和食を作る時に良く使う調味料は、醤油やお味噌ですよね。
あと、忘れてはいけない調味料が、みりんです。
みりんはコクを出したり、照りを付けたりと、調理に重要な役割を果たしてくれます。
そんなみりんを、うっかりきらしてしまって無い!と焦った事はありませんか?
そんな時は、台所にある身近なもので代用してみましょう。
今回は、はちみつや白ワインで、みりんの代用が可能なのかお話ししていきます。
本みりんについて
料理に甘味をプラスしたい時にはちみつやみりんを使いますが、本みりんとはそもそも何なのでしょうか。
本みりんはもともと、もち米、米麹、焼酎を原料に仕込み、40~60日間ほど時間をかけて作られた調味料です。
焼酎の代用として別のアルコールが使われる場合もあります。
熟成させている間に、米麹中の酵素の働きによってもち米のデンプンやたんぱく質が糖化し、様々な糖類やアミノ酸、有機酸、香気成分等が作られ、やさしい甘味や複雑な旨みを含んだ本みりんが出来上がります。
生成された糖類であるグルコースやイソマルトース、オリゴ糖等が甘味を生み出し、アミノ酸であるグルタミン酸、ロイシン、アスパラギン酸等は旨み成分を出しています。
その他乳酸、クエン酸、ピログルタミン酸等の有機酸や、香気成分であるフェルラ酸エチル、フェニル酢酸エチル等が複雑な風味を生み出しているのです。
本みりんと似た風味を持つ調味料に、「みりん風調味料」と「発酵調味料」があります。これらは本みりんとは作り方や原料に違いがあり、一般的に本みりんよりも安い価格で販売されています。
みりん風調味料はアルコールが含まれていない点が大きく異なります。
発酵調味料にはアルコールは含まれていますが、さらに塩分も加えられています。
ですから本みりんとは調理効果がそれぞれ異なるため、それを考慮して使い方や加える量の調整を考える必要があるのです。
間違っても、これらを本当のみりんだとは思わないでください。
本みりんの調理効果とは?
本みりんを使う効果としては、まず味付けに関して、甘味と旨味をプラスするという2つが挙げられます。
砂糖やはちみつの甘味よりも奥深い甘味になります。
というのも砂糖はショ糖という二糖類が主な成分ですが、みりんの糖類はブドウ糖やオリゴ糖等複数から成っており、まろやかで品のある甘さを料理に与えることができるのです。
また、アミノ酸や有機酸等の様々な成分が複雑に混ざり合うことで、旨味と深いコクを生みだしてくれます。
3つ目の効果は、みりんに含まれるアルコール分が食材に味を浸透しやすくなるということです。
その際に風味を与える分子も浸透していき、その後温められたアルコールは蒸発し、旨味や甘味だけが残るのです。
熱が加わってアルコールが蒸発する時に、アルコールとともに魚や肉の臭みも飛んでいくというのが4つ目の効果です。
肉や魚の生臭さを消すことができるのです。
見た目にも2つの効果があります。
まず、みりんの糖分やアルコールが食材に染み込むと、その組織を引き締める効果を発揮するため、煮崩れを防ぎ見た目を美しく作り上げることができます。
また、糖類を中心とした甘味成分は、熱が加わることによって膜を作りだし、それが照りやツヤとなって美味しそうな見た目を演出してくれるのです。
砂糖と酒で代用して照りをつけることもできますが、かなりの量が必要となるので、味付けを工夫しなければ美味しく仕上がらないかもしれません。
みりんの代用品には、はちみつは使えるの?
みりんが無い場合に代わりとなる調味料はあるのでしょうか。
よく代用されるものといえば、日本酒と砂糖、もしくは日本酒とはちみつといった使い方でしょう。
日本酒がみりんに含まれる米麹とアルコールの役割を補い、砂糖やはちみつが甘味を生み出す糖類の役割を果たしてくれます。
みりんに比べると照り感は控えめですが、風味は近づけることができます。
大体みりん大さじ1に対して、日本酒が大さじ1、砂糖が小さじ1、はちみつが小さじ3分の2くらいです。
はちみつは砂糖よりも糖度が高いため、量は少なめで十分です。
さらにはちみつは低カロリーで甘味も優しいので、料理をまろやかに仕上げてくれる効果もあり、重宝する素材です。
様々な料理で活躍してくれるので、砂糖の代わりにはちみつを使うようにしてみると料理の腕も上がるかもしれません。
もう1つ、みりんの代用品としてコーラが挙げられます。
原料にカラメルが含まれているので、照りを出すことができます。
鶏の手羽のコーラ煮や豚肉のスペアリブにもコーラを使うようですから、意外と使いやすいものなのかもしれません。
海外などでみりんの入手が難しい時等にコーラを使って煮物を作るということもできそうですね。
みりんの代用として使えるはちみつの栄養効果とは?
