味噌の味や色の違いは熟成に要する期間によって変わるの?

味噌は発酵食品としておなじみです。

発酵といえば、何年も寝かせるイメージがあります。

いったい、味噌はどのくらいの期間熟成するのでしょうか?

また、赤味噌、白味噌、無添加など種類によっても違うのでしょうか?

熟成について詳しくお話します。

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味噌の種類は熟成期間によって分かれる

味噌の原料は、「大豆・麹・食塩」と、基本的にはこの3種類です。

この3つの原料が、なぜあの茶色いペースト状に変化するのでしょうか。

それは、味噌が熟成をするからです。

そして、赤味噌や白味噌、色の違いは、熟成の期間の違いです。

まず、熟成について、味噌の作り方をみていきましょう。

・大豆を蒸すか茹で、潰したものに麹、食塩を入れます。

・麹の発酵で成分は分解され、デンプンはブドウ糖を、タンパク質はアミノ酸を生成します。

・発酵を促し味をよくするために、6ヶ月の間熟成をします。

熟成の期間によって、味は変わります。

大豆の粒が、発酵を経てペースト状になり、香りや色が変化するのです。

熟成期間が短ければ、色の白い、白味噌ができます。

反対に長ければ、色の濃い赤味噌ができます。

次項からは、白味噌とデンプン、赤味噌のタンパク質の関係をご説明します。

味噌の味の方向性を決める熟成について、見ていきましょう。

白味噌は熟成期間が短い

白味噌といえば、関西が有名ですね。

そして、冬には白味噌を入れて雑煮を作ります。

この、「関西・冬」という2の環境が、味噌の熟成期間の短さに影響を及ぼしているのです。

通常は、温度管理がしやすい冬から6ヶ月間味噌を仕込みます。

ところが、関西地方は東日本ほどに冬の期間は長くありません。

冬の間で、2ヶ月間前後の短期間で熟成を終えていたのです。

熟成が短いと、味噌は大豆そのままの白色です。

味噌が褐色化する(茶色くなる)メイラード現象が起きないためです。

熟成が短いと、麹がまだたくさん生きています。

発酵はデンプン、タンパク質、アミノ酸の順に分解されます。

麹がたくさんあるということは、アミノ酸の分解で発酵が止まっている状態です。

麹の作用が活発な状態で、デンプンの甘みが感じられます。

そして、品質安定のための食塩をあまり使わないため、穏やかでやさしい味です。

色が白く甘みがある上品な白味噌は、京料理に使いやすいです。

京料理といえば、素材を生かしたあっさりとした味です。

そのため、塩辛い赤味噌よりも重宝されています。

そして、野菜の美しい色を活かすために、さらに味噌の色を白くしました。

褐色化を抑えるために、大豆を茹でてタンパク質が流れやすくしています。

味噌が褐色化しないように熟成期間も大幅に短縮し、当初の2ヶ月間から、2週間程にまで減らしたのです。

熟成期間を長くすると赤味噌になる

赤味噌の特長は、白味噌とほぼ逆です。

東日本では赤味噌が好まれますが、冬が長く、製造環境も適しています。

通常、熟成期間は6ヶ月です。

色が濃く、塩がしっかりと効いています。

麹の作用による甘みはほぼなくなり、代わりに大豆の旨味を活かした味になります。

関西という土地では、熟成期間のほかに、昔の食文化が白味噌に影響していました。

そして、東日本でも昔の食文化が赤味噌に影響を及ぼしていたのです。

東日本は冬に作物が育ちにくく、食糧が不足していました。

タンパク質を含む大豆製品は貴重な食糧だったのです。

なるべく長期間保存がきくように、味噌や醤油などに熟成させたのです。

味噌を長期間熟成すると、味噌は褐色化します。

これが先程述べた、タンパク質の褐色化、メイラード現象です。

デンプンの甘みはなくなり、アミノ酸、タンパク質が豊富です。

このようにタンパク質を多く含んだ赤味噌は、東日本では重宝されました。

塩辛いのは、長期間の保存で腐らないように、食塩を多く入れるためです。

また、赤味噌の凝縮した味は、旨味のもとであるアミノ酸が多いからです。

長期熟成した味噌の特徴とは?

