近年の健康意識の高まりから、玄米食を心がけている方も増えましたね。
節約するために、お米を玄米のまま、まとめ買いし、ご自分で精米されている方も多いと思います。
大量に保存してある玄米にカビが発生してしまったら、がっかりしてしまいますよね。
玄米や、白米のカビを防ぐのに効果的な保存方法を知りましょう。
玄米にカビ!?精米して食べる?
・本当にカビか確認
玄米でも精米したお米でもカビが生えることがあります。
単に酸化して色が変わっているかもしれないので、カビかどうかをよく確認しましょう。
“玄米 カビ”で画像検索すると、玄米のカビの画像や写真などが見れますので、これを参考に確認してください。
・カビの原因は?
米は乾燥しているようですが、実際は水分が含まれており、押入れの中など保存状態が悪ければカビが生えます。
・カビは有毒か?
カビは毒と考えがちですが、食品に生えるカビの多くは、人間にとってほぼ無害といっていいです。
たとえばチーズなどカビですが、食べています。
万が一カビの生えた玄米を食べてしまっても、体に影響があることは少ないでしょう。
・食中毒を起こす可能性も
そうはいっても、お腹を壊したり食中毒を起こすこともあるので、チーズのような食用は別にして、カビを食べることはしない方がよいです。
カビは発がん性のものもあるということも言われていますので、カビに気付いたら食べないほうがいいでしょう。
カビが生えると臭いがして、味も落ちて美味しくなくなります。
玄米が劣化する原因って?少量なら冷蔵庫保存が効果的
・お米の長期保存方法
玄米でも精米したお米でも、鮮度と美味しさを保ったまま長期間保存するにはどうしたらよいのでしょう。
お米が劣化する要因は、呼吸、酸化、虫、カビ、乾燥、臭い移りなどです。
大量のお米を長期保存する場合には、長期保存の方法と、長期保存明けの方法、5~10キロ程度のお米の1~2週間の保存方法とセットで考えるとよいでしょう。
正しい方法でせっかく1年間保存しても、開封して食べきるまでの2週間の間にお米が悪くなってしまったのでは、がっかりしますね。
・冷蔵庫での保存は?
お米の保存方法では、冷蔵庫やその野菜室で保管する方法がよく知られています。
冷蔵庫の温度は3℃程度、野菜室でも5℃程度ですので、玄米の呼吸、白米の酸化、防虫にはかなり効果があります。
冷蔵庫の中では、お米が乾燥しすぎることもあり、また臭いの強い食材があると臭い移りをすることもあるので、タッパー、米びつ、ペットボトルなど、密封容器に入れて保管するのが理想的です。
しかし冷蔵庫では、大量に保存できません。
長期保存明けのお米、5~10キロ程度であれば何とか入れられますが、数十キロや数百キロのお米を冷蔵庫に入れることはできません。
そのため冷蔵庫と密封容器を使用してお米を保存するのは、食べる直前のお米に限って行うことになります。
大量の保管でないならば、冷蔵庫はとてもよい保管道具です。
精米前の玄米の保存方法!香辛料と真空パック保存を考える
精米前の玄米の保存方法にはどんなものがあるでしょう。
よく市販されているトウガラシや鷹の爪は、防虫の効果があります。
しかし防虫以外には効果がありません。
冷蔵庫に保管が難しい場合には、短期保管に使用するのは良いですが、長期保存は難しいです。
お米を専用の袋に入れて、中の空気を抜いて真空パックにして保管する方法は、かなり有効です。
カビ、乾燥、臭い移りなどほぼ防止でき、外部からの虫も防ぐことができます。
しかし家庭で行う真空パックでは、お米の隙間に残った空気までは取り除けません。
そのため呼吸と酸化が、中の酸素がある間は続きます。
また虫がすでに混入していると、その虫が死ぬことはないので、かえって面倒になります。
何よりも、真空パックの使用には手間がかかり過ぎます。
お米を専用の袋に移し、中の空気を抜いて、完全に密封するという作業を、米を買う度にするのは相当に面倒なことです。
お米は主食で、量も多いので保存作業も頻繁で、かつ面倒では、なかなか定着は難しいかもしれません。
カビを防ぐ!精米前の玄米は無酸素保存がオススメ