みりんの甘さの代用としてはちみつを使うことができますが、はちみつは栄養豊富で健康にも役立つ食品なのです。
はちみつの魅力の1つが、カロリーの低さです。
白砂糖が100g当たり384kcalであるのに対して、はちみつは294kcalです。
さらには食後の血糖値の上昇を穏やかにしてくれる効果のある低GIのはちみつも存在し、健康を管理する上で重宝しますね。
はちみつは、みつばちが集めた花蜜であるショ糖が体の中の酵素でブドウ糖と果糖に分解されてできるため、はちみつには複数の糖分が混ざり、絶妙な甘さが生み出されます。
はちみつ特有のとろみも優しい甘さを作り出しており、白砂糖の約半量で同程度の甘さを感じることができます。
また、はちみつのブドウ糖や果糖は単糖類であるため、体への吸収が早く、すぐにエネルギーとして代謝されるという特徴があります。
特にブドウ糖は食後約20分で吸収されるため胃腸への負担も少ないですし、脳へのエネルギー源としても役立ちます。
脳のエネルギー源となるのは唯一ブドウ糖だけなのです。
そして果糖はブドウ糖よりは吸収に時間がかかりますので、ブドウ糖のエネルギー代謝が終わった後にも果糖がエネルギー源として働いてくれるのです。
糖類の他にも、はちみつには多くのビタミン類やミネラル、アミノ酸、有機酸、酵素、ボリフェノールなど様々な栄養が豊富に含まれており、非常に優れた食品です。
はちみつを選ぶ際の注意点
みりんの代用としても使え、かつ栄養面でも優れているはちみつですが、熱に弱いという弱点があります。
熱が加わるとビタミン類や酵素が壊れ、香りも落ちてしまいます。
もともと殺菌力も強い食品ですから、加熱処理をしなくても衛生上問題はないのですが、販売されているはちみつには過熱処理されているものが多く、そうでないはちみつを見分けるのは難しいです。
最も高品質な【純粋はちみつ】を見分けるポイントは4つあります。
まず、加熱処理されていないはちみつは透き通っていません。
花粉等が含まれ濁っています。
そして酵素が生きているため、瓶の中ではちみつの発酵が起こり細かい泡が立っています。
また、はちみつは本来温度が下がると結晶化して固くなる性質があることも覚えておくとよいでしょう。
販売業者が「全国はちみつ公正取引委員会」に加入していていれば、本物の純粋はちみつには公正取引マークがついています。
純粋はちみつの他に非加熱はちみつや生はちみつなどと表記されていることもあるので、しっかり確認してから手に取りましょう。
とても優良な食品のはちみつですが、稀にボツリヌス菌の芽胞が混入している場合があるため、1歳未満の乳幼児に食べさせてはいけません。
大人の消化器官内は酸性に保たれているため発芽しませんが、 抵抗力が弱く消化器官が未発達な新生児では、乳児ボツリヌス症を発症させる恐れがあるためです。
みりんの代用は、はちみつ以外に白ワインも可能?白ワインの健康効果は?
みりんの代用として日本酒の代わりに白ワインを使うこともできます。
みりん大さじ1に対して、白ワイン大さじ1と砂糖小さじ2分の1~1の量です。
砂糖の代わりに先ほど魅力を紹介したはちみつでもいいですね。
白ワインにはぶどうの糖質が含まれているため、白ワインの種類によって砂糖やはちみつの量を調節して下さい。
白ワインの健康効果とはどのようなものでしょうか。
まずは白ワインに含まれる有機酸が腸内を弱酸性に保ってくれるため、悪玉菌が殺され腸内環境を整えてくれます。
そのため便秘解消に効果があります。
これは有機酸をもつお酢やリンゴ酢等でも得られる効果です。
有機酸には消毒効果もあり、同じく消毒成分であるアルコールとともに働き、非常に高い消毒作用を発揮してくれます。
そのため、生ものを食べる時のお供は白ワインが良いと言われているのです。
また、白ワインに含まれる大量のカリウムが利尿作用を促進するため、体内の余計な水分や老廃物が排出されデトックス効果があります。
これにより新陳代謝が活発になることでむくみ解消やダイエットに効果的です。
便秘解消と整腸作用によって、栄養の吸収がスムーズになることもダイエットにつながると考えられます。
余計なナトリウムの排出により、血圧が下がる効果も期待できます。
そして白ワインのポリフェノールはカルシウムの吸収を高め血行を促進してくれるため、冷え性改善にも役立ちます。
また、肌の新陳代謝を高め、シミやシワ、ニキビなどの肌トラブルの味方にもなるでしょう。
みりんの代用は特別なものでなくてもできる!
いかがでしたか。
みりんの代用は、特別なものではなく、身近にあるもので意外と簡単にできるのですね。
それが純粋はちみつだったら、体に良いと言われる健康効果も期待できていいでしょう。
もし、みりんが無くなって困った時は是非試してみて下さい。