期間の長さは、色の違いだけではありません。

メーカーや酒蔵が作りたい味噌によっても変わります。

味噌には、長期熟成という熟成方法があります。

一般的な味噌の熟成期間は6ヶ月であるのに対して、1年以上の熟成期間を指します。

味噌の旨味は、大豆が持つタンパク質を酵母が分解するアミノ酸によるものです。

タンパク質の分解は、強い作用をもつ酵母でさえも長い期間を要するのです。

1年以上かけて酵母がしっかり作用した味噌は、6ヶ月の味噌とはまた違った深い味わいです。

そして、長期熟成味噌は無添加のものが多いです。

「無添加〇年熟成」と、商品パッケージに書かれています。

そして、裏面の原材料名は、「大豆、麹、食塩」の3種類のみです。

熟成期間が長ければ旨味を足す添加物を入れなくても、おいしい味噌が作れるからです。

長期熟成の味噌は、乳酸菌や酵母の数が多いです。

栄養も多いですが、特筆すべきは味です。

乳酸菌のほのかな酸味が、味に深みを出しています。

旨味も酸味もバランスよく含み、これが味に奥行きを出しているのです。

期間が1年、3年と長期に渡るほど、奥深い味の味噌になります。

幅広い料理で活躍する短期熟成の味噌

長期熟成とは逆に速醸法という熟成があります。

その名の通り、味噌を早い期間で熟成させます。

早くて、1ヶ月の熟成で味噌が出来上がるのです。

作り方は以下の通りです。

・加温熟成

「温醸」ともいいます。

室温を温めて、発酵を人工的に促進します。

・発酵促進剤

大豆ペプチドや酵母エキスを添加して、発酵を人工的に促進します。

また、アミノ酸液を入れて、長期醸造でしか出せない旨味を味噌に入れます。

このようにして熟成期間を短縮することが出来ます。

野菜作りで例えると、ハウス栽培で肥料を使うような環境です。

かつては、味噌づくりには最低でも半年の期間が必要でしたが、今では速醸法のおかげで、スーパーでいつでも買えるようになりました。

戦後の食糧不足に対応するために、速醸法は確立しました。

大量生産できるようになったので、値段も手頃になったのです。

速醸法で作った味噌は、熟成期間の長いものに比べると、シンプルな味です。

味噌汁だけではなく、味噌炒め、汁物の鍋やラーメンに幅広く使いやすいです。

野菜の素材の味を引き出しつつ、まろやかな味になります。

そして、出汁入り、減塩など速醸法ならではの味噌があります。

長期熟成の味噌は、無添加が基本なので、このような商品は作れません。

手作り味噌の熟成期間

最後は、手作り味噌の熟成期間です。

手作り味噌の熟成期間は、長期熟成と速醸法の間、一般的な6ヶ月が目安です。

ただし、これはあくまで一般的な話です。

手作り味噌は、熟成期間を調整して自分好みの味にすることができます。

3ヶ月、6ヶ月、2年それぞれの熟成期間の味噌の仕上がりを見てみましょう。

・3ヶ月

麹の熟成が十分に進んでいません。

大豆は潰した状態のままで、ペースト状になっていません。

味も大豆そのままです。

・6ヶ月

ペースト状になりつつも、程よく粒が残っています。

米麹の働きが活発で、デンプンの甘みがあります。

見た目も味も味噌そのものです。

・2年

熟成によるメイラード現象が進み、濃い茶色です。

麹の作用はアルコールに分解されています。

甘みが弱くなり、酸味が少し感じられます。

香りは一番しっかりとしています。

このように、味噌の味は熟成期間によって全く違います。

6ヶ月の熟成期間をおいた味噌は普段使いにして、少し分けたのもを長期熟成する作り方もおすすめです。

熟成期間の違いを知って使い分けましょう

赤味噌、白味噌、無添加や自家製の熟成期間についてご紹介しました。

昔からの食文化が現代にも根付いていることに、発酵食の歴史を感じます。

また、塩分や賞味期限の違いを知れば、種類やサイズ選びに参考になりますね。

買い物や手作りするときに、ぜひ参考にしてください。