味しい。
発酵の温度管理ができるオーブン③
『東芝 過熱水蒸気オーブンレンジ 石窯ドーム ER-PD7000』
初心者を脱して本格的なパン作りをするのなら、この「東芝 過熱水蒸気オーブンレンジ石窯ドーム」が勧められます。
現家庭用オーブンの中では、業界最高温度となる350℃を出せることが可能で、この高温度を上手く使ってオーブンレンジでパン・ピザなどを焼くと、まるで石窯で焼いたような本格派の仕上がりになるオーブンです。
350℃という高温でありながら、予熱も早く、さらに一気に焼き上げることになるので、まさに「外はカリッと香ばしく、中はふんわりもちもち」の専門店のようなパンを焼くことが可能です。
パン生地を作る・捏ねるといった、比較的楽しい作業までは自分でやって、時間や管理の手間がかかる発酵と焼きをこの石窯ドーム簡単にやってくれるので、パン作りがとても気楽になりますね。
本格的なパン作りではなく、単にパン作りを簡単にしたいというときも、「らくらくベーカリーメニュー」というのがあるので、初心者でも使い勝手がとてもいいです。
簡単なパンから本格派パンまで、様々なジャンルのパンに対応できるので、どんな方にもオススメできるオーブンです。
オーブンに発酵機能がない場合
では、オーブンに発酵機能がない場合の発酵作業についてもご紹介していきます。
まずは一次発酵から
・捏ねたパン生地をボールに入れます。
このボールは透明だと見やすくて、なお良しです。
さらにそのボールよりも、ひと回り大きいボールを用意し、そこに27〜30℃くらいのぬるま湯を入れで、そこにパン生地を入れたボールを浮かべます。
その全体にラップをして、保温目的で、さらにタオルなどを被せてください。
また、定期的にお湯の温度を確認するようにしましょう。
お次は二次発酵について
・天板に一次発酵後の成形したパン生地を置きます
もしくは型があれば、型に入れて成形してしまいましょう。
発泡スチロールや段ボールなど、断熱できる素材を用意して、内部の温度が30~37℃になるように、お湯や電気アンカ、湯たんぽなどの保温できるものを一緒に入れましょう。
定期的に温度計で温度確認するのを忘れずにしてくださいね。
また、生地に被せるものについてですが、油脂の少ない生地のときにはキャンバス布と濡れ布巾を被せるようにして、反対に油脂の多い生地の場合には、ラップと濡れ布巾を被せて保護・乾燥しないようにしてください。
発酵の際は温度管理が大変ですが、冒頭に書いた通り、とても重要な作業なので、手間を惜しまないようにしましょうね。
まとめ 発酵を頑張ろう
さて色々とパン作り・発酵・温度・オーブンについてお話してきましたが、ご参考になりましたでしょうか?
現在では、無発酵パンというものもあり、その展開は日進月歩です。
お米とならび、主食としての立場を確立しているパンです。
ご家庭でもパン作りをしてみて、さらに身近に感じるもの面白いと思います。