精米前の玄米を長期保存する場合、無酸素保存がオススメです。
お米を専用の袋に入れ、空気に含まれる「酸素」だけを除去するのです。
無酸素保存を行うと、呼吸、酸化、虫、カビ、乾燥、臭い移りのすべてのことがが解決します。
すばらしいのは、無酸素状態(酸素濃度0.1%以下)ではカビの発生が抑制され、14日間この状態を続ければ虫の卵も成虫も死滅することです。
密封できる袋か容器にお米を入れ、脱酸素剤(エージレスや使い捨てカイロなど)を中に入れて、完全密封すれば完了です。
脱酸素剤が中の酸素をすべて吸収してくれるので、そのまま放置するだけです。
脱酸素されたお米は、半年から1年以上の新鮮な状態で保存することができます。
大量のお米は無酸素保存をし、食べる時に冷蔵庫で保管する、というのが理想的です。
お米は「買う→保存する→古い物から食べる→食べたら買う→保存する」の繰り返しのため、保存方法が面倒であったりコストがかさむと長続きしません。
そこでここで紹介した無酸素保存は、お米の劣化の要因をほとんど除去し、しかも安く、簡単で、常温で行うことができる優れた保存方法と言えるのです。
玄米のカビも防ぐ無酸素保存の方法と仕組み
精米前の玄米の長期保存には無酸素保存がオススメだと説明しました。
無酸素保存は、呼吸、酸化、虫、カビ、乾燥、臭い移りなどを解決できるからです。
では、実際無酸素保存をするにはどうしたらよいのでしょう。
【用意するもの】
・保存するお米(玄米か無洗米が良いです)
・ガスバリア袋(酸素が遮断できる袋)
・脱酸素剤(エージレス、使い捨てカイロなど)
【やり方】
簡単で、以下のステップです。
1)お米を、ガスバリア袋に入れます。
2)ガスバリア袋の中に脱酸素剤を入れます。
3)ガスバリア袋の口を閉じます。
4)食べるまで放置しておきます。
これだけで半年~1年以上、お米を美味しい状態で長期保管できるのです。
酸素を除去して無酸素状態とするのは「脱酸素剤」です。
脱酸素剤は、周囲の酸素が無くなるまで酸素を吸収し続け、酸素が無くなると吸収をやめます。
このとき非常に重要なのは密封する袋の性能です。
普通のビニール袋やジッパー付き袋では、完全密封するのが難しいのです。
そのためお米と脱酸素剤を入れる袋は、酸素をほとんど通さない「ガスバリア袋」を使用する必要があるのです。
玄米の無酸素保存!ガスバリア袋の口を閉じる方法って?
精米前の玄米の長期保存に適した無酸素保存は、呼吸、酸化、虫、カビ、乾燥、臭い移りなどを解決することを説明しました。
では、無酸素保存するためのガスバリア袋の口を閉じる方法はどうしたらよいのでしょう。
ガスバリア袋を使用する場合、口をしっかりと閉じなければ不十分です。
袋自身は空気(酸素)を遮断していますが、口をしっかりと閉じなければ何の意味もありません。
袋の口を閉じる方法は無酸素保存の鍵なのです。
まず確実な方法は、家庭用のヒートシーラーを用いて熱で口を圧着させる方法です。
真空パック機やヒートシールクリップなどを用いて、袋の口を熱で溶かして止めることができます。
ただしヒートシーラーは熱で圧着するため、お米を取り出す時には、袋をハサミで切る必要があるため、袋の再利用ができずコストがかかりかつ面倒です。
コストがかかり面倒であるというのは、お米の保存においては致命的です。
次にクリップで口を閉じる方法です。
クリップで閉じる時、止めるのにコツや力が必要でやや面倒です。
そうすると酸素遮断性能のチャック付きガスバリアチャック袋を使用するのがベストだと言えます。
ツーッと袋を閉じるだけなので、簡単で再使用もできます。
玄米のカビは食中毒の危険も!長期保存には無酸素保存が良い
玄米にカビが発生したときは、できるだけ食べないようにしましょう。
精米しても臭いが残る可能性がありますし、食中毒を起こすかもしれません。
オススメの保存方法は冷蔵庫保存、無酸素保存です。
少量なら冷蔵庫保存、量が多いなら無酸素保存が効果的です。
無酸素保存と聞くと、難しいように感じるかもしれませんが、意外と簡単なのでぜひ試してみてください。